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暗い冬の日、ひとりの少女が父親と霧の立ちこめるロンドンの寄宿制女学校にたどり着いた。少女セーラは最愛の父親と離れることを悲しむが、校長のミス・ミンチンは裕福な子女の入学を手放しで喜ぶ。ある日、父親が全財産を失い亡くなったという知らせが入る。孤児となったセーラは、召使いとしてこき使われるようになるが……。苦境に負けない少女を描く永遠の名作、待望の新訳!
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Posted by ブクログ
幼い頃に、漫画版を読んだことがあった。以来大好きなストーリーだったが、小説として読んだことが無いことに気が付き、手に取った。 昔感銘を受けたセーラの気高さと気品は、未だに私の心を力強く捉えた。私の精神の指針が、ここにあると思う。セーラのような過酷な目に遭ったことは幸いにして無いが、落ち込んだ時、進め...続きを読むなくなりそうな時、私の側にはずっと、セーラが教えてくれた黄金の精神があるのだと思い出した。 いつまでも大切にしたい物語だ。
主人公のセーラ・クルーは環境の変化により、自分の立場や身なりが 異なるものになっても『心』までをそれに染められず、 気品と気高さを無くさず振る舞う、精神力の強さを印象づけます。 逆にセーラの周囲のキャラクターは、子どもはともかく、 大人まで自分の態度をブレブレで変化させる不安定さで、 俗世の人々の...続きを読む移ろいやすい心との対比がなされています。 相手の立場によって態度を変えることの卑しさは、作品を通して 俯瞰的に見れば良くないこととして映りますが、 自分たち一般人も無意識のうちに同じことをしていないでしょうか? 立場の弱い相手に対して高圧的に振る舞う姿も、 お金持ちのワガママにおべっかを使う姿も、 ここで描かれている醜い人間模様となんら変わりはありません。 小公女の存在を高めているのは、必ずしもお金などの財産を 持つからではなく、立場の弱い使用人や、今日食べるものにも 困る乞食に対しても態度を変えず、使用人としての忙しい生活の中でも 勉学に勤しみ、自らを高めようとする小公女としての心を持つ者としての 振る舞いがあってこそ、そこに自然と幸運が集まってくる。 ここが作者様のメッセージなのだと思います。 仮にセーラが作中でインドの紳士と会えない未来があったとしても、 彼女はミンチン女学院の枠におさまるだけでなく、 必ずなにがしかの成功をおさめることでしょう。 小金持ちの成金を夢見るのもいいですが、どうせ生きるなら すこしでも小公女の心を宿してみたいものですね。
読む前は「女の子は誰でもプリンセス」みたいなふわふわした主人公だと思っていたから、その心の強さと聡明さに驚いた。心が強いと言っても、ひもじさや辛さを空想で逸らしたり、自分がプリンセスだったらと思い込むことで悪口を言い返したり、やり返したりせずに毅然として生きようとしている様子は、セーラが強いのではな...続きを読むくて強くあろうとした生き様のようなものだと思った。
実のところ『小公女』は子供の頃から目をそらしていた。大金持ちのお嬢様が寄宿学校に入り、特別扱いされているとまもなく父親が亡くなったと知らされ突如召使へと降格されいじめを受ける••• 最後はハッピーエンドでも、この部分が嫌で何十年も避けていた。バーネットさんごめんなさい。 ここへ来て一気に3冊購入した...続きを読むので1冊目として新潮社を選び読み始める。 原題は『A Little Princess』。この“プリンセス”という言葉の意味が子供の頃には分かっていなかった。ドレスを着てキラキラしている人は皆“お姫様”でひとくくりにしていた。読んでみると、ここが肝なのだと実感。 読み始めは本当に10歳前後?と思うほど大人びたセーラの言動に違和感をもちつつ、さらに「乞食」と連呼される事もぐっと乗り越え、さらに読み進めると中盤からページをめくる手がどんどん早くなる。“プリンセス”というキーワードが全てだと分かってくる。『ボロは着てても心は錦』という言葉があるがまさにこれで、常に自分はプリンセス(王族のお姫様)だと思い込み、自分をいじめる料理人にも礼節をつくす。狭い屋根裏も本当は素敵な部屋なのだと想像し、ネズミやスズメをお友達にする事で自分を貶める事なくいじわるなミンチン先生を苛立たせる。 欧米での考え方で、自分より貧しい物に施すのは高貴な者の勤め•••というのがあるけれど、自分の持つ物を最大限に人に施す。それはお金というわけではなく、楽しいお話しであったり本当は食べたくて仕方ない焼きたてのパンであったり、小さい人に勉強を教える事であったりする。 聖書に貧しいやもめの話がある。やもめの女性がわずかなお金を献金するところを見ていたイエスは「あの人は誰よりも多く献金した。それが彼女の全財産だからだ」という。こういう考え方が根付いてるのかなと感じる。 結局はそういう善行の全てがセーラの人生を良い方向に変えていくことになる。 そんな完全無欠のようなセーラも時に隠れて大泣きし、八つ当たりしたりする所があり、実はほっとする。 長々と書いてしまったけど、まとめると“面白かった”のですw ただ大好きな『小公子』とはだいぶ違い、なんか深かったように思う。 薄い本だけど、読み応えがあった。それと、私はセーラにはなれそうもないという事を思ってたw 前述の通り、他にも小公女は持っているので訳に対する感想を書いておくと、とても読みやすいが、あまりお嬢様言葉などは出てこない。が、とても高潔なセーラでした。
子どもの頃世界名作劇場をちらっと観てとても印象に残り、原作を読んだ本。ミンチン先生や料理長の壮絶なイジメに耐え、心の醜い同級生に嘲られても、自分をプリンセスと信じ清く貴い心を忘れないセーラが立派すぎて眩しい。隣人のかけた魔法や乞食の少女にぶどうパンを恵んであげるシーンが印象的。 訳者が大人向けと...続きを読むして翻訳したとあるとおり、大人にこそ手に取ってほしい一冊。優しさに満ち溢れていて、とても心が温かくなる。こんな小説、もう現代では書かれないし書けないのでは。 酒井駒子さん画のセーラもイメージぴったりでとても愛らしい。
恥ずかしながら世界の名作と知らず、手に取るか最後まで迷い、ついに読み始めたが瞬く間にセーラの虜になり、一気に読み終えてしまった。 GW中世界の名作を中心に読んでいたが自分の中で1番のヒットがこの「小公女」になった。 いつまでもポジティブに、どんな逆境をも小さい身体で乗り越えながら、自分が王女の気持ち...続きを読むでいることを決して忘れない強い心の持ち主。 お金が有る無しでなく、セーラのポジティブさ、強く優しい心、人を分け隔てなく接する包容力、王女の気品を常に持ち続ける想像力の高さに圧倒。 読んで本当に良かった。 「王女様だったらどうするかしら?」 イギリスの暗くはいいろの空が、最後には…。 最後一文の終わり方もとても素敵だった。
父を亡くして孤児になった少女が、生徒だった学園で働きながら暮らしていく様を表現。 手のひらを返すという用語が、ぴったりの学園の対応。 逆境にもめげない主人公。 最後は、父の知人からの遺産の授与で幸せになる物語。 ps. 川端靖成が翻訳にかかわっていることを、角川書店版で知りました。
中学生の時、眠たい数学の時間に電子辞書で書見。 今まで読んできた中で一番好きな本かもしれない。 たぶん50回は読んだと思う。 セーラのような人間になりたいと常に思う。 どんな境遇にあっても拗ねず、腐らず、人に優しい人間である。これがとても難しい。 この本で教えられたことが私の基礎になっている。
小学生の頃、「小公子」と「小公女」を続けて読んで感動し、「小公女」の方が良かったと思ったことだけ覚えていて内容は忘れていた。境遇が反転したのに矜持を持って生活を送る少女に誰もが応援の声をあげたくなる。今なお児童に読んでほしい書である。2018.6.29
もう何回読んだかわからない、大好きな作品。いろいろな人の翻訳と挿絵で幼い頃からずっと読んできました。辛い時や苦しい時に思い出したり読み返したりしながら一緒に育ってきた親友のような存在の作品です。 今回のこの本も丁寧に訳されていて好きです。
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小公女
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フランシス・ホジソン・バーネット
畔柳和代
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