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叔母のサンセヴェリーナ公爵夫人やその愛人で公国の宰相モスカ伯爵、クレリアらの助けでファブリスは脱獄に成功した。だが愛する人への想いに駆られ、自ら牢獄へ戻る。やがて政争の果てに新大公が誕生、放免されたファブリスは聖職者となるが……。恋に、政治に、宮廷に生きる人々の情熱的な姿を鮮やかに描き、ルネサンス期のイタリアを愛したスタンダールの晩年を代表する名作。
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Posted by ブクログ
下巻(第二巻)は、主人公(ファブリス)と、恋人(クレリア)の恋愛劇を中心に、甥のファブリスへの献身的な愛情を注ぐジーナの策略に、公国内の政治的権謀術数が絡んで「これぞ小説の醍醐味」とも言うべきおもしろさを堪能できる。
下巻に至って、いよいよファブリスとクレリアの純愛か、叔母のサンセヴェリーナ公爵夫人の盲愛・偏愛によるファブリスの不幸か、となります。 貴族ファブリスは恋のつまらないさや当てで、旅芸人の男を殺してしまい、当時(17~18世紀)のイタリア公国は「お手打ち」はおとがめなしなのだが、専制君子の大公の虫の...続きを読む居所によって、ファルネーゼ塔という監獄にいれられてしまったのでした。 美魔女とでもいうのでしょうか、宮廷の男性という男性を惹きつけてやまない貴族の娘のジーナ叔母(サンセヴェリーナ公爵夫人)は政治的手腕も長けていて、おまけにモスカ伯爵というもっと辣腕の大臣を巻き込み、監獄からファブリスを助け出すというが良かれと、あらゆる手を尽くすのです。 でもそれは「いらんこと」でした。獄舎の監視将軍の純真で魅力的な娘クレリアにひとめぼれ、浮気なファブリスも「これぞ真なる恋」と開眼。 しかし、叔母もクレリアも愛するファブリスのために他者と結婚するという、スタンダール・ワールドの流れ、手に汗握る展開が続き、大団円で終わります。 と、さもあっさりと書きましたが、恋の駆け引き、宮廷政治の陰謀やら、当時の小公国専制政治のあらましなど、読むのに苦戦したところもありました。 昔読んだ中央公論社「世界の文学」の『パルムの僧院』がわかりにくかった記憶があったので、この新潮文庫改版はわかりやすくなっているのかな、と思っていましたが、何のことはない同じ大岡昇平氏訳だったのでした。つまり、この文庫の初版を見ると、昭和26年(1946年)に訳されているのですね。道理で監獄の塔の高さが尺や寸で表されていますもん、感覚わかりませんけどね。でも、さすがスタンダール研究者の作家の珠玉の翻訳には違いない、とは思います。
下巻から面白くなった。不幸を知らずバカだった主人公は、望みが叶わずに苦しむことで成長…は多分していない。相変わらず自分のことだけ。 おばさんの公爵夫人と恋人の伯爵が良い脇役だけど、主人公カップルは幼稚な印象。
上・下巻あわせて800ページに及ぶ大作。 舞台は18世紀イタリア。 学生の頃愛読した本です。 確か赤い表紙の世界文学全集の一冊でした。
愛が狂気に変わっていく様がありありと見えて恐ろしい。この作品の中の真の主人公は公爵夫人だと思う。意志を持った女性は強いなと思わされる。 一言でまとめるなら、世代違いの叶わない恋に身をやつした女性の物語。でも、それがかわいそうだとも思えない所にこの物語の魅力がある。むしろ女性の末恐ろしさを感じさせる...続きを読む。。 てゆーかクレリア…「純粋すぎるけど可愛いっ絶対最後幸せになってね(*´∀`*)」て思ってたのに、、ラストでショック受けた。 私の胸の高鳴り返して( ´Д`) 最後の10ページは私にとっては不要です・゜・(つД`)・゜・ ファブリスのどうしようもなさが最後に垣間見えたのは個人的には良かった。そんなもんだわさ。
・何で牢獄に戻っちゃうかなぁ、ファブリス。 ・手は血塗れ、片方の肩を脱臼して、そして多くの人に助けてもらって脱獄したのに。 ・服役中にかわしたクレリアとの僅かなやり取りは、それは確かに恋する者の情熱を駆り立てるだろうけれど。 ・「顔を見ない」という誓いを守りつつも逢瀬を重ねているクレリアは、自分の気...続きを読む持ちに素直になったのだろうか。
下巻に入ってやっと運命の女性クレリアと巡り会う主人公ファブリス。その恋は成就することなく囚われの身となるが。フランス人であるスタンダールがルネサンス期のイタリアを舞台にして、なぜこの作品を書いたのか。よく分からないまま物語は終焉を迎える。なんだろう。その時代、宮廷政治という奇怪な状況、その中での純愛...続きを読むというものが理解しにくいのは確かである。この作品が名作と呼ばれる理由はなんだろう?
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