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砂糖問屋橘屋から十両が消えた。奉公人の持ち物改めの末、手代の文吉が疑われて店を追われた。おりから市中を騒がせていた盗賊、“隼小僧”が捕まり、橘屋の件もその仕業と判明したのだが、紋蔵には合点がいかないものがある。表題作「隼小僧異聞」を始め8編を収録する窓際同心居眠り紋蔵シリーズ第2弾!!
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Posted by ブクログ
紋蔵に難問の仕事が次々と任される。 紋蔵の人柄を知る上司や元締めらが影から助ける。 人探しから、大名の借金まで今回も控えめながら大活躍。
目次 ・落ちた玉いくつウ ・沢瀉文様(おもだかもんよう)べっ甲蒔絵櫛(まきえぐし) ・紋蔵の初手柄 ・罪作り ・積善の家 ・隼小僧異聞 ・島帰り ・女心と秋の空 5人の子供のうち、一人は嫁に行き、一人は婿養子に行ったため、少し寂しくなった紋蔵家。←展開早っ 時と場所を問わず寝てしまう奇病のせいで...続きを読む出世もままならない紋蔵だが、今回はいくつかのお手柄が続き、いよいよ出世コースに乗るかと思われたが。 何も考えずに法律に照らして処置すれば問題はない。 けれどそれは、誰かを幸せにするだろうか? 悪人だけが得をしていないだろうか? こういうことを考えて、悲しい事件の被害者のような犯人を見逃したりするから紋蔵は出世できない。 こういう人情的解決は割と時代小説には多いけど。 好きなのは「積善の家」。 ”思えば、役所に勤めはじめてからの三十年。一つとして碌なことがなかった。捨吉はつきというが、なに積善の家の余慶が、まとめて訪れてきただけなのだ。けっしてつきなどではない。 なにか開き直るような気持ちで、紋蔵はそう考えた。” 誰に評価されるわけではなくても、実直に仕事を続けてきた。 つまり、そういうことだ。
物書同心居眠り紋蔵シリーズ第二巻。 居眠りという奇病を持ち窓際族の紋蔵だが、どこか毅然とした風格があります。法に照らせば問題だが人情的には許したい、そういった事件を窓際という自分の立場を上手く利用して解決(真相を知りつつもウヤムヤに)していきます。その為に出世も出来ないのですが
・落ちた玉いくつウ ・沢瀉文様べっ甲蒔絵櫛 ・紋蔵の初手柄 ・罪作り ・積善の家 ・隼小僧異聞 ・島帰り ・女心と秋の空 手柄を立てたり、助けられなかったことを失敗したりと普通の人と同じように失敗したり後悔したりしながらの日常の中で長女の縁談がまとまったり役が変わったりと少しずつ変化していく。一つ...続きを読む一つの出来事の積み重ねて昨日から今日、今日から明日へと着実に生きている生活感のある進み具合がとても良い。
やる気があるのか無いのか、それでも厄介事が紋蔵へ舞い込んでしまう。白黒はっきりさせることが最良ではないという解決の仕方に、現実を感じます。紋蔵の立場だからそれが許されるのかもしれませんね。
匿名
積善の家 「思えば、役所に勤めはじめてからの三十年。一つとして碌なことがなかった。捨吉はつきというが、なに積善の家の余慶が、まとめて訪れてきただけなのだ。」 積善の家 (易経の言葉 善行を積み重ねた家には、その報いとして、必ず幸せが訪れる。) この言葉がとても心に響く。
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物書同心居眠り紋蔵
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佐藤雅美
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