作品一覧 2021/12/08更新 多島斗志之裏ベスト1クリスマス黙示録 試し読み フォロー 海賊モア船長の憂鬱 試し読み フォロー 感傷コンパス 試し読み フォロー 黒百合 試し読み フォロー 少年たちのおだやかな日々 〈新装版〉 試し読み フォロー 症例A 試し読み フォロー 追憶列車 試し読み フォロー 離愁 試し読み フォロー 1~8件目 / 8件<<<1・・・・・・・・・>>> 多島斗志之の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 黒百合 多島斗志之 14才の少年少女のひと夏の恋物語…と思いきや伏線とミスリードだらけですっかり騙されました。 二本立ての映画を観た感じ。 多島作品は初めて。ほかも読んでみたいな。でもこの作品が最後なんですね。失踪されてるって知って、また驚きました。 Posted by ブクログ 黒百合 多島斗志之 昭和27年、戦争が終わりサンフランシスコ平和条約が結ばれた年の夏。「私」こと寺元進は14歳の夏休みを父の友人である浅木氏の別荘がある六甲で送ることになる。そこで出会った浅木氏の息子・一彦と地元の事業家の娘・香との交流、中学生の男女の淡い恋模様の始まり。 文芸+ミステリということでイニシエーションラ...続きを読むブのようにミステリであることを作品内で示さない作品ですね。 <六甲の女王>を相田真千子に<車掌>を日登美の夫に誤認させるようなプロット。正直、六甲の女王についてはミスリードの為にだけ存在する人物であまり好みではない手法だが本作は示された人物内で犯人を推理するような形式でもないので許容範囲。両者が別人である伏線も細やかで素晴らしいね。 どうやら浅木真千子と日登美の関係は続いているらしい。少なくとも日登美の方は夫に冷めてるのに加え、木の玩具が部屋にあったことがそれを匂わせてる。ここがおそらく本作のタイトルである黒百合という蠱惑的なタイトルに掛かっているのだろう。香にプレゼントされた純潔でストレートな白百合に対して、どこかミステリアスで歪曲されたような黒百合な恋が裏で展開されたことが示唆されているのだと思う。 Posted by ブクログ 症例A 多島斗志之 ながっ 医学系は大好き分野だからかもだけど 最後まで、とても面白く読ませていただきました 今までちょっと難しい分野も読んできたこともあるけど 多島さんの作品が一番分かりやすかった あんまり勉強してきてない私でもすべて理解して読めました 精神科医の榊と、博物館の学芸部員瑤子と、舞台が二つにわかれ...続きを読むており ほぼ交互に進行していき読みやすかった もちろん、最後のネタばらしはしないけど 博物館の過去の秘密のところはフィクションとはわかっていてもすごく壮大でロマンチックだと思った 榊先生の、もっと下品な(?)男子チックなところがもうちょっと見たかった(笑) Posted by ブクログ 症例A 多島斗志之 由起の多重人格の描き方が手に汗握るものがあった 本当の精神病院の一幕を切り取ったような、そんなリアルさのある小説だった そして、それは膨大な参考文献によるものなのだと巻末の参考資料を見てわかった 都博の美術品が果たして贋作なのか、亜佐美は治るのか、気になるところはあるが、読後の満足感のある作品だった Posted by ブクログ 黒百合 多島斗志之 信頼できる読書家さんの感想を以前に読み、またある時行きつけの書店でもずらりと棚に並べられた推し作品になっていたこともあり、ずっと読みたかった一冊。 いや、みごとに騙されました。途中で見抜けたと思いこみいい気になって読んでいたら、最後まさかの事実関係の語りから真相の絵がすべて鮮やかに浮かび上がった時に...続きを読むは「うわぁ」と声を上げてしまった。幾重にも広がる人間関係が持った接点でこんなことができるとは。登場する女性達それぞれに意味深な雰囲気があること、語りの3人がそれぞれうまく役割を果たしていること-戦後の14才の夏を振り返ってその時の心情のママのように語る男性、WWII直前のベルリン出張中のビジネスマン、太平洋戦争中の女学生との「ママゴトのような交際」を語る電車の運転手-。特に少年の視点の語りが大部を占めるためか、ミステリのようで青春小説のような不思議な世界にもなっている。単調ながら綺麗で品を失わない文章も魅力的だった。本作脱稿後行方不明となったとのことだが、著者には是非もっと多くの作品を描いて欲しかった。 Posted by ブクログ 多島斗志之のレビューをもっと見る