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私はもう、あなたなしでは歩けない。単なる友だちだけれど。 海と山に囲まれた吹上町で、ミミは霊媒師の美鈴に出会った。 母親により痛めつけられた美鈴に、ある日妊娠が発覚し──。 傷と再生、欲と本質、自然の力を描き切った傑作長編、堂々完結。 読むとそれだけで心の底にたまり、後からじわじわと効いてくるタイプの作品ではないかと思う。──吉本ばなな
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Posted by ブクログ
いきなり完結編を読んでしまった! 三分の一くらい読み進んで、なんとなくストーリーがつかめてきて、読み終わったときは、心が温かくなった。 傷つき疲れた心を癒やす、人との繋がりがとてもよかった。 絶対、1話から読み直したい! 2023.2.17に再読した。 一話から読んで、やっと話しが繋がった! やっ...続きを読むぱり、順番に読むのをお勧め。 親に虐待を受けて傷ついた美鈴が、 妊娠して、親と同じことをするかも、という不安。読んでいて辛かった。 ミモザが生まれて、本当に嬉しい! 命の誕生のエネルギーが弱った人の心に希望を与える気がする。
墓守くんはミミにとってこういう存在だったんだ 登場人物それぞれのあり方、傷との付き合い方は今、そしてこれからの参考書みたい キレイな話 お伽噺を侮ってはいけない 時間は流れるのではなく積み重なっていく 一瞬、一瞬を生きている なにかを守り育て豊かにするものと 何かを傷つけ、恐れさせ、破壊する...続きを読むもの なぜその両方があるのか 分からない 私達はどのようにも生きることができると思い出させてくれる
この、新しい生命の誕生する第四話だけが前回借りられずお預けになっていたのだけれど やっと読めた! あとがきにあるように、現実世界で中島さんが亡くなってからの文章はこの世の幻想やちっぽけさ、果樹園においても、明るい中でも真意に迫るものばかり。吹上町がどこかにある事を思うと、わたしも日常を緩やかに和やか...続きを読むに大切に過ごせる気がしました
世界での居場所がわからなくなったりしたら読み返そう。ここにある世界の成り立ち…知覚もできぬ次元の狭間に我らは偶然いるだけ…ってのは、キングも春樹もジョナサン・キャロルもダイアナ・ウィン・ジョーンズも書いてるけど、その通りだから。 あと、「屋外に長くいると…外にいさえしたら何かしら自然の要素が助けてく...続きを読むれ」るというのも真実だ。だから最近、私は外にばっかりいたいのだ。 いつもありがとう、ばなな先生。
その闇には悲しみや怒りなんていう情報もない。ただすごい質量で存在している。そこを人間は感じるべきではあるけれでも、理解することはありえない。なんて制限された、なんて小さい私たちなんだろう!アリンコと一緒だよ。なんで女王を守ってるのかもわからないで、ひたすらに何かを運んで一生を終えていく。 見ること...続きを読むができるものもやりがいと感じられるものもすごく小さくて限られていて、それでも私たち、愚かにもそのあてにならないもののために、動いて行くんだよ。この体を使って。そしてアリだからって儚く小さいとは限らない。以外に意識は無限の中にいるかもしれない。 ここで どきっとしました。
一種独特の雰囲気を持った小説であった。吉本作品はあまり多く読んではいない小生から感想を記す資格など無いと思うが本書の後半の独白部分は著者の独り言のように感じながら読み終えた。
最終巻。娘のミモザの誕生とともにすっかり普通の人間になった美鈴。この小説でまさか『きさらぎ駅』が出てくるとは思わなかったけど、何となく言いたいことは分かる。常に移り変わる人の世ではついていけなくなった人達は置き去りにされる。そんな残酷な世界でも生きていくと決めたんだなと思う。
手に取ったら、第四話だったけど、多分読めると思ってトライしてみた。 不思議な世界で生きる、関係ある人との繋がり、 思い、でも異世界には行きたくない。 そんな心情が伝わってきた。 ばなな さんの作品読むの久しぶりだけど、不思議な感覚満載。
最終話とのことで楽しみだったが、だらだらとして退屈だった。 世界のどこかでひっそりとだが自然に任せた清らかなエネルギー、例えば墓守くんの花束の様に、例えばコダマさんの作るアイスの様に、例えばお母さんの作るお弁当の様に、例えばこだちの作る洋服の様に、エネルギーを発生させることによって、波紋の様に良い...続きを読む波動が世界に広がって行く。 吹上はどうも今でも異世界にある様だが、如月駅の例えがちゃんと分かっているかどうか自信が持てなかった。 ばななさんは宇宙の法則や思考を何かヒントにして欲しい様だが、小説としてのドラマに織り込んで欲しかった。 まるで私の苦手な実用書を読んでいるかの様で上滑りしてしまった。 『ミモザ』として一冊に区切る必要があったのかなぁ。 最後の方で 『男性とつきあってもあまり続かず、母と妹と妹のだんなの家に居候同然で暮らしている欠陥人間なのに』 とあり、「欠陥人間」という表現にも違和感を覚えた。
美鈴に赤ちゃんができ、墓守くんも喜び、吹上町の存在にもミミとコダマの間でしっくりくるイメージができる。 この哲学的な考察に満ちた物語も決着を見たようで、この先は平穏な毎日とミモザの成長を祈るばかりだ。
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