作品一覧

  • ああ、ウィリアム!
    4.0
    1巻2,970円 (税込)
    作家ルーシー・バートンの前夫ウィリアムは、71歳にして人生の荒波に翻弄されている。彼の亡母ゆかりの土地を訪ねる旅に同行することになったルーシーは、結婚生活を振り返りながら、これまでの人生に思いをめぐらせる。『私の名前はルーシー・バートン』姉妹篇
  • ここから世界が始まる―トルーマン・カポーティ初期短篇集―(新潮文庫)
    4.1
    1巻605円 (税込)
    差別の激しい土地に生まれ、同性愛者として長じ、「八歳で作家になった」と豪語したという天才はデビュー前から天才だった。ニューヨーク公共図書館が秘蔵する貴重な未刊行作品を厳選した14篇。ホームレス、老女、淋しい子どもなど、社会の外縁にいる者に共感し、仄暗い祝祭へと昇華させるさまは、作家自身の波乱の生涯を予感させる。明晰な声によって物語を彫琢する手腕の原点を堪能できる選集。(解説・村上春樹)
  • 私の名前はルーシー・バートン
    4.4
    1巻1,056円 (税込)
    長期入院中の30代の作家の元へ、ずっと疎遠だった母が見舞いに訪れる。他愛ない会話から繊細な感情が描き出される。解説/江國香織
  • この道の先に、いつもの赤毛
    4.1
    1巻3,190円 (税込)
    ボルティモア郊外でコンピューターの出張修理をしながら、一人暮らす40代のマイカ。人付き合いを避け、決まった日課を堅持し平穏に過ごす彼の元を、マイカの息子だと名乗る青年が訪れ──孤独な中年男性のやり直しを、タイラー独特のユーモアを交えて描く長篇
  • 語りなおしシェイクスピア2 リア王 ダンバー メディア王の悲劇
    3.5
    1巻2,673円 (税込)
    あの「リア王」が、現代のメディア王に。巨大な企業王国をめぐる三人の娘の忠誠と裏切り。テレビ局や新聞社を傘下に収めるメディア王ダンバーは、会社の乗っとりを狙う娘たちによって療養所に入れられるも、脱走。末娘だけが父の身を案じて捜索にのりだすが…。父親から虐待を受け、クスリと酒におぼれた自らの体験を基にイギリス上流階級の腐敗を描き続ける作家が、強烈で横暴な父親「リア王」を語りなおす。解説・河合祥一郎。
  • デイジー・ミラー(新潮文庫)
    3.2
    1巻506円 (税込)
    青年はレマン湖畔の美しい町で運命の美女デイジーと出会い、一目で恋に落ちる。その奔放なふるまいは、保守的で狭量な人々からは嫌われていたが、青年は彼女のあとを追うようにして、マラリアの猖獗するローマへと向かう。婚約者と思しき男を紹介され、さらに翻弄されるが、二人の恋路は思いもしない衝撃的な結末を迎えるのだった――。ジェイムズの名声を高めた傑作中編、待望の新訳版。
  • オリーヴ・キタリッジ、ふたたび
    4.1
    1巻2,970円 (税込)
    癖があり頑固だが、ときにやさしく勇敢なオリーヴ・キタリッジ。老境を迎えた彼女の日々と、海岸沿いの町クロズビーの隣人たちの悲喜こもごもをつづった傑作ぞろいの13篇を収録。ピュリッツァー賞を受賞した傑作『オリーヴ・キタリッジの生活』11年ぶりの続篇
  • 何があってもおかしくない
    4.4
    1巻2,530円 (税込)
    生まれ育った田舎町を離れて、都会で作家として名をなしたルーシー・バートン。17年ぶりに帰郷することになった彼女と、その周囲の人々を描いた短篇9篇を収録。卓越した短篇集に与えられるストーリー賞を受賞した、ピュリッツァー賞作家ストラウトの最新作!
  • 変わったタイプ
    3.6
    1巻2,640円 (税込)
    月旅行を目指す高校からの四人組。西部戦線帰還兵のクリスマス。変わり者の億万長者とその忠実な秘書。男と別れたばかりの女がつい買ったタイプライター。ボウリングでセレブに上り詰めた男――。「良きアメリカの優しさとユーモアにあふれる短篇集」と各紙で賞賛された、人生のひとコマをオムニバス映画のように紡ぐ17の物語。
  • ねじの回転(新潮文庫)
    3.8
    1巻539円 (税込)
    イギリス郊外に静かに佇む古い貴族屋敷に、両親と死別し身を寄せている眉目秀麗な兄と妹。物語の語り手である若い女「私」は二人の伯父に家庭教師として雇われた。私は兄妹を悪の世界に引きずりこもうとする幽霊を目撃するのだが、幽霊はほかの誰にも見られることがない。本当に幽霊は存在するのか? 私こそ幽霊なのではないのか? 精緻で耽美な謎が謎を呼ぶ、現代のホラー小説の先駆的な名著。
  • アッシャー家の崩壊/黄金虫
    3.4
    1巻913円 (税込)
    陰鬱な屋敷に旧友を訪ねた私。神経を病み衰弱した友と過ごすうち恐るべき事件が起こる……ホラーの傑作「アッシャー家の崩壊」「ライジーア」、催眠術が奇怪な現象を引き起こす「ヴァルデマー氏の死の真相」、自然の驚異を臨場感豊かに描く「大渦巻への下降」、文学的テイスト溢れる「群衆の人」、名探偵デュパンの推理が冴える「盗まれた手紙」、暗号解読と宝探しが楽しい「黄金虫」、詩「大鴉」「アナベル・リー」を収録。
  • 賢者の贈りもの―O・ヘンリー傑作選I―
    3.9
    1~3巻539~572円 (税込)
    デラはおんぼろカウチに身を投げて泣いていた。明日はクリスマスというのに手元にはわずか1ドル87セント。これでは愛する夫ジムに何の贈りものもできない。デラは苦肉の策を思いつき実行するが、ジムもまた、妻のために一大決心をしていた――。若い夫婦のすれ違いが招いた奇跡を描く表題作ほか、ユーモラスな「赤い酋長の身代金」「千ドル」など、選り抜きの傑作を集めた新訳版。
  • 翻訳の秘密――翻訳小説を「書く」ために
    3.5
    1巻1,320円 (税込)
    翻訳者だからわかる、ほんとうは言いたくない、翻訳の秘密。 アーサー・ゴールデン『さゆり』(文藝春秋)では京都弁を見事に使いこなして訳出し、 ジュンパ・ラヒリ『停電の夜に』(新潮社クレスト・ブックス)を大ベストセラーに押し上げ、 最近はポーやフィッツジェラルドの新訳にも果敢に挑戦する名翻訳者がこっそり教える「翻訳の秘密」。
  • 緋文字
    4.0
    1巻1,254円 (税込)
    17世紀ニューイングランド、幼子をかき抱いて刑台に立った女の胸に付けられた「A」の文字。子供の父親の名を明かさないヘスター・プリンを、若き教区牧師と謎の医師が見守っていた。不倫の罪を背負いながらも毅然と生きる女、罪悪感に苛まれ衰弱していく牧師、復讐心に燃えて二人に執着する医師――各々の罪を抱えた三つの魂が交わるとき、緋文時の秘密が明らかに! アメリカ文学屈指の名作登場。(『THE SCARLET LETTER』改題)
  • 老人と海
    3.8
    1巻627円 (税込)
    初訳から60年、まったく新しい「老人」の誕生! 数カ月続く不漁のため周囲から同情の視線を向けられながらも、独りで舟を出し、獲物を待つ老サンチャゴ。やがて巨大なカジキが仕掛けに食らいつき、3日にわたる壮絶な闘いが始まる……。原文を仔細に検討することによって、従来の活劇調の翻訳とは違う「老人」像が浮かび上がる! 決して屈服しない男の力強い姿と哀愁を描いたヘミングウェイ文学の最高傑作。
  • バージェス家の出来事
    4.5
    1巻2,750円 (税込)
    やり手の企業弁護士ジム。ばかにされながらもジムを慕う、温厚な弟ボブ。ニューヨークで暮らす二人のもとに、ある日、故郷のメイン州に残ったボブの双子スーザンから電話がかかってきた。スーザンは一人息子ザックが事件を起こしたと言い、助けを求める。久しぶりに生まれ育った町に帰ることになるジムとボブ。しかしそれをきっかけに、三人きょうだいの固まり切った関係は根底から揺るぎはじめる。/掲出の書影は底本のものです
  • 黒猫/モルグ街の殺人
    3.8
    1巻473円 (税込)
    暖炉に押し込められた令嬢、身体を切り裂かれた老婦人……誰が、いかにして殺したのか? 推理小説が一般的になる半世紀も前に、不可能犯罪に挑戦する世界最初の探偵・デュパンを世に出した「モルグ街の殺人」。160年の時を経て、いまなお色褪せない映像的恐怖を描き出した「黒猫」など、代表的8篇。多才を謳われながら不遇のうちにその生涯を閉じた、ポーの魅力を堪能できる短編集。
  • アウルクリーク橋の出来事/豹の眼
    3.3
    1巻671円 (税込)
    ある男が橋の上で絞首刑になろうとしていた。足元の板が外され川に落ちた彼が、敵の銃弾を逃れてたどり着いたところとは(「アウルクリーク橋の出来事」)? 森に住む女が恋人からの求婚を頑なに拒んだ理由とは(「豹の眼」)? 『悪魔の辞典』の著者として有名なビアスは、苛烈な南北戦争や長男の決闘死といった自らの経験をもベースに、ひたすら「死」を描き続けた短篇の名手でもあった。その代表的な14篇を収録。
  • グレート・ギャッツビー
    3.9
    1巻715円 (税込)
    絢爛豪華な邸宅に贅沢な車を持ち、夜ごと盛大なパーティを開く男ギャッツビーが、ここまで富を築き上げてきたのはすべて、かつての恋人を取り戻すためだった。だが、異常なまでのその一途な愛は、やがて悲劇を招く。過去は取り返せると信じて夢に賭け、そして砕けた男の物語。リアルな人物造形によってギャッツビーの意外な真実の姿が見えてくる新訳!
  • 若者はみな悲しい
    3.6
    1巻770円 (税込)
    理想の女性を追いつづける男の哀しみを描く「冬の夢」。わがままな妻が大人へと成長する「調停人」。親たちの見栄と自尊心が交錯する「子どもパーティ」など、本邦初訳4篇を含む9篇を収録。アメリカが最も輝いていた1920年代を代表する作家フィッツジェラルドが、若者と、かつて若者だった大人たちを鮮やかに描きだした珠玉の自選短編集。
  • 最後のひと葉―O・ヘンリー傑作選II―

    Posted by ブクログ

    優しくもほろ苦く、時に苦い気持ちにもなるO・ヘンリーの短編集第二弾。
    表題作含め、1冊目よりビターなお話が揃っている印象を受けた。

    特に好きなお話
    「金銭の神・恋の天使」石鹸会社で巨万の富を築いた男と、その息子が恋する相手とのなれそめのお話。粋なオチが最高!!好きだぁぁぁ!
    「心と手」オチが最高。読み返したらニヤニヤしちゃう。
    「更生の再生」(旧訳「よみがえった改心」)ジミーも好きだし、ベンー!!ルパン味があって最高。→
    今回はハピエンじゃないお話も多くて、物語としては面白いんだけどなかなかビターな感じ。
    「ブラックジャックの契約人」や「ある都市のレポート」あたりは、仕方ないんだけど、やる

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    2024年05月23日
  • 何があってもおかしくない

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    『私の名前はルーシー・バートン』の対になる続編。あちらが故郷を捨てる話なら、こちらは故郷に留まる人たちの話。17年ぶりに故郷に帰ってきたルーシーに、姉のヴィッキーが劣等感をぶつける話「妹」がよかった。「ルーシー・バートン」でルーシーが感じた博愛的、やや自己陶酔的な優しさに、ヴィッキーは容赦なく冷や水を浴びせる。「人生なんてのは、こんなもん」は別の話のセリフだけど、「こんなもん」の人生の尊さをストラウトは上手に描くなあと思う。何度も描かれるトウモロコシ畑と大豆畑の描写が、日本人の私にはエキゾチックだった。

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    2024年05月23日
  • 何があってもおかしくない

    Posted by ブクログ

    ストラウトの作品の中で最も好きな小説となった。
    今まで読んだ本のベスト10にも入りそう。
    なんて作家なんだろう!エリザベス・ストラウト。
    ストラウトを好きな全ての人と語りたい気分になるほど。

    まず、「標識」がいい。
    いきなり持って行かれた。

    それから、「妹」。
    これは、また。
    口紅をしたヴィッキー…。

    ルーシー・バートンとその兄姉は、いわゆる「虐待」を受けていた兄妹なのだった。(3冊のルーシー本の中で、これを最後に読んだのだけれど)その影はずっとルーシーを語る上で欠かせないものではあった。でもそれをルーシーはとうに乗り越えて今の自分がいるわけで、具体的にどんなことが過去にあったのか、この

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    2024年05月20日
  • 賢者の贈りもの―O・ヘンリー傑作選I―

    Posted by ブクログ

    優しい眼差しのお話が16編収録された短編集。
    どのお話も登場人物たちがチャーミングで、作者のキャラクターたちへの愛を感じる一冊。とにかく好き。
    オチが秀逸なのもさすが。→

    特に好きなお話は

    春はアラカルト(とにかくかわいい!)
    二十年後(上手いよなぁ)
    水車のある教会(切なくてラストが良き!)
    千ドル(ジリアン良き)
    緑のドア(世界観がたまらない&オチ最高!)
    赤い酋長の身代金(がんばれビル!笑)
    この世は相身互い(これ、最高じゃない?)


    巻末の翻訳者さんのあとがきがまたいいんだよなぁ。
    私がO・ヘンリーが好きな理由を言語化してくれている感じがした。

    新潮文庫の「名作新訳コレクショ

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    2024年04月25日
  • 私の名前はルーシー・バートン

    Posted by ブクログ

    エリザベス・ストラウトにやられてしまって(笑)、中毒状態になっている。
    なんですか、この魅力!

    時を経て書かれた続編なのに、「ああ、ウィリアム」との整合性が見事。ストラウトの小説はどれも断片の組み合わせで全体が描かれているのだが、一冊だけでなく、続編も含めて一つの世界の小さなパズルを埋めていくような描き方。
    こんな書き方ができる人は他には思い当たらない。
    続編を描くことで、世界が広がる描き方をする作家はいると思う。
    けれど、ストラウトの小説は、隙間が埋められていく感じだ。そんなに計算して書いてないようにみえるのだが、なぜこの人がこの時こんなことをしたのか、続編でなるほどと膝を打つような瞬間が

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    2024年04月21日

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