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あの「リア王」が、現代のメディア王に。巨大な企業王国をめぐる三人の娘の忠誠と裏切り。テレビ局や新聞社を傘下に収めるメディア王ダンバーは、会社の乗っとりを狙う娘たちによって療養所に入れられるも、脱走。末娘だけが父の身を案じて捜索にのりだすが…。父親から虐待を受け、クスリと酒におぼれた自らの体験を基にイギリス上流階級の腐敗を描き続ける作家が、強烈で横暴な父親「リア王」を語りなおす。解説・河合祥一郎。
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Posted by ブクログ
さすがシェークスピアの悲劇。救いが無い。先に読んだ本と設定同じなのに、むしろ娘を可愛い盛りに亡くす方が酷いのに、リア王の方が業が深いのかしら。途中でせっかく心入れ替えたのに、結局娘失うし。殺したいほど恨まれるような金も権力もいらないから、てっぺん掴みたい気持ちがさっぱりわかんない。それにしてもほんと...続きを読むになんで物語に出てくる上の子はろくでもないのか。
現代作家は、超有名「リア王」をどうするのか。 「リア王」を戦国時代に変換した黒澤明監督映画「乱」では、億かけて作った城を燃やすシーンや鬼気迫る仲代達也の演技が、今も語り継がれる。 この物語では、現代でのメディア王ダンパーが娘たちの謀略により精神治療の病院へ「幽閉」された後から始まり、ダンパーの脱...続きを読む走、娘たちの追跡、関連する人物たちの思惑などが、株主総会までの数週間に繰り広げられている。 原作では強烈な国王として君臨したリア王が、一代で大企業を築き上げたカリスマ経営者となり、老いて権力を子供に譲るときの未練と傲慢さがゆえに、怒り、裏切り、孤独を招き、荒地を放浪するところが、一つの見どころとなる。 現実と妄想のはざまを行き来する老いたダンパー 冷静さをダンパーに与え続ける道化師役のピーター、 悪役を演じても、どこか幼さが潜む長女と次女 巻末には「オリジナルストーリー」や「訳者あとがき」「解説」がついている。 先に「オリジナルストーリー」、物語と並行して「解説」を読み進め、読後の余韻に「訳者あとがき」を読むと、悲劇「リア王」をどのように同期させどのように差別化したかったかが、少し見えてくる。 悲劇は時に「後味の悪さ」を残す。 その残骸を読者はどのように昇華するのか……。 人によって、そのときによって、変化する……シェイクスピアだな~ぁ。
リア王やシェイクスピアを読んだことがなくても、楽しめると思う。でも、読みながら、む?このセリフは確かあれの…とか、この関係性はこの構造はあれと似てるような…などとモヤモヤしていたものが、河合祥一郎氏の解説にて、そうだそうだった!とスキッとする。セント・オービンがいかに研究したか凝ってるかがわかる。
バッドエンド作品からは喪失感や悲壮感だけしか得られないのではないかと思っていたが、マイナスの感情や描写にこれだけ感嘆できたのは驚いた。 それぞれの思惑の描き方が(嫌なことに)全て共感できてしまう、共感させられてしまう。ダンバー逃走劇の盛り上がりも面白いし、とにかく秀逸な表現が、読み応えがあってどんど...続きを読むんページをめくってしまった。
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語りなおしシェイクスピア2 リア王 ダンバー メディア王の悲劇
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