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暖炉に押し込められた令嬢、身体を切り裂かれた老婦人……誰が、いかにして殺したのか? 推理小説が一般的になる半世紀も前に、不可能犯罪に挑戦する世界最初の探偵・デュパンを世に出した「モルグ街の殺人」。160年の時を経て、いまなお色褪せない映像的恐怖を描き出した「黒猫」など、代表的8篇。多才を謳われながら不遇のうちにその生涯を閉じた、ポーの魅力を堪能できる短編集。
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Posted by ブクログ
1841年(日本は当時江戸時代)に発表された「モルグ街の殺人」。 世界最初の探偵と呼ばれるデュパンの推理が光ります。 奇々怪々の殺人事件、戦慄の光景、衝撃の真相が心に焼きつきました。 巻末にあるエドガー・アラン・ポー年譜もじっくり眺めさせていただき、ポーの生涯にしばし想いを馳せました。 古典は読んだ...続きを読むことがなかったのですが、思い切って挑戦してみて良かったです。
コレは面白い。読み終わった後に、思わず『おもしれー』と、声が漏れました。いまから190年近く前の作品たちですが、どれもコレも内容は秀逸で、暗くて、怪奇的です。アメリカで発表された時、日本に初めて入ってきた当時の読者の感想や驚きが、今からでは全く想像できません。中でも黒猫、ウィリアム・ウィルソンは素晴...続きを読むらしいですね。モルグ街の殺人はとても有名なので一読したかった作品です。当時のヨーロッパの空気感を感じる素晴らしい内容でした。
黒猫 細かい心理描写に背が凍る作品。小道具や言葉の一つ一つが作品を作り出していると強く意識させられた。 モルグ街の殺人 推理小説の原点に相応しい作品。ここから歴史は作られたのかと脱帽した。
『黒猫』がとにかく秀逸。170年以上前の小説であるとは驚き。 「訳者あとがき」にもあるが、一般論や抽象論などの「まくら」から本題に入るという流れに、落語と共通した雰囲気が感じられて興味深い。
「アモンティリャードの樽」 一文あらすじ 幻のワイン「アモンティリャード」を餌に、憎き男を生き埋めにして復讐を果たす、ある貴族の話。 メモ 首尾一貫して、主人公の男がなぜ殺人を決行するのか、その理由が明かされない。わかるのは、彼の家の訓戒が「侮辱ニハ逆襲アリ」ということだけ。彼が憎む男は...続きを読む、永久に地下墓所の岩にくくりつけられたまま、完全犯罪が成し遂げられておわる。謎が謎のままにされるところ、それがこの作品のおもしろさだろうと思う。復讐する男の歓喜と恐怖の雄叫び、復讐される男の吠えるかのような絶叫・・・ふたつの声の不協和音が、いつまでも耳にこびりつく。 引用 すると鎖につないだはずの影が、喉から振り絞った声を、裂帛の気合いのように浴びせてきた。思わずたじろいで、おかしいと思いながら、身震いする。私は剣の鞘を払って、穴の中にさぐりを入れた。だが、ちょっと 考えればわかることだ。地下墓所の岩肌に手をあてて安心する。また石の壁に寄りつく。わめき立てる声に応じてやった。響きを返し、唱和してから、大きく強くおしかぶせた。それでもう奥の騒ぎは静まった。―46頁 「告げ口心臓」について 一文あらすじ ある男が、老人の禿鷹のような眼をわけもなく恐れ、ついには殺してしまうが、自分自身の心臓が激しく波打つのに耐えかね、罪を自白してしまう話。 メモ 主人公の男は、老人を嫌っているのではない。そうではなくて、彼の禿鷹のような眼を恐れている。理由は明かにされない。事件がおこる直前、真夜中、男は老人の眼をランプで照らす。暗闇のなかに浮かぶ眼・・・つぎの瞬間、老人は切り刻まれた屍に変わり、床下に隠される。男は上機嫌だった。けれど、時間が経つごとに胸がざわつく。次第に心臓の打つ音が高まり、屍のある床下からとくに激しくきこえる。男は耐えきれず、ついに罪を自白する。 主人公の男は、「老人の眼」=「自分を縛ろうとするもの」が怖かったのだろうか。暗闇に眼だけを浮かび上がらせるポーの手法は、読者に強烈な恐怖感を与える。物語前半の息苦しいほどの慎重さ、後半の刹那。このコントラストが、なんともいえなく美しい。殺人と自白の衝動がどんどんと高まっていく描写は、読者が頁をめくるスピードをも早める。人間の心性を、見事に描き出した作品であると思う。 引用 だが鼓動が高まる。高まる。もう破裂すると思った。こうなると別の心配にとらわれる。近隣に聞こえるのではないか!もはや生かしてはおけない!私は大きく叫び、ランタンを全開にして、部屋へ飛び込んだ。老人が一声だけ悲鳴をあげた。たったの一声。すぐに私が床に引き下ろし、重いベッドをかぶせて下敷きにした。ここまでは上首尾で、にんまり笑ってしまった。ところが、かなり長いこと、心臓がこもった音を出して打っていた。―55頁 「ウィリアム・ウィルソン」について 一文あらすじ 同姓同名、誕生日も同じ男に半生を追いまわされる話。 メモ 話はイギリスからはじまる。貴族の子息であるウィリアム・ウィルソンは、学校で自分と同姓同名、誕生日も一緒の少年に出会う。性悪な主人公に対し、この少年は分別があり、よくできた人間だった。彼は主人公の悪を明らかにし、打ち負かす。主人公は、少年の言葉や行動の妥当性に言い返す言葉もない。さらには、容姿やしぐさまで日増しに自分とそっくりになっていく少年に、恐怖さえ感じるようになる。 再転校で少年と別れたのち、主人公は悪事に身を染めはじめる。しかし、罪を犯そうとするたび、自分と瓜二つの彼があらわれ、主人公を窮地に追い込む。彼から逃れるように、主人公はヨーロッパを転々とするが、どこにいても彼はあらわれ、主人公を断罪する。彼に対する憎悪を高める主人公は、ついに彼を殺す。 主人公に瓜二つの少年を、ここでは「善きウィリアム」と呼ぼう。善きウィリアムは、主人公の良心の象徴であり、彼の死は、主人公の良心の滅びを意味するようである。すなわち、この物語は、悪人の良心がいかにして滅びるのかを、主人公ウィリアムと善きウィリアムのせめぎ合いでもって表現している。 ポーの短編は、どれも理詰めの作品であり、あるゴール(ポーの狙い)に向かって物語が進む。それゆえか理解しやすく、読み終えたあとに腑に落ちた感覚が残る。謎めいた言葉、長たらしい導入部分、一見すると無意味な節が、終盤になっていきなりつながりはじめる。バラバラだった破片が、あっという間に一つの絵となり、読者に強烈な印象を残して幕が下りる。この作品であれば、冒頭の引用文―「何と言おうか、この真面目くさった良心 行く手に立つ亡霊」(チェンバレン『ファロンニダ』)―がこの作品のオチを暗示し、善きウィリアムが死ぬクライマックスは、読者の視覚にうったえる表現でもって、映像をみているかのような錯覚をもたらす。見事だと思う。教訓めいていないところが、人間のその実をあらわすかのようで、またさらによい。 推理小説的要素と映画のような迫力、そういうものがあいまって、ポーの作品は現代でもなお愛されているのだろうと思う。 引用 さあ、おまえの勝ちだ。おれは負ける。だが、これからは、おまえも死んでいると思うがいい。この世にも、天界にも、希望にも、無縁になったと思え。おれがいたから、おまえも生きた。おれが死ぬところを、ようく見ておけ。この姿でわかるだろう。これがおまえだ。どれ だけ己を滅ぼしてしまったか知るがいい。―110頁
モルグ街の殺人には感銘を受けた。 たしかに推理小説の先駆けということもあって、ずいぶんご都合主義、よく言えば結論ありきの推理ではあったが、上手く伏線を回収していくデュポンの言葉は、複雑な語彙とは裏腹にするすると読むことが出来た。
翻訳の小川高義さんの力によるところもあるとはおもうけど、今から180年近く昔、日本では江戸時代の後期にあたる時期に書かれたとは思えないくらい読みやすくて面白かった。 特に「早すぎた埋葬」はものすごく怖かった。 「モルグ街の殺人」が推理小説の元祖だと解説を読んで初めて知りました。 いわゆるエンタメであ...続きを読むる「推理小説」っていうジャンルを確立したことが本当に凄いと思うけど、推理小説として面白いかどうかというとそんなに面白くなかった。 良心と邪悪さの対比や、ダメなことだと思えば思うほど実行したくなる人の心の描写がうまくてとても怖さを煽るけれど、ポーはお酒が原因で体調も精神も不安定だったようで、もし素で頭の中がこんな感じだったら相当アレだと思った… 巻末の解説、年譜、役者あとがきがとても読み応えあり。
「黒猫」の恐怖を再認識。最後の段落の色彩表現に震え上がる。初読の際にトラウマになった「早すぎた埋葬」は意外にあっけらかんとしたラスト。「翻訳は一種の探偵業」と語る訳者による「解説」は必読。新訳文庫らしいお勧めの1冊
ポーです もちろん再読ですが、当時は推理小説愛好家であれば一度は読んでおくべき必読の書として義務感みたいなのに駆られて読んだ記憶があります 基本的に頭のおかしい奴の妄言です いろんな意味でなんか恐っ!てなる話なんですが、注意深く読み進めていくと、あれなんかちゃんとしてない?ってなるんです 唐突に...続きを読むあれすごいロジカルじゃない?っとことに気付くんですな そこらへんが未だにポーが読まれている所以なのかと思ったりします そしてポーと言えば江戸川乱歩の名前の元になったことでも有名ですよね エドガー・アラン・ポー→江戸川乱歩 初めて知ったときに、すげーセンス!となぜか感動した覚えがありますが、本人は結構テキトーに付けたって話もあります そしてそして探偵小説の始まりとされる『モルグ街の殺人』ですが、初めて読んだときに、なんかちょっとずるいって思ったのを思い出しましたよ 一番最初でこんなことしちゃだめだろって もちろんポーは最初の探偵小説なんて言われることになるとは思ってもいなかったでしょうけどね
「黒猫」や「ウィリアム・ウィルソン」の、徐々に狂っていく心理描写と時代性を廃した古さを感じさせない情景描写がいい。
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黒猫/モルグ街の殺人
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ポー
小川高義
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