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『オーバーロード』とは?死を統べる悪役主人公が世界征服を目指す!

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『オーバーロード』とは?死を統べる悪役主人公が世界征服を目指す!

まずは何も言わず、『オーバーロード』の1巻の表紙を見ていただきたい。

『オーバーロード』第1巻
「ファンタジー?」「左上の骸骨が悪役?」
はい、どちらも正解であり、不正解です。ファンタジーマンガの1巻って、主人公が剣を持ってかっこよく立っている、みたいな表紙が多いですよね。それと比べて、このマンガのキャラクターたちの圧倒的ダークサイド感は一体……。それもそのはず。この『オーバーロード』という作品、通常のファンタジーでいうところの勇者の宿敵・魔王視点のお話なのです! 魔王であり、主人公。王道ファンタジーへのアンチテーゼとも言えるこの作品、面白くないわけがないッ!ということで、『オーバーロード』の基本情報と魅力、読者の感想などをご紹介します。また、リンク先の電子書籍ストアBookLive!では、新規入会者限定の50%OFFクーポンを差し上げています。気になった方はご利用ください!

※当記事に記載の内容は全て「ぶくまる編集部調べ」です。また、当記事には一部ネタバレを含みます

『オーバーロード』とは?

基本情報

原作者は丸山くがね先生。2010年に小説投稿サイト「Arcadia」にて公開された小説連載が元になっています。ウェブで人気を集めた本作は2012年に書籍化(株式会社KADOKAWA・エンターブレインより発行)。イラストはso-bin氏が担当し、現在14巻まで発売しています(2020年5月現在)。

2015年には深山フギン氏の作画によってコミカライズされ、月刊コンプエースにて連載中。現在13巻まで発売しています。

『オーバーロード』はメディアミックス作品として大変な人気を博しており、ライトノベルの発行部数はシリーズ累計800万部超え。また、2015年には第1期アニメが放映、以降、2017年に劇場版が2部構成で上映、2018年にアニメの第2期、第3期と、その勢いはとどまることを知りません。

最近では、じゅうあみ氏が作画を担当するスピンオフ作品『オーバーロード 不死者のOh!』や、『オーバーロード』をモチーフとしたスロットマシンなども登場し、ますます注目が集まる作品です。

物語

さっそく、『オーバーロード』がどんな物語なのか、ご紹介していきましょう!

2138年、一大ブームを起こしたDMMO-RPG(体感型大規模オンラインロールプレイングゲーム)である「ユグドラシル」は、サービス終了の時間を迎えようとしていました。

『オーバーロード』物語

「モモンガ」というプレイヤー名で、ユグドラシル内・ナザリック大墳墓に存在する巨大ギルド「アインズ・ウール・ゴウン」のギルド長をしていた冴えないサラリーマンである主人公・鈴木悟(すずき・さとる)。彼は仲間たちとの思い出を振り返りながら、「ユグドラシル」での最後の時間を惜しんでいました。

『オーバーロード』「ユグドラシル」での最後の時間

そうして迎えたサービス終了の時間。
しかし強制ログアウトは起こらず、それどころかNPC(*1)が自由に動き回っています。

『オーバーロード』そうして迎えたサービス終了の時間

「まさか……ゲームの世界に転移してしまったのか」

そう考えたモモンガですが、よくよく調べてみると細部がゲームの中とは異なる様子。どうやら、「ユグドラシルとよく似た異なる世界」に転移してしまったようです。
一瞬、ショックを受けるモモンガ。しかし、そこには、仲間(ギルドメンバー)とつくりあげた想いの結晶であるNPCたちが生き生きと動いていました。その様子を見て感激した彼は、この世界に残ることを決意するのです。

*1:ノンプレイヤーキャラクター。プレイヤーが操作せず、自動で動くゲーム内のキャラクターのこと。

自分と同じように、かつての仲間のプレイヤーたちもこの世界に転移してきているかもしれない。そう考えたモモンガは、自らギルドネーム「アインズ・ウール・ゴウン」を名乗り、世界で名を広めようとします。

そうして、異世界に転移した主人公が死の超越者『オーバーロード』として、ギルドの強力な仲間たちを従えて世界征服を目指す物語、それが『オーバーロード』です!

『オーバーロード』ギルドの強力な仲間たちを従えて世界征服を目指す

『オーバーロード』のキャラクター

『オーバーロード』の魅力の1つが、キャラクター。ファンタジーの世界をベースにしつつ、ダークなのにどこか愛くるしい個性豊かな面々を紹介します。

モモンガ/アインズ

『オーバーロード』モモンガ/アインズ

主人公。もともとは平凡なサラリーマンでしたが、ゲーム内のギルド本拠地「ナザリック地下墳墓」ごと異世界に転移してしまいます。異常な事態に戸惑いながらも、意思を持って動き始めたナザリックのNPC達を率いて未知の世界に挑んでいきます。

ゲーム「ユグドラシル」の中で習得していた魔法やアイテムを使用することが出来るため、異世界に転移後もその強さは最強クラス。骸骨のような見た目をしたアンデッド(不死者)。

『オーバーロード』自身の呼び名を「アインズ・ウール・ゴウン」に変更

異世界に転移してきているかもしれない、自分以外のユグドラシルプレイヤーを探すため、また、メンバー皆で作り上げたギルドをひとりで背負う覚悟から、ユグドラシル十大ギルドの一つとして高名であり、自身が在籍していたギルド「アインズ・ウール・ゴウン」の名を自ら名乗るようになります。

アルベド

『オーバーロード』アルベド

ナザリック地下大墳墓の守護者の一人、守護者統括。地下大墳墓に配置されたNPCの頂点。種族はサキュバス。
デミウルゴスを凌ぐ内務能力と高い戦闘力を誇り、守護者統括に相応しい存在としてナザリックを切り盛りします。創造主は「タブラ・スマラグディナ」。

『オーバーロード』ギャグ要員と化しつつあるアルベド

有能で淑やかでグラマラス。パーフェクトな巨乳美女……なのですが、元々の「ビッチである」という設定を不憫に思ったモモンガが設定を変更した為に「モモンガを愛して」おり、その愛情はやや暴走気味。話が進むごとに恋する乙女としてのキャラがネタにされ、ギャグ要員と化しつつあります。

シャルティア・ブラッドフォールン

『オーバーロード』シャルティア・ブラッドフォールン

ナザリック地下大墳墓の守護者の一人、第一~第三階層の階層守護者。
創造主は「ペロロンチーノ」。ゴスロリ姿の可憐な少女の姿をしており「~でありんす」などのなんちゃって廓言葉を使う、一日一回は「わらわ」を使う。など、キャラ作りに余念がありません(笑)

種族はトゥルー・ヴァンパイア、真祖の吸血鬼。攻撃に全振りしたステータス故にその戦闘力はすさまじく、ナザリック地下大墳墓の守護者内でもトップクラス。見た目とのギャップが魅力的。

『オーバーロード』シャルティア・ブラッドフォールン 性格は少々キツめでケンカっぱやい

圧倒的強者故の慢心、「血の狂乱」による狂戦士化で序盤に大失態をやらかしました。本人も大いに反省。盛り返しに期待しましょう。偽乳。

アウラ・ベラ・フィオーラ

『オーバーロード』アウラ・ベラ・フィオーラ

ナザリック地下大墳墓の守護者の一人、第六階層の階層守護者。
創造主は「ぶくぶく茶釜」。同じく第六階層の守護者である「マーレ・ベロ・フィオーレ」の双子の姉で種族はダークエルフ。こう見えて76歳ですが、長命種なので容姿通りの幼さです。魔獣を操るビーストテイマーの称号を持ちます。男装なのはぶくぶく茶釜の趣味。活発で勝気な元気っ娘。

「設定」上、シャルティアとは仲が悪いことになっており、お互いにちょっかいを出し合ってはケンカをしていますがシャルティア曰く、

「仲が悪いと決められんしたから 適当にからかっているだけ」
「ある意味わたし達は姉妹でありんすぇ」

とのこと。なんとも和むエピソードです。

『オーバーロード』アウラ・ベラ・フィオーラ アインズの事が好きすぎて暴走しがちな女性陣のお目付け役を任されることも。

アインズの事が好きすぎて暴走しがちな女性陣のお目付け役を任されることも。

マーレ・ベロ・フィオーレ

『オーバーロード』マーレ・ベロ・フィオーレ

ナザリック地下大墳墓の守護者の一人、第六階層の階層守護者。
創造主は「ぶくぶく茶釜」。同じく第六階層の守護者である「アウラ・ベラ・フィオーラ」の双子の弟で種族はダークエルフ。女装はぶくぶく茶釜の趣味。男の娘設定だそうです。

『オーバーロード』マーレ・ベロ・フィオーレ 関心のない相手には非道な対応も平然とやってのけます

ちょっとおどおどした気弱で控えめな性格ですが戦闘能力はかなり高く、階層守護者の中でもトップクラス。シャルティアやデミウルゴスのようなサディストでもなく、アルベドやナーベのように弱者を蔑視する事もありません。しかし、ナザリックの仲間以外に関心が無く、関心のない相手には非道な対応も平然とやってのけます。与し易そうな性格と愛らしい外見からは想像がつきにくいですが、実は危険度トップクラス。

デミウルゴス

『オーバーロード』デミウルゴス

ナザリック地下大墳墓の守護者の一人、第七階層の階層守護者。
ナザリックの防衛戦指揮官でありナザリックの頭脳。創造主は「ウルベルト・アレイン・オードル」。アインズを崇拝し、ナザリックのためにその叡智を揮います。アインズに対する忠誠心は人一倍厚く、それゆえに半ば盲信気味で、アインズのなんとなくの言葉を深読みしては勝手に納得していることもしばしば。置いてけぼりをくらったアインズが知ったかで切り抜けるシーンは本作の様式美であり、見どころの一つです(笑)

『オーバーロード』デミウルゴスに置いてけぼりをくらったアインズ

種族はアーチデヴィル。ナザリックの仲間にはすこぶる優しいデミウルゴスですが、現時点で作中最悪のカルマ値-500(*2)を誇る悪魔オブ悪魔。人間を虐げることに喜びを見い出す、嗜虐心が強いキャラクター。直接的な描写こそ無いものの大量に捕らえた人間に対して行っている行為は中々にエグそうです。

アルベドとともにナザリックを切り盛りし、粉骨砕身して働く勤勉マンです。頼れる悪魔デミえもん。

*2:原作小説巻末のキャラクターシートより。様々なステータスが記載されていて楽しいので是非あわせてお楽しみください。

コキュートス

『オーバーロード』コキュートス

ナザリック地下大墳墓の守護者の一人、第五階層の階層守護者。
創造主は「武人建御雷(ぶじんたけみかづち)」。種族はヴァーミンロード。蟲王です。
蜥蜴人(リザードマン)たちの勇敢さ、戦士としての在り方に感銘を受け、アインズから殲滅を命じられた際には彼らへの恩情を乞うなど、弱者であっても誇り高い戦士には敬意を払う「ザ・武人」。

『オーバーロード』クセモノ揃いの本作にあって、もはや癒やしのコキュートス

自身を含め、なかなか良いところを見せられない守護者たちの中で頭ひとつ抜けた活躍を見せるデミウルゴスに嫉妬するなど、いかにも真面目で堅物らしいキャラクターはクセモノ揃いの本作にあって、もはや癒やし(笑)
カタコトで話す姿が、だんだんかわいく見えてくる不思議。

セバス・チャン

『オーバーロード』セバス・チャン

ナザリック地下大墳墓の執事。役職上は階層守護者ではありませんが能力も権限も階層守護者と同格の Lv.100 NPC。実質的には第九階層~の守護者に相当します。種族は竜人。

創造主は、DMMO時代にPKで苦しむモモンガを救った「正義」を標榜するプレイヤー「たっち・みー」。その面影が残ったセバスは、任務に支障をきたすと知りながら、ある人間を救ってしまいます。

この一件でもわかるように、デミウルゴスとはウマが合わず、度々言い争いをしています。かつてのギルドメンバーを投影するその姿にアインズ様はほっこり。ちなみにデミウルゴスと仲が良いコキュートスはやや善に傾いたステータスの持ち主なので、属性だけの問題ではなさそうです。

『オーバーロード』デミウルゴスとはウマが合わないセバス・チャン

外見的な特性と人間種を蔑視しない傾向からか、人間社会に紛れて情報を収集する任務を任されていました。武器を用いない純粋な格闘戦であれば守護者内でトップクラスの戦闘力だとか。戦闘メイドのチーム「プレアデス」を率いるとってもダンディなおじさま。

ナーベラル・ガンマ

『オーバーロード』ナーベラル・ガンマ

セバス率いる戦闘メイド「プレアデス」の一人。種族はドッペルゲンガー。創造主は「弐式炎雷」。

擬態ではありますが、見た目が人間と変わらないため、アインズの仮の姿「冒険者モモン」の相棒「ナーベ」として活躍します。

冒険者ナーベとして名前を売っていくうちに「美姫」の二つ名で呼ばれるようになる程の美人。なのですが、人間を見下しているため、度々毒舌を浴びせたり、強烈な殺気を浴びせたり、そもそも冒険者モモンの存在意義を理解していなかったり、うっかり口を滑らせたりと、事あるごとにアインズを悩ませます。頻繁に注意を受けていますが直る気配がありません。うーんポンコツかわいい。

ソリュシャン・イプシロン

『オーバーロード』ソリュシャン・イプシロン

セバス率いる戦闘メイド「プレアデス」の一人。例によって美女の姿をしていますが、種族はスライム。人間を捕食し、じっくりと時間をかけて体内で溶けていく様を観察するのが好きとのこと。創造主は「ヘロヘロ」。

アインズから「任務の褒美として望むもの」を問われた際には、

「人間を幾人か頂ければ幸いです」
「よろしければ生きている人間を」
「もしそれが無垢なものであればこの上ない喜びでございます」

と答えていました。ゴクリ。

そんな彼女ですが仕事ぶりは実にクレバー。
上司であるセバスに対し、立場をわきまえつつも疑問があれば意見をし、セバスが怪しいと思えば即座にアインズへ直接報告を行いました。
また、王都を引き上げる際には、内心蔑んでいる人間に対し愛想を振りまき、交渉事を優位に進めたようです。
抜け目のなさが光ります。うーん有能。

エントマ・ヴァシリッサ・ゼータ

『オーバーロード』エントマ・ヴァシリッサ・ゼータ

セバス率いる戦闘メイド「プレアデス」の一人。かわいらしい幼女の姿をしています。が、よく見ると変な場所に口があります……。怖ッ。
彼女も擬態。種族はアラクノイド。蜘蛛人です。創造主は「源次郎」。

蟲を操って戦うため、彼女の戦闘シーンは苦手な方にとってはちょっとした地獄絵図。登場時には大体何か食べていますが、好物は人肉、おやつは恐怖公の眷属なので、これまた苦手な方にとってはキツイかも。

能力的にも優秀ですし、戦いぶりもクレバーですし、仕事ぶりも真面目ですし、ユリ姉さん曰く悪い子ではないそうなので、ちょっとぞわぞわしちゃう人もエントマを嫌わないであげてください(笑)
イビルアイとの因縁の行方は気になるところです。うーん許してあげて欲しい。

ユリ・アルファ

『オーバーロード』ユリ・アルファ、シズ・デルタ

セバス率いる戦闘メイド「プレアデス」の長女で副長でまとめ役。セバスが王都での情報収集任務を終えたタイミングで、「プレアデス」リーダー代行に移行。種族は首なし騎士「デュラハン」。創造主は「やまいこ」。

ゲヘナではシズと組んでイビルアイの迎撃を担当。夜会巻きにメガネという知的でクールかつ、生真面目な印象のお姉さまですが、ボクっ娘でゴリゴリの肉弾戦タイプ。ガントレットが眩しいです。デュラハンなので首から上は脱着可能。

超個性的なメンバーが集まるプレアデスの長女だけあってお姉さまも濃ゆい。ナザリックでは希少な善属性の持ち主です。うーん素敵。

シズ・デルタ

『オーバーロード』シズ・デルタ

セバス率いる戦闘メイド「プレアデス」の一人。正式名称は「CZ2Ⅰ28・△」。ナザリックの全ギミックと、その解除方法を知る無表情の眼帯美少女。種族はオートマトン。機械の身体を持つ自動人形です。創造主は「ガーネット」。

銃器を駆使した戦闘スタイルで、ゲヘナではユリと組んでイビルアイの迎撃を担当。狙撃でユリの援護を行いました。ナザリックでは希少な善寄りの属性の持ち主。小柄でかわいらしい容姿ですが、自身もかわいいものが好きなようです。うーんホッとする。

ルプスレギナ・ベータ

『オーバーロード』ルプスレギナ・ベータ

セバス率いる戦闘メイド「プレアデス」の一人。種族はワーウルフ。狼に変身する力を持つ人狼です。創造主は「獣王メコン川」。漫画版ではまだ登場回数が少なく、画像はゲヘナ時のものなので仮面を付けています。

例によって非常に美しい容姿の持ち主。健康的で明るく快活な美人といった印象ですが、内に秘めた残虐さが表に出るとミステリアスで妖艶なイメージに。残忍で狡猾、「性格が悪い」という形容がぴったりなお人。

会話の内容から既にカルネ村の任務に就いている模様。うーん早く漫画でルプーの活躍を見たい。

オーレオール・オメガ

漫画版では名前すら出てきていません。詳細も不明です。
セバスとソリュシャンによる王都での任務が終了する際のアインズの言葉、

「同時に六連星(プレアデス)を七姉妹(プレイアデス)へと移行し 規定通りチームリーダーを変更」
「とはいえ 彼女を今の場所より動かすことはしないで ユリ・アルファにリーダーを代行させる」

の「彼女」こそオーレオール・オメガその人です。

何らかの理由でセバスがプレアデスを直接指揮する状態にないとき、プレアデスは「プレイアデス」になり、リーダーがオーレオールになるのかも。憶測ですが。

ザリュース・シャシャ

『オーバーロード』ザリュース・シャシャ

蜥蜴人(リザードマン)の青年。旅人。聡明で勇敢、リザードマンの中では戦士としても一流。持ち前の知性と行動力、リーダーシップと戦闘力でナザリックによる第一次侵攻を退ける原動力となりました。
男気あふれる戦士っぷりは、敗軍の将という憂き目にあったコキュートスでさえ「殺すには惜しい」と言ってしまうほど。作中で一番主人公してる漢の中の漢。

クルシュ・ルールー

『オーバーロード』クルシュ・ルールー

蜥蜴人(リザードマン)の村「朱の瞳(レッド・アイ)」の族長代理。真っ白な肌をしたアルビノの女性で、優しさと芯の強さを併せ持つ大和撫子。ザ・ヒロイン。
もともと「緑爪」とは敵対関係にありましたが、ザリュースの説得により協力して戦うことに。後にザリュースと恋仲に。

ラナー・ティエール・シャルドロン・ライル・ヴァイセルフ

『オーバーロード』ラナー・ティエール・シャルドロン・ライル・ヴァイセルフ

リ・エスティーゼ王国の第三王女。”黄金”と称されるほどの美貌と類稀なる知性を兼ね備えた、民を思いやる心優しい少女。
……のはずですが、身内から「化け物」と称されるほど、張り巡らせた謀略の数々やそこに至る思考は一般人の理解の範疇外。側近兵であるクライムを溺愛しており、彼のためなら文字通りどんなことでもやるという裏の顔があります。

クライム

『オーバーロード』クライム

ラナーに使える騎士。幼いころラナーに救われて以来、彼女に忠誠を誓っています。努力家で日々鍛錬を欠かさないため、王女の側近たる力を備えてはいますが、まだまだ発展途上の身。ラナーの心優しさと強さに心酔しており、当然、彼女の本性には気づいていません。

ガゼフ・ストロノーフ

『オーバーロード』ガゼフ・ストロノーフ

リ・エスティーゼ王国の王国戦士長。王国最強であり、近隣国家でも並ぶものはいないと言われる実力者。
国王と民を守ることに命を捧げており、剣の腕前だけでなく精神も卓越した強さを持つ戦士です。以前ピンチに陥ったところを変装したアインズに救われており、彼の動向と強さの秘密を気にしています。

ブレイン・アングラウス

『オーバーロード』ブレイン・アングラウス

かつては「剣の天才」と呼ばれた剣客でしたが、庸兵くずれとなっていたところ、シャルティアと相対。その圧倒的力の前に全く歯が立たなかったことで一度は心を折られるも、クライムやセバスと交流するうち復活。王国内で暗躍する組織との対決にて力を発揮します。

ラキュース・アルベイン・デイル・アインドラ

ラキュース・アルベイン・デイル・アインドラ

最強と呼ばれる「アダマンタイト級」冒険者チームの一つ『蒼の薔薇』を率いる19歳の若きリーダー。全力で力を解放すると一つの国を飲み込むほどのエネルギーが放出されると言われる魔剣・キリネイラムの使い手。ラナーとは友人の関係で、政治の話などを含めてよき相談相手となっています。

イビルアイ

『オーバーロード』イビルアイ

ラキュース率いる『蒼の薔薇』のメンバーの一人。魔法詠唱者(マジック・キャスター)。やたらと態度がでかく、上からの発言が目立ちますが、クライムに遠回しにアドバイスをしたり、ピンチの際には自分を犠牲にして仲間を助けようとする優しい性格のツンデレさん。

相性が良いとはいえ、あと一歩のところまでエントマを追い詰め、本気でないとはいえ、ユリとシズの二人を同時に相手にして戦うことができるなど、転移先の世界に元からいる現地人としては破格の戦闘力を持っています。その正体は、数百年を生き、かつて一国を滅ぼしたこともあるいわくつきの吸血鬼。

ヤルダバオトとの戦いで冒険者モモンに救われてから彼にぞっこんですが、エントマの件があるため、モモンからは嫌われ、警戒されています。せつない。

エンリ・エモット

『オーバーロード』エンリ・エモット

アインズが異世界で初めて接触した人間の少女。カルネ村の住人で、他国の騎士に襲われているところをアインズに助けられました。その際にアインズから「小鬼(ゴブリン)を呼ぶ笛」をもらい受け、ゴブリンたちの協力のもと、村の復興に勤しんでいます。
ごく普通の村娘でしたが、主人公に命を救われた村人Aでは終わりません。色んな意味ですごいぜ姐さん。

ンフィーレア・バレアレ

『オーバーロード』ンフィーレア・バレアレ

「生まれながらの異能(タレント)」の持ち主。その能力によりあらゆるマジックアイテムが使用可能であるため、とある集団に狙われたところを冒険者モモンとして活動していたアインズに助けられました。エンリに好意を寄せています。

『オーバーロード』が人気の理由

キャラクターたちを紹介し、もう既に読みたい気持ちが十分刺激されているかと思いますが、ここでさらに『オーバーロード』の作品としての魅力をお伝えしたいと思います。

アインズの圧倒的な強さ

異世界に転移した後も、DMMO内で得た能力やスキルなどをそのまま継承したアインズ。そのため、強力・凶悪な魔法を使うことが可能です。
その強さは圧倒的で、逆に相手側に同情してしまうほど。

王国戦士長であるガゼフが手も足も出なかったスレイン法国の魔法詠唱者を、赤子の手を捻るがごとく潰してしまいました。

『オーバーロード』アインズの圧倒的な強さ

そんな凶悪にして強大な戦闘力を持つアインズが、長年のプレイで培った判断力を発揮して世界を攻略していく過程は爽快そのもの!

また、悪役然とした迫力のある表情もイカしています。
もう間違いなく、ラスボス。

『オーバーロード』溢れ出るラスボス感

仲間の前で見せる優しく頼もしい姿と、外敵に対して見せる凶悪な姿。怖いけど、かっこいい。この二面性もアインズ、そして『オーバーロード』の魅力の一つなのです。

アインズの部下たちが捧げる忠誠

ナザリック地下大墳墓に所属するメンバーは皆、アインズを「至高の御方」と崇め、絶対服従を誓っています。

『オーバーロード』アインズの部下たちが捧げる忠誠

彼らがアインズに忠誠を誓う理由は、もともとがNPCだったからと言われればそうなのかもしれませんが、それ以上の何かを感じさせます。
プレイヤーがどんどん減っていく中、唯一「ユグドラシル」にログインし続けたアインズに、忠誠以上の恩義と執着を感じているようです。

『オーバーロード』忠誠以上の恩義と執着

ナザリックのメンバー以外に対しては凶暴な表情を見せる守護者の面々が、アインズの前だけで見せる素直でかわいらしい素顔も見所の一つ。

『オーバーロード』守護者の面々が、アインズの前だけで見せる素直でかわいらしい素顔

たまに行き過ぎている守護者もいますが。

『オーバーロード』行き過ぎ

そして守護者たちを認め、思いやるアインズの姿勢も素敵なんです。転移前は会社員をしていた彼だからこそ為せる技なのでしょうか……。めちゃくちゃ素敵な上司。

『オーバーロード』めちゃくちゃ素敵な上司アインズ

緻密でわかりやすい設定

『オーバーロード』の世界は、DMMO-RPG「ユグドラシル」の世界に似て非なるものですが、オンラインRPG然とした緻密に作り込まれた設定も一つの魅力です。

例えば魔法については魔力系、信仰系、精神系、その他の四種類に分かれており、その中でも第一位階から第十位階までのランクが存在します。特殊なアイテムも豊富です。

『オーバーロード』特殊なアイテム

設定や情報量がかなり多いため、一見とっつきにくいかと思いきや、アインズ自身も転移者として世界の知識を徐々に収集していくため、随所に解説がちりばめられ、はじめての読者にもわかりやすく、世界の構造やアイテムの存在などが示されています。

『オーバーロード』世界の知識を徐々に収集

DMMO-RPGの面白さを再現

アインズが実際にDMMO-RPG「ユグドラシル」をプレイしているがごとく、次々と世界を「開拓」し、「攻略」していく様子を見ることができるのも、『オーバーロード』の魅力の一つ。

「ユグドラシル」の本来のゲームとしての特徴は、他のDMMO-RPGと比べて「プレイヤーの自由度が異様なほど高い」こと。
選べる職業(クラス)は数千に及び、種族も人間種、亜人種、異形種などさまざま。それぞれのプレイヤーごとに多種多様なドラマが生まれていました。

その世界観を受け継いだ『オーバーロード』の世界では、アインズたちナザリック地下大墳墓以外のキャラクターたちにも、それぞれの思惑やドラマが存在します。

アインズ以外のキャラクターが主人公かのような立ち位置で物語が進む話も多々あり、さまざまな視点で群像劇を楽しむことができます。
そして、その全てにおいて背景が緻密に練られているため、誰が主人公になっても没入度が高い! バラバラの視点で進んでいた物語が交差する瞬間はテンションが否応なしに上がってしまします。

DMMO-RPGから受け継いだ、広大で緻密なストーリーを、ぜひ楽しんでいただきたいです!

「一回で何重にも楽しめる物語、オーバーロード!」

ここまで一気に『オーバーロード』の魅力を解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

RPGの世界観、ダークサイドが主人公という意外性、そんなダークサイドのメンバー内の強固な団結……。他の漫画にはない魅力的な要素がたくさん詰まった本作ですが、最後にとっておきのおすすめポイントをご紹介します。

それは、
何重にも物語を楽しむことができるところ! です。

まず、正主人公のアインズはもちろん、それ以外のキャラクターが主役となって物語を進める回が多数存在し、さまざまな視点から物語を見ることができること。

特に、中盤の「蜥蜴人」編や「王国編」などはザリュースやクラインなど、王道の主人公らしいキャラクターが中心となって話が進みます。ザリュースが主人公の時は、理不尽に抗う戦士たちの熱い戦いの物語を。セバスが主人公の時は、切なく甘いラブストーリーを。クライムが主人公の時は、王国騎士としての矜持と努力の物語を……。

誰の目線で語られるかによって、さまざまな姿を見せてくれる変幻自在っぷり。1つの作品で何重にも楽しめちゃいます!

そして、もう一つは漫画の中で触れられていない緻密な設定が裏に存在していること。コミックスのコラムページ等に掲載される補足説明の重厚さたるや。ふとした瞬間にそうした裏話的な設定が生きてくる展開があったりして、また読み返して違う面白さを発見したり。

メディアミックスも多数されているため、小説・コミックスと変化を見つけるのも楽しいかもしれません。

そうしたい意味で、噛めば噛むほど味が出る、まさにスルメ作品の『オーバーロード』。ぜひ隅々まで読んで、世界観を味わいつくしてください!

『オーバーロード』 1~13巻 深山フギン・大塩哲史・丸山くがね・so-bin/KADOKAWA
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