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『波よ聞いてくれ』アニメ化決定!北海道のローカルFM局が舞台の破天荒DJ漫画を徹底解説!【ネタバレ注意!】

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『波よ聞いてくれ』アニメ化決定!北海道のローカルFM局が舞台の破天荒DJ漫画を徹底解説!【ネタバレ注意!】

『無限の住人』の沙村広明先生が描く、ラジオDJの物語。それが『波よ聞いてくれ』です。ずぶの素人だった主人公が、飲み屋でラジオ局のディレクターと隣り合わせたことをきっかけに、深夜枠のパーソナリティを担当することに。本作の魅力はなんといっても、主人公・鼓田ミナレの飛び抜けたキャラクター。とにかくもう、すごい人なんです。
2020年春からはTVアニメもスタート。今注目の作品を書店員が徹底解説します!

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※当記事に記載の内容は全て「ぶくまる編集部調べ」です。また、当記事には一部ネタバレを含みます。

『波よ聞いてくれ』 1~7巻 沙村広明/講談社

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『波よ聞いてくれ』のあらすじ

『波よ聞いてくれ』のあらすじ

飲み屋のカウンターで偶然隣り合わせた地元FMラジオ局のディレクター・麻藤兼嗣を相手に、酔いに任せて愚痴を言いまくった鼓田ミナレ。その翌日、バイト先のカレー屋で働いていると、突然、ラジオから自分の声が聞こえてきたのでした。
飲み屋での愚痴が知らない間に録音され、放送されていることに気づいたミナレは、放送を止めようと局のスタジオに乱入。ところが、

「止めるからにゃ アンタが間をもたせるんだぜ?」

という麻藤に乗せられて、とっさに自分の気持ちを生放送でぶちまける羽目に。

そこから麻藤との縁が始まり、ミナレは平日深夜枠のパーソナリティを任されることになります。番組の名は『波よ聞いてくれ』。いったいどんな内容になるのか? ラジオDJとしてはずぶの素人ながら、唯一無二の魅力を持つミナレの破天荒な活躍が始まります。

ラジオ番組「波よ聞いてくれ」の内容とは?

ラジオ番組「波よ聞いてくれ」の内容とは?

平日深夜3時半から20分間、ミナレのしゃべりだけで構成される番組。麻藤によれば、「フラフラとその場の思いつき」で毎回の内容を決めていくという、かなり緩い構成です。
第1回のネタは「架空実況」。ミナレが「自分を裏切って逃げた男をたった今殺してきた女」の役になりきって、自分の行為を実況するという、かなり際どい内容。いきなりラジオから流れ出した、殺人の告白にリスナーは騒然となります。

第2回は、麻藤もキャストとして参加、音響効果スタッフも加わり、より本格的なラジオドラマに(ドラマの内容はミナレの死体遺棄)。第3回はヒグマに襲われている真っ最中という設定での人生相談。

リスナーを驚かせ、興味を持ってもらおうという麻藤の戦略のもとに、ミナレが持ち味のアドリブ力と迫真の演技力を発揮して、『波よ聞いてくれ』は続いていきます。

主人公・鼓田ミナレのキャラが濃い!

主人公・鼓田ミナレ(こだ みなれ)とは?

主人公・鼓田ミナレ(こだ みなれ)とは?
主人公・鼓田ミナレ(こだ みなれ)とは?

北海道・札幌市で独り暮らしをしている26歳。カレー屋「VOYAGER(ボイジャー)」でバイトをしながら、ラジオDJとしての仕事を始めます。彼氏が金を持ち逃げするという酷い別れ方をするも、まだ情は残っている様子。出身は釧路市で、両親は実家に健在です。
そんなミナレのキャラを深く掘り下げていきましょう。

親しみやすい美人

『波よ聞いてくれ』鼓田ミナレ

本作の最初のページがこれ。飲み屋でくだを巻くミナレと、それを聞く麻藤を俯瞰でとらえた構図です。これだけで「一緒に飲むと面白そうな人」というミナレの最大の特徴が伝わってきます。その上に美人。各話の扉には、おしゃれな服を着たミナレが雑誌のグラビア風に描かれています。「何も喋らずにつっ立ってた方が男にはモテると思うよ」という麻藤のセリフもありますが、麻藤自身は、ミナレはしゃべってこそと思っています。

滑舌の良さと声質

『波よ聞いてくれ』鼓田ミナレ

飲み屋の愚痴でも、局に乱入したときのしゃべりでも、滑らかに言葉が出てきたミナレ。麻藤が言うには、トータル26分、全く噛むことなくしゃべれるというのは、素人ではあり得ないとのこと。さらに声質も特徴的で、麻藤はそれを

「音域が高く 人を安心させず アジテーターじみた傲慢な響きがある」

が不快ではなく、

「好きな女芸人の次の発声を待つ心境」

で聞いたと表現します。

ストーリー性のあるボケ

『波よ聞いてくれ』鼓田ミナレ

滑舌がいい上に、しゃべりが立つミナレ。それを支えているのが豊かな想像力と、とっさに切り返すことができるアドリブ力です。あっという間に虚構のストーリーや設定をでっち上げるミナレならではのボケは、どれも面白い。その一例が、第4巻に出てくる「かにくそポリポリ」。台本なしで、これを言ってます。

ウソみたいな身体能力

『波よ聞いてくれ』鼓田ミナレ

なんとミナレにはアクションシーンもあるのです。男達を相手に、軽快なフットワークとえげつない足技を何度も披露。スピード感ある描写は、さすが『無限の住人』の沙村先生です。特に格闘技やスポーツの経験はないというミナレ。いったいどこで、この体術を会得したのでしょう?

男の好み

『波よ聞いてくれ』鼓田ミナレ

ミナレからの50万の借金を踏み倒して去っていた元カレの光雄。彼は2巻で再びミナレの前に現れますが、特にイケメンという感じではありません。それもそのはずで、ミナレの好みの男性の外見は相撲取りの鶴竜。さらにダメ男に振り回されるのが好きという一面があります。5巻ではこんなふうに力説していますが、男の「誠実さ」よりも「だらしなさ」の方に、より強く惹かれてしまうのがミナレだと思います。

頼れる女

『波よ聞いてくれ』鼓田ミナレ

次々と起こる予想外のトラブルを、ミナレがしゃべりと行動力で打開していくのが、本作のストーリーの軸。後ほど解説しますが、ラジオDJが主人公の作品とは思えないくらい、奇想天外な事件が起こるのです。この瑞穂のセリフは本作の特徴を、ひと言で表現したもの。膠着した事態を動かし、解決へと運んでいく「頼れる女」、それがミナレです。もっとも、トラブルの原因がミナレ。という事もあるので「かき回す女」という説も(笑)

ミナレを取り巻く人たち

本作のメインキャラクターを紹介します。どの人も本当に個性が強くて、ミナレとの絡みで笑わせてくれます。

麻藤兼嗣(まとう かねつぐ)

麻藤兼嗣(まとう かねつぐ)

ミナレをラジオの世界に引っ張り込んだ張本人である、FM局・藻岩山ラジオ(MRS)のチーフディレクター。年齢が劇中で明かされていて、49歳です。飄々とした態度で暴れん坊であるミナレを見事にコントロールし、社内での政治力も持ち合わせている有能な放送マンで、藻岩山ラジオに来る前はテレビ局に在籍していたとのこと。

南波瑞穂(なんば みずほ)

南波瑞穂(なんば みずほ)

藻岩山ラジオのアシスタント・ディレクター(AD)。自宅アパートを追い出されたミナレを寝泊まりさせている、優しい性格の女の子です。性格はとても几帳面。久連木に憧れのような恋心のような感情をいだいています。家では3匹のカメを飼っています。
気軽にカメの餌やりを請け負ったミナレへのメモ書きがこちら。

ほどこん、ふらかん、おきゅうほん

久連木克三(くれこ かつみ)

久連木克三(くれこ かつみ)

藻岩山ラジオに出入りする放送作家。本業は小説家で、「呉ひさき」というペンネームで長年、官能小説を書いてきましたが、ミステリー作家としての活路を見出すべく、努力しています。茅代に気があるのか、仕事後の飲みに何度も誘っています。

茅代まどか(ちしろ まどか)

茅代まどか(ちしろ まどか)

藻岩山ラジオでは三本の指に入るという人気DJ。ミナレのことを面白いと感じつつ、自分にはない話し手としての持ち味に複雑な感情を持っています。お酒が好きで、深夜の公園で泥酔しながら、ミナレに説教したことも。毒舌家の美人です。

中原忠也(なかはら ちゅうや)

中原忠也(なかはら ちゅうや)

カレー屋「ボイジャー」の店員。店長の宝田が交通事故に遭って入院している期間、店を任されることに。ミナレのことが大好きですが、スープカレーのような「サラッサラの関係でいたいのよ」とかわされてしまいます。その反面、城華の好意には全く気づかず、彼女をヤキモキさせる、ある意味、「タチの悪い男」です。

城華マキエ(たちばな まきえ)

城華マキエ(たちばな まきえ)

自分の兄が交通事故で宝田を怪我させてしまったことを謝罪するため、ボイジャーに現れた美女。そのまま、無報酬で店の手伝いをすることになります。その裏には、両親を亡くした後、過剰な干渉を続ける兄から逃れたいという思いが。中原と時間を共有するうちに、彼を異性として意識し始めます。さらに物語が進むと、意外な才能を発揮することに。
『無限の住人』に名前と容姿が酷似するキャラクターが登場しますが、巻頭の人物紹介でネタにする程度のセルフパロディの様です。いや、破天荒な本作のことですから、今後の展開で隠された関係が明らかになるかも!?

『波よ聞いてくれ』のここが面白い!

ああ言えばこう言う、会話の妙

『波よ聞いてくれ』のここが面白い!

ミナレのラジオでのしゃべりだけでなく、キャラクター達が繰り広げる会話がどれも軽快で面白いのが、本作。日常会話の中に、漫才さながらのボケとツッコミの応酬があります。たとえば、取材旅行に出かけたミナレ、瑞穂、久連木が、現地の案内役の女性(巨乳の美人)を交えて会話する、5巻のこのシーン。4人のボケとツッコミが絡み合い、スキヤキ屋での一幕コントになっています。

バチバチな恋の駆け引き

『波よ聞いてくれ』のここが面白い!

1巻のあとがきによれば、「ラジオと恋愛の話を描きましょう」と担当編集に言われたことから始まったという本作。作者は「恋愛成分が全体に対して1%ほどしかない」と謙遜していますが、誰かに恋をしている、もしくは恋に似た感情をいだいているキャラクターが多く、きゅんとときめくシーンや恋愛感情がバチバチとぶつかり合うシーンが、少なからず描かれます。

非日常過ぎるホラー展開

『波よ聞いてくれ』のここが面白い!

ラジオ業界を舞台にしつつ、ホラーな展開まで楽しめるのも本作の特徴。3巻ではミナレと瑞穂が、死んだ彼女に悩まされているという男を取材します。そこではこんな体験まで…。衝撃のラストをお楽しみに!
また、5~6巻にかけては、謎の宗教団体と関わり合うことにも。作者が「※ラジオの漫画です」と注意書きしてしまうくらい、非日常的な事件が連続します。

ところどころに張られる絶妙な伏線

『波よ聞いてくれ』のここが面白い!

何気ない会話の中に、さまざまな伏線が張られていて、「あのときのあのセリフは、ここにつながるのか!?」と驚かせてくれる本作。実際に読んでニヤリとしていただきたいので、詳しくは書きませんが、一つだけ例を紹介すると、どんなに酔って帰ってきても、玄関でちゃんと靴を揃えて脱いでいる(と思っている)ミナレですが、後にその意外な原因が分かります。

ラジオ番組作りのマジメな考察

『波よ聞いてくれ』のここが面白い!

もちろんラジオ業界の舞台にしたお仕事漫画としても、読み応え十分。プロの放送マン達のセリフを通して、テレビとは違うラジオの特性、ラジオDJに求められるスキル、業界の現状などなどを学ぶことができます。ここに挙げたシーンは、高校生の頃に瑞穂が聞いた久連木の講義。ラジオのお金事情について語られています。

物語の鍵となるのか? 謎の「シセル光明」

シセル光明

7巻までストーリーが進んだところで、まだ解き明かされていない謎の一つに、「シセル光明」の正体があります。今まで描かれてきたことをまとめると、

①30年前に活動した芸人で、麻藤がテレビ局からラジオ局に移る原因となった人

シセル光明

②ルックスやしゃべりのスキルが、どことなくミナレと似ている

シセル光明

③麻藤が若い頃、イギリスに渡っている。

シセル光明

④ミナレはアイヌ語?シセルとミナレに関係が!?

シセル光明

特に重要なのは④で、シセルは「自分が恥をこいて起こる笑いが一番尊いよ」と麻藤に語りながら、自分の子供に付けたい名前は「ミナ・レ(笑わせる)」だと言っているのです。

シセル光明

もしやミナレの母なのかと思いきや、劇中で描かれる母の顔はシセルとはほど遠いルックス。しかし、ミナレの父が

「周りから笑われる人間になれ」

と言うシーンもあり、ミナレの血縁である可能性もゼロではないような……。今後の展開に注目です。

アニメ化と今後の展開

2020年1月現在で7巻まで刊行中の本作。7巻では今までにない大きな出来事が起こり、なんだかんだ事件が起こりつつも平和だったミナレの日常が一変することに。ラジオ局の真価が問われる展開となっていきます。
また、2020年春にスタートするアニメも期待大。すでにアニメの公式サイトにPVがアップされていて、ミナレの生声を聞くことができます。
今後、注目度が上がることは間違いなしの本作、アニメ化前のチェックが吉です!

『波よ聞いてくれ』の感想

ラジオ関係の漫画。
え、なんだかおもしろい。

この1巻の亀の指南書、
なんだかすごくあとから思い出してしまって、
このページ読みたいから漫画買おうかな・・・。

亀の名前が好きなのかな。
自分でもよくわからない。
posted.by ブクログ

電波の方の波だったんですね。
ラジオと恋愛のお話し!…の筈なんですが色々と脱線しています(笑)
でも、そこが面白いので侮れない。独自のセリフ回しやテンポがクセになります。(´∀`*)
posted.by ブクログ

ラジオのお話ということで、個人的な興味もあって購入。
キャラクターたちがみんなひと癖もふた癖もあって面白い。
…てか、普通の人はいないんだろうかくらいの勢い(笑)。
このメンツが織りなすドラマの行く先が気になります(^^)。
posted.by ブクログ

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