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『王様ランキング』感想解説|RABマロン話題の漫画レビュー

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マロンさん原稿 王様ランキング

どーもマロンです!

最近Twitterで新しい漫画を知る機会って増えてきましたよねー、1話だけ公開していて、ついつい先が気になって本屋で買ってしまう…そのパターンでここ数日で4、5冊買ってしまっています(笑)

そんな中Twitterでバズったところから注目された新しい漫画があります! それが…『王様ランキング』!!

『王様ランキング』書影

十日草輔原作。漫画投稿サービス『マンガハック』にて連載中。タイトル通り各国の王様にランキングが付けられるという世界で、ボッス王国の第一王子ボッジは世界一の王様を目指します。絵本のような可愛らしい絵柄で不思議な世界でボッジが出会うものとは…?

このあらすじだけ読むと王道漫画な感じがします。しかしこの主人公ボッジはとある理由から耳が聞こえず、言葉が話せない、剣も持てない程の非力という従来の主人公には無い”持たざる者”だったのです。

漫画界史上最弱の主人公!?

上記にもあるように主人公ボッジはとある理由から耳が聞こえず、言葉も話せず、剣も持てない程の非力という、漫画界史上最弱の主人公ではないでしょうか? 最近の漫画やアニメに良くある主人公設定は、例え『最弱』であっても『最強』に対しては有効なジョーカー的な能力を持っているものだったりするのですが、そんな現状を打破できるほどの特殊能力もなく…ただ王様への情熱でボッジは突き進んでいきます。しかしその過程で、化け物のような力を持ったキャラクターが現れる中、”持たざる者”であるボッジが倒れながらも突き進む姿に人々は心打たれ、仲間を増やしていきます。

全員憎めない! 魅力的なキャラクター

そして登場キャラクターがみんな魅力的で、物語を進めるためだけのキャラクターになってないのが素晴らしいですね。いじわるに見えても実はその理由があったり、自分の信念のための行動であったり、これだけ多くのキャラクターが登場するのに行動原理にブレがないのが凄い。

ボッジの冒険の行く末も気になりますが、『世界の謎』も気になります。王様ランキングがなぜ存在するのかという謎、現れる魔神の謎、冒険の途中で現れる謎の生き物、裏で動く人間の謎…など作中には様々な世界の謎がちりばめられています。この世界の謎がどうやって解かれていくかも注目したいところ。

あとがきを読んでみると作者の十日草輔先生は元々絵本作家志望であり、敷居の高さと表現したいものの多さから漫画家になったらしいのですが、40代という年齢にも関わらず、デジタルで漫画を描きだし、Web漫画を投稿し『王様ランキング』を生み出したというのは相当に大変な事だったと思います。

つまりこの十日草輔先生もまた挫折を乗り越え、夢に突き進む事が出来る勇気を持ったボッジのような方なのではないかと作品からヒシヒシと感じてきます。

僕も一度は漫画家という夢を諦め、今ご縁があって漫画を描かせていただいている身としては、どんなに環境に恵まれなくても、どんなに才能が無いとわかっていても誰も恨まず、言い訳をせず進んでいくボッジに勇気をもらい涙しました。

読めば前に進む勇気が湧いてくる…SNS時代だからこそ出会えた素敵な作品です。この出会いをお見逃しなく…。

紹介した作品はこちら

王様ランキング

『王様ランキング』書影

『王様ランキング』 1~4巻 十日草輔 / ブリック出版

RABマロンの描く”ボッジ”!

マロンさん原稿 王様ランキング

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