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『ゴブリンスレイヤー』とは? ライトノベル発・超人気コミックの魅力

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『ゴブリンスレイヤー』

下級モンスターのゴブリンだけを狩る冒険者の活躍を描くダークファンタジー、『ゴブリンスレイヤー』。テーブルトークRPGの世界を元にしたファンタジー漫画はいくつも存在しますが、ゴブリンをここまで恐ろしい存在として描いたものはまれでしょう。
アニメ化もされ、長い人気を誇る本作の基本情報や魅力、読者の感想を紹介します。

※当記事に記載の内容は全て「ぶくまる編集部調べ」です。また、当記事にはネタバレを含みます。

『ゴブリンスレイヤー』とは?

『ゴブリンスレイヤー』の作者は? メディア展開や人気は? まずは作品の基本情報と、おおまかなあらすじを紹介します。

『ゴブリンスレイヤー』の基本情報

原作は蝸牛くも先生(イラスト・神奈月昇先生)によるライトノベル(GA文庫刊)。累計600万部超の人気作となっています。それを、黒瀬浩介先生がコミカライズしたのが本作。月刊ビッグガンガン(スクウェア・エニックス)で、2016年5月に連載開始。2020年4月段階で単行本が9巻まで刊行されています。
2018年10月から全12話でTVアニメ化。2020年2月1日には、新作エピソード『ゴブリンスレイヤー -GOBLIN’S CROWN-』が劇場公開されました。

『ゴブリンスレイヤー』のあらすじ

在野の冒険者としては最上位となる銀等級の冒険者でありながら、下級モンスターのゴブリン(小鬼とも表記されます)を倒すクエストだけを続けているゴブリンスレイヤー。装備もゴブリンに特化したもので、街にいても鎧と兜を外さない彼は、冒険者たちの中では変人扱い。しかし、彼の実力を知る者からは一目置かれる存在でした。

ゴブリンスレイヤー

物語は、冒険者になりたての女神官が、最下級の白磁等級※しかいないパーティに混ざって、ゴブリン退治に出かけるところから始まります。ゴブリンを侮り、巣穴に入っていったパーティは、何十体ものゴブリンに囲まれ全滅。最後に残った女神官を救ったのが、ゴブリンスレイヤーでした。彼は非情なほどの戦い方で、ゴブリンを皆殺しにしていきます。

ゴブリンスレイヤー

ゴブリンスレイヤーと女神官は、その出会い以来、行動を共にすることに。あらゆる場所に出現するゴブリンと戦っていくことになります。

ゴブリンスレイヤーと女神官

※冒険者等級は、白金、金、銀、銅、紅玉、翠玉、青玉、鋼鉄、黒曜、白磁の順に位が高く、最上位の白金は史上数人しかいない伝説レベルと言われている。

ゴブリンスレイヤーの冒険者等級

『ゴブリンスレイヤー』を試し読みする

『ゴブリンスレイヤー』のキャラクター

本作の主要キャラクターを紹介します。物語の主な舞台となるのは、この世界のとある辺境の街。冒険者のギルドが人と人との出会いの場となり、ストーリーが広がっていきます。

ゴブリンスレイヤー

ゴブリンスレイヤーのキャラクター:ゴブリンスレイヤー

本作の主人公です。スレイヤーとは「殺す者」の意味。子供の頃、住んでいた村がゴブリンの襲撃にあい、親代わりだった姉を殺されたことから、全てのゴブリンを殺すという目的を持って行動しています。ゴブリンのみを狩り続け、銀等級の称号を得た異色の冒険者。
食事を取るときも兜を脱がないほど、ゴブリンの襲撃の備えに徹底しています。ゴブリンに関すること以外では極端に言葉数が少ない、ハードボイルドな戦士。しかし、確かな実力と実直な性格から、周囲にいる女性たちにモテています。

女神官(おんなしんかん)

ゴブリンスレイヤーのキャラクター:女神官(おんなしんかん)

本作のヒロイン。15歳で最下位である白磁等級の冒険者となった少女です。ずっと単独行動だったゴブリンスレイヤーのパートナーとなり、ゴブリン退治に加わることに。「奇跡」と呼ばれる神官特有の魔法の使い手で、傷を癒やす《小癒(ヒール)》や、光を発する《聖光(ホーリーライト)》などを駆使し、戦いをサポートします。

妖精弓手(エルフ)

ゴブリンスレイヤーのキャラクター:妖精弓手(かなとこえるふ)

ドワーフ、リザードマンとともにパーティを組む、「上の森人(ハイエルフ)」の女性野伏(レンジャー)。弓を主な武器として使います。レンジャーとして、斥候や罠の探索も得意です。寿命が長い種族で、見た目は少女ですが2000歳を越えるとのこと。ゴブリンスレイヤーのことはエルフの言葉で「オルクボルグ(小鬼殺し)」と呼びます。

鉱人道士(ドワーフ)

ゴブリンスレイヤーのキャラクター:鉱人道士(ドワーフ)

107歳で、人のいい老人という感じのキャラクター。呪文を使って戦う精霊使い(シャーマン)であり、接近戦でも強さを発揮します。ドワーフの特性として、鉱石や金属、酒についての知識が豊富です。ゴブリンスレイヤーのことは、ドワーフの言葉で「かみきり丸」と呼びます。

蜥蜴僧侶(リザードマン)

ゴブリンスレイヤーのキャラクター:蜥蜴僧侶(リザードマン)

大柄な蜥蜴人(リザードマン)の神官戦士です。奇跡も使え、肉弾戦も得意というオールマイティなタイプ。《竜牙兵(ドラゴントゥースウォリアー)》という使い魔を生み出すなど、父祖伝来による特殊な能力を持っています。ゴブリンスレイヤーから分けてもらったチーズを「甘露!!」と言って喜ぶ、お茶目な一面も。

受付嬢(うけつけじょう)

ゴブリンスレイヤーのキャラクター:受付嬢(うけつけじょう)

ギルドのカウンターにいて、冒険者にクエストを手配する受付嬢です。4巻では、冒険者の昇級審査で審査員を務めています。素行の悪い冒険者に降格を言い渡すシーンがあるので、冒険者の管理にそれなりの権限が与えられているようです。

牛飼娘(うしかいむすめ)

ゴブリンスレイヤーのキャラクター:牛飼娘(うしかいむすめ)

ゴブリンスレイヤーの幼なじみ。ゴブリンに村を襲われたとき、叔父さんの牧場に遊びに行っていて難を逃れ、以来、叔父さんのもとで暮らしています。その家はゴブリンスレイヤーの下宿先でもあり、牛飼娘は彼の帰りを美味しい食事を用意して待つことに。ゴブリンスレイヤーを慕っている女性キャラクターのひとりです。

剣の乙女(つるぎのおとめ)

ゴブリンスレイヤーのキャラクター:剣の乙女(つるぎのおとめ)

10年前に復活した魔神王(デーモンロード)の一つに打ち勝った金の冒険者パーティのメンバーで、現在は至高神の大司教(アークビショップ)として、法の神殿に住まう女性です。

『ゴブリンスレイヤー』を試し読みする

『ゴブリンスレイヤー』の魅力

ゴブリンとの戦いに特化した異色のファンタジーである本作。その魅力を、さまざまな世界設定とともに紹介します。

ゴブリンスレイヤーの生きざま

報酬が低いため、熟練の冒険者からは敬遠されているゴブリン退治。そんな中、ゴブリンスレイヤーは、ゴブリン退治だけで在野最上級である銀等級まで登りつめた、異色の冒険者です。彼の動機は10年前に姉や親しい村人たちを殺された怒り。ゴブリンが自分にしたことを、そのままゴブリンに返すという意味で、「俺は奴らにとってのゴブリンだ」と言います。

「俺は奴らにとってのゴブリンだ」

妖精弓手たちがゴブリンスレイヤーの前に現れたのは、魔神王(デーモンロード)の復活により世界に危機が迫る中、協力を得るためでした。そんな彼らに「ゴブリン以外に用はない」と断言するゴブリンスレイヤー。信念がまったくブレることのない男です。

ゴブリン退治にきて、人喰い鬼(オーガ)と出くわしたゴブリンスレイヤー。上位種のモンスターを前にしてのこのセリフも、彼のブレのなさをあらわしています。

人喰い鬼(オーガ)と出くわしたゴブリンスレイヤー

ゴブリン討伐に絞った斬新な設定

背丈、力、知能は人間の子供並みで、単体では弱いとされるゴブリン。しかし、群れで行動することで、その脅威はグンと上がります。また、大型になったものや高度な知能を得たものなど、特殊なゴブリンも存在します。
たとえば、ホブ(田舎者)と呼ばれる大型のゴブリン、呪文を使うことができるシャーマン。さらに統率力に特化した変異種で、冒険者で言えば白金等級に匹敵するというゴブリンロードといった強敵が。

ゴブリンロード

一方、巨大な体を得た変異種として、小鬼英雄(ゴブリンチャンピオン)がいます。

小鬼英雄(ゴブリンチャンピオン)

ゴブリンに敗れるというのは、寄ってたかってなぶりものにされるということ。経験値の少ない冒険者のお定まりの悲劇として、それはありふれた光景でもあります。熟達したゴブリンスレイヤーでも、どこかで判断を誤れば、こんな結末になる可能性も。わらわらと現れてくるゴブリンとの戦いは、常に緊張感に満ちています。

緊張感に満ちたゴブリンの戦い

惨殺シーンが強烈

ゴブリンスレイヤーの戦いは容赦がありません。彼にとってのゴブリンは、一匹でも多く、すみやかに殲滅すべき存在。効率よく、相手の反撃を許さずに殺していくためにさまざまな戦法が取られます。たとえば、女神官の《沈黙(サイレンス)》とドワーフの《酩酊(ドランク)》によってゴブリンを眠らせて殺すという戦法。もはや戦いではなく、駆除と呼ぶにふさわしい、徹底ぶりです。

ゴブリンの駆除

一方、ゴブリンの凶悪さも相当なもの。たとえば、生きた人間を盾にくくりつけた「肉の盾」。人間の弱みを知り尽くした邪悪きわまりない戦法です。

肉の盾

ゴブリンとの戦いは常に、飛び散る血しぶきや臓物にまみれた凄惨なもの。ゴブリンスレイヤーは常に一撃必殺。数の多い敵と戦うため、一匹に時間をかけてはいられないのです。

ゴブリンとの戦い

キャラクター名が肩書

テーブルトークPRGのファンタジー世界をもとにしているため、キャラクターには固有の名前がなく、肩書で称されるのが特徴です。主要キャラクターだけでなく、サブキャラクターも、さまざまな肩書を持っています。そのいくつかを紹介します。

槍使いと魔女のペア。二人とも銀等級の冒険者です。「槍使い」は見た目は軽いですが、辺境最強と言われる実力者。魔女は色っぽい大人の女性で、魔法の腕が立ちます。

槍使いと魔女のペア

重戦士と女騎士を中心とした一党。この二人も銀等級の冒険者です。登場当初はゴブリンスレイヤーを見下していましたが、ともに戦うことで認めていきます。女騎士は、重戦士を異性として意識しているみたいです。

重戦士と女騎士のペア

現段階の最新巻・9巻で登場する冒険者「令嬢剣士」。白磁等級の魔法戦士で、華麗な立ち振る舞いを見せますが、経験は豊かではありません。彼女を巡る物語が、現在進行中です。

令嬢剣士

おわりに

果てしなく続くゴブリンスレイヤーとゴブリンの戦い。しかし、女神官やエルフたちとの出会いで、それまで一人で戦っていたゴブリンスレイヤーに仲間が出来、ストーリーが進むにつれて、楽しげなやり取りも増えてきています。凄惨な戦いと、ホッと出来る日常、そして仲間との絆が本作の魅力です。
さらに、6巻からは「勇者」のパーティも登場。彼らはゴブリンスレイヤーとはどう関わってくるのか? 今度の展開が気になります!

「勇者」のパーティ
ゴブリンスレイヤー
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ゴブリンスレイヤー 1~9巻 蝸牛くも / 黒瀬浩介 / 神奈月昇
『ゴブリンスレイヤー』を試し読みする
(C)Kumo Kagyu / SB Creative Corp. キャラクター原案:神奈月昇 (C)Kousuke Kurose/SQUARE ENIX

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