歴史・時代小説 - KADOKAWA - 角川文庫作品一覧

  • 流想十郎蝴蝶剣
    完結
    3.8
    江戸・本湊町の料亭に用心棒として住み込む流想十郎は、花見の帰り、品川宿近くで武士団に襲われた小藩の姫君一行を助ける。気が進まない中、姫の護衛を引き受けた想十郎は、熾烈な抗争に巻き込まれる…。権力者・水野忠邦を父に持ちながら、その愛情を知らず、また剣術の師との密通の末に、ともに上意討ちで果てた母への情も捨てた孤高の剣士は、無敵の蝴蝶剣を誰がために振るうのか? シリーズ第1弾!
  • 槍弾正の逆襲
    3.7
    天正年間、戦乱の続くなか、出陣中の嫡男の留守を狙い、老将保科正俊の守る高遠城に、小笠原・上杉軍が攻め寄せる。かつて武田信玄の下で槍弾正の異名をとった正俊も、すでに齢七十五の隠居の身。だが、圧倒的に不利な状況下、城を棄てる意見を一喝し、正俊は奇策を練る―表題作「槍弾正の逆襲」をはじめ、関ケ原合戦における小早川秀秋の“楯裏の裏切り”に抗した武将を描いた「松野主馬は動かず」など、独自の気概をもって生きた人間像を、あざやかに描く傑作歴史小説集。
  • 新太閤記(一)
    4.0
    「奇妙な面をしとるわ。猿に似とるわ。チビ猿じゃな」信長は小者志願の若者を見て大笑いした。武士の作法に通じた若者は悪びれず、側用人に答えた。「今川の被官松下嘉兵衛尉が家で士奉公しとりました。父は先代信秀さまが鉄砲足軽しとりました木下弥右衛門と申します」「名は!」「木下藤吉郎秀吉でございます」「なんじゃとォ!」信長はきびしい目で若者を凝視した。若者はこの時23歳。これが、当時どじょう売りの与助と呼ばれていた秀吉と信長の出会いであった。
  • 忍法封印いま破る
    -
    徳川幕府の切れ者中の切れ者、旗本八万騎にまさるその存在は家康にさえ脅威であった傑物、大久保長安。その長安が山窩の娘に生ませた野性の子おげ丸は、今や、幕府忍び組きっての伊賀忍者に成長していた。彼は父長安から、長安の純血を後世に伝える子を身籠った娘の護衛をする密命を受けていた。だが、父の死後、任務についたおげ丸と娘に、服部半蔵が指揮する甲賀五人衆の魔手が伸びた……。伊賀か甲賀か? 痛快無類、奇想天外な発想が躍動する忍法帖シリーズの傑作!
  • 海鳴り忍法帖
    -
    永禄八年、獰猛奸悪な武将松永弾正が謀叛の狼煙を上げた。大軍と根来忍者の精鋭に攻め込まれた京の将軍屋敷は、たちまち修羅場と化した! 危うく難を逃れた美少年厨子丸は、翌日弾正の本陣跡で、下半身を柘榴のように割られた恋人の死体を発見した。怪異な忍法で残虐の限りを尽した根来忍者たちの仕業であった。彼らに立ち向かう武芸はないが、厨子丸には銃火器の発明の才能がある。復讐の決意に燃えて彼は都を去った……。戦国時代を背景に壮大なスケールで描く一大忍法ドラマ。
  • 伊賀の聴恋器
    -
    小道具の発明に才能のある伊賀忍者、服部大陣が新しい珍具を作った。名づけて聴恋器。男女の相性判断ができるという、聴診器のような器具である。これを耳にさしこみ、二股になった盃の先端を男女それぞれの局所にあてると、愛しあっている場合には素晴らしい交響楽が聞こえる。かねがね柳生又右衛門の娘お万に一目惚れしていた大陣は、彼女の心を捉えようとして、この聴恋器を使うことを思いついたのだが……。表題作ほか七篇を収めた傑作ユーモア忍法帖!
  • 実伝 直江兼続
    -
    上杉謙信から「義」の精神を受け継いだ直江兼続とは、どのような人物だったのか。編者をはじめ、福本日南・坂口安吾・海音寺潮五郎ら歴史作家たちが捉えた兼続像をめぐり、文武兼備の知将の人間的魅力を探る。
  • 幻の舟
    3.5
    魔性が宿る美しいものに、近づいてはならない。追い求めてはいけないと感じながらも、魔性にとりこまれていく……。信長が唯一安土城を描かせた安土屏風。欧州で行方知れずとなったその絵が、数世紀の時を超え現代に悲劇を呼ぶ。美に潜む魔を描く幻想小説。〈単行本「安土城幻記」を改題〉
  • 望郷のとき 侍・イン・メキシコ
    -
    慶長18年、仙台、伊達政宗の使節支倉常長を団長とし、ルイス・ソテロ等の宣教師を含む総勢180名の一行が日本の港を出航した。幾多の困難な航海の末、メキシコに到着。さらにめざすイスパニアに到る頃、日本ではキリシタン禁止令が出された! 歴史の大きな波にもてあそばれ、帰国もままならぬ侍たちの運命は……? そして現在のメキシコに日本人の末裔らしき部族が生きていると聞いた著者は二つの点を結ぶ線を求めてメキシコに飛んだか……。経済小説を日本文学に定着させた著者の独自な歴史観を示唆する長編傑作!
  • 佐渡流人行
    -
    佐渡金山奉行所への転任を上役からこわれた時、寺社奉行所役人黒塚喜介の頭の中を不意によぎるものがあった。2年前、妻との仲を疑い、八丁堀与力を動かして伝馬町の牢へ送った無頼者弥十。その赦免が間近いのだ。いっそ、金山の暗い坑の底で、地獄の苦しみを彼に味あわせたい。……喜介の胸に、どす黒い憎しみと嗜虐心のほむらが一気にふき上げて来た。表題作「佐渡流人行」ほか、直木賞候補作「西郷札」など秀作短篇4作を併わせ収める。
  • 黒田如水
    3.7
    東に織田信長、西に毛利輝元の勢力に挟まれてた城主・小寺政職。家老の官兵衛は、さっそく信長との仲介を羽柴藤吉郎へ頼みに行く。そこで軍師・竹中半兵衛と出会ったことにより、運命の歯車が廻り始める…。
  • 忍法破倭兵状
    -
    日本では不世出の英雄太閤秀吉も、朝鮮の人民にとっては悪虐極まる大魔王である。己の権力示威のため数十万の兵を動員して朝鮮に攻め入り、多くの人々を虐殺し、その美しい山河を荒廃させたのだから……。だが、秀吉の野望を打ち砕く救国の士が現われた。朝鮮の伝説的英雄李舜臣将軍である。部下を鼓舞して勇猛に戦い、圧倒的な物量を誇る日本水軍を潰滅させた。だがその直後、彼は亀甲船に忍び込んだ日本忍者の吹き針に倒れてしまった! 異人、唐人ものを集めた異色の忍法帖。
  • 忍法鞘飛脚
    -
    私はインテリ忍者だ。忍法など信じないし、全然知らない。本業は医者である。にもかかわらず、忍者と自称するのは、迷惑なことに私が忍者の一族に籍を置く人間だからだ。ある日、一族の長老に呼ばれた私は、とんでもない命令を受けた。公儀隠密として志摩まで行けというのだ。忍者の掟は厳しい。嫌々私は命令に従った。だが、私の不吉な予感は当たり、私は眼と耳と舌と四肢を失う羽目になったのである……。忍者とは名ばかりの男が辿る皮肉な運命をコミカルに描いた傑作忍法帖。
  • 忍法行雲抄
    -
    蟹の鋏はもがれてもまた生えてくる。だが、人間の首が切り落された後に生え替るなど考えられるだろうか? それも全く別人の首に! 越前の国に風采の上がらぬ浪人が訪れ、仕官することになった。名を明智十兵衛、美濃国明智庄城主の一子で、落城後、忍法の修行を積んだ変り者である。まもなく、彼は朝倉家の寄人沙羅という娘に一目惚れしたが、彼女には想いを寄せる美男の従者がいた。恋に苦しむ十兵衛は、従者に甲賀忍法「人蟹」を使ったとてつもない申し入れをするのだが……。
  • 信玄忍法帖
    4.3
    「風林火山の行くところ敵なし」諸国にその名を恐れられた猛将、武田信玄が死んだ? 過ぎし日、三方ヶ原の戦いで惨敗を喫した徳川家康は、真偽を確かめるため直ちに7人の伊賀者を甲斐へ送り込んだ。一方、信玄なき武田軍団の弱体を痛感する軍師山本勘介は影武者を擁立。信玄存命と見せかけてこれを猿飛、霧隠の二人の忍者に死守させた。甲府盆地は、たちまち忍者同士の熾烈な攻防に血塗られていった……。奇奇怪怪の忍法争いを通じて武田家の存亡を描く、山田風太郎の傑作忍法帖!
  • 外道忍法帖
    5.0
    肥前一円でとらえた切支丹娘は、ことごとく江戸へ送られた。313年の生命をもつ十五童女を見つけだすために。ローマに派遣された使節が法王より預った秘宝、そのありかの手がかりは彼女たちの体内にあるという15個の鈴なのだ。切支丹妖術を使うという15人の童女はどこにいるのか? 幕府の探索隊は伊賀忍者15人。そして秘かに財宝を狙う由比正雪もまた、15人の甲賀忍者を長崎に送りこんだ――伊賀・甲賀忍者と処女忍者、三つの集団の壮絶な死闘を描く、風太郎忍法帖の極致!
  • くノ一紅騎兵
    -
    猛将上杉景勝は、重臣直江山城守の推挙で一人の小姓を召しかかえた。女と見紛うばかりの美童だが恐るべき剣技の持ち主で、景勝は連日連夜寵愛した。やがて、上杉家も大阪方に就くか徳川方に就くかの決断の時を迎えた。その時、直江山城守が赤ん坊を抱いて登城し、「上杉家のおん嫡子でござる」と言上したのである。豪胆な景勝もさすがに仰天した。女を抱かない彼に子供が生まれるはずがない。母親は意外にも、彼が溺愛したあの美童だった……。“くノ一”ものを精選した忍法帖!
  • 江戸忍法帖
    5.0
    吸盤のような足で屋根裏をつたい歩く無気味な忍者。その逆さ斬りの凶刃が悠太郎めがけて一閃した。瞬間、跳上った悠太郎は振り子のようにからだを移動すると相手を唐竹割りに斬りあげた! 徳川五代将軍綱吉の時代。権勢をふるう老中柳沢吉保は、前将軍家綱の遺児葵悠太郎の出現に驚愕した。彼はただちに、えり抜きの忍者「甲賀七忍」に命じ、悠太郎暗殺を謀った……。恐ろしい忍法を駆使する七人の甲賀忍者と一刀流の達人悠太郎の対決は? 山田風太郎が描く会心の忍法小説。
  • 修羅維新牢
    -
    「待て、ぬしァ旗本か」そのひと言で沼田万八は3人の官軍に呼びとめられた。「ちょっと、来う。汝の首斬る用じゃ!」筒袖羽織に長い毛をなびかせたかつら。そんな異形で江戸を闊歩する官軍が7人、たてつづけに殺された。江戸市民は喜んだが、東海道先鋒隊長の中村半次郎は激怒した。“薩摩兵1人が暗殺されたら旗本10人を斬る”と。その布告に基く犠牲者第一号が沼田万八であった――幕末の激動期、奇しき運命にもてあそばれた10人の侍の人生を、哀切、劇的な展開のうちに描く。
  • 鼠、狸囃子に踊る
    4.1
    女医の千草の手伝いで、一人でお使いに出かけたお国。帰り道に耳にしたのは、お囃子の音色。フラフラと音が鳴る方へ覗きに行ったはいいが、人っ子一人、見当たらない。次郎吉も話半分に聞いていたが……。
  • 天と地と(一)
    4.3
    「これはおれの子ではないのかも知れない」為景は思った。長尾為景、63歳。妻は袈裟、21歳、その早過ぎる妊娠が、そんな疑惑を生んだ。が、生まれた赤ん坊は、輝きの強い眼を持つ男の子で、虎千代と名づけられた。のちの謙信である。虎千代は、父に疎んじられる不満を抱きつつ、百姓出の娘松江、忠臣金津新兵衛らに守られて育つ。越中・越後の争乱は絶え間無く、やがて父為景は合戦で討たれ、兄晴景が守護代を継ぐが、それを不満とする長尾俊景が兵を挙げた。 カバーイラスト/熊谷博人
  • 魔群の通過
    -
    内戦の末に賊軍の汚名を着せられ、上洛に唯一の活路を見出した天狗党の千余名は、愛すべき水戸の町を後に、京へ向かって苦難に満ちた大行軍を開始した。執拗な追手の攻撃、行く手を阻む厳寒の山河、続出する怪我人や病人。「京へ行けば逆賊の汚名を晴らせる」一途にそう信じて進む彼らの前に、絶望的な道程が待ち受けていた……。幕末に起きた天狗党の悲劇の顛末を、全編一人称の語りで描いた著者入魂の力作長編!
  • 自来也忍法帖
    3.5
    世にも奇怪な異変が起きた。それも将軍お目見えのおごそかな儀式の最中にである。父の名代で出席していた、伊勢三十二万石藤堂藩の後継者藤堂蓮之介が、突然四つん這いになり、激しく腰を上下に浮動させた。そして、夥しい精汁を垂れ流すと悶死したのだ! 五人のくノ一が使う伊賀秘伝の忍法「精水波」。そして藤堂藩領内にある伊賀の里で、ひそかに進められている藩乗っ取りの陰謀。正義の忍者自来也が、これに敢然と立ち向かう。波瀾万丈、壮大なスケールで描いた傑作忍法帖。
  • 忍法笑い陰陽師
    -
    太平の世に忍術など何の役にも立たない。今は大道易者を続ける果心堂。だが、その独特の占いには絶大な効力が……。ある日、武士の客が来た。絶世の美女を賭けた試合の勝敗を占って欲しいと言う。相手は美男の剣客。それに比べこの男のひどい顔はどうだ。これじゃ試合に勝っても女が祝言に応じるはずがない。同情した果心堂は、この男に勝たせようと思った。そして「おん根相拝見」と言うや否や、男の股間に手を伸ばした! 奇抜な発想と強烈なユーモアで描く抱腹絶倒の連作忍法帖。
  • 忍法流水抄
    -
    刈羽の眼が再び開かれて、次第に夜光虫のような光を放ち出した。お霧は刈羽の胸にしがみつき、右腕を帯の間の懐剣のつかにかける。とその時、お霧は眼のあたりにちくりと痛みを感じた。そして「おれの陰毛じゃ」という刈羽の声と共に激痛が走り、お霧の両眼は縫い閉じられていた……。羽柴、徳川、毛利、明智の忍者たちが卍巴になって繰り広げる、奇想天外な忍法合戦! 叛の忍法帖/おちゃちゃ忍法腹/近衛忍法暦/羅妖の秀康/慶長大食漢/彦左衛門忍法盥を収録した傑作忍法帖。
  • 忍法女郎屋戦争
    -
    「祖先は八千石、江戸城に半蔵門の名を残したほどの服部家のあるじが、女郎の親玉とは!」吐き捨てるように言い放つ妻に、婿養子の伊賀組頭領服部億蔵は、身を縮めた。権勢を誇る老中田沼意次の馬鹿息子で若年寄の田沼意知は、侍専用の遊廓女郎屋、いわば公務員レクリエーション設備として国営のを作ることを発案した。父の許可を得た意知は、市場調査とその設営を伊賀組に命じた。だが、出世と引き換えにこの命令を受けて帰った頭領の億蔵は……。忍者の掟をテーマに描く傑作忍法帖。
  • 忍法陽炎抄
    -
    慶長十八年、江戸の町には無数の盗賊が跋扈していた。その中で、町奉行も手をこまねく強かな一団があった。大御所家康の直命を受けた伊賀の服部半蔵は、一党を率いてこの盗賊の掃討に立ち上がり、首謀格の二人を捕えた。この二人は北条家再興の軍資金調達のため盗賊をはたらいたと自供したが、彼らを操るもう一人の男がいたのだ。その名を向坂甚内。蜘蛛の糸で口も眼も縫い閉じてしまう恐るべき忍法“紅蜘蛛縫い”を駆使する風摩忍者だ……。復讐をテーマに選んだ傑作忍法帖。
  • 忍者月影抄
    -
    幕府による世を上げての節倹の時代に、堂々と遊蕩に耽る大名がいた。尾張藩当主の宗春である。豪放な気性で、現将軍吉宗とは全く反りが合わない。宗春の乱行は次第に激化していった。そして遂に、両者の関係は最悪の事態を迎えたのである。尾張藩は甲賀忍者と尾張柳生の剣士を使い、将軍吉宗の淫蕩な過去を暴こうとし、将軍家はお庭番の伊賀忍者と江戸柳生を用いてこれを阻止しようとした。やがて、秘術を尽す壮絶な陰の闘いが始まった……。波乱に富む忍法帖屈指の傑作!
  • 忍法落花抄
    -
    失踪していた妻が眼前に引き出され、上司〈吹雪〉に犯されそうになったのを見て、幕府隠密〈薄雪〉はついに叛意した。松平伊豆守に一服盛ることを約束したのだ。すると吹雪は壁の方に歩いていき、土壁のくぼみに顔を押しつけた。数分後、ふり返った男の顔は、吹雪とは似ても似つかぬ別の男だった……。「島原の乱」から由比正雪を経て、「伊達騒動」に至る謀叛の系譜を確立しようとする怪人森宗意軒と、顔面取り替えの忍者を描いた「忍者仁木禅正」ほか、7編を収めた痛快忍者列伝!
  • 忍法忠臣蔵
    -
    しずしずと御寝所に入ってきた白無垢衣装の処女。だが次の瞬間、好色な将軍綱吉の顔が恐怖に歪んだ。なまめかしい女体が血しぶきを上げて引き裂かれ、たちまち肉塊と化したのだ! 自分を裏切り、大奥へ上がった女を惨殺した伊賀忍者無明綱太郎は、江戸から米沢へ逃げた。上杉家城代家老千坂兵部にかくまわれた彼は、身の安全と引き換えに密命を受けた。想像を絶したその任務とは……? 赤穂浪士討入りの蔭に暗躍する伊賀忍者と能登忍者の熾烈な戦いを描く、山田風太郎の傑作忍法帖。
  • 忍者六道銭
    -
    城の奥庭に、小童しか入れない二個の鎧櫃が置かれた。二人の忍者は、両足を揃えてそれぞれ中に立つと、するすると櫃の中へ沈んでいき、ふたをしめた。やがて再びふたがあき、二人の忍者が立ちあがった時、一座の人々は悲鳴に近い叫びをあげた。二人が入れ替っていたのである! 気に染まぬ三つの縁談に悩む美しい姫君から密命を受けた二人の筑摩組忍者は、秘伝の忍法を駆使すべく、勇躍して出かけたのだが……。著者自らが忍者の決闘を主題にした短編を選んだ忍法帖
  • 恋形見
    値引きあり
    4.0
    上総飯野の保科家から、会津松平家に養女として入った照姫は、世子・容保との結婚は叶わず、いったん他家へ輿入れする。しかし、幕末の動乱に容保の身を案じる照姫は、自ら離縁を願い出て再び松平家に戻った。京都守護役として尽力したにもかかわらず、容保はやがて、賊軍として追討される身となり……。恋君の悲恋を描く表題作のほか、「間諜許すまじ」「眉山は哭く」「明治四年黒谷の私闘」など、維新期の時代の波に翻弄された無名の人々を描いた四篇を収める、佳品短篇集。
  • 日本改暦事情
    3.0
    徳川四代将軍家綱の治世、ある「プロジェクト」が立ちあがる。即ち、日本独自の暦を作り上げること。当時使われていた暦・宣明暦は正確さを失い、ずれが生じ始めていた。改暦の実行者として選ばれたのは渋川春海。碁打ちの名門に生まれた春海は己の境遇に飽き、算術に生き甲斐を見出していた。彼と「天」との壮絶な勝負が今、幕開く――。 本屋大賞受賞作『天地明察』の原型となった短篇小説、電子オリジナルで配信!
  • 冲方丁歴史小説4作品試し読み合本(『天地明察』『光圀伝』『はなとゆめ』『麒麟児』)
    無料あり
    4.5
    『天地明察』から『麒麟児』までの冲方歴史長編4作品、合計400ページ超(紙本換算)を収めた試し読み合本! 【収録作品】 『天地明察』 徳川四代将軍家綱の治世、あるプロジェクトが立ちあがる。即ち、日本独自の暦を作り上げること。当時使われていた暦・宣明暦は正確さを失い、ずれが生じ始めていた。改暦の実行者として選ばれたのは渋川春海。彼と「天」との壮絶な勝負が今、幕開く。日本文化を変えた大計画を瑞々しくも重厚に描く傑作歴史小説。 『光圀伝』 なぜ「あの男」を殺めることになったのか。老齢の水戸光圀はその経緯を書き綴ることを決意する。父・頼房に壮絶な「試練」を与えられた幼少期。「傾奇者」として暴れ回る中で、宮本武蔵と邂逅する青年期。学問、詩歌の魅力に取り憑かれ、水戸藩主となった若き「虎」は「大日本史」編纂という大事業に乗り出す。誰も見たこともない「水戸黄門」伝、開幕。 『はなとゆめ』 28歳の清少納言は、帝の妃である17歳の中宮定子に仕え始めた。華やかな宮中の雰囲気になじめずにいたが、定子に導かれ、その才能を開花させていく。機転をもって知識を披露し、清少納言は宮中での存在感を強める。しかし、権力を掌握せんとする藤原道長と定子の政争に巻き込まれて……。清少納言の心ふるわす生涯を描く、珠玉の歴史小説! 『麒麟児』 慶応四年三月。鳥羽・伏見の戦いに勝利した官軍は、徳川追討令を受け、江戸に迫りつつあった。軍事取扱の勝海舟は徳川家を守るべく、決死の策を練る。五万の大軍を率いる西郷隆盛との和議交渉に全てを賭けて――。 幕末最大の転換点「江戸無血開城」。命を賭して成し遂げた二人の“麒麟児”の覚悟と決断を描く、著者渾身の歴史長編。

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