国内小説 - 光文社 - 光文社文庫作品一覧

  • A HAPPY LUCKY MAN(ア・ハッピー・ラッキー・マン)
    3.0
    県人会の学生寮で、管理人が緊急入院。留年必至のレポート課題をかかえる、お人好しの寮長・柳瀬幸也が代役を仰せつかることに。飯の支度や便所のつまりぐらいはなんとかなるが、ライバル寮との喧嘩騒ぎや、恋のもつれに、痴漢冤罪まで――。次から次へと難題続出! はたして、幸也に未来はあるのか!? 愛と涙と笑いがいっぱい! スラップスティック青春小説。
  • おんなの条件
    -
    小谷敬子は昼はOL、夜は大学生。明るい彼女に忌まわしい秘密がある。中学時代、遠戚の石崎淳に暴力で犯されたことだ。そのため、現在の恋人花田英昭の胸に素直に飛び込んでいけない。やがて敬子は完全結合がなく、処女であったと証明される。ところが今度は花田に困った噂が……。誰もが苦悩する結婚への道を探る恋愛傑作小説。
  • 雨 の 扉
    -
    「雨さえ降れば……」「そう思っているうちは、あなたはここからは抜け出せない。雨なんて、自分で降らせるものよ」迷っている時間などない。自分で決めたことを信じて歩きつづけなければ……。絡み合う時空と人物が、読む者を心地好く幻惑する。人生の境目で、気づけば何かを失っているやるせなさと、それを乗り越える興奮を贈る、切なく温かい恋愛物語。
  • 善意の報酬
    -
    サラリーマンは経営者から能力を評価されにくいし、意見の上申もむずかしい。志村哲夫はこの障害を取り除こうと、ハーバード・ビジネス・スクールで学び、学友の日本財界二世(ジュニア)と親交を深めた。帰国後、彼らの協力を得て経営コンサルタント業を開店し、ドライな恋人葉月冴子とともに弱いサラリーマンを救う善意の活動を展開!
  • 残酷な昇格
    -
    縁談を断ってまで出世に賭けたキャリア・ウーマンを描く『残酷な昇格』。名家令嬢の誘拐事件にからむ熾烈なホテル戦争を衝く『罠の代償』。京都・西陣の老舗へ婿養子作戦を図った勤め人(サラリーマン)の策謀を暴く『許せない男』。どの作品も、企業の非情さと人間の葛藤をからませた臨場感が胸を打つ。長い通勤生活を経た著者ならではの白眉の傑作集。
  • 課長の操
    -
    百貨店の花房宣伝課長が、部下の野川に囁きかけた。「相談にのってくれ。今晩、喫茶店で待っている」と。用件は、「ネクタイ売場の嵯峨景子君を紹介してくれ」。 善良で気の弱い課長でも浮気の虫が騒ぐらしい。だが野川と景子は婚約中である。困って、さて、結末は?(「課長の操」)。表題作のほかに会社員(サラリーマン)の喜怒哀楽を満載!
  • マリリン・ブルウ
    -
    〃ブルウ……というよりは、グレエがかった、グレイッシュブルウ。私の、心の憂鬱程度を表せば、その色味は日により(時により)濃い薄いこそあるものの、依然として、色調(カラー)は変わらない。〃 自殺願望を持つ女性が、男性との関係でも、敏感すぎるがゆえに陥るブルウな世界。新感覚女流作家が書き下ろした神秘的小説(ミステリアス・ノベル)!
  • 子犬のように、君を飼う
    3.0
    悦楽の街マカオ。小説家は束(つか)の間の自由な時間を楽しんでいた。カジノで大勝している時、日本語で声をかけてきた美しい中国人の少女。娼婦を買ったことなど一度もなかった彼は、魅入(みい)られたようにホテルへと連れ帰ってしまう。それは、甘美な地獄への入口だったのか――。30歳も年下の少女との蜜月の先に待っていた運命とは? 異端の純愛を描いた、究極の恋愛小説。
  • 女奴隷は夢を見ない
    3.6
    「あなたのご両親は、あなたを売ることにした」女子大生・川上春菜は、父親の使いで訪れた横浜のビルで、突然告げられた。自分は売られ、間もなく「奴隷市場」で競(せ)りにかけられるというのだ。ビルの一室に拘禁(こうきん)され、絶望にくれる春菜。だが、仕入れられていたのは、彼女だけではなかった。女たちを待ち受けていた壮絶な運命とは? おぞましくも美しい禁断の書。
  • 人を殺す、という仕事
    3.8
    僕のもとにある日届き始めた一通の手紙。そこに書かれた指示に従うことで、僕の人生は驚くほど順調だった。手紙のお陰で、今後も幸福な人生が続くと信じていた。それが「殺人」を命じるまでは。従わなかった結果――母が死んだ。次は妻や娘たちの番だというのだ。あどけない少女、臨月の妊婦……僕は次々と手を血に染めていく。邪悪で美しい、傑作「暗黒小説」!
  • 虚業紳士~兜町を揺さぶった闇の男たち~
    5.0
    住宅・マンション分譲・ゴルフ場開発……。商才と有力者のコネに恵まれ、大峰秀直のビジネスは破竹の勢いで拡大しつづける。彼は資金力をつけると、上場企業株の買い占めに乗り出す。さらにその野望は大仕手戦へと向かう……。だが、巨額の資金繰りに窮して追いつめられた大峰は、一か八かの賭けに出た……。野望の実現へと突き進んだ男の半生を描く出色の経済小説。(『バブルの帝王』改題)
  • 滅びの宴(うたげ)
    -
    突如大発生し、甲府市を殲滅(せんめつ)した数十億匹のネズミの大群は、2年前に滅び去ったはずであった。しかし、強靭な生命力をもつ彼らは、歳月を経て蘇った。20億のネズミが、ついに多摩川の防衛ラインを突破! さらに過激派の破壊工作により、首都・東京は火の海と化した……。鬼才が世に問う衝撃の長編警鐘小説!
  • 密  謀
    -
    人間は誰でも殺される動機をもっている。京都郊外に『B・W・リサーチ京都』という謎の研究所が誕生した。小金持ちの軽食喫茶を営む近藤小一郎の出資である。所長・若狭芳樹と他の四人の幹部は、犯罪者であり、借金魔の会社員。儲かることなら脅迫も平気だ。ついには女事務員を絡めて、近藤を殺害、保険金を狙う。著者の名作『鬼畜』を彷彿させる人間の究極像。
  • 終着駅
    -
    二人の貧しい若者が薄暮に睦み合う恋人を発見、激しく興奮。男の背中を刺し、揃って女を襲ったがついに取り逃がす。犯人が、山へ登ったのも、恋人たちを苛めたのも、殺傷を図ったのもみなアソビ。罪の意識はなかった(「徒花」より)。 ――人生の辛酸を嘗めてきた著者が、さまよえる孤独な人間たちの魂を剔出する珠玉の傑作選。
  • おいしい水
    3.4
    同じマンションの主婦仲間と子育てに勤(いそ)しむ30歳の弥生(やよい)。夫の微妙な変化に気付きながらも、社会との接点を求めて、タウン誌のライターを始める。そこに、新たに入居した隣人のあけすけな言動が、平穏だった日常をねじれさせていく……。リアリズムの名手が切実に描く、人生の岐路に立つ女性の〃渇き〃と〃癒し〃。あなたにとって結婚は〃おいしい水〃ですか?
  • 昭和御前試合
    3.0
    ――何はともあれ、ここに私の原点があることは確かである。この短編集の中に、今の私につながるいくつもの要素、パロディ精神であり、ものを奇妙な角度から見る視点の取り方であり、文体模写などであるのだが、それがちゃんと入っている。清水義範はここから始まった(文庫版へのあとがきより)。 人気急上昇著者のデビュー作!
  • 事件屋悠介
    -
    三十坪の部屋に黒皮のソファ、さまざまな娯楽設備を完備した豪華な事務室。これが大洞悠介(おおぼらゆうすけ)の誇るオーロラ商事だ。だが、その業務内容はもっと奇抜だった。汚職情報をネタに汚職の元凶(げんきょう)に喰い込み、その上前(うわまえ)をハネる。悠介は、建設汚職に連座し、勤務先のY県庁を首になった。そして一念発起であみ出した究極の金儲けの秘法が、この仕事だったのだ。快進撃が続くが……?
  • 湿 地 帯
    -
    大同銀行の秘書室副部長・三浦昭二は、政界担当実務、実態は政治献金を政治家に届ける役目を命じられていた。ある日、その三浦に、保守党の代議士秘書から電話がかかった。厚かましさと押しの強さで有名な、通称ナベヤス。話を聞くうち、三浦は蒼(あお)ざめた。――巨額の金をめぐって生まれるどす黒い野望。永田町という湿地帯。銀行と政界の癒着を鋭く抉る問題作。
  • 虹の海藻~東証第二部~
    -
    証券市場は、岩戸相場の終焉で沈滞気味であった。最大手・大山証券の事業法人部次長・庵達夫は、新しく発足する市場第二部で、業績の悪い東洋紅藻工業の株を任された。この会社は莫大な借入金に苦しんではいるが、技術は非情に優秀である。庵は、立て直しに全力を傾けた。しかし、再建寸前に……!? ビジネスマンの本質と悲哀を鋭くえぐった傑作長編企業小説。
  • 欲望集団
    -
    証券担保金融という怪しげな会社を経営する犬塚誠のところに、十兆円の儲け話がもたらされた。日露戦争で財宝を積んだまま沈んだ軍艦を引き揚げるための、資金提供者を探してくれというのだ。犬塚は政財界の黒幕に取り入り、三十億円を捻出させたが、そこには恐るべき罠が……。現代欲望社会の裏面を凄絶に描く内幕経済小説。
  • 暗黒の月曜日(ブラック・マンデー)
    -
    ニューヨーク株式市場で、史上最高の大暴落! その余波はたちまち日本へ波及し、角六証券の吉村和夫の運命を大きく狂わせた。私生活のごたごたで仕事への集中力を欠いた彼は、百億円の損害を出した。大暴落は、失敗を一気に挽回する策を立てた矢先に起こったのだ。(表題作)現代企業社会に生きる人間たちの公私両面に光をあて、深い味わいを醸す経済企業小説集。
  • 小説四十九歳大全集
    -
    男四十九歳――はや「知命」の域に達しようとするが、地位は課長待遇。出世コースからはずれているからといってひがみもせず、けっこうオフィスラブも楽しむ……。 戦争のさなかに青春を過ごしてしまった中年男の、ちょっぴりセンチメンタルな心情を、著者得意のユーモアで綴ってみせる、傑作哀愁小説集!
  • 石に咲く花
    -
    カメラマンの国立敏夫は、ヨーロッパの裏町を写しまわり、強引な売りこみで海外で成功していた。日本を思い出させるものといえば、離婚した妻との間の娘・江利の面影だけだ。孤独なパリでのひとり暮らしをなぐさめるのは、娼婦のミレーヌ……。 女と夜を描き、現代のエゴイズムを鋭く抉る自選傑作集。
  • 悪の決算
    -
    渡来元彦(わたらいもとひこ)、44歳、東亜デパート経理部課長。彼が、田園調布にプール付きの豪邸を建てた。推定総額、1億6千万円。年収数百万円の彼に、なぜそんな大金があるのか。驚くべきカラクリが……!? 汚職、横領、暗闘……それは、現代企業にとって「必要悪」なのか? 企業小説の第一人者が、企業犯罪者たちの実体を抉る、異色の情報小説!
  • 銀行疑獄
    -
    銀行が我が世の春を謳歌した時代は終わった。冬の時代を迎える各行は、地方自治体の指定金融機関の地位獲得を最後のターゲットとした。その指定は法律により一行と定められているため、銀行のメリットは計り知れない。自治体幹部への猛烈な裏工作、ライバル銀行との虚々実々の駆け引き――銀行間の暗闘を描く衝撃の企業小説!
  • 黒の燃焼室
    -
    マスコミ操作、スパイもどきの欠陥車づくり、運転手の引抜き――。大口ユーザーであるタクシー会社への売込みを巡る自動車メーカーの壮絶な死闘! 名作『黒の試走車』の主役たちが再び登場して、謀略のコンクールを展開する表題作をはじめ六編を収録。熾烈極まる産業社会をリアルに描くビジネスマンの教科書!
  • 囮(おとり)
    -
    〈アナリスト〉という職業がある。証券調査マンのことである。成長する企業を発掘し、危ない会社をマークして見まもってゆくのが、日本のアナリストたちの仕事だと聞いて、私は、大いに作家としての食指を動かしたわけだ……。(著者のことば) 奇々怪々な株価のカラクリに単身挑戦する調査マンを中心に、証券界の裏面を活写する痛快小説!
  • 美男奴隷
    5.0
    「きみ、お願いだ! ぼくを乱暴に扱ってくれ!」全裸の男がひざまずき、中里千絵に哀願した。 尊敬する教師に処女を捧げながら、捨てられた18歳の高校生・千絵。彼女は男たちへの復讐を誓って単身上京した。そして、数々の情事、異常性愛をとおして〃女の武器〃に目ざめ、次々と男を征服していった。――痛快娯楽小説の傑作!
  • 社長になるぞ!
    -
    〃誰だって長島や王になろうと夢をもってプロ野球に入ってくる。社長になりたいと思うサラリーマンがいてなぜおかしい〃 井浦兆一(いうらちょういち)・41歳、友光ホームズの万年係長(マンカカ)だ。ようやく課長に昇進した井浦は、妻や部下の前で「社長になるぞ!」と宣言。周囲の冷笑を尻目に出世街道へ。――テレビの舌鋒で知られる著者の痛快小説!
  • 花のデカメロン
    -
    『デカメロン』は、フィレンチェの教会で七人の淑女と三人の紳士が十日間で百話を語った物語。この古典中の古典から、エロチックな、また機知に富んだ男と女のお話しを取り出し、阿刀田流スパイスをかけました! すると……。現代風に面白く生まれ変わった恋愛の手引き。あなたも洒落た恋を味わってください。
  • 愛の墓標
    5.0
    何度か関係をもったことのある女性部下の披露宴でスピーチする男、十数年前に一夜の恋におちた男の正体を知らされた女、見るだけで妊娠を言い当てる特技を持つ男が妻に抱く不安。 男と女の場面は、一見甘くソフトでも裏には複雑な心理のズレが……。十二カ月の四季の中で語られる愛と恐怖の世界を描く異色の小説集。誰の背後にも「愛の墓標」は横たわっている。
  • 百の眼が輝く
    -
    テレクラで知り合った人妻との刺激的な情事を自慢する友人の手帳から、密かに相手の電話番号を写した男は……。週末の夜ごと、異様な眼をして巫女の衣装を持って通うOLたち。その跡をつけた者は……。議論する蛸や、体を溶かす恐怖のパンなどなど。普通の人がさ迷い込んだ、奇妙で無気味で愉快で、そして怖い世界。それらはもともと、あなたの中にあったもの!?
  • ひとりおきの犯人
    -
    エリート税務署長の密かな願望とは。不思議な公園にさ迷い込んだ男の話。一万円札の長い旅。絶妙な舌技をもつ女の正体は。……おもしろさ、こわさ、奇妙さ、不可思議さ、色っぽさ……ユーモアとホラーを、ひとつおきに配列した、きわめつきの異色短編集。小説のおもしろさをたっぷり満喫できる一冊。
  • 虹の架け橋3時のおやつ
    -
    22歳のOL白川唯は、就職が決まった会社に絶望した。唯はどんな方法でこの苦境から脱出したのか? こんなとき、OLはいったいどうしたらいいのか? その具体策を明かす新実用小説。
  • 課長の厄年
    -
    寺田喬氏は、紡績会社の東京支社で課長をつとめる普通のサラリーマン。彼が四十一歳のころから、この物語、迷いと苦しみの日々が始まった。……まず体調の不安、そして会社での上司と部下の板ばさみ、勉強嫌いの息子と老いた親。山積する問題に、もがきあえいだ末、寺田氏は起死回生の脱出法を思いついた。それは……? サクセスのためのノウハウを秘めた実用小説。
  • 妖魔男爵(ようまだんしゃく)
    4.3
    妖魔退治の宿命を負う男・工藤明彦。不思議な霊に護(まも)られた老女・武井そよに依頼され、北の果ての深草家の島・護符島へ。古来、日本の権力を闇で支えた謎の「力」の守護者・深草家。当主の男爵は、50年以上前に突如、島の館の地下室に消えていた。工藤を迎えたのは「力」から生まれた超絶妖奇なメカと魔人化物! 翻弄される工藤は男爵を助けられるか!?
  • 青山物語1971
    4.0
    1971年4月。愛知県の大学を卒業した平岡義彦は、青山の裏通りにある小さな企画調査会社に入社した。従業員は、社長以下6人。給料は3万円。それも10日ごとに1万円払うというひどさだった。このような状況にあっても、彼は落ち込むでもなく、将来、小説家になるんだという夢を持ち続けていた。著者の冴えなくも素晴らしい時代を描いた、自伝的青春物語。
  • 恋とは何か 君は知らない~湘南探偵物語~
    -
    万里村桂、26歳、生粋の湘南娘。高校時代は祖父直伝の柔道の腕を生かし、不良女子校生退治をしていた。単身米国生活六年の後、逗子で友達の店を手伝う独り暮らし。そんな彼女には「ヨコスカCIA」としてのもう一つの顔がある。駐留する二千人近い米兵と日本人とのトラブル処理が、その主な仕事だった……。葉山に在って、自ら海にも乗り出す著者が描く潮気満喫の物語。
  • 恋はフェニックス~湘南探偵物語~
    -
    万里村桂、26歳、生粋の湘南娘。高校時代は祖父直伝の柔道の腕を生かし、不良女子校生退治をしていた。小遣い稼ぎにもなった。そしてそれが父親に知られ、勘当。以後アメリカで六年近くを過ごし、現在は逗子で友達の店を手伝う独り暮らし。そんな彼女に、米軍横須賀基地の大佐がある正式な依頼を……!? 〃自分のスタイル〃を大事にする男と女の、潮気に満ちた物語。
  • 女医彩子の恋愛診察室
    -
    女医彩子は悩んでしまった。患者の美加子が、就寝中に強姦されたと訴えるのだが、どうもその証拠が得られない。美加子は元女優で歌手の、妖精のような美人。かつて所属プロの社長小西と同棲していた過去があるのだが……。――内科医は、体だけでなく心の診療も大切だ。彩子の作詞した歌が、美加子の恋に迷う心を救った。
  • 純  情
    -
    やくざも泣いて逃げ出す一匹狼の極道・ソクラテス。大阪・新世界界隈を根城にするこの男が恋に落ちた。相手は、神戸の震災ですべてをなくした薄幸の美女・ルビー。だが、ルビーの前に父親の巨額の負債返済を求める男が突然現れる! 更にソクラテスの幼なじみの警官・島田までが、同じ男に重傷を負わされ……。男の純情を拳に込めてソクラテスがどつきまくる痛快長編!(『くたばれ 極道「ソクラテス」』改題)
  • 小説 日銀管理
    4.8
    【佐藤浩市 主演ドラマ「LEADERS リーダーズ」原案】 戦後まもなく、アイチ自動車が突然の経営危機に――。「乏しきを分かつ」を信条にしてきた温情社長・愛知佐一郎は、苛酷な人員整理を前に苦悩する。メインバンクたる都銀の冷酷なあしらい。労使の激しい対立。そんな絶望的な状況下に、意外にも日銀による援助の手が。そして運命を握る一人の女……。企業の怨念と十五年目の復讐をドラマチックに描いた渾身の経済小説!
  • 小説エネルギー戦争
    -
    東亜工大半導体研究所と芙蓉電機は太陽エネルギーの画期的商品化に成功した。ところが、プロジェクトの中心的存在だった東亜工大・青柳教授が変死をとげた!? 情報誌記者・水原純三は、真相を探りつつ、保守党の片浪幹事長の密命を受け、他社メーカーへの売り込み工作に乗り出す……! 詳細なデータで描く長編情報小説!
  • 香色代理人
    -
    太田桐子が主婦売春の組織に入ったのは、重い住宅ローン返済のためである。相手の男性は、地位や年金や財産に恵まれた孤老ばかり。桐子は30代の夫より生彩のある老人に瞠目しながら裸身をさらす。やがて主宰者の水本京子が検挙され、服役。その間、桐子は水本の代わりに組織の経営を企むが、思いがけない陥穽が仕組まれていた。
  • 巨億の構造~華道家元の内幕~
    -
    葛城仙渓(かつらぎせんけい)は、門弟350万人をかかえる華道・葛城流の家元である。京都府下の小都市に本拠をもつが、歴史は古く、日本最大級の組織を築き上げた。だが、内部の腐敗は目を覆うばかり……。手形の乱発、脱税容疑、夫婦の亀裂、兄弟の争いと、花にそむく醜さである。 著者は何やら実在しそうな仙渓の身辺をサスペンス風に追跡した。
  • 吼える密林~アフリカ竜を探せ~
    -
    中央アフリカ、コンゴ、ザイール国境の密林に恐竜がいる!? 1965年、四人のベルギー人が探検隊を組み、恐竜のものと思われる牙を収集した。そして、パリにあるフローベル財団の調査隊が現地へ入った。一方、アラブのプリンスは恐竜の剥製の首(トロフィー)を狙う! 人跡未踏の密林に、アドベンチャーノベルの鬼才がペンを入れた。
  • 流通の覇王~小説「スーパー」戦争~
    -
    スーパー『レインボー』の総帥・鳴門光は、「闘争こそがすべて」という人生観を持つ。すでに関西に地歩を築いた鳴門は、関東進出に、ライバル・南部流通グループの聖地、埼玉県所沢市を敢えて選んだ。計画を阻止すべく南部グループが動き出す。一方、神奈川県では、急成長の『トーキョー堂』との戦いが……。 流通業界を制するのは誰か? 著者会心の長編企業小説!
  • 密 航 船
    -
    四国の寒村の若者がボロ船でアメリカに向かった。貧しさゆえの密航だった。時は明治44年2月。リーダーの普元五十男を含む10名には2組の夫婦が含まれていた。一行は幾多の危機を越え、61日目で大陸に到着したが、すぐ保安官に追われ、分散して逃走! 彼らの運命は……?『刃差しの街』『密漁船』と合わせ海洋三部作。海育ちの著者だけに読者の魂を揺さぶる。
  • 秘密な事情
    -
    公正取引委員会の立入り調査で、その大手家電メーカーはマスコミの袋叩きに遭った。会社にとって初めて遭遇する批判であった。…オーナーの命を受けた広報マン・堀川陽一郎は、社の暗黒面をのぞく結果となった。そして、自らの足許が崩れゆくのを知りつつも、社のイメージを守るため、裏工作に徹した。大企業の暗部を守る中堅管理職の苦悩を、赤裸々に描いた傑作。
  • 女 重 役
    -
    二十八歳の加納市子は、職業人として生きたいという強い意志から、〃女〃〃年齢〃というハンデを乗り越え、老舗・第一屋百貨店に入社した。持ち前の粘り強さで周囲の信頼を得て活躍、取締役広報室長のポストについた。しかし、ここで社内を揺るがす難問が! 男尊女卑のビジネス界で、見事頭角を現わした女性の鮮烈な生き様!
  • 極秘指令
    -
    米国最大の自動車会社と資本提携し、経営再建を図る共立自動車に、生き残る道はあるのか? ワンマン社長が病いに倒れるや、社内外には不穏な気配が漂った。 貿易摩擦、国際資本の圧力、権力の座をめぐってしのぎを削る企業戦士たち。 自動車メーカーの内幕を描き切った企業小説の傑作!
  • 闘いへの執着
    -
    笹沼金一郎は、一代で日本最大の製パンメーカーを築きあげた。今は心臓病で倒れ、療養生活を送っているものの、社の業績は順風満帆であった。しかし、実弟の副社長を中心とする造反グループが、金一郎を窮地に追い込んだ! 乗っ取り劇を背景に、男たちの熾烈な争いと、愛憎の人間ドラマをみごとに描く企業小説の傑作!
  • 乗 取 り
    4.0
    「どうしておれに……」スワン油脂工業社長室主査の緒方孝也は、上司の密命を受け、土曜の夜、トラックを走らせていた。これが巧妙な謀略、ユダヤ資本によるM&A(企業買収)の発端であった。孝也の不倫の相手・佐和子の行動にも謎が? 〈表題作〉――現代資本主義の非情と、男の熱い人生をダイナミックに描いた傑作集。
  • 家光謀殺~東海道の攻防十五日~
    -
    謎の尼僧が残した紙切れから家光暗殺の計画が浮かび上がった。これを阻止すべく、大久保彦左衛門をリーダーとする七人の特命隊が組織された。メンバーは、剣豪宮本武蔵、軍学者由比正雪、槍の達人丸橋忠弥など。東海道を京に向かう家光の一行に襲いかかる魔の手。危機管理のプロたちは、将軍を守りきれるのか? 綿密な時代考証のもと描かれた奇想の物語。
  • 独りだけの役員会
    -
    東協証券のワンマン社長、渡辺哲夫は、実力専務の牧田不二夫に後を譲ったが、代表権を持つ会長としてとどまり、財界での活動に野心を抱く。有力政治家に接近、政府諮問機関委員のポストにも就いた。が、彼の会社を資金パイプにしようと、総会屋の代議士が群がり、組織は崩壊寸前! 証券界のドス黒い内幕を暴く震撼の長編企業小説!
  • 銀行消滅
    -
    「銀行冬の時代」を迎えた。東京に本店を持つ大友銀行、その頭取、大友尚久は、突然に大蔵官僚の意思決定として、金融再編成の話を聞かされた。具体的には、東京に地盤作りを目指す関西のライバル銀行への吸収合併を意味していた。その場では、何の条件も出さずに「了承」を装った大友であったが……!? 醜くも権謀術数の限りを尽くす、新銀行誕生の裏側を敢然と描破!
  • 総理大臣の椅子
    -
    衆議院選挙で、保守党は野党に圧勝した。第二次田岡内閣も磐石の備えを固めたように思えたが、現実は主流・反主流の議員数が互角になったため、党内抗争が激化した。そんな折り、情報屋の大物・小比木正道の射殺死体が発見された。 金の集め方、敵の弱点の突き方、敵を味方にする秘策など、権謀術数の限りを見せる総裁選内幕小説!
  • ベンチャー・ビジネスの神話
    -
    今、ブームのベンチャー・ビジネス。急成長の裏にはおのずと限界があった。ハード、つまり、生産部門を持たないからである。 ベンチャー・ビジネスの雄〃ユニバーサル・ハイテク・ゼロ〃はハードに狙いをつけ、〃東洋釣具〃というメーカーの乗っ取りを謀るが……!? 企業人の葛藤をスリリングに描く、著者得意の長編ビジネス小説!
  • 仕掛け屋
    -
    菊亭忠俊には、大きな野望があった。一流大学を優秀な成績で卒業しながら、大阪・北浜にある小さな地場新聞社に入社。そこで、証券会社の裏表を体得すると、独立し、「株式投資研究所」を設立した。そしてついに政界工作を企て、危険な賭けに出た……!? 株と政治の世界のカラクリを描く、長編経済ピカレスク衝撃作!
  • 約束された明日
    -
    関東大震災の翌年、帝国瓦斯に入社した宗方は、同期入社で経済界の大立者を祖父に持つ沢村に必要以上のライバル意識を抱いていた。やがて二人は、現場(エンジニア)と営業という違った分野で、次代の帝国瓦斯を担う実力者に育っていった。そして遂に社長決定の時期を迎えた……!? 非情なビジネスの世界を生き抜く男たちの凄絶な闘いを描いた、長編企業ピカレスク!
  • 就職ゴリラ塾
    -
    就職という人生の難関を突破するためには――大学生のゴ(誤解)を解く。企業や社会のリ(裏面)を伝える。そして、知識や情報のラ(落差)を埋める。――こうして就職ゴリラ塾が開校された。日本経済の本質、日本的会社の特質、サラリーマンとは何者なのか?……学生のみならず、社会人にとっても有用な知恵を、非常にわかりやすく講義する長編実用サクセス小説。痛快作!
  • 大物(第二部 独眼流の巻)
    -
    〃大物への道〃を目指し、忠は社員わずか三人の紅葉川証券で、兜町人生のスタートを切った。彼のはる株はおもしろいように当たり、〃独眼流〃を名乗って「株式新聞」に書く予想記事も、たちまち兜町の名物となった。酒、女と、男の修行を積む忠に、大物にのし上がるチャンスが来た! 昭和25年朝鮮戦争勃発。売りか、買いか。独眼流、勝負のときである!
  • 乗取り屋(上)~赤い欲望の巻~
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    1~2巻770円 (税込)
    紅蓮の炎に包まれ、阿鼻叫喚の地獄と化した「ホテル・ニュー赤坂」を背に、社長の榊原文麿は無表情に空を見つめた。――酒乱の父のために、赤貧の少年時代を送った榊原は、東京のメリヤス問屋へ奉公に出た。そして、徹底した倹約によって貪欲に金を儲けた。〃乗取り屋〃と異名をとる男の栄光と挫折――長編企業ピカレスク!
  • てやんでェ(上)
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    〃てやんでェ〃と借金蹴散らす、雑草大阪人の木塚慶太。 昭和三十六年、日本は高度成長の真っただ中。時代の申し子・木塚は、東京、京都、果てはアメリカを舞台にして、せこい奴らを翻弄する。欲望、計略、陰謀が渦巻く世間を手玉にとって、自由自在に活躍する破天荒な快男児を描いた痛快娯楽小説の大傑作!
  • 刃差しの街
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    紀州太地にクジラの回游が途絶えた。明治10年のこと。困窮するクジラの村を救うため、捕鯨責任者・勝山良之助は若い未亡人・お妻を付け人に大阪や東京へ金策に飛ぶ。その頃、日本近海でアメリカの黒船が鉄砲でクジラを撃っていた。しかも二人は日米開港条約が相手方の捕鯨に有利な条件なのを知った! 著者自ら現地取材を重ね、全力を傾注した直木賞候補の大作。
  • 頭 取 室
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    東京・赤坂のホテルで、山城幹夫は新しい〃獲物〃である女子行員を待っていた。彼にとって女は、出世欲をそそる刺激剤にすぎない。山城は業界でも五指に入る勧業相互銀行の専務である。だが、殿村頭取は、山城を後継者から外そうと画策する……。銀行界を舞台に、男の野心を迫真の筆致で描く企業小説の白眉!
  • 雪のドレス
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    大手電機メーカーに勤める39歳の杉本慎二は、突然の辞令で金沢への転勤を命じられる。 そして早春の金沢へ赴任する前日、彼は部下の由美から〃運命の唇〃を受けた。その日から二人の間に、怨念ともいえるラヴ・コールが始まるのだった……。 金沢、東京、福岡、南米のチリなど、風情ある都市を舞台に、男女の悲哀を描いたラヴ・ストーリー話題作。
  • 華やかな醜聞(スキャンダル)
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    投票が始まった。黒ずくめの男たちが議員たちの脇についた。彼らがポケットから取り出した封書には、議員たちが思いもかけない名前があった。「猿田弘平」……。 あらゆる手段を使って獲得した総理大臣の椅子。そこには欲に蠢く政・財界と芸能界の隠された相姦図があった!――虚構に生きた人間の成功と破滅とを描く力作!
  • 摩天楼―消えた商社
    -
    〃イラン原油が買いたたかれはじめた!〃やり手の石油転売業者(オイル・トレーダー)片倉幸彦のもとに届いた驚愕すべき情報……。これが真実ならば、先に片倉がまとめた取引は、3億3千万円もの損失を生む。容易ならざる事態の奥で蠢くのは、オイル・マフィアの闇の力か、それとも……? 国際市場で展開する激烈な石油商戦を鋭く描き込んだ長編ビジネス小説。
  • 復讐、そして栄光(下)
    -
    エジプトの英雄バイバルスが最強の敵であるモンゴル軍を敗った鍵は、着実に民衆の心を掴んだ統治力と、近代的なスパイ戦にあった。世界史を書きかえたといわれる中世の国際諜報戦に、彼は〃勝利の秘密〃を発見した! 膨大な史料と綿密な現地取材をもとに、中世イスラムの風雲児の実像に肉薄! ひたすら戦い続け、乱世を生き抜いた男を描く傑作大河小説の完結編!
  • 悪意銀行〈ユーモア篇〉
    3.7
    近藤庸三と土方(ひじかた)利夫、ふたりが顔を合わせるところ悪事あり。土方が設立した悪意銀行もそのひとつ。この銀行、悪意に満ちたアイディアを預かり、それを活用したい人は、現金と引換えに融資を受けることができる。そこへ、地方都市の現市長暗殺プランを求める融資希望者が現れた! 名コンビが繰り広げる大騒動。(悪意銀行)笑いを満載、落語もあり!
  • Bランクの恋人
    3.4
    ハンサムじゃないのにモテるために努力を続ける「Bランクの恋人」。「はずれっ子」と付き合ってばかりの「負け犬教師」。奥さんが鬱になった塾講師に一目惚れする恋多きゲイ……。ちょっぴり変な「愛」の形を、テンポよくユーモアたっぷりに描く! 「爆笑」のち「ちょっとホロリ」な傑作短編を収録。「ショートストーリーの魔術師」が贈る元気をくれる7編。
  • 東京難民(上)
    3.7
    1~2巻660円 (税込)
    時枝修(ときえだおさむ)は、東京郊外にある私立大学の三年生。夏休み明けにクラス担任から告げられたのは、学費未納で除籍になるという寝耳に水の事実だった。北九州の実家では、借金を抱えた両親が失踪(しっそう)。貯金はないに等しい。アルバイトを転々とする中、家賃滞納で住居も追い出されてしまう。追いつめられる修。だが、それはまだ、底なしの貧困と孤独への入口に過ぎなかった――。
  • 半熟AD
    3.8
    番組制作会社の元AD(アシスタント・ディレクター)で、今は無職の田野倉敦(たのくらあつし)、27歳。仕事先を探す中、同居人の先輩に強引に引き込まれ、敦は一般人相手の映像制作会社を手伝うハメに。不本意な仕事ばかり舞い込むが、ある日、天才的な歌声を持つ少女が彼らのもとに現われて――。読めば元気が出ること間違いなし! お仕事小説で話題の著者が贈る、人生賛歌に満ちた爽快エンタテインメント!
  • 彼女のしあわせ
    3.9
    長女・征子(せいこ)は百貨店の幹部社員。独りで生きると決めてマンションを購入した。次女・月子(つきこ)は専業主婦。幼い娘を放り出しブログの世界に逃避している。三女・凪子(なぎこ)は姉たちにも告げていない体の秘密を抱えたまま結婚した。母・佐喜子(さきこ)は夫と姑への我慢が限界に達し、ついに家出をする。3人姉妹と母親、それぞれの傷を抱えて生きる4人の女性の哀しみを包み込む物語。
  • 花酔い
    5.0
    フリーのメイクアップ・アーティスト黒地渉。彼にメイクを施された女たちは、厚く身に纏った心の鎧を脱ぎ捨て、本当の自分をさらけ出す。雑誌編集者、新進女優、主婦、美術館学芸員、祇園の女将……その肌に渉のしなやかな指が触れるとき、彼女たちは今まで経験したことのない官能の悦びに目覚めていき……。女の肉体の深奥に潜む欲望を濃密に描き出す官能連作集。
  • エクスワイフ
    4.0
    「この三百万で、亜里紗を買いたいんだ」。自分を捨てた美しく高慢な妻。男の望みは、その身体を鞭で打ち据え、泣き叫び許しを乞う姿を見ることだった。憎しみに狂う男の胸に去来する思いとは?(表題作) 若さと美貌を失い、出張売春婦へと堕ちた銀座の女を襲う地獄のような夜、そして小さな希望。(「オカメインコ」) 異形の愛と欲望を鮮烈に綴る全8編を収録。
  • セシルのもくろみ
    3.5
    平凡な生活を送る専業主婦・宮地奈央(みやじなお)の生活は一変した。友人に誘われ軽い気持ちで応募した女性誌『ヴァニティ』の読者モデル募集で思いがけず採用されたのだ。華やかなファッションの世界に渦巻くモデルたちの様々な思惑に困惑しながらも、奈央は“負けたくない”という自分の中の「女(セシル)」に気付く――。人気女性誌『STORY』の大好評連載、待望の電子化!

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  • 三千枚の金貨(上)
    3.0
    1~2巻660円 (税込)
    新進文具メーカー役員の斉木光生(さいきみつお)は、五年前に入院したとき、末期ガンの患者から不思議な話を聞かされた。和歌山県の山にある桜の巨樹。その根元に三千枚の金貨を埋めたという。「みつけたら、あんたにあげるよ」と言われた記憶が蘇り、会社の仲間の宇津木(うつぎ)、川岸(かわぎし)の二人に話をするが、別の怪しい男たちも金貨を探していることに気づく。金貨は本当に存在するのか!?

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  • 森のなかの海(上)
    4.2
    1~2巻660円 (税込)
    阪神淡路(はんしんあわじ)地区を大地震が襲った日、36歳の仙田希美子(せんだきみこ)の平穏な人生も崩壊を始めた。夫は地震の直後に愛人のもとへ行き、姑(しゅうとめ)もその存在を認めていたのだった。離婚を決意した希美子は、両親や妹たちに支えられ再出発をはかる。やがて、学生時代に知り合った老婦人、毛利カナ江から奥飛騨の広大な森と山荘を相続し、息子二人と移り住むことに。現代に希望の光を与える大作。

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  • シンデレラ・ティース
    4.0
    大学2年の夏、サキは母親の計略に引っかかり、大っ嫌いな歯医者で受付のアルバイトをすることになってしまう。個性豊かで、患者に対し優しく接するクリニックのスタッフに次第にとけ込んでいくサキだったが、クリニックに持ち込まれるのは、虫歯だけではなく、患者さんの心に隠された大事な秘密もあって……。サキの忘れられない夏が始まった!

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  • 短劇
    3.6
    懸賞で当たった映画の試写会で私が目にしたのは、自身の行動が盗撮された映像だった。その後、悪夢のような出来事が私を襲う……。(「試写会」) とある村に代々伝わる極秘の祭り。村の17歳の男女全員が集められて行われる、世にも恐ろしく残酷な(笑)儀式とは?(「秘祭」) ブラックな笑いと鮮やかなオチ。新鮮なオドロキに満ちた、坂木司版「世にも奇妙な物語」。

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  • 世界でいちばん長い写真
    3.8
    人気者だった親友の洋輔が転校してから、宏伸の毎日は冴えない感じだ。特にやりたいこともなく、クラブ活動の写真部でも、部長からしかられてばかり。そんなある日、祖父の古道具屋で、大砲みたいにごつい不思議なカメラに出合う。世界一長い写真が撮れるカメラって!? その日から、宏伸の日常がきらめき始める。ワクワクして胸にジンとくる、青春小説の新たな傑作!

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  • 痺れる
    3.8
    12年前、敬愛していた姑が失踪した。その日、何があったのか。老年を迎えつつある女性が、心の奥底にしまい続けてきた瞑い秘密を独白する「林檎曼荼羅」。別荘地で1人暮らす中年女性の家に、ある日迷い込んできた、息子のような歳の青年。彼女の心の中で次第に育ってゆく不穏な衝動を描く「ヤモリ」。いつまでも心に取り憑いて離れない、悪夢のような9編を収録。

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  • ガール・ミーツ・ガール
    4.0
    柏木夏美は、デビュー間近の事務所期待のミュージシャン。けれども、ビジネスモードな大人たちとは噛み合わないことばかり。マネージャーの宮原祐司も、気分屋で頑固な夏美に振り回されっぱなしだ。そんなとき、二世タレントのお嬢様アーティストとのコラボレーションの話が舞い込む。性格も音楽性も天と地ほど違う異色コンビの命運は? 痛快で熱い青春小説。

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  • 疾風ガール
    3.7
    柏木夏美19歳。ロックバンド「ペルソナ・パラノイア」のギタリスト。男の目を釘付けにするルックスと天才的なギターの腕前の持ち主。いよいよメジャーデビューもという矢先、敬愛するボーカルの城戸薫が自殺してしまう。体には不審な傷。しかも、彼の名前は偽名だった。夏美は、薫の真実の貌を探す旅へと走り出す――。ロック&ガーリーな青春小説の新たな傑作!

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  • ロコモーション
    3.3
    小さなまちで、男の目を引くからだを持て余しつつ大人になった地味な性格のアカリ。静かな生活を送りたくて大きな街に引っ越し、美容関係の仕事を見つけた。しかし、親友、奇妙な客、奇妙な彼氏との交流が彼女の心の殻を壊していく――。読む者の心をからめとる、あやうくて繊細でどこか気になる一人の女性の物語。『田村はまだか』に続く珠玉の一冊!

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  • 月下の恋人
    3.6
    恋人に別れを告げるために訪れた海辺の宿で起こった奇跡を描いた表題作「月下の恋人」。ぼろアパートの隣の部屋に住む、間抜けだけど生真面目でちょっと憎めない駄目ヤクザの物語「風蕭蕭」。夏休みに友人と入ったお化け屋敷のアルバイトで経験した怪奇譚「適当なアルバイト」……。“心の物語”の名手があなたに贈る味わいある作品集。珠玉の11篇を収録。

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  • 量刑(上)【分冊版】
    -
    1~2巻660円 (税込)
    アートフラワーに隠された濃紺の風呂敷包みを届ける途中、上村岬(うえむらみさき)は母娘を車ではねた。「たとえどんな事態になっても、必ず俺が助けてやる」愛人・守藤秀人(もりふじひでと)の言葉で岬のためらいは消えた。殺人と死体遺棄容疑、自首目前の逮捕、示談の決裂、死因鑑定の揺れ。法壇と傍聴席の背後には不穏なさざ波が。量刑に厳しいと評判の神谷(かみや)裁判長は審理の帰趨(きすう)をどう判断するのか。

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  • 量刑(上・下合冊版)
    -
    裁判員制度が開始され、もう誰もが人ごとではすまされない量刑の判断。殺人と死体遺棄容疑、自首目前の逮捕、示談の決裂、死因鑑定の揺れ。法壇と傍聴席の背後には不穏なさざ波が。量刑に厳しいと評判の神谷(かみや)裁判長は審理の帰趨(きすう)をどう判断するのか。情状の余地とは、人が人を裁くとは、量刑の客観性はどこにあるのか。「正義」とは、「法」とはなにか。一裁判官の職責と人間性を通して描く衝撃作!

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  • 札幌刑務所4泊5日
    3.5
    ハードボイルド作家は考えた。「一度は刑務所というものに入ってみたいものだ……」。かくして、ちょっとした交通違反の反則金をテッテイ的に踏み倒し続けた著者は、念願の押しかけ入所を果たしたのであった――。入ってみてわかった、塀(へい)の中の不可思議なオドロキに満ちた実態とは? 読めば読むほどしみじみと可笑(おか)しい、傑作ドキュメンタリー!(『札幌刑務所4泊5日体験記』改題)

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  • 古傷
    3.3
    ヨイショをさせたら天下一品。人呼んで「ホウカン探偵」法間(のりま)に、街の大立者(おおだてもの)から依頼が舞い込む。「わが社の機密が漏洩しているようなので調べてくれ」というのだ。が、真の依頼は別なところにあった。物語は、一気に「日本の戦後史の闇」の告発へとつながっていく気配が……。ホウカン探偵恐るべし! ユーモラス、そして深い哀感を胸に残す、探偵小説の傑作!

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  • ライダー定食
    3.0
    誰にも愛されず、孤独に苛まれてきた彰子は、会社を辞め北海道へツーリングの旅に出た。目指すは道東・冊琢内(サッタクナイ)湖畔にある一軒のカフェ。大自然と人々のぬくもりは、彰子の心を救ってくれるのか?(表題作) 納豆かき混ぜ箸という過酷な運命を巡り、翻弄される箸たちの葛藤を描く「納豆箸牧山鉄斎」ほか、諧謔(かいぎゃく)とブラックユーモアに満ちた傑作奇想小説6編を収録。

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  • 逆襲
    3.0
    口八丁のホウカンこと、しがない探偵・法間(のりま)謙一は我知らず大事件の渦中にいた!? 発端は市議会議員・師山(もろやま)史輔からの依頼だった。彼は娘の縁談を反古(ほご)にするため、婚約者・柿俣の弱みを探りたいと頼む。ところが、法間は調査中に襲われ、監禁される羽目に! 彼が触れてしまっていた禁忌(タブー)とは!? (表題作) 真剣でユーモラスで哀切感漂う、ハードボイルド小説登場。

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  • 立ち向かう者たち
    3.3
    娘が被害者となった傷害事件の裁判。証人として法廷に立つ父親は、いつしか加害者の男性に肩入れしている自分に気づく。(「立ち向かう者」)卑猥語(ひわいご)の連発に絡(から)み酒。最近、酔い方が酷(ひど)くなった地方局の人気アナウンサーは、内心に鬱屈(うっくつ)を抱えていた。人生の曲がり角で思い切った決断をする彼だったが……。(「悪酔い男」)ほか、人生の断片を鮮やかに切り取った傑作全七編を収録。

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  • 田村はまだか
    3.6
    深夜のバー。小学校のクラス会3次会。男女5人が、大雪で列車が遅れてクラス会に間に合わなかった同級生「田村」を待つ。各人の脳裏に浮かぶのは、過去に触れ合った印象深き人物たちのこと。それにつけても田村はまだか。来いよ、田村。そしてラストには怒涛の感動が待ち受ける。2009年、第30回吉川英治文学新人賞受賞作。傑作短編「おまえ、井上鏡子だろう」を特別収録。

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  • 鞄屋の娘
    3.6
    彼女は鞄を作る父の背中が好きだった。だだだ、だだだ、というミシンの音が「父の音」だった。やがて、家庭に安住できない父は家を出、亡くなった。大人になり、息子をもうけた彼女には既に母もなく、どこかで暮らす同じ「掌(てのひら)」をした異母兄だけがいた……。やがて、彼女は父と同じ鞄作りを始める――。家族、愛、人生の意味を問う第6回小説新潮長篇新人賞受賞作。
  • 人妻試運転
    -
    野中宏司(のなかこうじ)は車のセールスマン。武器は「人妻殺しの微笑(びしょう)」。きょうもプロポーション抜群の美女に接近、商談を成立させたついでに、ちゃっかり「試乗(しじょう)」に成功。直後、営業成績がウナギ登り! 彼女は「あげまん」だったのだ。味をしめた野中は、大企業社長の若夫人から清楚な和服美女まで、狙いをつけては御利益(ごりやく)にあずかっていく。人妻とのラブ・アフェアを軽快に描いた快作!
  • 散歩道
    3.6
    長編には長編の面白さと、書く上での苦労があり、短編にはそれなりの楽しみと苦心がある。そして、ショートショートという一番短い小説の形式にも、他にない味わいがあるのだ(中略)。読み返すと、自分でも忘れている作品も多くて懐かしい(「まえがき」より)。「ラブストーリー」「ミステリー」「人生の鍵」……きらめくショートショートの世界へようこそ!

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  • 寝盗(ねと)られ宗介
    -
    「レイ子、オレはおまえがいなきゃ、生きてゆけねえんだよ! 出て来やがれ!」みずからの心を燃え上がらせ、愛を高揚させようとして、座長は何度も女房をそそのかし、しゃにむに男をつくらせ、いっしょに旅に追い出してきた。だが、ついに今度は、女房は帰ってこない……。すべての<愛する者たち>のために――、つかこうへいの描く正しい恋人、夫婦のあり方!

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