小説・文芸 - メディアワークス文庫作品一覧

  • 拝啓見知らぬ旦那様、離婚していただきます【ノベル分冊版】 1
    無料あり
    5.0
    『拝啓 見知らぬ旦那様、8年間放置されていた名ばかりの妻ですもの、この機会にぜひ離婚に応じていただきます』  商才と武芸に秀でた、ガイハンダー帝国の子爵家令嬢バイレッタ。彼女には、8年間顔も合わせたことがない夫がいる。伯爵家嫡男で冷酷無比の美男と噂のアナルド中佐だ。  しかし終戦により夫が帰還。離婚を望むバイレッタに、アナルドは一ヶ月を期限としたとんでもない“賭け”を持ちかけてきて――。  周囲に『悪女』と濡れ衣を着せられてきたバイレッタと、今まで人を愛したことのなかった孤高のアナルド。二人の不器用なすれちがいの恋を描く溺愛ラブストーリー開幕! ◇◆登場人物◆◇ 【バイレッタ】 商才に溢れ、武術も得意な才女だが、それを妬む周囲により『悪女』とあらぬ噂を立てられている。 16歳のときに父により無理やりアナルドと結婚させられてから8年、一度も夫の顔も見たことがなかった。 【アナルド】 スワンガン伯爵家の嫡男で、ガイハンダー帝国の陸軍騎兵連隊長。 冷酷な策士で、戦場の灰色狐の異名を持つ。 他人への興味が薄く、上司命令でバイレッタと結婚をしたはずだが……。分冊版第1弾。 ※本作品は単行本を分割したもので、本編内容は同一のものとなります。重複購入にご注意ください。
  • 黒狼王と白銀の贄姫 辺境の地で最愛を得る
    値引きあり
    4.3
     妾腹ということで王妃らに虐げられて育ってきたゼルスの王女エデルは、戦に負けた代償として義姉の身代わりで戦勝国へ嫁ぐことに。相手は「黒狼王(こくろうおう)」と渾名されるオルティウス。野獣のような体で闘うことしか能がないと噂の蛮族の王。しかし結婚の儀の日にエデルが対面したのは、瞳に理知的な光を宿す黒髪長身の美しい青年で――。  やがて、二人の邂逅は王国の存続を揺るがす事態に発展するのだった…。  激動の運命に翻弄される、波瀾万丈のシンデレラロマンス!  【本書だけで読める、番外編「移ろう風の音を子守歌とともに」を収録】 ≪登場人物紹介≫ エデル:西の国ゼルスの王女。幼い頃、母親と生き別れる。甘いお菓子に弱い。 オルティウス:東の国オストロムの青年王。「黒狼王」と恐れられている。
  • サトリの花嫁 ~旦那様と私の帝都謎解き診療録~
    値引きあり
    3.3
    「わたしが死ぬまでのわずかな間に、あなたに幸福というものを教えてあげる」 虐げられ、自分の価値を知らずに育った少女は旦那様と出会い、幸せを知る――。  幼い頃に火事で全てを失い、劣悪な環境で働く蒼。天性の観察眼と記憶力で苦境を生き抜く彼女の心の支えは、顔も知らない支援者“栞の君”だけ――しかしある日、ついに対面できた彼・城ヶ崎宗一は、原因不明の病魔に冒されていた。宗一専属の看護係として城ヶ崎家に嫁ぐことになった蒼は、一変した生活に戸惑いながらも、夫を支えるために医学の道を志すが――?  文明華やかな帝都・東京。「サトリの目」で様々な謎を解明しながら、愛されること、恋することを知る少女の物語。 【登場人物紹介】 ◆蒼(あおい) 手品団に拾われて育った天涯孤独の少女。たぐいまれなる観察力「サトリの目」を持つ。 ◆宗一(そういち) 蒼へ本を贈りつづけていた支援者“栞の君”。麗しい容姿の陰に、重い病と秘密を抱えている。
  • あやし、恋し。 異類婚姻譚集
    値引きあり
    4.0
     正体を隠し人を惑わす“異類”。妖しくも美しい彼女らに、人は古より惹かれてきた。  入浴する姿を決して見せてくれない恋人が、人ではないと気づきながらも愛した青年。争乱の世に美しい鳥と寄り添い、運命を共にする決意をした少年。愛する女と同じ鬼になるために人を襲う男。平穏な暮らしを守るため、自分の正体を見抜いた僧を殺める女。神の使いであるオロチに見初められた巫女――。  人ならざる女たちに心惹かれた人間が織り成す、切なくも愛おしい6篇の異類婚姻譚集。
  • 天詠花譚 不滅の花をきみに捧ぐ
    値引きあり
    4.0
    明治24年、魔法が社会に浸透し始めた帝都東京に敵国の女スパイ蓮花が、海を越えて上陸する。目的は、伝説の「アサナトの魔導書」の奪還。 魔導書が隠されていると言われる豪商・鷹無家に潜入し、一人息子の宗一郎に接近する。だが蓮花の魔導書を読み解く能力を見込んだ宗一郎から、人々の生活を豊かにする為の魔法道具開発に、力を貸してほしいと頼まれてしまい……。 全く異なる世界を生きてきた二人が、手を取り合い運命を切り拓いていく、和風魔法ロマンス、ここに開幕!! ≪登場人物紹介≫ 蓮花:魔法国家・美芳国のスパイ。魔導書を読み解く解読者。時おり見る謎めいた夢に悩まされている。 鷹無宗一郎:豪商・鷹無家の一人息子。魔法を発動できる詠唱者。人々の生活に魔法を役立てようとしている。
  • ワケあり男装令嬢、ライバルから求婚される〈上〉 「あなたとの結婚なんてお断りです!」
    値引きあり
    4.1
     選ばれしものしか入ることが許されず、貴顕紳士を育てる場であるアダマント魔法学校。魔法を愛し、深く学びたい伯爵家の令嬢・リオニーは女性であるため、そもそも入学することを許されていなかった。一方、入学試験を受ける資格があり、父から入学を嘱望されている弟・リオルは絶対に行きたくないと言う。  利害が一致したふたり。リオニーは男装して弟の代わりに、魔法学校の試験を突破。晴れて首席として入学することになった。  しかし、入学したその日からなぜか公爵家の嫡男・アドルフに目をつけられてしまう。何かとライバル視してくる彼に嫌気が差していたある日、父親から結婚相手が決まったと告げられた。その相手が、まさかのアドルフで――!? 「最悪だわ……」  婚約を破棄させようと我が儘な態度をとるリオニーだったが、アドルフは全てを優しく受け入れ、更には大切に扱ってくれて……? “こんなはずではなかった!!” 偽りから始まる溺愛ラブストーリー、開幕! ■書籍版には、書き下ろし番外編「アドルフのライバル」を収録!
  • 薬師と魔王(上) 永遠の眷恋に咲く
    値引きあり
    3.7
    元リケジョ、異世界で運命の恋に落ちる――。 薬の研究者として働く佐藤星奈は、気がつくと異世界に迷い込んでいた――! なんとか薬師「セーナ」としての生活を始めたある日、行き倒れた男性に遭遇する。絶世の美しさと、強い魔力を持ちながら病弱なその人は、魔王デルマティティディス。 漢方医学の知識と経験を見込まれたセーナは、彼の専属薬師となり、忘れ難い特別な時間を共にする。そうしていつしか二人は惹かれ合い……。  元リケジョの天才薬師と美しき魔王が織りなす、運命を変える溺愛ロマンス、開幕! 「魔法のiらんど大賞2021」小説大賞・異世界ファンタジー部門《特別賞》受賞作
  • 月華の恋 乙女は孤高の月に愛される
    値引きあり
    3.7
    士族令嬢の月乃は父の死後、義母と義妹に虐げられながら学園生活を送っていた。 そんな彼女の心の拠り所は、学費を援助してくれる謎の支援者・ミスターKの存在。彼に毎月お礼の手紙を送ることが月乃にとって小さな幸せだった。 ある日の夜。外出した月乃は異形のものに襲われ、窮地を麗容な異国の男性に救われる。 ひとたびの出会いだと思っていたが、なんと彼は月乃の学校に教師として再び現れたのだった。 密かに交流を重ね始める二人。しかし、突然ミスターKから支援停止の一報が届き――。
  • 幻花の婚礼 贄は囚われの恋をする
    値引きあり
    4.0
     吸血鬼であることを隠して生きるクロウ伯爵家の令嬢・フィーネ。ある夜の舞踏会、彼女は美しい神官・クラウスに正体を暴かれてしまう。 「――お前は今夜から、俺の恋人で、婚約者だ」  一族の秘密を守る代償としてクラウスが求めたのは、フィーネを婚約者にすること。吸血鬼を憎む彼は、復讐に彼女を利用するつもりだった。  策略から始まった婚約関係だが、互いの孤独を埋めるように二人は惹かれあい……。禁断の恋はやがて、クロウ家の秘匿された真実に辿り着く。
  • 迷子宮女は龍の御子のお気に入り ~龍華国後宮事件帳~
    値引きあり
    3.5
    第7回カクヨムWeb小説コンテスト、〈恋愛部門〉特別賞受賞の新・後宮恋愛ファンタジー!  失踪した姉を捜すため、龍華国後宮の宮女となった鈴花。ある日彼女は、銀の光を纏う美貌の青年・コウレン(※)と出会う。官正として働く彼の正体は、皇位継承権――《龍》を喚ぶ力を持つ唯一の皇族だった!  そんな事実はつゆ知らず、とある能力を認められた鈴花はコウレンの側仕えに抜擢。後宮を騒がす宮女殺し事件の犯人探しを手伝うことに。後宮一の人気者なのになぜか自分のことばかり可愛がる彼に振り回されつつ、無事に鈴花は後宮の闇を暴けるのか!? ラブロマンス×後宮ファンタジー、開幕! 【登場人物】 ・鈴花(りんか) 人の纏う「色」が視える不思議な目の持ち主。 健気で努力家だが方向音痴が悩みの種。 ・コウレン 皇位継承権を持つ絶世の美青年。しかし現皇帝との関係は微妙なようで……。 心優しい鈴花に次第に惹かれていく。 ※コウレン:「王へんに光」「王へんに連」
  • 軍神の花嫁
    値引きあり
    3.9
    貴方への想いと、貴方からの想い。 それが私の剣と盾になる。 「剣は鞘にお前を選んだ」 美しい長女と三女に挟まれ、目立つこともなく生きてきたオードル家の次女サクラは、「軍神」と呼ばれる皇子カイにそう告げられ、一夜にして彼の妃となる。 課せられた役割は、国を護る「破魔の剣」を留めるため、カイの側にいること、ただそれだけ。屋敷で籠の鳥となるサクラだが、持ち前の聡さと思いやりが冷徹なカイを少しずつ変えていき……。 すれ違いながらも愛を求める二人を、神々しいまでに美しく描くシンデレラロマンス。 【登場人物紹介】 サクラ 名門貴族の不遇な令嬢。散歩と、小さな使い魔アシュと戯れることが好き。 カイ 大国キリングシークの第二皇子。数々の戦を制し、「漆黒の軍神」と呼ばれる。
  • 赤と灰色のサクリファイス
    3.8
    北信越地方に浮かぶ離島、翡翠島。過疎化に悩む小さな島で、突如、凶悪な事件が発生した。次々に著名な建造物が燃やされていき、最後には死者まで出てしまう。殺されたのは、誰もが憧れていた少年、『ノア』のたった一人の家族だった。父を殺され、親友にさえ別れを告げずにノアが島を去って十年。二十五歳になった真翔と織姫の前に、長く音信不通だったノアが不意に現れる。彼との再会をきっかけに、未解決に終わった連続放火事件の陰惨な記憶が蘇っていく……。哀切の赤い炎が焼き尽くす、新時代の恋愛ミステリー。
  • すべての愛がゆるされる島
    3.5
    太平洋の赤道直下に浮かぶ、名前のない小さな島。そこには教会があり、神父とわずかな島民が暮らし、訪れるどんな二人も祝福され、結婚式を挙げることができる。同性愛、近親愛、不倫愛、そこではあらゆる愛が許される――二人が、本当に愛し合っている限り。 その島を訪れる、父親と娘。それから姉と弟。ある者は愛の存在証明のために。またある者は不在証明のために。様々なものを見失って渇いた者たちの、いのちと時間がその場所で交錯する。
  • 博多豚骨ラーメンズ
    続巻入荷
    4.0
    「あなたには、どうしても殺したい人がいます。どうやって殺しますか?」 福岡は一見平和な町だが、裏では犯罪が蔓延っている。今や殺し屋業の激戦区で、殺し屋専門の殺し屋がいるという都市伝説まであった。 福岡市長のお抱え殺し屋、崖っぷちの新人社員、博多を愛する私立探偵、天才ハッカーの情報屋、美しすぎる復讐屋、闇組織に囚われた殺し屋。そんなアクの強い彼らが巻き込まれ、縺れ合い紡がれていく市長選。その背後に潜む政治的な対立と黒い陰謀が蠢く事件の真相とは──。 そして悪行が過ぎた時、『殺し屋殺し』は現れる──。
  • 蒼空時雨
    3.7
    ある夜、舞原零央はアパートの前で倒れていた女、譲原紗矢を助ける。どこにも帰る場所がないと語る彼女は居候を始め、次第に猜疑心に満ちた零央の心を解いていった。やがて零央が紗矢に惹かれ始めた頃、彼女は黙していた秘密を語り始める。その内容に驚く零央だったが、しかし、彼にも重大な秘密があった。 二人は自分の居場所を見つけるため、互いに秘密を打ち明け始める。まるで、雨宿りでもするかのように。巧妙に張り巡らされた伏線が、いくつも折り重なったエピソードで紐解かれる、新感覚の青春群像ストーリー。
  • ちょっと今から仕事やめてくる
    4.2
    ブラック企業にこき使われて心身共に衰弱した隆は、無意識に線路に飛び込もうとしたところを「ヤマモト」と名乗る男に助けられた。 同級生を自称する彼に心を開き、何かと助けてもらう隆だが、本物の同級生は海外滞在中ということがわかる。 なぜ赤の他人をここまで気にかけてくれるのか? 気になった隆は、彼の名前で個人情報をネット検索するが、出てきたのは、三年前に激務で鬱になり自殺した男のニュースだった――。第21回電撃小説大賞<メディアワークス文庫賞>受賞作。 スカっとできて最後は泣ける“すべての働く人たちに贈る、人生応援ストーリー”
  • ノーブルチルドレンの残酷
    3.7
    美波高校に通う旧家の跡取り舞原吐季は、一つだけ空いた部室を手に入れるため、『演劇部』と偽って創部の準備を進めていた。しかし、舞原と因縁ある一族の娘、千桜緑葉も『保健部』なる部の創設を目論んでおり、部室の奪い合いを発端に、奇妙な推理勝負が行われることになってしまう。反目の果てに始まった交流は、やがて、二人の心を穏やかに紐解いていくことになるのだが……。幸せを放棄した少年と、純真な心で未来を夢見る少女の人生は、いつだってポップなミステリーで彩られていた。これは、現代のロミオとジュリエットに舞い降りる、儚き愛の物語。
  • 0能者ミナト
    3.8
    1~11巻583~693円 (税込)
    科学が隆盛を極める現代。だが、その片隅にひっそりと息づく異形のものたちがいた。存在を知る一部の者たちは、それを 「怪異」 と呼んだ。 当然、怪異を相手にする生業もある。修験者、法力僧、呼ばれ方は様々だが、その中でひと際変わった青年がいた。九条湊── どこか斜に構えたクセのある青年だが、彼が同業者から疎まれているのはそこではない。霊力、法力、神通力、彼はそんな力を一切持っていない。それにもかかわらず怪異を倒すという。その手腕は驚くべきものだった──。
  • 観 -KAN-

    3.0
    天性の美貌と才能を持つ猿楽師の三郎は、父の死をきっかけに兄の一座を離れた。そして自分の一座を建て、将軍の前で舞いたいという野望を抱く。能楽の大成者・観阿弥が新たな芸術の創造に向け試行錯誤する若き日の姿を鮮烈に描く。
  • ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~
    4.2
    鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古本屋 「ビブリア古書堂」。そこの店主は古本屋のイメージに合わない、若くきれいな女性だ。だが、初対面の人間とは口もきけない人見知り。接客業を営む者として心配になる女性だった。だが、古書の知識は並大抵ではない。人に対してと真逆に、本には人一倍の情熱を燃やす彼女のもとには、いわくつきの古書が持ち込まれることも。彼女は古書にまつわる謎と秘密を、まるで見てきたかのように解き明かしていく。これは栞子と奇妙な客人が織りなす、“古書と秘密”の物語である。
  • お待ちしてます 下町和菓子 栗丸堂
    3.7
    浅草の一角で、町並みに溶け込むかのように佇む栗丸堂。若い主人は最近店を継いだばかりらしく、栗田仁という。精悍にすぎる容貌で、どこか危なっかしいが腕は確か。 店を応援しようと顔馴染みが紹介したのが、和菓子のお嬢様こと葵だった。可憐な容姿だが、怪しすぎる通り名に警戒する栗田。出会いはいまいちだったが、彼女との出会いが栗田の和菓子を大きく変えることになる。 思いもよらぬ珍客も訪れるこの店では、いつも何かが起こる。和菓子がもたらす、今日の騒動は? ここでは変わらぬ温かい下町の風景が残っている。
  • マジックバーでは謎解きを ~麻耶新二と優しい嘘~
    3.0
    新宿の古ぼけたビルの三階にそのマジックバーは存在する。店の名は「ファンタンドミノ」──それは、忽然と姿を消してしまった偉大なマジシャン・小鳥遊丈佳の忘れ形見であり、謎を持つ人物を引き寄せる不思議な店だった。 過去の失敗で舞台から遠ざかってしまったマジシャン・麻耶新二。彼は、師匠が残したこの店で、若きオーナー・小鳥遊紅音と出会いマジシャンとして再起する。その傍らで客が抱える謎を解き明かしていくのだが、やがて師匠が残した謎のメッセージの真相を知ることになり……。
  • 八百八寺の風鈴屋
    -
    京都に佇む風鈴専門店『風の通り路(みち)』。この店には、代々伝わる不思議な風鈴があり、お人好しの兄弟が働いている。 不思議な風鈴によって、悩みを抱える来客を知る若店長・遊佐和真は、今日も今日とて商売そっちのけで客の問題に首をつっこむ日々。一方、そんな兄を諌(いさ)めるのは、共に働く現実主義者の弟・遊佐隆司。でも、調子のいい兄のペースに乗せられて、いつもいつの間にか協力する羽目に。 そんな二人が働く風鈴屋に、亡くなった夫の想い出を巡ってある老婦人が訪れて……。 これは、風鈴によって人々の悩みを幸せに変える、お人好しな風鈴屋兄弟の物語。
  • 天使のどーなつ
    4.4
    男やファッションに興味なし。出世や金にも興味なし。垢抜けなくて野暮ったい灰庭留衣は、無類のドーナツ馬鹿だった。他人から変わり者扱いされても気にすることなく、一日中、美味しいドーナツのことばかり考えていた。 留衣が勤めるのは、首都圏に展開するチェーン店「羽のドーナツ」。代々木本社の開発部に所属する彼女の夢は、食べた人が笑顔になるドーナツ、食べた人を幸せにする奇跡のドーナツを作ること。 そんな彼女が巻き起こすトラブルの連続に、はじめは呆れていた周囲も、やがて――。 甘くて愉快で美味しい、心躍る物語、ぜひご試食あれ。
  • スターティング・オーヴァー
    4.1
    二周目の人生は、十歳のクリスマスから始まった。全てをやり直す機会を与えられた僕だったけど、いくら考えても、やり直したいことなんて、何一つなかった。僕の望みは、「一周目の人生を、そっくりそのまま再現すること」だったんだ。 しかし、どんなに正確を期したつもりでも、物事は徐々にずれていく。幸せ過ぎた一周目の付けを払わされるかのように、僕は急速に落ちぶれていく。――そして十八歳の春、僕は「代役」と出会うんだ。変わり果てた二周目の僕の代わりに、一周目の僕を忠実に再現している「代役」と。 ウェブで話題の新人作家、ついにデビュー。
  • あやかし飴屋の神隠し
    3.5
    「俺は、多分、なんだって、視える」 「僕は、大体のものは、つくれますから」 皮肉屋の青年・叶義は幼い頃、あやかしの神隠しに遭って以来、いかなるものも“視えないものはない”という。妖しい美貌を持つ飴細工師・牡丹はその手で“つくれないものはない”という――。 二人の青年が営むは、世にも不思議な妖怪飴屋。奇妙な縁に惹かれた彼らは、祭り囃子の響く神社で今宵も妖怪飴をつくりだす。人と寄り添うあやかしの、形なき姿を象るために。あやしうつくし、あやかし飴屋の神隠し。
  • オーダーは探偵に グラスにたゆたう琥珀色の謎解き
    4.0
    王子様と見紛う美形の探偵・上倉悠貴がオーナーの喫茶店。そこでウェイトレス兼探偵助手を務める小野寺美久。文句ばかりのちぐはぐな二人が、ふとしたミスで密室の倉庫に閉じ込められてしまう。 慌てる美久だったが、しかしそれをきっかけに、美久と悠貴の距離がほんのすこしだけ縮まるのだった。 ようやく息が合ってきたかにみえたその矢先。吉祥寺の秋祭り会場で、悠貴とはぐれた美久が事件に巻き込まれてしまう。そんな彼女を救ったのは、悠貴とは趣の異なる、もう一人の『美青年』で……。 今回の謎解きは、いつもよりすこしビターな薫りでお届け。
  • 夜が運ばれてくるまでに ~A Book in A Bed~
    4.4
    男の子と女の子は、隣に住むおばあさんの家に遊びに行き、夜が来るまでのわずかな時間に、いろいろなお話しを聞くのが好きでした。もう、あの村におばあさんはいません。男の子は、小説家になって、女の子は、歌手になって、ときどき、おばあさんのお話を思い出しているのです。――― ドキリとする、ウルッとする、元気になる、胸が痛む、答えを探す、今はいない人を思い出す、そんな“心が動く掌編”25篇を収録。 時雨沢恵一&黒星紅白が贈る“眠るまでのひとときに読む絵本”。オールカラーで登場。
  • 小説家の作り方
    3.8
    「小説の書き方を教えていただけませんでしょうか。私は、この世で一番面白い小説のアイディアを閃いてしまったのです―― 」。 駆け出しの作家・物実のもとに初めて来たファンレター。それは小説執筆指南の依頼だった。半信半疑の彼が出向いた喫茶店で出会ったのは、世間知らずでどこかズレている女性・紫。先のファンレター以外全く文章を書いたことがないという彼女に、物実は「小説の書き方」を指導していくが――。 野崎まど待望の新作ミステリーノベル……改め、意表を突く切り口で描かれる 『ノベル・ミステリー』 登場。
  • 死なない生徒殺人事件 ~識別組子とさまよえる不死~
    3.8
    「この学校に、永遠の命を持った生徒がいるらしいんですよ」 生物教師・伊藤が着任した女子校 「私立藤凰学院」 にはそんな噂があった。話半分に聞いていた伊藤だったが、後日学校にて、不意にある生徒から声をかけられる。自分がその 「死なない生徒」 だと言ってはばからない彼女は、どこか老練な言葉遣いと、学生ではありえない知識をもって伊藤を翻弄するが……二日後、彼女は何者かの手によって殺害されてしまう――。果たして 「不死」 の意味とは? そして犯人の目的は!? 第16回電撃小説大賞<メディアワークス文庫賞>受賞者・野崎まどが放つ、独創的ミステリ!
  • 答えが運ばれてくるまでに ~A Book without Answers~
    4.4
    どんなに考えても、今は答えが出ないことがある。時間が経たないと、未来にならないと、分からない答えがある。 それまでに―― 答えが運ばれてくるまでに、僕達は、何を考えるだろう? ドキリとする、ウルッとする、元気になる、胸が痛む、納得する、空を見上げたくなる、そんな“心が動く掌編”20篇を収録。 時雨沢恵一&黒星紅白が贈るオールカラー絵本第3弾。 ―― 答えがいつかあなたに運ばれてきますように。
  • お茶が運ばれてくるまでに ~A Book At Cafe~
    4.3
    あなたはイスに座って、ウェイターが注文を取りにきました。 あなたは一番好きなお茶を頼んで、そして、この本を開きました。 お茶が運ばれてくるまでの、本のひととき――。 ドキリとする、ウルッとする、元気になる、胸が痛む、答えを探す、好きな人に会いたくなる、そんな“心動く掌編”18篇を収録。 時雨沢恵一&黒星紅白が描き下ろす“カフェでお茶が運ばれてくるまでに読む絵本”。オールカラーで登場です。
  • 夜魔 -怪-
    4.4
    「君の『願望』は──何だね? そして、君の『絶望』は────」 満開の夜桜の下、思わず見とれるほど妖しく綺麗に佇んでいたのは密かに憧れていた従姉だった。彼女はその晩、桜の木で首を吊る。 ──彼女は、あの桜の中にいる。……彼女に会いたい。そう信じ、願う男は、遂に人の願望を叶える夜色の外套を身に纏う昏闇の使者と遭遇する。曰く、暗闇より現れ、人の望みを叶えるという生きた都市伝説。夜より生まれ、この都市に棲むという、永劫の刻を生きる魔人。そして、恐怖がココロの隙間へと入り込み──。 鬼才・甲田学人が紡ぐ渾身の怪奇短編連作集。
  • ガーデン・ロスト
    3.9
    誰にでも、失いたくない楽園がある。息苦しいほどに幸せな安住の地。しかしだからこそ、それを失う痛みは耐え難いほどに切ない。 誰にでも優しいお人好しのエカ、漫画のキャラや俳優をダーリンと呼ぶマル、男装が似合いそうなオズ、毒舌家でどこか大人びているシバ。花園に生きる女子高生4人が過ごす青春のリアルな一瞬を、四季の移り変わりとともに鮮やかに切り取っていく。壊れやすく繊細な少女たちが、楽園に見るものは――。 『ミミズクと夜の王』 の紅玉いづきが挑む、初の現代小説
  • [映]アムリタ
    3.9
    自主制作映画に参加することになった芸大生の二見遭一。その映画は天才と噂される最原最早の監督作品だった。彼女のコンテは二見を魅了し、恐るべきことに二日以上もの間読み続けさせてしまうほどであった。二見はその後、自分が死んだ最原の恋人の代役であることを知るものの、彼女が撮る映画、そして彼女自身への興味が先立ち、次第に撮影へとのめりこんでいく。 しかし、映画が完成したとき、最原は謎の失踪を遂げる。ある医大生から最原の作る映像の秘密を知らされた二見は、彼女の本当の目的を推理し、それに挑もうとするが――。 第16回電撃小説大賞<メディアワークス文庫賞>受賞作。
  • 絶望センチメンタル
    3.6
    今日こそはアイツに復讐しよう。公園のベンチに座ってそう決意する僕の目の前に、女子高生のお姉さんが落ちてきた。 ……アスレチックの上から。彼女は微笑んで言う。 「しようぜ、復讐」 見知らぬお姉さんに引きずられ、僕(=小学五年生)の奇妙な旅が始まった。旅なのか……な? 第17回電撃小説大賞〈メディアワークス文庫賞〉受賞後、第一作。可愛げのない小学生と、破天荒な女子高生。おかしな二人の奇妙な旅を綴るメランコリック・ロードノベル。
  • 君に続く線路
    3.0
    時は昭和初期。線路を守る保線手として、二十年以上ひたむきに働いてきた三郎。ある日、彼は一人の若い少女が線路の上で倒れているのを発見する――。仕事一筋に生きる純朴な四十男と少女の淡いラヴロマンス。
  • 探偵・花咲太郎は閃かない
    3.3
    ぼくの名前は花咲太郎。探偵だ。浮気調査依頼が大事件となる素晴らしい探偵事務所に務め、日々迷子犬を探す仕事に明け暮れている。 ……にもかかわらず、皆さんはぼくの職業が公になるやいなや、期待に目を輝かせて見つめてくる。刹那の閃きで事態を看破する名推理をして、最良の結末を提供してくれるのだろうと。 残念ながらぼくは犬猫専門で、そしてロリコンだ。最愛の美少女・トウキが隣で睨んできてゾクゾクした。悪寒はそれだけじゃない。眼前には、真っ赤に乾いた死体まである。……ぼくに過度な期待は謹んで欲しいんだけどな。これは、『閃かない探偵』ことぼくと、『白桃姫』ことトウキの探偵物語だ。
  • 時間のおとしもの
    3.7
    『携帯電波』 ―― 少女が台所で偶然見つけた携帯電話。耳を傾けた向こう側には、もう一人の自分がいて……。 『未来を待った男』 ―― この時代にタイムトラベラーを呼び寄せる。それが男の目標だった。『やり直したいことがある』 のだという。そして、ついにその時が訪れる。 『ベストオーダー』 ―― 四人の俺が、同じ場所に現れた。自分自身が複数いるこの状況を前に、俺達四人はしばし考えた後、全員で共謀し、『完全犯罪』 を企てる。 ほか、書き下ろし短編 『時間のおとしもの』 を含む、時間に囚われた人間たちの、淡く切ない短編集。
  • 彼女を好きになる12の方法
    3.5
    なんとなく 『彼女』 を好きにならないといけない気がする。そのためには 『彼女』 と一緒にどこかへ出かけたり遊んだりしないといけない。 今年で俺と彼女は大学三年生。この一年をのんきに過ごしてしまったら、就職活動も控えて、顔を合わせる機会は激減するだろう。 だからこの一年が、彼女と暢気に過ごす最後の年と言っても良い。その一年の間に、俺は 『それ』 を見つけたいと祈った。 これは、優柔不断な大学生の 『俺』 が過ごす一年間の記録だ。必ず、一年の間に見つけなければ。 彼女を好きになる方法を。
  • バカが全裸でやってくる
    3.6
    バカが全裸でやってくる。僕の夢は小説家だ。そのための努力もしてるし、誰よりもその思いは強い。しかし努力と環境では、才能は覆せない日々が続いていた。お話をつくることを覚えた子供の頃のあの日から、僕には小説しかなかった。けれど僕は天才じゃなかった。小説家になりたくて、でも夢が迷子になりそうで。苦悩する僕のもとにやってきたのは、全裸のバカだった――。大学の新歓コンパ。そこにバカが全裸でやってきた。そして、これが僕の夢を叶えるきっかけになった。こんなこと、誰が想像できた? 現実は、僕の夢である 『小説家』 が描く物語よりも、奇妙だった。
  • 神様の御用人
    4.3
    神様たちの御用を聞いて回る人間──“御用人”。ある日突然、フリーターの良彦は、狐神からその役目を命じられた。膝を壊して野球の道を諦め、おまけに就職先まで失った良彦は、古事記やら民話やらに登場する神々に振り回されることになり……!? 特殊能力もない、不思議な道具も持ってない、ごく普通の“人間”が神様にできること。それは果たして、助っ人なのかパシリなのか。けれどそこには、確かに神々の「秘めたる願い」があった。
  • DOUBLES!! ―ダブルス―
    3.8
    天才であるが故に誰とも協調することができない孤高のプレイヤー・琢磨。 練習熱心だが、とあるトラウマから他人を信用することができなくなった駆。 高校の名門テニス部で出会った二人は、入部当日から衝突してばかり。プレースタイルも真逆で、初めてコートで向かい合ったときからお互いのことが気に食わない。 だけどある日突然、「お前ら、ダブルス組んでみない?」と理不尽な部長命令が下り――。 喧嘩ばかりの凸凹コンビが、練習と敗北を重ねる中で徐々に成長し、絆を深めていく熱血部活テニス物語! 少年たちの、熱い夏が始まる。
  • おかえりシェア
    3.5
    新鮮みのない毎日。人生の不感症。アラサ―OLの道子は、退屈な日々を過ごしていた。ときめきを求めていたある日、家に帰ると、部屋の壁に「穴」が!? そこから覗いていたのは隣人のイケメン男子手近くん。穴を空けたお詫びとして、彼が引っ越すまでの1週間、毎日顔を合わせて会話することを提案される。『あいさつ、おしゃべり、一緒にごはん』 三つのルールでつながる不思議なシェア生活がはじまってーー? 期間限定ときめきラブコメ!
  • ロクモンセンキ<上>
    4.0
    天正十三年、晩夏。上杉家の人質として春日山で槍の稽古に励む真田幸村の許に届いたのは、徳川家による上田攻めの一報。上野沼田の地を巡り、徳川・北条両家による真田家討伐がついに始まった。まだ初陣前の幸村も上杉景勝の許しを得て上田城に急行し、真田家存続をかけた一戦に参加することに……。だがそこで目の当たりにするのは、絶対的な戦力差と、父・昌幸が描く老獪な作戦だった。北条征伐のきっかけとなる攻防戦。その裏に渦巻く秀吉・家康の陰謀の中、まだ若かりし幸村が戦場を駆け抜ける──。出海まことが贈る、まだ若かりし幸村の青春大河小説開幕!
  • ぼくの映画。 ~学園一の美少女をヒロインにキャスティングしてゾンビ映画を撮ろう~
    4.7
    成績は頑張って中の下。スクールカーストで言えば低い方。気の合う友達はいるけど、女子と喋った回数なんて数えるほど。可愛い女の子と交遊なんて高望みってものだろう。だけど脚本兼監督を引き受けてしまったぼくの一言で、映画部の日常が変わる。「ヒロインで撮りたいんだ」文化祭に出展する予定のオリジナル脚本ゾンビ映画『死霊の呼び声』。しかし主演女優の出演交渉は早くも難航。女子たちから小馬鹿にされながらも、ヒロイン獲得に向けてみんなで策を練るが…
  • 招き猫神社のテンテコ舞いな日々
    3.6
    起業した会社が倒産したため、着の身着のまま、東京の片隅にある神社に管理人として身を寄せることになった青年。都落ちを痛感しながらも、再起に向けて意気揚々と暮らし始めようとする。 ところが、この神社には3匹の猫が棲み着いていた。大きくてブサイクな虎猫と、灰色の毛玉のような仔猫2匹。実は彼らは“化け猫”だった。 傍若無人ぶりを発揮する化け猫たち。そして、それにひたすら翻弄される青年――。 どこか憎めない化け猫たちとの人間味豊かな同棲生活を愉快に描くストーリー。化け猫も、けっこう可愛いものですよ……たぶん!
  • 初恋ロスタイム
    3.6
    僕の「青春」は、人よりも少しだけ長いらしい。ある日、僕以外の時間が止まったのだ。 それは平凡な高校生活を送る相葉孝司に唐突に訪れた特別すぎる青春だった――。 午後1時35分、毎日決まった時刻に訪れる1日1時間だけの奇妙なロスタイム。そんな中で、僕は僕と同じ景色を見る彼女に恋をした。 琥珀色の瞳で、まるで停止世界が当たり前だと言わんばかりの不思議な魅力を持つ少女・篠宮時音。彼女には“僕だけ”が気付けない、とても大きな秘密があるようで……。 不思議なロスタイムが少年と少女を結ぶ、ほんのり甘くビターに切ない恋愛物語。
  • 藤島さんの深夜ごはん
    3.3
    田舎でひとり暮らしをしている藤島さんは、深夜逆転が常の不健康な作家生活を送る二十九歳。今日も深夜、冷蔵庫を漁るも、出るのはため息ばかり。お腹が空いたのに、何もない。そうだ、ちょっと買い物、行ってくるかな――。 近所のコンビニに深夜の買い出しに出かけた藤島さんが手に取るのは、サバの缶詰、レトルト、サラダにおでんに、チキンカツ……それにほんのひと手間加えて、深夜ごはんの出来あがり。 止めたいけれど、止められない。お腹が求める深夜のお食事。いつもよりもほんの少し幸せになれる、藤島さんの深夜ごはんのお味は?
  • 愛して愛して愛してよ
    4.0
    地方のなんでもない町に生まれた少女、尾崎愛。 人見知りで口下手なため、不遇な学生生活を送りながらも、作家になることを夢見て東京で暮らし始める彼女は、愛を求めて、波瀾万丈の人生を経験することになる。 愛って、どこにあるんだろう? 愛って、なんだろう?
  • 僕が電話をかけていた場所
    4.0
    ずっと、思っていた。この醜い痣さえなければ、初鹿野唯の心を射止めることができるかもしれないのに、と。「電話の女」の持ちかけた賭けに乗ったことで、僕の顔の痣は消えた。理想の姿を手に入れた僕は、その夜初鹿野と再会を果たす。しかし皮肉なことに、三年ぶりに再会した彼女の顔には、昨日までの僕と瓜二つの醜い痣があった。 初鹿野は痣の消えた僕を妬み、自宅に閉じこもる。途方に暮れる僕に、電話の女は言う。このまま初鹿野の心を動かせなければ賭けは僕の負けとなり、そのとき僕は『人魚姫』と同じ結末を辿ることになるのだ、と。
  • オーダーは探偵に 謎解きは舶来のスイーツと
    4.0
    いつもは静かな喫茶店エメラルドが、珍しく大盛況となっていた。沢山の女性に囲まれたその中心にいるのは、高校生の王子様探偵・上倉悠貴……ではなく、柔らかな笑顔を振りまく金髪碧眼の青年で? その青年――イギリスからの留学生・ダニエルは、美久との奇妙な縁をきっかけとして喫茶店で居候兼ウェイターとして働き始めたのだ。いつしかここは「選ばれしイケメン店員しかいない喫茶店」と噂され……。 そして、今日もエメラルドには、依頼が舞い込んでくる。 紅茶とレモンパイの香りがやさしく広がる喫茶店で、謎解きはいかがですか?
  • たいやき
    3.5
    堅く真面目なサラリーマンの長兄、いいかげんで放浪癖がある大学生の次兄、そして登校拒否中で家に引きこもって漫画家をめざす妹――。 母が入院し、父が旅に出たために、小さな家に三人だけで暮らすことになった彼ら。 心を開けるほど親密ではなく、かといって無視できるほど疎遠でもない。ひとつ屋根の下に住んでいながら、微妙な距離感でつながっている三人兄妹の平穏な日常が少しずつ崩れていく様子を、コミカルかつ繊細に綴っていく。 家族って、イライラするほど厄介だけど、だからこそ、愛おしいのかもしれない。
  • 花の佳音
    3.8
    知っていますか? あなたが笑ったり泣いたりしているときに、すぐ横に寄り添って、一緒に微笑んだり涙を流してくれる存在がいることを。 それは……美しくも儚い 「花」 たち。彼らは、いつでも人間を温かく見守り、心の底から祈っています。 あなたが幸せでありますように―― と。 これは、そんな花たちの声を聞くことができる不思議な青年・草介と、心優しい花たちの、切なくも心温まる物語。 ほら、花たちに耳を近づけてみてください。思いがけない、嬉しい囁きが聞こえてくるかもしれませんよ?
  • 私たちは青になった
    4.5
    自由のないお嬢様に幼ない日から想いを寄せつづけ、大学生になった西源重郎。 長い時間を経て、源重郎の想いが届こうとした時、2人を引き裂く残酷な出来事が起きる。 傷だらけになった2人がたどり着いた、最後の楽園は――。 魔法のiらんど単行本で大人気の『お女ヤン!!』シリーズにも登場する、西源重郎の究極の愛を描いた、切なすぎる号泣ラブストーリー。
  • さよなら流星ガール
    3.2
    北海道のある町で、同じ日同じ病院に生まれた僕と茉莉(まつり)。家もお隣さん同士という、絵に描いたような幼馴染の僕たち。唯一の違いは“健康な体”で生まれてきたかどうかだった。 いくら星に願っても、神様は茉莉の病弱な身体を治してくれる気がないらしい。けれど彼女はその小さな体じゃ足りないほどの好奇心に溢れていた――。 入院生活での熱心な読書が災いし、ちょっとどうかと思う理系女子に成長した茉莉は、いつも僕を振り回してばかり。ただ、僕には言えない大きな秘密を抱えているようで――。 これは、きらきらの恋をし、やがては消える少女と僕の、刹那に輝く星のような物語。
  • 新宿陰陽師
    3.8
    欲望も希望も飲み込む巨大都市、東京。その新宿の片隅に、赤星和真の事務所はある。和真は近寄りがたい青年だ。顔立ちは気品のある整ったものだが、新宿の住人特有の尖った雰囲気がある。だが彼の稼業は水商売などではなく、陰陽師なのであった。 大手企業に勤める本条千晶は、自身の困り事をきっかけに和真と知り合う。この時世に陰陽師を名乗る和真を信用できない千晶。だが和真は言う。子供も大人もネットを介し手軽に呪詛の言葉を発信し合う。現代だからこそ呪いはある、と。千晶はそれを身をもって知ることになる。東京の光と闇、現代の陰陽師異聞。
  • 天体少年。 さよならの軌道、さかさまの七夜
    4.0
    天文学者の父親とともに遠く南国の孤島に暮らしている少女・海良。ある日、彼女が闇夜の草原で出逢ったのは、星空から降りたった不思議な少年・τ(タウ)だった。 「僕という天体は、宇宙を未来から過去へと進んでいる。でもこの姿を浮かべていられるのは、ほんの七日間だけ。だから今夜は僕にとって、君との最後の夜なんだよ――」 果たしてその謎めいた言葉の通りに、海良は毎夜、タウと出逢い続ける。約束された出逢いの、避けられない別れの時へ向けて――。 時を遡る少年とすれ違い続ける少女が織りなす、たった七夜のラブストーリー。
  • オーダーは探偵に 季節限定、秘密ほのめくビターな謎解き
    4.3
    喫茶店『エメラルド』のオーナーである、ドSな高校生探偵・上倉悠貴と、そこで助手兼アルバイトをする女子大生・小野寺美久。悠貴の高校で起こった難事件を無事解決し、エメラルドに戻った悠貴たちだが、そこで彼らを待っていたのは、悠貴のライバルである花見堂聖だった。 突然現れた聖に激昂する悠貴は、聖をエメラルドから追い払う。美久はその一部始終を見て、悠貴と聖の深い溝を再確認する。もう絶対に、聖を悠貴に近づけてはいけない。 ――と思っていたのに!? 翌日、なぜか美久と聖は『エメラルドの探偵』コンビとして謎解きに挑むことになり……!?
  • 南都あやかし帖 ~君よ知るや、ファールスの地~
    3.3
    南都。京の都のごとく栄えるこの都市に、遥か異国の血を引く青年妖術師・天竺ムスルがいた。 緑色の瞳を持ち、喋る紅い鳥を友とする彼には、表の仕事である金貸し以外にもうひとつ裏の顔がある。 不思議な力を秘めた彼のもとには、あやかしに関わる刀剣をはじめ、物騒な事物が次々と舞い込んでくるのだ。 ムスルの構えた通称『天竺屋敷』に奉公に来た少女・葉月は、仕え女として働くうちに、彼とともにあやかしと関わってゆくことになり――。 『からくさ図書館来客簿』シリーズの仲町六絵が描く、ジャパネスク・ファンタジー。
  • 自称分析官ヴィルヘルムの迷推理
    3.3
    ふんわり可憐なその容姿に似合わず、日常のどんなものにでも首を突っ込んで、分析しなければ気が済まないちょっぴり残念な女子大生、葵子。 バイト先で、ふと訪れた喫茶店で、大学の研究室で──葵子は今日もどこからか、日常に隠れた分析の種を見つけてくる。 くすりと笑う彼女の唇から転がり出す、冗談めかした分析。それは、つまらない日常の色をがらりと変える。くだらなくって可笑しくて、けれどちょっぴり温かい、日常の謎の真相とは……。 軽妙に二転三転する論理が楽しい、おもちゃ箱みたいな日常分析ミステリ登場!
  • 砂漠のボーイズライフ
    4.0
    男子校、だ。 頭髪の自由はなく(例外あり)、携帯電話は悪の枢軸で、もちろん華やかな青春なんて皆無。三年間、僕らが進み続けるのは砂の海。そう、『砂漠』というわけだ。 そんな男子校に、訳あって集ったのは、全く意味のないイケメンフェイスを持つ長髪野郎、モンゴルから柔道のために砂漠に来た留学生、高校生の代名詞である丸坊主の元・野球少年、そして、そんな悪友たちと虚しい青春を謳歌する僕だ。 四人が歩くその先には、無限の砂漠と蜃気楼の美女しかいない。 今日も僕らの雨乞い(ボーイズライフ)が始まる。
  • めたもる。
    3.6
    たとえば、すれ違いばかりの彼と彼女がいたとする。本当にちょっとしたボタンのかけ違い。でも、きっかけがなくて──。 そんな時、彼/彼女はふと善行をする。弱っている猫にエサをあげたりといった些細なことだ。だが、枕元に神様が立って、何にでもなれるお札をくれるという。え? そんなおとぎ話を信じられない? いやいや、嘘じゃない。実際彼らはお札を手に入れ、それがきっかけとなり二人の関係は変わっていくんだから。 大人のメルヘンをどうぞ。
  • オーダーは探偵に 砂糖とミルクとスプーン一杯の謎解きを
    3.7
    就職活動に疲れ切った女子大学生・小野寺美久が、ふと迷い込んだ不思議な場所。 そこは、親切だけど少し変わったマスターと、王子様と見紛うほど美形な青年がいる喫茶店『エメラルド』だった。 美形の青年――意地悪で高飛車な上倉悠貴との最悪の出会いを経て、『エメラルド』でウェイトレス兼探偵を務めることになった美久。 ドSな年下王子様と、すこしドジな助手の許に、今日も謎解きの匂いがほのかに薫る事件が舞い降りる。
  • 侵略教師星人ユーマ
    3.7
    小さな漁港、濃紺の海。どこにでもありそうなのどかな港町。唯一よそと違うのは、この町の海が宇宙人によって占拠されていることだった。 ある朝、宇宙船に向かって怒鳴り散らす青年を舞依は見かける。自らが真の侵略者であると意味不明なことを説く青年を見て、登校前の高揚した気分が萎える舞依だった。 だが、舞依の災難は終わらない。なんと新しい担任として現われたのが、あの青年、ユーマだったのだ。言動は変だが、どこか筋が通っているユーマはいつの間にか生徒達の人気者になっていく。だが、彼にはとんでもない秘密があり!?
  • サマー・ランサー
    4.1
    剣道界で神童と呼ばれながら、師である祖父の死をきっかけに竹刀を握れなくなった天才剣士・天智。彼の運命を変えたのは、一人の少女との出会いだった。高校に入学したある日、天智は体育館の前で不思議な音を耳にする。それは、木製の槍で突き合う競技、槍道の音だった。強引でマイペース、だけど向日葵のように明るい同級生・里佳に巻きこまれ、天智は槍道部に入部することになる。 槍道部では、里佳のほかにも個性豊かな部員達が天智を待っていた。剣を置いた少年は今、夏の風を感じ、槍を手にする。第19回電撃小説大賞〈選考委員奨励賞〉受賞作!
  • 舞面真面とお面の女
    3.6
    工学部の大学院生・舞面真面(まいつらまとも)は、ある年の暮れに叔父の影面(かげとも)からの呼び出しを受け、山中の邸宅に赴く。そこで頼まれたこととは、真面の曽祖父であり、財閥の長だった男・被面(かのも)が残した遺言の解明だった。 ―― 箱を解き 石を解き 面を解け ―― よきものが待っている 従姉妹の水面(みなも)とともに謎に挑んでいく真面だったが、謎の面をつけた少女が現われたことによって調査は思わぬ方向に――? <メディアワークス文庫賞>受賞者、野崎まどが放つ怪作登場!
  • パーフェクトフレンド
    4.0
    周りのみんなより、ちょっとだけ頭がよい小学四年生の理桜。担任の千里子先生からも一目置かれている彼女は、ある日、不登校の少女 「さなか」 の家を訪ねるようにお願いをされる。能天気少女のややや(注: 「ややや」 で名前)や、引っ込み思案の柊子とともに理桜は彼女の家に向かうが、姿を現したさなかは、なんと早々に大学での勉学を身につけ、学校に行く価値を感じていない超・早熟天才少女であった。そんな彼女に理桜は、学校と、そこで作る友達がいかに大切であるかということを説くのだったが……果たしてその結末は!? 野崎まどが放つ異色ミステリ、まさかの小学校編登場!
  • 僕が七不思議になったわけ
    4.1
    石橋を叩いても渡らない心配性の高校生・中崎夕也はある夜、七不思議を司る精霊・テンコと出会う。深夜の校庭に桜が舞い散る中、宙に浮かぶ袴姿の彼女は、高らかに不吉な言葉を彼に投げかけるのだった。 「おめでとう、お主はこの学校の新しい七不思議に選ばれた」 なんと彼は七不思議の引き継ぎに、仮登録されてしまったのだ! そして、とまどいながらも、テンコとともに学校で起こる事件を解決していくことになるのだが……。 七不思議の一つとなった少年の日々を綴った、思わずもう一度読み返したくなるミステリアス・ファンタジー。
  • 終わる世界のアルバム
    3.7
    なんの前触れもなく人間が消滅し、その痕跡も、周囲の人々の記憶からも消え去ってしまう世界。人々は普段通りの生活を続けながらゆるやかに訪れる世界の終わりを待っている。そんな世界でぼくは例外的に消えた人間の記憶を保持することができた。そんなぼくは気がつく。人が消えていくばかりの世界の中、いなかったはずの少女がいつのまにかクラスの一員として溶け込んでいることに――。
  • カエルの子は
    3.7
    遊園地でカエルの着ぐるみをかぶって仕事をこなし、優雅な独身貧乏生活を満喫中の俺、三十歳。ある日、見知らぬガキんちょがやってきて、俺に向かって思いっきり叫んだ。 「父ちゃん!」 身に覚えは……ない、わけでもない……。ああ、なんてこった。突然の息子の登場で、俺の平穏な生活が一変。そもそも子供は苦手なのに、この先、どうなっちまうのか ――。 真冬の遊園地でじんわりと展開する、奇妙な縁で結ばれた親子の心温まる物語。ぎこちない父親の愛情と、まっすぐな子供の信頼が、関わる人々に笑顔を運んでいく。
  • 俺たちのコンビニ 新米店長と仲間たち
    4.1
    故郷の小さな田舎町でコンビニを起ち上げた若き店長、牧水良平。開店までの苦労を乗り越えた彼を待っていたのは、厳しい現実だった。画一化を図るコンビニチェーン本部に抵抗し、オリジナリティあふれる店づくりをモットーに頑張っていたが、経営は赤字続き。しかも、バイト店員が起こしたある事件が原因で、ただでさえ少ない客足も激減してしまう。閉店の危機に、牧水店長が打ち出した策は―― !? どれだけ努力しても、結果が出ないこともある。でも彼には、信じるものがあった……。へこたれながらも、前へ進もうとする青年を描いた、元気をもらえる爽やか青春小説!
  • 俺のコンビニ
    3.6
    東京暮らしに挫折して、故郷へと舞い戻った青年、牧水良平。実家の小さな商店を手伝うわけでもなく、悶々とした日々を送っていた。そんな彼が一念発起! 人口の少ない田舎町で、コンビニを起ち上げようと決意する。当然のごとく次から次へと難題が降りかかってきて、若き店長は行き詰まるのだが――。 あなたがいつも立ち寄るコンビニの裏でも、こんな熱いドラマが繰り広げられているのかもしれない!? 何事にもへこたれず、前へ進んで行こうとする一人の青年を描いた、元気をもらえる爽やか青春小説!
  • 昨日は彼女も恋してた
    3.9
    小さな離島に住む僕。車いすに乗る少女・マチ。僕とマチは不仲だ。いつからかそうなってしまった。そんな二人が、島に住む変わったおっさん(自称天才科学者)の発明したタイムマシン(死語)によって、時空を超えた。はじめは二人はどこにいるのかわからなかった。なぜなら、島の景観なんて、十年やそこらじゃあまり変わらないから。僕たちが 『過去』 に来たと分かったのは、自分の足で全力で向こうから走ってくる、『小さいマチ』 を見たからだ。僕は驚き、そして思いつく。やり直すことができると。ずっと後悔していたことを、この、過去という 『現在』 で。
  • 明日も彼女は恋をする
    4.3
    『過去の改変』 から戻ったわたしに待っていたのは、彼の消失だった。そして、もうひとつ。わたしの歩けなかった足が、元通りになっていた。歩いている。わたしが、進んでいる。自分の足で。わたしが歩き回る姿に、島の住人は誰も驚いていない。慣れきっている。この世界の 『現在』 では、彼は九年前に死んでいた。その蔓延する常識が、わたしを苛み、蝕んでいく。わたしが歩ける毎日。それは彼が死んだ現代。まるで別の星へ飛んできてしまったようだった。決めた。わたしは必ず取り返す。わたしと彼がいた世界を。必ず。 『昨日は彼女も恋してた』 と上下巻構成。
  • 死神と桜ドライブ
    3.4
    地味なOL生活を送っていた美咲は、アイドルのように中性的で、若くお洒落な彼氏と付き合っている。ようやく捕まえた愛しい彼のため、美咲は借金の連帯保証人にまでなっていた。だがある日、彼の口車にのって引き合わされたのはヤクザな男たち。まんまと彼氏に騙され、美咲は風俗に売り飛ばされることになったのだ。自暴自棄になった彼女は、走ってきた車に思わず身を投げるのだが――。 『太陽のあくび』で〈メディアワークス文庫賞〉を受賞した有間カオルが、受賞後1作目として放つのは、死の薫り漂う異色のミステリアス・ストーリー! ユナイテッド・シネマ シネマプロットコンペティション2008のグランプリ受賞作。
  • 探偵・日暮旅人の探し物
    3.8
    保育士の山川陽子(やまかわようこ)は、ある日保護者の迎えが遅い園児・百代灯衣(ももしろてい)を自宅まで送り届けることになる。灯衣の自宅は治安の悪い繁華街の雑居ビルにあり、しかも日暮旅人(ひぐらしたびと)と名乗るどう見ても二十歳前後の父親は、探し物専門という一風変わった探偵事務所を営んでいた。 澄んだ目をした旅人と、人形のように美しい灯衣。名字の違う不思議な親子に興味を惹かれた陽子は、探偵事務所を度々訪れるようになる。そして、旅人が持つある“能力”を知ることになる。匂い、味、感触、温度、重さ、痛み。旅人は、これら目に見えないモノを“視る”ことができるというのだが――?
  • 殺戮ゲームの館<上>
    3.6
    ── 誰かが言った。この二つには共通点があるのではないか。 一つは時折マスメディアをにぎわす集団自殺のニュース。そしてもう一つは人間が殺し合う娯楽ビデオが存在するという都市伝説。 出会いや遊びが目的のオカルトサークルに所属する福永祐樹は、ネットで偶然見つけた自殺サイトに興味を持ち、集団自殺の現場となったというある廃墟にたどり着く。だが祐樹が目覚めた時、彼を含むサークルメンバー11名は密室に閉じ込められていた……。 戦慄の密室サスペンス、上巻。
  • おとなりの晴明さん ~陰陽師は左京区にいる~
    3.5
    一家で京都に引っ越してきた女子高生・桃花。隣に住んでいたのは、琥珀の髪と瞳をもつ青年・晴明さんだった。不思議な術で桃花の猫を助けてくれた晴明さんの正体は歴史に名を残す陰陽師・安倍晴明その人。晴明さんと桃花の前に現れるのは、優しい鬼や京都の街を守る平安京サル会議、美の御利益をもたらす女神様。晴明さんは、いつも憂鬱そうな顔で、けれど軽やかに不思議な世界の住人たちの願いを叶えていく。そして現世での案内係に任命された桃花も、晴明さんの術で思わぬ姿に変身して――。悠久の古都・京都で紡ぐ、あやかしファンタジー。
  • ヒーローズ(株)!!!
    完結
    4.2
    「なーんの面白味もない人生やったなあ」――病床にある祖父の言葉が頭から離れないコンビニ店員の修司・26歳は、ある日、借りのある同僚から『ヒーローはキミだ!』という胡散臭い求人広告のアルバイトを持ちかけられた。しぶしぶ指定された場所へ向かうとあったのは、今にも崩れ落ちそうな雑居ビル。そこの会社にいたのは、初老の紳士、ホストのようなチャラ男、そしてよくわからない話をする恰幅の良い社長。いきなり任された仕事は、今をときめく人気漫画家の“お守り”? 読んだ後はきっと元気になれる、著者会心の人生応援ストーリー第2弾!
  • チョコレート・コンフュージョン
    3.6
    バレンタインすら残業の、仕事に疲れたOL千紗。お気に入りのヒールが折れ、まさに泣きっ面に蜂。そんな千紗を救ったのは、理想の王子様――ではなく、凶悪な目つきから社内で「殺し屋」と恐れられる龍生だった。 千紗はお礼のつもりで義理チョコを渡すが、勘違いした龍生に交際を申し込まれてしまう。「断ったら殺される!?」命の危険を感じた千紗は、偽の恋人になることに。だけど強面の龍生が提案してきたのは、なぜか交換日記で!? 凶悪面の純情リーマン×がんばり過ぎなOLの、涙と笑いの激甘ラブコメ!
  • 未来線上のアリア
    4.2
    惑星アルチアまであと六日。航行中の航宙艦でコールドスリープから覚醒した先遣隊、医務官リブカは、艦長の死と酸素発生器の異常を知る。このままでは先遣隊の八名が全滅してしまう。酸素が足りない以上、乗員数を削減するしかないが、生死を問う投票が行われれば、最愛の女性アリアが犠牲として選ばれるのは確実だった。アリアを救うため、リブカはあらゆる手段を模索するが、すべては無情にも宇宙の闇に飲み込まれていく……。星々の残響が紡ぐ、新時代の恋愛ミステリー。
  • TOKYO GIRL’S LIFE ~絶対に失恋しない唯一の方法~
    3.4
    出来る女として後輩から憧れられるけど、仕事ばかりで恋がお留守な編集者・遙希。恋愛に絶対的な自信があるけど、最近気になる人には冷たくされている腰掛けOL舞衣。プロ演奏家という夢が諦めきれないけど、自分を卑下してばかりのフリーター佳奈子。東京の片隅、一軒のBar[シュガー&ソルト]で、タイプの違う3人の女の子たちが出会う。それぞれに悩みを抱える彼女たちの間に芽生えるのは、果たして友情なのか、それとも――? 第16回電撃小説大賞〈選考委員奨励賞〉受賞の菱田愛日が贈る、悩める女の子たち応援ストーリー!
  • ミュース 翡翠の竜使い
    4.0
    竜と絆を結びし人々――竜使い。彼らの故郷である翡翠の里が一夜にして滅びた。ただ一人生き残った少女ミュースは、里を滅ぼした者たちへの復讐を誓い、旅に出る。そして二年。〈千年凍土〉の奥深くで、かつて三つの国を蹂躙した禁断の黒竜シャグランの封印を解き放つ。美しい青年の姿で現れたシャグランは、ミュースに問う。「俺が欲しいか、小娘」それが大きな罪であると知りながら、ミュースは頷く。「いいだろう。ならば、俺はおまえのものだ」悪鬼にも等しい竜を道連れに、ミュースはゆく。これは、血と慟哭と、愛の物語。
  • 拝啓、十年後の君へ。
    4.4
    十年前に埋めたタイムカプセル。忘れていたのは、離ればなれになるなんて想像もしていなかった時に交わした将来の約束。そして一つの後悔。今更思い出しても取り戻しのつかない、幼い頃の恋心。嫌いじゃないけどドキドキしない、そんな曖昧な恋愛関係に悩む千尋。部活から逃げ出した元サッカー少年の冬弥。定時制高校に通う不良少年の優。慣れないギャル生活で息苦しい美夏。家から出たくない引きこもりの時子。そして小学校の頃に喧嘩別れした少女を、今も想い続けている耀。十年前に記した「今の自分」への手紙が、彼らの運命を少しずつ変えていく。
  • デッドエンド 死に戻りの剣客
    4.0
    生涯最後の決闘――。相手は幼き頃からの同門。敵意を向かい合わせて腕を磨いた、我が半生の片割れ。かつて一度として剣を届かせることのできなかった仇敵。どちらが真剣での決着を言い出したのか。とにかく、確かに私は斬られたのだった。だが気付けば、私は果たし合いの直前に戻っていた。斬り殺される度に、時間は巻き戻される。死ぬ度に蘇る。そしてまた斬り結ぶ。私の振るう剣が、あの男に届くまで。不可解な現象に巻き込まれた“死に戻り”の剣士が辿る、数奇な一生とは――。入間人間がおくる、異端の剣豪小説。
  • いのち短しサブカれ乙女。
    -
    お母さん、サブカルって知ってますか? そうです。わたしの周りにいる寮生みんなが、サブカルな乙女たちでした。場所は世田谷、住まうは女子寮。北海道から出てきたわたしの初めての友達である、隣人のノアちゃんは『サブカル上級者』だった。偏愛と偏見と偏重があるが、サブカルに対する愛は誰にも負けず、広く深い。そして、とっても可愛い。ベレー帽がとくに。リア充さんやサブカル糞野郎さん?を押しのけて、わたしは今日もノアちゃんとヴィレヴァン探検に向かうのだった。ビバ、わたしのシモキタサブカルチャーライフ。
  • φの方石 -白幽堂魔石奇譚-
    3.9
    方石――人々を魅了してやまない、様々な服飾品に変じることのできる立方体。この技術のメッカである神与島で、アトリエ・白幽堂を営む白堂瑛介は17歳の若き方石職人。方石を学ぶため、東京からやってきた下宿人の少女・黒須宵呼とともに暮らしている。 そんな瑛介は、本業である方石修繕の傍ら、人々を惑わす石――魔石の蒐集をし、その身請け人となっていた。 ある日、知人の方石研究者・涼子の依頼で連続方石窃盗事件を追うこととなった瑛介は相棒・猿渡とともに調査を開始する。しかし、そこには宵呼を巻き込んだ驚くべき真実が隠されていた――。
  • ノロワレ 怪奇作家真木夢人と幽霊マンション(上)
    3.5
    『もし深夜に子供がドアをノックしても、絶対に開けないで下さい』 ホラー小説レーベルの編集者・西任結は、子供の喘息を憂い地方への引っ越しを決めた。だが、そのマンションでは奇妙な出来事が多く起こる。川に浮かぶ幾つもの紅い流し雛、不自然に多い空き部屋、「よそ者は出て行け」と怒りを露わにする老人、そして掲示板に貼られた謎の掲示――。 結は「新居がいわくつきだったら教えて下さい」と告げた若きベストセラー作家・真木夢人に相談を持ちかけるのだが、事態は一向に変わらず。そして、ついに住人の子供が奇怪な死に巻き込まれ――。
  • トーキョー下町ゴールドクラッシュ!
    3.9
    賠償金100億円――。伝説の女トレーダー・橘立花は罠に嵌められた。身に覚えのない罪を着せられ、勤めていた証券会社からクビを宣告されたのだ。 億単位の金を稼ぐ華々しい活躍から一転、無職となった立花は下町の商店街に偶然辿り着く。そこで出会ったのは、顔だけが取り柄のダメフリーターや、頑固な洋食店店主など、お金はなくても人情味溢れる江戸っ子たち。 自らの解雇の裏にある巨大な陰謀に気づいた立花は、彼らの助けを得て、悪人どもを叩っ斬る!! どんな人生にも逆転はある。痛快すぎる下町金融ミステリ!
  • 下京区花屋梅小路上ル 京極荘と百匹のうた猫
    3.1
    古都京都。町屋が立ち並ぶ花屋梅小路の一角に下宿「京極荘」はある。世話人の絹子が作る朝晩の手料理は絶品だ。 現在の住人は、おぼこさが残る女子大生の穂香と、隣部屋に越してきた昂季の二人きり。冷たい瞳で京言葉を話すいけずな昂季は、誰にも言えないみやびな秘密を抱えていた――。 二人きりの同居生活に戸惑う穂香だが、ある朝、昂季が大切にしている古い百人一首の本を開いたことで、二人の関係は一変する。 触れてはいけない一冊の本から始まる不思議の数々。わずか31文字の和歌を紐解けば、百人一首に秘められた“もう一つの想い”が今に蘇る―― 。
  • 探偵事務所ANSWER ~アンサーさんと都市伝説~
    3.0
    悩みを抱えた女子大生の綱島響子が依頼に訪れたのは、「異常・怪奇・不可解請け負いマス」と謳う怪しさ満点の『探偵事務所ANSWER』。そんな響子の悩みとは、「向かいのマンションから望遠鏡で見られている。相手は女性、私も女性なのに何故?」というもの。奇妙な依頼しか引き受けない所長の明石屋だったが、「お前は当たりだ」と響子に言い放ち、さっそく調査を開始することに。果たして、その当たりの意味とは――!? 星を見る女、メリーさん、八尺様、ムラサキカガミ……一見不可解にも思える現代の都市伝説をイケメン霊能探偵がシニカルに解き明かす!
  • 迷惑110番プルルルルルルル
    3.0
    いっこうに減らない迷惑な110番への対策として、警視庁が試験的に設けた“低緊急性警察通報用電話対策係”、略して“テーキン”。 配属された新米巡査のかおりが緊張しつつ初出勤すると、部屋にはヤル気の欠片も見られない上司の羽瀬だけ。所属たった2人の零細部署だった。「猫がうるさい」などの何とも肩すかしな内容ばかりだけど電話は毎日鳴り止まず、かおりはてんてこ舞い。そんな中、ある日突然「息子が誘拐された!」という“超緊急”案件がなぜかテーキンに迷い込んできて──!?
  • 星空のコンシェルジュ
    3.7
    星空が綺麗なペンション・ファーストライト。一見(いちげん)さんでも「おかえりなさい」と迎える、温かい「第二の家」がコンセプトのこの宿には、心が疲れた人たちが集まる――傷心旅行の女性客、熟年離婚危機の夫婦……そして、このペンションの元オーナー。  天文家の夢を諦め、旅行雑誌社で働く編集者・宇田川昴太(うたがわこうた)もそんな一人。彼は妄想企画「夢が叶う星降るペンション」の取材のため、期間限定「星空案内人」として働くことに。自身の星座の知識を活かして問題を抱えた客と接することになるのだが……!? 思わず星空を見上げたくなる天文ペンションストーリー。
  • 君の色に耳をすまして
    3.9
    芸大に通う杉野誠一は“声の色”で見たくもない人の感情や嘘が見えてしまうことに悩まされていた。そんな彼がキャンパスで出会ったのは声を失った透明な女の子。『川澄真冬』と書かれたメモ帳で自己紹介をした彼女は、誠一の映像制作を手伝いたいと申し出た。不審がる誠一の前に、古ぼけたカセットが置かれる。そして、彼女は手伝う条件として、テープに録音された姉の歌を映像に入れて欲しいという。 声の色を気にせず話せる彼女に惹かれ、生まれて初めて心の色を知りたいと願う誠一。だけど、彼女の透明な色には秘密があって――。
  • 君が電話をかけていた場所
    3.9
    「賭けをしませんか?」と受話器の向こうの女は言った。 「十二歳の夏、あなたは初鹿野さんに恋をしました。しかし、当時のあなたにとって、彼女はあまりに遠い存在でした。『自分には、彼女に恋をする資格はない』。そう考えることで、あなたは初鹿野さんへの想いを抑えつけていたのです。……ですが、同時にこうも考えていました。『この痣さえなければ、ひょっとしたら』と。では、実際に痣を消してみましょう。その結果、初鹿野さんの心を射止めることができれば、賭けはあなたの勝ちです。初鹿野さんの気持ちに変化が起きなければ、賭けは私の勝ちです」
  • ウチと白ばあちゃんと株の神様と
    4.0
    謎の金持ちばあちゃんに頼まれて、株の売り買いをした。その結果……。 「あなたに勝手に資産を使われたうえで、五百万円の損害」。そのばあちゃんは、ニコニコとウチに話しかける。売買を頼む、ばあちゃんからの手紙はすでにシュレッダーの中。でもって、「頼まれて、くれないかい?」って、上品にいっても、それを人は脅迫っていうのよ!! こうして、弱みを握られたウチは仕方なく、とある男と関わることになるのでした。  おまけに、いきなり彼氏に振られたり、両親の離婚話が持ち上がったりって……。  アキナ十七歳、一体、ウチの人生、どうなっちゃうの!?
  • ハイカラ工房来客簿 神崎時宗の魔法の仕事
    3.6
    昔ながらの工房が軒を連ねる、東京は浅草の職人街。 魔法使いがいるという噂の革工房『ハイカラ工房』を覗いてみれば、今日も無骨な青年が、熱心に仕事に打ち込んでいる。 工房を切り盛りする店主は、若き革職人・神崎時宗。手ぬぐいを頭に締めた、目つきの悪さが際立つ風貌とは裏腹に、腕は確かで仕事は丁寧。 その巧みな腕前で、工房に持ち込まれる、曰く付きの革製品と、そこに籠められた人々の想いまで、たちどころに修理してしまうらしい。 どうやら彼が持つ魔法のような技術には、秘密があるようだ――。
  • 名前のない星の物語
    4.1
    その世界では、ほとんどの人が≪名前≫を持たなかった。≪名前≫を持つためには多額のお金が必要で、大半は名無しのまま死んでいく。 ≪名付け親≫という職業につく少年・ニコルは、人々に≪名前≫を授けるために長い旅をしている。様々な国を訪れ、たくさんの人に出会い、ニコルは考える。彼らの人生にはどんな物語があり、そしてどんな≪名前≫が相応しいのか、と。 長い長い旅の中、ニコルは数々の≪名前≫にまつわる切なくも優しい物語に出会っていき――。
  • シャロン 死者は神を語らない
    3.6
    ガス灯が光り輝く19世紀末のパリ。華やかなその街で、若い女性が次々と姿を消す連続失踪事件が起こっていた。 警察の捜査が難航するなか、パリ随一の腕を持つ遺体修復師シャロンのもとに美しい少女の死体が運び込まれてきた。他殺と思しき無残な亡骸に語りかけ、処置を始めようとしたその時、シャロンはある異常に気がつく。 少女と失踪事件の謎。それに意図せぬ形で挑むことになったシャロンの行く手に、パリを蝕む漆黒の闇が立ち塞がる。 過酷な運命と共に神の奇跡を宿した青年が、辿り着いた真実とは……。

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