名称未設定さんのレビュー一覧

なんとも不思議な人

生徒を幸せにするために教師になったと常に言っているが、幸せにする方法が尋常ではない。
ただ、深刻ないじめや虐待を受けている人にとって、最後に頼る救世主と思えるのかも知れない。

いじめや虐待かそれだけ悪質化していると思うと、自分が巻き込まれたくないと周囲が手をさしのべられない以上、難しいテーマだと思う。
心春から制裁を受ける前に、自分の行いを正しすことを願ってやまない。

毒婦との戦い

結婚前はいくら完璧に見える人でも、相手の環境や親兄弟姉妹との関わり方は実際に結婚してからではないとわからない。
主人公は自分が年上という引け目で、その見極めがあまかったのではないか。
世間ではよくある姑と嫁問題、マザコン夫の浮気、事なかれ主義の舅が登場人物だが、嫁が姑に虐待された挙げ句、命を奪われ、夫が浮気相手と再婚？というストーリーは、あまにも理不尽だ。
死後の転生⇒人生の分岐点に戻る⇒リベンジで姑を交わしながら追い詰めて行く嫁。この先の展開が楽しみだ。

死神との出逢い

死神の森に導かれて行った先で、村人達から死神と呼ばれる一人の青年に出逢った6歳の少女。
父母も養父母も亡くし、青年が棺を作ると体がぴったり合った人が死ぬという村人の噂を信じ、自分の棺(しつぎ)を作って欲しいと頼む。
しかし人の寿命が見える青年から、「まだ当分死なん、今棺を作ったら体に会わなくなるから、木材がもっとうない」と言われてしまう。
いつ死ねるか聞く少女に、「誰かの嫁さんになって子どもが育ち上がった頃」と答える青年。
少女は食い下がって「あなたのお嫁さんにしてください」と申し出る。
ここから二人の恋物語が始まった。
この恋の行方が楽しみだ ...続きを読む

死神にみいられた少女

途中から予想がついた事が明らかになった巻でした。
でも思ったより恐ろしい展開ではありました。
初(うぶ)を巡って４人(正確には２人と２匹)の男性(オス)のそれぞれの想いや思惑、初が天涯孤独になった理由もわかり、改めて初が「死神にみいられた少女」だった事がわかりました。
途中もどかしくハラハラする場面もありましたが、巻末で描かれた2人の想いと愛の強さが引き立ちます。
できればこのまま人間としての人生を全うして、2人が幸せになって欲しいです。

不思議な価値観の幸せ

想って引いてまた進んで、後退して。不器用な二人の手探りの恋。理性を貫けば大切な人を傷付ける、感情に素直になれば周囲が傷つく。心の葛藤のなかで恋の着地点を模索する二人。
自分の立場だったら、自分の娘が、友人が、好きな人が..自分自身がこんな苦しい恋を選んだらと考えさせられた。
それでも二人は共に寄り添い歩むことを選んだ。ようやく出した答えに幸せな日々が平穏に続くと信じていたのに。
教授の年考えれば、そう難しくない予測といえるが、現実はあまりにも悲しい。
薔薇は咲かせられたのだろうか、二人は幸せだったのだろうか。 残された彼女に新たな春が訪れる日が来るのだろうか...。切なく悲しく、逞しい恋の物...続きを読む語だった。

いろいろな人間関係が重なった

茜と若旦那、相思相愛になり、いよいよ茜の親の敵を本格的に追い込むメドがたった矢先、敵に気づかれ、邪魔が入り計画は頓挫。
敵に情報を流したのは誰か。味方のなかにいるのか。
揺れる茜を支える若旦那の頼もしさ。

傍らでは利への紫の想いや、茜の元婚約者の未練がましい態度等、人間模様が交差する。

そしてふとした事がきっかけで若旦那の実の姉がわかり。。。

廓のしきたり、日常、女郎の辛さを乗り越えた姉の真の弟への想い。

今迄スポットがあたっていなかった部分が少しずつ明らかになってゆく巻だ。

苦界で懸命に生きる妓達がどうかそれぞれの幸せを掴んで欲しいと願わずにいられない。

実在する人らしい!会ってみたい

とにかく面白い。
そしてそれぞれのキャラクターがアルアルでどこのコンビニでもある情景なんでしょうね。

仏教大に通うニーチェ先生は思想ばかりでなく趣味も生活も行動も完全な仏教徒で、むしろ畏敬の念すら抱くが、かといって人の魂を救う気はサラサラない。

どんなお坊さんになるのかな。
先が楽しみ。

コンビニ店員さんは多かれ少なかれお客さんに対してニーチェ先生のような本音を持つのだと思うけれど、それを笑顔で包み隠しているので、不快な思いをさせないよう気をつけないとと思ってしまいました。

清霞カッコいい

美世がゆりえと帰宅する途中で拐かされてしまった。
幸せ故の無用心さの隙をつかれた結果だった。

行き先も実行犯人も見当がついていながら不用意には乗り込めないと模索していたところにまさかの辰石幸次の登場。

救出に向かう車内での清霞と幸次の対比、到着後の清霞の行動、どれもこれも清霞の美世を按じる静かな思いが伝わる。

本当に強い男性！カッコ良すぎる！

それでいて優雅で美しく優しい。
照れ屋で素っ気なく誤解されやすい。
設定としては他にない素敵な男性ですね！！

いざというとき助けに来てくれる人となればやはり最強で最高の殿方。

美世は辛い想いをしてきた甲斐があったと思います。
これからの二人が...続きを読む楽しみで早く続きが読みたい。

美世の氷河期と雪解け

辰石の父親は何を愚昧にけしかけているのかと思っていたら
...。本当に嫌な奴。息子は善人面だがこれも煮え切らない。

継母は異能の家出身ではないコンプレックスから、実娘を継子美世に負けないようにあらゆる教養を身仕込み、美世を見下して、虐待し優越感に浸るあまりに、異母妹は身勝手でわがままな人間に育ってしまった。

美世に対する仕打ちを黙認する父親もそうだが、腐りきった人間しか美世の周囲におらず、衣食住も使用人以下の待遇で育った状況は幼児・児童・生徒虐待で逮捕されるほどの案件で想像以上に酷い。栄養失調でよく死ななかったと思う。

冷酷無慈悲と噂されていた清霞と出会った美世は、はじめて人並みな生活を...続きを読む手に入れ、清霞とお互いに打ち解け、心を開いて行く様子は安堵する。

清霞の家の「ばあや」ゆりえも温かく優しい人柄で美世に居心地のよい空間を気遣ってくれている切れ者。
ゆりえの存在や助言がなかったら、美世と清霞の距離が縮まることも難しかったと思う。

とにかく美世は、清霞たゆりえとの新しい生活のなかで自分と健康を取り戻し、日々心を開き、溶け込んでゆく様は、雪解けにも似て、応接してしまう。

美世の新しい家族との生活環境の安心感心は、日常の警戒心と用心深さが緩んでしまったのだろう。
その隙をつくように事件が起こったしまったのだろう。

続きが気になり、次の巻、また次の巻と手にとってしまう。

日本版シンデレラ物語

分冊版コミックから読みはじめました。
異能の名家に生まれながら異能を持たない美世は父から見はなされた環境のなかで、更に幼い頃実母を亡くした。
父の後妻となった継母と異能を持つ異母妹に虐げられ見下され使用人以下の生活を送っていたが、19歳になった時、「結婚」という名目でわずかな身の回り品と共に家を追い出された。しかも相手は格上の異能名家の当主でありながら、「冷酷無慈悲」といわれる人。
当時の最高学歴と特殊な最上級異能の持ち主 久堂 清霞と片や無能で尋常小学校どまりで習い事もやめさせられ使用人扱いされ、コンプレックスを持っていた美世とが釣り合うわけもなくすぐに追い出されると父と継母、異母妹、...続きを読む美世でさえは思っていた。
しかし、美世の純粋さ、控えめな所作に清霞(旦那さま)は少しずつ心をとかし、距離が縮まっていく。
その様子は微笑ましく、二人を応援せずにはいられない。
いくつものエピソードを重ね、美世が少しずつ自信を取り戻してゆき、亡くなった優しく美しい美世の実母に近づいてゆく様も、ひとえに清霞の愛の賜物だと思い、新しい巻が出るのが待ち遠しい。
この巻で、母親の実家の異能の血を受け継ぐ美世欲しさに美世を略奪しようと目論む美世の幼なじみの父親と、久堂清霞を奪おうとする後妻と異母姉の思惑が一致して、拐かされた美世のその後が描かれている。
継母は幼い頃から美世に対する扱いが尋常出なかったこと、実父は知りながら黙認していたことが明確になり、美世の心の傷の深さと恐怖を思い知らされる。
美世に幸せになって欲しいと思いが募る。
次号が待ち遠しい。
実は小説版も購入して平行して読んでいるが、コミック版でリアルな人物像がわかっているので、先が知りたい人にはお勧め
です。

愛しさと切なさの恋物語

6歳の時の出逢いから変わらぬ想いを貫く初(うぶ)と、初との出逢いを経て停まった時が再び動きだし人の心を取り戻した「死神」。
皮肉にも女性として成長する初とともに、本来年を取っても姿が変わらないはずの死神も、
体が次第に実年齢へと変わって行く。
焦り、不安が募り、それぞれの想いが交差して。。。
最後はハッピーエンドになればいいと願わずにいられない。
絵も綺麗で少しずつ二人の距離が縮まる描写が自然で、いい作品です。