【感想・ネタバレ】長閑の庭(7)のレビュー

ドイツ文学専攻で大学院の修士課程に通う主人公は、地味な見た目と性格から、ドイツ語で“黒い”を表す形容詞shwarzに“さん”づけで「シュバルツさん」と呼ばれている。そんな彼女は、自分の論文を読んで「君の日本語は美しい」と言ってくれたドイツ文学教授に憧れているのだが、彼は64歳。ふとしたきっかけから教授に好意を打ち明けると、「君のそれは恋ではない」と否定され、主人公は考え込んでしまう…。
若いときは若いときで、そして年を取ったら取ったで、「自分が人からどう見られているか」ということに右往左往させられてしまう、ということはありますよね。私に好意を向けてくれているこの人が何だかステキに見えてきたとか、子どものときからしっかりしていると言われてきたのでしっかりしていなければならないと思っていたとか、本当はスポーティな服が好きなのに背が低いからやめておこうとか、自分の思考でさえ、他人の影響を受けないことは難しいと思うのです。
この作品では、若い主人公だけでなく、人生をとっくに折り返したはずの教授も、登場人物がみんな試行錯誤しています。何が恋で何が恋じゃないのかを知りたい人だけでなく、「私」って何だろう?と考えたり悩んだり拗らせたりしたことがある人にぜひ読んでもらいたい作品です。

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感情タグBEST3

ネタバレ 購入済み

表紙を見ただけで、これは教授死ぬなぁーって思いました。
年の差を考えると遅かれ早かれその時は来るわけですが、あまりにも早い。
最期の時まで寄り添う2人が幸せそうで泣けてきました。
でも、そんなことより何よりも、推しメン田中さん惚れ直しました。
好きな人の幸せのため身を引くだけでなく背中を押してあげる。
恋敵だけど病気の恩師の為に心から涙を流せる。
傷心の好きな人を静かに2年も支え続ける、素敵な人です。
いつか気持ちが通じる日が来るのだろうと信じながら読み終えました。名作でした。

1
2019年05月13日

匿名

ネタバレ 購入済み

曖昧だけど

ドラマ化の時から気になっていて原作をやっと読みました。最後は感動しましたが、田中さんとの関係性は曖昧だけどでも多分最終着地はくっ付くのかなと予想できたので良いです。願わくば続編みたいですが。

#胸キュン #泣ける

0
2023年02月27日

Posted by ブクログ

病気がわかり、元子のことを想って別れたいと言った教授の気持ちも、別れが近いからこそ一緒にいたいと思う元子。人は時が経てば忘れていくけれど、未練が残っていると後悔が尾を引いてなかなか前に進めないので、2人が最後一緒にいれて良かったと思う。
もし、話がもっと先まで続くなら田中さんと一緒に生きていけそうだなぁ。

0
2022年12月07日

ネタバレ 購入済み

涙溢れました

すごいなーと思いました。


死を前にして終活淡々と進めていけるのか?物語りとして、没頭して一気に読みました。父の看取りを思い出して泣けました。

0
2020年11月23日

ネタバレ 購入済み

読んで良かったです。

もう涙が止まりません。
何となく、こういうラストになるのではと想像はしていたけれど、もう少し幸せそうに関係を築いていく2人を見られると思っていたので寂しくも悲しくもあります。
夢中になって読んでいまいました。
6巻、7巻はずっと涙が止まらず。。。
最期まで寄り添っている2人を見たかったです。
ですが、とても良いお話でした。

2
2019年05月17日

ネタバレ 購入済み

不思議な価値観の幸せ

想って引いてまた進んで、後退して。不器用な二人の手探りの恋。理性を貫けば大切な人を傷付ける、感情に素直になれば周囲が傷つく。心の葛藤のなかで恋の着地点を模索する二人。
自分の立場だったら、自分の娘が、友人が、好きな人が..自分自身がこんな苦しい恋を選んだらと考えさせられた。
それでも二人は共に寄り添い歩むことを選んだ。ようやく出した答えに幸せな日々が平穏に続くと信じていたのに。
教授の年考えれば、そう難しくない予測といえるが、現実はあまりにも悲しい。
薔薇は咲かせられたのだろうか、二人は幸せだったのだろうか。 残された彼女に新たな春が訪れる日が来るのだろうか...。切なく悲しく、逞しい恋の物語だった。

0
2021年09月06日

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