ドイツ文学専攻で大学院の修士課程に通う主人公は、地味な見た目と性格から、ドイツ語で“黒い”を表す形容詞shwarzに“さん”づけで「シュバルツさん」と呼ばれている。そんな彼女は、自分の論文を読んで「君の日本語は美しい」と言ってくれたドイツ文学教授に憧れているのだが、彼は64歳。ふとしたきっかけから教授に好意を打ち明けると、「君のそれは恋ではない」と否定され、主人公は考え込んでしまう…。
若いときは若いときで、そして年を取ったら取ったで、「自分が人からどう見られているか」ということに右往左往させられてしまう、ということはありますよね。私に好意を向けてくれているこの人が何だかステキに見えてきたとか、子どものときからしっかりしていると言われてきたのでしっかりしていなければならないと思っていたとか、本当はスポーティな服が好きなのに背が低いからやめておこうとか、自分の思考でさえ、他人の影響を受けないことは難しいと思うのです。
この作品では、若い主人公だけでなく、人生をとっくに折り返したはずの教授も、登場人物がみんな試行錯誤しています。何が恋で何が恋じゃないのかを知りたい人だけでなく、「私」って何だろう?と考えたり悩んだり拗らせたりしたことがある人にぜひ読んでもらいたい作品です。
感情タグBEST3
長閑の庭
タイトルと表紙に惹かれて読み始めたのですが、内容も素敵でどんどん読み進めてしまいました。
教授の丁寧な話し方、シュバルツさんのたどたどしさ、全てが心に刺さる作品でした。
素敵な作品
大好きな作家さんの作品です。NHKでもドラマで放送された時は驚きましたが、納得、納得でした。
主人公と教授が2人とも可愛くてとても共感できるセリフも多くてオススメの作品です。
歳の離れた初々しい恋
主人公が大学生院生で、相手役は歳の離れた教授、おじさまです。ギラギラ感は無くいい感じに枯れたおじさまですが、かなり歳の差があるのでそこに抵抗を感じる方は向かないかもしれません。
主人公は女子っぽい物が似合わないと思い黒で身を固めていますが、可愛い物好き女子で好感が持てます。また考え方等、あるあるな部分も多くあり感情移入してしまいます。
描かれる恋模様は大人の恋愛というよりも、拗らせ女子の初々しい恋です。もちろん歳の差があるので、あしらわれたり元奥さんが出てきたりとありますが、ドロドロはしておらずいじらしいです。
好きの定義
主人公の朝比奈元子(あさひなもとこ)はドイツ語専攻の大学院生。
メルヘンなものが好きだが、小さい頃から大人びたしっかり者として見られていたため、かわいいものを身に着ける勇気がわかず、無難に黒いものを身に着けていたため、周りからドイツ語で黒を意味するシュバイツさんという不本意なあだ名をつけられる。
そんな彼女は、担当教授の榊から「君の日本語は美しい」と言われ彼に恋心を抱いてしまう。
はずみで告白してしまったが榊は師弟愛を恋愛と勘違いしているだけだと彼女の好意を否定する。
思えば祖父に育てられた元子はその思いが『嗜好』ではないかと思うがそれでも気持ちは抑えられない。
榊もまた元子に対して何らかの好意を抱いていることから、彼女に対して「好きとその分類」についてドイツ語でレポートを与えた。
年上の落ち着いた男性は若い女性からみたらほんとにかっこいい。
そんな人から優しくされたら好きになってしまう。
ただその好きの種類はいっぱいあって恋愛だけとは限らない。
主人公の生い立ちなど複合的な様々な思いが絡まりあっているだけに結論は難しい。
恋って何だろう
教授に「それは恋じゃない」と言われて悩むシュバルツさん。その気持ちが恋か恋じゃないかを他人が決めることではないと思うけど、自分に当てはめてみても、人への好意を感じた時に愛情・友情・同情どれなのか分からないことって多いな〜と改めて考えちゃいました。
これからどうなっていくのか楽しみです!
Posted by ブクログ
フィリップ・ロスの「ダイング・アニマル」、映画「エレジー」よろしく、40歳差の恋、になるのか?
シュバさんの、居酒屋でのチクンが、痛いほどひびく。
そのままでもシュバさん素敵だよ。
Posted by ブクログ
わたくし、断じて、枯れ専ではないのですが
いいですね。この感じ。
ゆっくりゆっくり相手を好きになっていく時間。
そして些細なことで心のドロドロ(嫉妬)に支配されてく感じ。
想いが通じ合う前の、もどかしい感じがいい。
続きが楽しみです。絵もいいし。
空気感が良い
とても素敵な空気感を纏った作品だと思います。イケオジの教授だからこそ成立する恋愛ですね。榊教授は良い年の重ね方をしたダンディなおじ様で惹かれてしまっても仕方ないと思わせる素敵なキャラクターです。
年の差恋愛ものの中でも一段の優
親子どころか爺と孫ほども年の違う年の差恋愛ものであるが、あまりドロドロ深刻な印象を与えないのはこの作者のすっきりした絵の力だと思う。
余りの年の差に、否定しながらも気になる二人の心理状況がよく描けている。
匿名
イケオジ(60代)
最近知ったんですがイケオジ、オヤジズムって言葉があるらしい
この言葉をっている人向けです
主人公の女子大生の元子ちゃん・・・外見が色んな意味で大人び過ぎて
大学生と言われないと分らないよ!笑
自他ともに認める地味子な彼女が、「大人」に頑張って恋します
面白い、不思議
NHKBSで放送されていました。初老の教授との恋物語。私はこの設定ありと思いますが、娘や主人はこれは絶対ない設定と言います。不思議な心のつながり。感じ方はそれぞれでしょうが、面白いです。
Posted by ブクログ
ドイツ文学専攻のこじらせ大学院生(23歳)×バツイチ教授(64歳)…これは恋なのか、なんなのか?
私はカレセンではないけれど、非カレセンもときめく場面がたくさん。
電話の持ち方とかコーヒーカップの持ち方とか、さりげない仕草がちゃんと萌えポイントを押さえた描き方をされています。
性格も、研究者としての厳しい部分とお茶目な一面のギャップ萌え。あざとい!榊教授あざとい!!笑
ヒロインのこじらせっぷりが半端ないけれど、心当たりがありすぎてダメージ(笑)
2巻以降で主役以外の人たちがどう絡んでくるか楽しみです。
Posted by ブクログ
本屋さんで気になって購入
年の差カップルって好き。
だが、
今まで好みガッツリな作品にあったことはない。
この作品も
そ~じゃ ないんだよなぁ… みたいな。
もしかして私は「カップル」よりも「コンビ」的なのが
好きなのかもしんないなぁ
と、思う今日この頃。
十二国記の珠晶と供麒みたいな感じは好き。
この作品も面白かったけど
「あ~ 違うなぁ」でした(笑)
残念。
まぁコレは個人的な好みの問題だけど。
作品としてはガツガツしてないノンビリほんわかとした流れは
良いのでは。
微妙にひっかかるのは
狙いなのかどうなのかわからないけど、
オンナノコの恋愛観はドリーム的で
ご老人の恋愛の捉え方は
リアルというか生々しさを感じるというか(エッチ方面の意味では無いです)
夢を夢見る、若く恋愛や精神面で未だ幼い女性と
経験年輪を経た大人の男性での考え方の違いとして
表現しているなら
たいしたモンだなぁ~!
しかし、どうなのかは分からない(笑)
私が勝手にそう思ってるだけかも。
この作家さんの作品、はじめて読んだから。
でも、それが、この表紙みたいなノスタルジックな美しい景色に
もの凄いリアルさを伴った異物感を、
酷く現実的な臭いを感じてしまって
私は読み辛かったな~
美しくしたいのか リアルにしたいのか
どっちなのかよく分からないっつ~感じ。
その違和感を楽しむべきなのか?
まぁそんな感じで継続して購入はいいかな?って
個人的な感想。
この後「おぉ~!」みたいな作品として見事な昇華をしたら
買い直そうと思います~
年の差の恋愛だけあって大人な感じです。 ストーリーもゆったりとしているのにどんどん読んでいきたい感じになります。 なんとも言えない空気感です。
Posted by ブクログ
ドイツ語教授 65才に恋する院生シュバルツさんこと元子さん23才。還暦前のおじさんにはいろんな理解出来ないことが多すぎました。NHKBS橋本愛さん主演でドラマ化も。