【感想・ネタバレ】九条の大罪 8のレビュー

『闇金ウシジマくん』の真鍋昌平最新作は、ワケアリ者を弁護する悪徳弁護士の物語!!

「ウシジマくん」は闇金を通じて半グレやヤクザなどアウトローを描いた物語でしたが、今作もアウトローな人間が多数出てくる物語です。

主人公・九条間人(くじょう たいざ)は、腕利きの弁護士。
ですが作中の「いい弁護士は性格が悪い。」という言葉とおり、弁護士の姿勢としては受け入れがたい部分があります。
何故なら、思想信条がなく、法律と道徳は分けて考えることをポリシーとしており、道徳上許しがたいことでも依頼者を擁護するのです。

最初のエピソードは、飲酒運転に加えスマホゲームによるよそ見運転で父親と5歳の子供を車で跳ねてしまった事件。
父親は死亡、息子は片足切断という事態に…。
それに対し九条は犯人の男にアルコールを抜いてから出頭し何もしゃべるなと指示を出します。
犯人は指示通り20日間黙秘を貫き証拠不十分で釈放され、裁判でも執行猶予付きで実刑なしという判決を勝ち取るのです。
被害者の立場を考えると胸糞悪いと言える結末です。

弁護士としては加害者よりも被害者を擁護した方がお金になるのに、悪評が付いて回るのも気にせず加害者側を擁護する九条。
お金のためではなく別の信条があることが窺えます。
九条はある意味ダークヒーローと言えるのではないでしょうか。

世の中の話題性のあるテーマを取り上げたり、後味がザリっとするような物語はさすがの一言。
九条の淡々と話しを進める様は、ウシジマくんに通じるところがあります。

連載当初ウシジマくんは客観的視点を持ったキャラクターで事件の中心ではなかったですが、次第に物語の中心となっていきました。
九条も現在は客観的なポジションで事件と関わっていますが、今後その立場がどう変化していくのか気になるところです。

個人的に注目しているのが、烏丸真司(からすま しんじ)という九条の下で働くイソベンと呼ばれる「居候弁護士」です。
烏丸はエリートであり、もっと好条件な環境で働けるにも関わらず、面白いからという理由で九条の下にいるのです。
九条は代わりものですが、烏丸も相当変わり者と言えます。

今後、九条と烏丸がどう物語の主軸になっていくのか楽しみです。
また昨今起きている事件が、この物語で取り扱われるかもしれない…!!という部分でも注目です。

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匿名

購入済み

ザワザワする展開

前巻で烏丸弁護士が九条法律事務所を退所して、九条弁護士は孤島になってしまったかのよう。
半グレの裏切りや抗争に巻き込まれるように、九条弁護士はあくまで冷徹に職務を全うするが、警察と伏見組の両方に絡め取られそうになって、とてもザワザワしてしまいます。
兄の鞍馬検事もここへきてスポットが当たって、大転換の予感!

#ダーク #ドロドロ #ドキドキハラハラ

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2023年04月18日

Posted by ブクログ

今回もまた面白かったように思います! 弁護士と言う職業に関して入念に取材しているのか…所々専門分野の言葉が飛び出してきて理解に苦しみますがまあ、流れに身を任せて読んでいけば問題ないでしょう… ←え?? 社畜死ね!!

ヽ(・ω・)/ズコー

なかなかウシジマくんを思わせる残虐な描写もあるんですけれども…ついつい読んでしまいますね! 次回が気になる終わり方をしていますので、さっそく次巻を読んでみたいと思います…。

さようなら…。

ヽ(・ω・)/ズコー

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2024年02月24日

Posted by ブクログ

苦境に陥る九条弁護士、検察官の兄との対峙は?元同僚弁護士の動向は?そんななか裏社会では、重大な事件が発生。波瀾の展開が予測される

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2023年05月13日

購入済み

九条と烏丸の過去のつながり

九条の真意が読み取れないが、彼が難しい立場にいるのは事実。烏丸も九条と袂をわかってからもまだ彼を信じたい気持ちも残っていそうなのが嬉しい。九条と烏丸の過去のつながりも判明して、彼らの関係にもさらに変化がありそう。ヤクザと半グレの抗争はちょっと邪魔で、もう少し弁護士の微妙な立場と九条の人間関係にページを割いてほしい。

#ダーク

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2023年04月07日

Posted by ブクログ

徐々に九条や烏丸の過去が明らかになる一方、壬生の手下が知らずに京極の息子を拉致したことから両者の悪化する展開に。何か話が大きくなってきたけど意外と早めに完結する感じなんだろうか?

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2023年04月04日

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