【感想・ネタバレ】赤い砂のレビュー

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Posted by ブクログ

ならば、この「アレナ・ルブラ」が宿主の脳を破壊して、別の宿主に広がろうと試みても、不思議なこととはいえないでしょう。一般の人は『宿主を殺してはウイルスだって生き残れない。元も子もないじゃないか』と言います。しかし、死ぬ前に『炸裂』のような行動にでれば、それはそれで伝播のひとつの方法ではあります。211ページ

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2024年03月08日

Posted by ブクログ

すごく引き込まれる作品。

主人公が真面目すぎず人間らしい刑事であり、周囲の人物も“嫌な奴”が居ないので、ストレスなく読めた。

ウィルスに関係する話であり、出版が2020年であったことから、コロナ禍に考えたのかと思ったら、あとがきで語られた執筆時期で驚いた。

専門分野への知識が無くても非常に分かりやすく、話の展開も面白かった。終わり方もとても好き。

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2024年02月01日

Posted by ブクログ

初めてコロナが発生した時ってこんな感じだったんだろうなあ、と思える作品。

ある男がホームに来た電車に飛び込んで自殺する、という衝撃的な場面から物語が始まる。その処理に関わった人間も連鎖的に自殺してしまう。自殺した人間に共通点はあるけど、はっきりした事は言えない。同僚の自殺に納得がいかなかった刑事の永瀬は、真相を探ろうとする。そして、題名にもなっている"赤い砂"と呼ばれているウイルスが関係してるのではないのか?と考える。このウイルスがとても恐い。ウイルス全般怖いんだけど、"赤い砂"は最後は自殺するっていうのが恐い。読んでて思い出したのが同僚との会話。コロナ禍初期ぐらいの時に、「ウイルスに色がついてればいいのにね。そうすれば対策が出来るのに。」という話をしてたな。それが出来てたら、こんなにみんな困ってないんだけど。フィクションなんだけど、今の世の中、実際あるのでは?と思ってしまう。
そしてもっと恐いのがやっぱり犯人。サイコパスっていう事なんだろうけど、考え、行動がどうしても理解できない。そう思うと人間が一番恐いかな。

このウイルス関係で製薬会社が出てくるんだけど、これにイラッとする。身勝手な利権争いや責任の押し付け合い。あとは警察庁と警視庁。(私はこの二つの組織の違いがよく分からない)この二つの組織も隠蔽だの派閥争いだので、またまたイラッとする。こういう上の人たちの身勝手な考えのせいで、一般人がいつも犠牲になるんだよね。

私は本庁から来た刑事、長谷川が好き。永瀬の相棒なんだけど、いい人だと思ってたけどなかなかの人だった。野心あり、おいしいところは持っていってしまうしたたかな刑事。それでも私はなぜか好き。

最後、永瀬と事件の関係者、有沢美由紀がどうなるのか?気になる終わり方で、そこがモヤっとしてしまう。どうかハッピーエンドでありますように。

伊岡瞬さん。私にとってハードルがあまりにも高くて今まで手が伸びなかった。でもこの作品は、レビューを読んでどうしても読みたくて思い切って伊岡瞬の世界へ飛び込んでみました。結果は飛び込んで良かった。面白かったです。

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2023年12月14日

Posted by ブクログ

最初はえらく突飛な設定かと思ったが、今の世の中絶対にあり得る話しだと思ったし、後書きを読んで20年近く前に書かれた作品だと聞き、そのアイデアの秀逸さに驚いた。
刑事モノの主人公のすべてを仕事に捧げる使命感には毎度驚かされるが、ホントにそんな感じなのだろうか、と疑問には思う。

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2023年10月09日

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かなり前に購入し本棚に長い間放置していた本作…
このコロナ禍に読むと怖さが増し増し(°_°)
あえて2連続の伊岡瞬です。

謎のウイルスに感染、そして死に至ると…
ウイルス感染・大パニック…なんて内容を想像してましたが違いました_φ(・_・
「赤い砂」名前も怖い!

ブク友さんの何人かが高評価だったこの作品。
読む前にレビューをチラ見…
NORAさんのレビュー再度爆笑
「小籠包」「パパ籠包」素晴らしい笑笑
「小籠包」の恋の相手はさしずめ「海老チリ」
ですかね(=´∀`)人(´∀`=)

小籠包が海老チリと結ばれる未来がありますように♪

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2022年10月24日

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ネタバレ

ええええーー!!ここで終わりなのー!はー。ショック…。このあと、どうなってしまうんだろう…。続きがめちゃくちゃ気になる感じで、、終わってしまった。書いてない。ページをめくっても…続きが…ない(笑)
主人公の永瀬に好感が持てる。読みながら全力応援してた。(結局は美人が気になっただけかーい!と少し思ったけど)構成もよかった。怖いウイルスが広がる話はたくさんあるけど、序盤はそんな展開だなんて思わなかった。で、あっさりとある程度の種明かし?みたいなのがなされて、ポンポン進んでいく感じ。でも、後半はここからどうやって追い詰めていくの!?を読んでいくのが楽しかった!!

枕を高くする/何の不安もなしに寝る

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2024年04月25日

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警察組織、ウィルス感染、専門用語、様々な方向からの思惑が入り乱れ、登場人物多数。

要素がたくさんあって、ペースが軌道に乗るまでちょっと時間かかっててしまったけど、ペースに乗ったら先が気になって一気読み!!!

まさか、あの人とそういうことに?!
そこで終わるんかい!!!

と予想外なことも多くて最後まで気が抜けず、楽しめました。ただ主人公の暴走にオイオイ・・・もっと要領良くできんか?という気持ちは抱き続けました(⌒-⌒; )そこがいいのかもしれませんが。

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2024年02月23日

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錯乱して自殺にいたるウイルス。
こんなのが実際に出てきたら恐ろしすぎる。。
展開が早くてドキドキしながら読んだ。

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2023年09月26日

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感染した人を自殺に追い込む恐ろしいウイルス。しかも固形粉末化され、長期保存が可能。液体に溶かせば、感染力を持ったウイルスに戻るという。こんな物が盗まれるなんて、セキュリティ甘すぎ。刑事モノの形をとっているが、永瀬刑事一人で解決って、無理でしょう。などと書いてますが、面白かった。

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2023年07月22日

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ネタバレ

自殺、ウイルス、黒幕探し
ウイルスや細菌の話が好きな人には持ってこいの本でした。

みんなが工藤の錯乱をもみ消してなかったことにしようとしている中、自分の勘と友人工藤の人柄を信じて処分を受けながらも捜査を続けていた永瀬の執念深さがすごかったです。だから、もう少し永瀬を讃えてほしい!と思いました。
後がどうなったのか…欲を言えばハッピーエンドまで描いて欲しかったです。

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2023年06月22日

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読みやすかった。
コロナのときに発刊された本だそうだけど、実際に書かれたのは2000年代前半とか。いまでは常識のウィルスと細菌のちがいも、当時は常識でなかったから説明的に書かれてる。
恋愛要素も刑事要素も、警察内部の力関係もバランスよく配分されてた本でした

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2023年05月07日

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ネタバレ

伊岡作品にハズレはあまりないですかね。どの作品もなかなか楽しめました。
本作は連続した自殺に不審を抱いた主人公の刑事が真相を追っていくというストーリー。背後には「赤い砂」と呼ばれるウィルスが…。
デビュー作以前に書かれたという本作(2003年)ですが、古臭さが全く感じられません。むしろ現代的とも思えます。
文章も読みやすくサクサク読み進められました。
結末はご想像にお任せします的なオチですが、それもアリかなと。嫌いな展開ではありません。事件の犯人や犯行の動機に薄さを感じたので、もう少し深みが欲しかったかなと思います。

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2023年04月23日

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いや〜おもしろかった!ウイルスと言えばやっぱりコロナ(もう今5類になったが)を思い出す。
ウイルスの見た目が『赤い砂』に似ていることからそのタイトルなのか、なるほど。

ウイルスによって無念の死を遂げた作中の人達を思うと辛いし、感染後に自殺させるウイルスに恐怖と恐ろしさも感じました。
最後なぁ〜これ読者の皆様のご想像にお任せします的な感じっぽくて私は絶対永瀬さんは大丈夫やと信じたい!!!! 
美由紀さんと2人で笑って何も起こらかったねぇっていうストーリーで終わったことにしとく笑

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2023年03月26日

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コロナの時代の今、危険なウィルスを取り巻くストーリー。読み進めているうちにあの小説に似ている?と思うものがいくつか浮かんできましたが結局はどれも違っていてこの『赤い砂』が単純に面白かった。
ただ、リドルストーリー的なオチはちょっとモヤモヤでした。

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2023年03月23日

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ネタバレ

フィクション作品だがエボラ出血と重なり、割と現実みがある思いで読み進めることができた。
場面ごとの表現がわかりやすくイメージしやすい内容。
最後の感染を思わせる展開、ラブロマンス的な展開予想通りだった。

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2023年03月18日

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連鎖する自殺。そこに関連性を見出した刑事は、事件の真相を探るべく、調査に乗り出す。
20年前に書かれた小説。当時はまだ本作は出版されていなかったが、もしその時に読むことができていたならば、ありきたりな警察小説として読んでいただろう。
だけど、今読んでみると、20年前に書かれていたということが信じられないくらい、現代のことが描かれている気がした。
小説家の想像力、恐るべし。

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2023年02月09日

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ある日、疾病管理センター職員の、阿久津久史が、JRの駅ホームから落ち、即死した。
二週間後、その事故を担当した、鑑識係の工藤巡査部長が、同僚の拳銃を奪い、発砲し、重傷を負わせ、自分を撃って死亡した。
同日、阿久津を轢いてしまった、JRの運転手、早山郁雄が、車にはねられ死亡。
更に、二週間後、工藤巡査部長に撃たれ、重症を負った、山崎巡査も、病室から飛び降り、自殺。

どう考えても、偶然とは思えない。
工藤の大学の同窓生であり、親友の永瀬遼刑事が、事件の真相を追う。

その頃、大手製薬会社に「赤い砂を償え」と書かれた脅迫状が届く。

赤い砂とは何か。
四人の自殺者と、大手製薬会社との関係は…

初作家さんだったが、とても読みやすく、分かりやすい作風だった。
他の作品も読んでみたい。

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2022年12月13日

Posted by ブクログ

書き下ろされたのは約20年ほど前らしい。ウィルスというテーマが今の世相にマッチして、出版されたとの事だが、全く古さを感じなかった。

特に結末にかけての展開の不安定さというか、スリリングさ、そして最後の絶妙な尻切れトンボ加減は充分に楽しめた。

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2022年09月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自殺誘発ウイルス・「赤い砂」を追う刑事の話。
(めっちゃざっくりなんだけどそうとしか書きようがない)

・面白かった点
発症したら助からないウイルスの怖さと、暴走気味に事件を追う不器用な永瀬刑事の勢いでガンガン読めた。手がかりを手繰り、事件に振り回される疾走感は捜査物の醍醐味だよなーと思う。
あと黒幕というかある意味被害者な製薬会社側のワンマン体制も結構紙幅割いて書かれてあるのが、あんな社長じゃこんな風になるのも分からなくもないというか、事件の裏打ちと犯人のバックグラウンドを想像させてよかった。

・面白くなかった点
ラスト読んで、ヒロイン側が何を思ってたのかもうちょい語ってくれた方がよかったかなーと思った。「探しに来た!死なせない!」って言ってくれるのは結構なんだけど、そこまで深い仲だっけ?という気もしたし、あっでもこの人感染第1波の遺族に「道義的責任」で身を削っちゃうお人好しだったわ、いやでもただの責任感じゃなく彼に何を求めてるのか、野暮でも書いてくれた方がすっきりしたのになーという気はした。

総評
20年近く前の小説だけど(手直しは入ってるらしい)、あまり古さを感じず面白く読めた。作者あとがきによると「組織と人間のエゴと悲劇と救済の物語」だそうで、「救済」っていうのが永瀬にとってなのかヒロインにとってなのか、どっちもかな?
最後発症しなかったら二人で関係を築いていけばいいし、発症しても最後まで寄り添った思い出は「短い永遠」としてメリバなのかなあと思った。(父親の王国を滅茶苦茶にして無理心中したのも犯人にとっての「救済」かもとちらっと思ったことは置いとく)

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2022年07月24日

Posted by ブクログ

途中まではドキドキしながら読んだが、犯人が分かってからは急に萎んでしまった。この作者の特徴かもしれない。楽しませようといろいろやってくれるのだが、かえって話がピンぼけてしまう。最後の終わり方も結論が分からず、スッキリしなかった。

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2024年05月18日

Posted by ブクログ

感染すると自殺するウイルス…恐ろしい。しかも乾燥させて粉末状にすれば長期保存できて、水に溶かすと感染力が復活するって…そんなウイルスが存在することが果たして現実的なのかはわからないけれど、もしあったとしたら本当に犯罪にはもってこいの悪魔のウイルスだと思った。

同僚であり友人でもあった工藤の拳銃自殺に疑問を持ち、たった一人で捜査をする永瀬。一方、エイズウイルスの特効薬をいち早く完成させるために違法にウイルスを持ち込み、しかも盗み出されてしまったことを隠蔽しようとする大企業と警察組織。
少しずつ謎の糸口は見えながらもなかなか全容を見せない展開が面白かった。

エンディングは、ちょっとモヤモヤ。永瀬は感染していたのか…発症した暢彦は助かったのか…
結末は読者に委ねます。という結末はあまり好きではないので、もっと最後まで描ききって欲しかった。これはあくまでもその人その人の好みなんですけどね。

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2023年09月09日

Posted by ブクログ

怖。
本当にこんな感染が起こったら恐ろしい。

コロナは終息というか、もうそれありきの生活になりつつあるけれど、こんな風な感染症が発生したら普通の生活には戻れない。

著者が書かれたのは、コロナよりずっと前、いろんな感染症が起こる前。
今回、その昔に書き留めた作品が日の目を浴びる事になった。

ミステリーと言うよりも、ある意味ホラーだよ。

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2023年08月05日

Posted by ブクログ

古本屋で売っていたのを見てとりあえず買った一冊。

ウイルスの話でした。

脳にも関連する話で難しい話になるのかなと思ったが、頭の悪い自分でもわかりやすくよめた。

最後がスッキリしなかった
事件解決後の事も書いてあるので主人公がどうなったかまで書いて欲しかった。

感染し発症すると自傷行為に走る
怖いウイルスですね

コロナのおかげでウイルスについてちょっとは知っていたつもりだったが、あとがきを読み改めて知った事もあった。

薬でウイルスは殺せない
ワクチンは薬ではない

どうもそうらしい。

ウイルスの怖さが改めて分かった小説でした。

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2023年07月23日

Posted by ブクログ

ウイルスと刑事
科学ものにサスペンスの風味が足された
主人公が熱血刑事で伊岡瞬らしい作品

現実味のあるサイエンスフィクションで
終始ハラハラさせられたが
着地はもう少し爽快感が欲しいところ

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2023年07月12日

Posted by ブクログ

伊岡さんは本当に読みやすい!どの作品を読んでもスッといつのまにか集中して何時間も読んでいることが多い。
終わり方が曖昧なものが苦手なので、私は少しモヤっと終わりました。。笑

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2023年02月23日

Posted by ブクログ

そのウィルスに感染すると、まずは風邪の症状が出て、二週間ほど経った後、突然錯乱し、場合によっては他者を傷つけ、最後は自殺してしまう。

男が電車に飛び込むところから物語の幕が上がる。
現場検証をした鑑識係、工藤は同僚の拳銃を奪い、自らを撃った。その拳銃を奪われた警察官も飛び降り自殺をする。

友人の工藤が不可解な行動に及んだことで、刑事の長瀬遼はこの一連の自殺に疑問を持ち、独自で捜索を始める。


まず調べてしまったのが、この作品がいつ書かれたのかだ。
コロナ禍の中、執筆されたのか?
否だった。それよりずっと以前、インフルエンザの薬、タミフルで異常行動するというニュースのもっと前だというから凄い。

伊岡先生にしてはパンチが弱い気もしたが、それでもあっという間に読めてしまうのは、やっぱり面白いからなんだろう。

先生のお名前で、期待し過ぎてしまった為、評価は★3.4くらいでm(_ _)m

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2023年02月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ウィルスの話

ストーリーは良かったけど、会話が好みではなく違和感。

なかなか楽しめた。
最後はご想像にお任せしますですね。

てかこのウィルスは自滅しなければ生き残るの?
その後脳は元に戻るの?

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2023年02月04日

Posted by ブクログ

まだページ数残ってるな、と思って読んでいたら残りはあとがきだった。
ここで終わり?と思ってしまったが、その後じわじわと、こういう終わり方結構好きだな、と。
しばらく余韻に浸った。

伊岡作品は5冊目。
またしても男臭い男性と、私があまり好きではない感じの女性が出てきた。
やっぱり男性に好まれる作品なのかな、という感想。

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2022年09月26日

Posted by ブクログ

ウィルスに感染してしまうと、2週間後に自殺してしまう。

物語としてはウィルスが流行すると言う話ではなく、薬品会社から持ち出されたウィルスに感染した人が自殺をすると言うもの。
冒頭、1人の男性が電車に撥ねられ死亡する。
ウィルス自体は、世間的にまだ認知はされておらず、警察も事件性なしの自殺として処理していく。しかし、主人公 永瀬の友人で同僚の工藤がそのウィルスに感染し、2週間後に自殺をしてしまう。
警察は、事故として処理するが納得のいかない永瀬が事件の真相に迫っていく話。

新型の感染症がもし、外部に漏れたら…
コロナウィルスが、増えるこの時代に
マッチしたようなウィルス物語…

個人的には、最後の終わり方は…
気になってしょうがない…
シロクロつけて終わって欲しかったな。

そして、主人公 永瀬の行動がなんでそんなことする?の連発だった。
普通、そんな行動取らなくないか?的な、
まぁ、実際にはその行動力のおかげで真相に近づくんだけど…

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2022年08月16日

Posted by ブクログ

一人の男性の電車への飛び込み自殺。その死に関わった人達の自殺の連鎖。自殺者の一人、同僚の刑事の死に疑念を抱く刑事。解決されぬまま、3年が過ぎ、新たな自殺者の身辺から「赤い砂」と呼ばれるウィルスの存在が明るみに出てくる。そして、製薬会社の許されぬ思惑が見えてくる。
ウィルスによるパンデミックの恐怖そのものを描くのではない様ですね。もちろん感染の恐怖や感染経路などウィルスの性質等は書かれています。テーマは、ウィルスのワクチン製造による製薬会社の求める利益、それを巡る水面下の交渉、警察をも含む組織的な隠蔽といった、社会構造への反抗に重きが置かれているようです。
事件を追う刑事も、ウィルスを追うというより、同僚の無念を晴らしたい、気になる女性を助けたいといった行動の様です。
20年以上前に書かれた未発表作品ということには驚きます。作品に登場するウィルス感染に関する知識等もまさにコロナ禍であるから面白さがましてきます。ストーリーはそれほどひねりはありません。
小松左京の「復活の日」が読みたくなりました。

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2022年08月03日

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