【感想・ネタバレ】ハンティング・タイムのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

追跡者コルター・ショウの第四弾。

足元をすくわれすぎて著者に接骨院の請求書を送りつけたくなるレベル。
そう帯には書いてあった。
それに引きずられたとは思いたくないが、
疑心暗鬼に陥ってしまって、純粋に楽しめなかったのが残念。

とにかく、登場人物を片っ端から疑ってしまう。
元刑事で妻に暴力をふるって刑務所に入っていた男が、
出所し妻を殺そうと家に押しかける。
いかにもな設定に、どうひっくり返すのかを楽しみにしていたら、
やはりだった。

次に裏の顔があるのではと、疑っていたのは、
コルターが雇われた会社の警備担当の女性。
元諜報員だったが、情報漏洩のため暗殺指令が出てしまい、
名前も体形も職業も変えて生きていると言われても、信用できない。
コルターとすぐいい仲になっていたのも怪しすぎる。

だが、一番予想外だったのは、
元刑事の夫が妻の情報を求めて尋ねて行った女性。
富裕層の地区の自宅でサンドレス姿でじょうろをもっていた。
それなのに、妻の行き先のメモを取ってくると言って、
戻って来たときにはショットガンをぶっ放していた。

路上生活者を狙った連続殺人「ストリート・クリーナー」の話は、
今回の作品には関係なかったので、次回の布石か?
それと、コルターに雇われた会社の機密情報を売れと、
しつこく迫っていた男は逮捕されたが再登場するのか?

0
2023年11月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

毎回、作者のドンデン返しの妙と言ったら、全くもって他の追随を許さない次元にあると思う。

と、思うのだが、そこは逆に愛読者所以の悲しさか、巧みにミスリードされてはいても何とは無しに匂ってしまうのだ。誤導へのいざないが(笑)。

だから、今作の恐らく最も大きなドンデンは『だよね!』だった(と、嬉しがる所がガキだよな…)。

ただ、
驚きでは無いけれど、ある人物の死については意外だった。
私の覚えている限りでは作者の過去作(ライム、ダンス、今シリーズは全て既読)に於いて、作中私が好感を抱いた人物に起きた悲劇は『石の猿』のかの彼ひとりを襲った1件のみだったから(確かトムさんもシリーズ1作目で亡くなった筈だが、次作以降シリーズ化に伴い復活!)。
なので、手放しのハッピーエンドとはいかなかった。

とはいえ、最高にスリリングな冒険譚!
とにかくショウがヤバいほどカッコええ〜て
そりゃモテるわ(嫉)!
で、立ち止まれない男の物語は続く模様。
勿論、ライムにも会いたいけれど、ショウの今後も期待大!
ダンスやパーカーみたいにまさかの共演なんてことも…。
今後の共闘確率は…40パーセントか?

結びに、
本筋とは異なるが、作中非常に興味深い一節があった。
それはある精神科医の考察で、
人間とは原初的な不安や恐怖を抱いており、それらを相殺し払拭する為に種々の感情を使役していると云うもので、作中のある人物の場合はその感情は怒りであった。

内省的な不安、恐怖のみならず、実際的なスーパーネガティヴに晒されている2023年の世界に於いて、それでも前に進む為には、たとえ一時しのぎ的なものであったとしても、私は怒りや悲しみではなく、喜びや楽しさを使役する事でそれらを払拭したい。

最近目にしたスピリチュアル系の記事に『争いを望まないのであれば反戦に怒りを燃やすのではなく、ひたすら平和を想起、イメージする事だ』とあった。
先の考察からすると、このメッセージもあながち荒唐無稽なものでは無いと思った。

ささやかではあるが、今作の様に良質な作品を読むことも私の心に光を灯し前進への手引きとなってくれる大切なサバイバルツールなのだ。

さしずめ
『闇にとどまるべからず』かな。

0
2023年12月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

毎回のどんでん返しに驚いているので今度こそは簡単には騙されないぞ、という思いで臨んだけれど、相変わらずのひっくり返し技にやられてそれでも悔しいという思いはしない。
夫婦間の感情、父と娘の絆など改めて感じ入るところが多い。
帯の一行「足元をすくわれすぎて著者に接骨院の請求書を送りつけたくなるレベル」とあるように、絶妙なユーモアにもさすが!と思わせられる。
年中行事の一つと感じさせてくれるディーヴァーの新作、いつも楽しみの数日間。

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2023年10月18日

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