SFというと、ディストピアやサイバーパンクやスチームパンクを思い浮かべがちですが、この作品はそれらと一線を画しています。
地上と宇宙を繋ぐ「東京軌道エレベーター」なるものが開発された世界で、エレベーターガール・伊奈と「東京軌道エレベーター」を訪れる人々の、優しい物語。
この物語に出てくる人々は宇宙へ行くことよりも「東京軌道エレベーター」に乗る事が目的である事が多いのです。それほど、「東京軌道エレベーター」は魅力的という事なのだと思います。
(もちろんそこは、エレベーターガールの伊奈さんあってこそ!!ですが。)
己の業績を悔い罪に苛まされている老人や、宇宙人がいる事を信じている子供、テロと対峙する各国の要人など、訪れる人々はそれぞれ事情を抱えているのです。
1話完結のオムニバス形式で進んでいきますが、中盤から干渉者の存在や多次元宇宙であることが明かされ、よりSF感が増してゆきます。
個人的には、「東京軌道エレベーター」は片道どれくらいの時間乗っているものなのだろうか、長時間なら食堂などがあって宇宙食など食べる事ができるのだろうか?もしそうなら、グルメジャンルとしてもいけるのでは…などと妄想が膨らむばかり…
SFであり、日常系であり、ヒューマンドラマであり、ミステリ要素もある今作、今後の展開が楽しみです。
感情タグBEST3
宇宙と地上を行き来出来るエレベーター。それを操作し守るのは完全無欠で人間離れした感じの美女。
SF的な設定の割には描かれるのはその都度乗り合わせる客との人情話だったりします。私は1話1話のエピソードよりも、眼下に地球が見えていたりする、そういう宇宙イメージが何となく好きでたまにこの世界につかりたく...続きを読むなります。
これ、全巻持っています。確か、途中から電子版でしか出ていませんね。
まぁ大元のイメージは昔ながらの高級百貨店のエレベーターガールでしょうね。日本のデパート、既に昔日の面影、なくなってしまっていますけれどもね。
軌道エレベーターって基本、赤道上に建設するもので、クラークのSF長編でもスリランカを赤道直...続きを読む下にずらしていましたが……一応、東京くらいの緯度でも建設は可能みたいです。
ただ、現行の人類には身の丈の技術ではないというか、作っても所有権等々で揉めて紛争の元にしかならないでしょうね。
伊奈さんの女神様っぷりを愛でる連作集ですね。それで良いのかな、とも思いますよ。