【感想・ネタバレ】上流階級 富久丸百貨店外商部のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年04月17日

百貨店の外商のお話。自分には一生関わることのないであろうお仕事。まさかそんな事までするの!?といった感じのお仕事内容に驚きです。知らない世界を知れるというのはとても楽しい。
そして何より尊敬します。また、数々の有名ブランドが出てきますが知っているものもあればもちろん関わりがなく知らないものまで。
...続きを読むになってGoogleで調べたりしました
勉強になる本です

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Posted by ブクログ 2024年02月16日

 百貨店の外商さんと、そのお客様である上流階級の方々を描くお仕事小説です。

 主人公は、専門高校卒でパートからバイヤー、外商へと異例の抜擢をされた女性外商。相手にするのはお得意様ばかり、月々の売上ノルマは1,500万。庶民にはなかなか窺い知れない世界で奮闘する主人公と、彼女が関わっていく人間模様が...続きを読む魅力的に描かれています。

 同作家様の本は、『トッカン』を読んだことがあったのですが、そちらはあまり好みに合わなかったので、この本も手に取るのを少し迷いました。けれど、『上流階級』という一言と、本の表紙の装丁。それに、『外商』という普段目にすることのない仕事について書かれていることに心惹かれました。結果的に読んでみて大正解でした。
 インターネットでなんでも安く自分で選んで買うことができるこのご時世に、百貨店の外商として働くということがどういうことなのか。それを使う方々というのはどういう方なのか。興味があったことの片鱗に触れることができて、とても新鮮に楽しく読むことができました。
 こういうお仕事小説では、どちらかというと若い新人社員の奮闘が描かれることが多いように思いますが、このお話は主人公が四十路を目前に控えるアラフォーの女性。既にあちこちで様々な経験をしていて、結婚と離婚も経験して、憧れの人に連れられて外商の世界に飛び込んで新たな一歩を踏み出そうとしているところからのスタートなので、それまでに彼女が積み上げてきた経験や実績がキャラクターに深みを持たせていてとても魅力的に思います。
 お金を出せば買えるレベルの人たちは、お金を出しても買えない一点ものの価値がほしい。
 それは、そもそもお金をふんだんに使うことのできない一般世帯の感覚とは桁が違って、なるほどそうなのか、と読みながら知らない世界を覗いている心地でした。

 究極のサービス業とも言われる外商として奮闘する主人公の、続きの物語を読むのが楽しみです。

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Posted by ブクログ 2024年01月25日

面白かった〜
知られざる(?)外商の世界の話。

とはいえ、外商のことも、少しずつ知られてきたよね。
富裕層向けの仕事。百貨店の一部門ではあるのだけど、店舗にいるのではなく、顧客の自宅へ出向いていく。

ごほうびと言う言葉は知らなかった。
ご褒美ではない。呉服・宝飾・美術品、その頭文字をとってごほう...続きを読むび。
このごほうびをサラッと買ってしまうのが、外商の商売相手。金額のスケールが違う。

百貨店は女の世界。一方で外商は男の世界。(と言われてきた)
そんな外商の世界で奮闘するのは女主人公。
とってもフィクションなんだけど、コミカルすぎずシリアスすぎず。ちょうどいい塩梅。
これ、シリーズものなんだね。とても読みやすく、スッと心に入ってくるから、いくらでも読めてしまいそう。

大変楽しく読めた。
作者の名前に見覚えがあったけど、トッカンの筆者なんだね。税務のことだけではなく、外商の世界まで描いてしまう。
この作者の他の本も、ぜひ読んでみたいと思わされた。

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Posted by ブクログ 2023年12月24日

こういう世界、いいよ!
上流階級のお作法なんて無縁だもの、たまには市民がのぞき見したっていいじゃない、という感じ。おもしろい!

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Posted by ブクログ 2023年04月19日

高級地域にある百貨店の外商が舞台。
もちろん私は縁のない世界ですがちょっと覗き見くらいはしたいなと思わせられました。

外商を使う人たちはこんなふうにポンポンと大金使うのかなぁ。

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Posted by ブクログ 2023年03月21日

百貨店の外商、普段ぜんぜん馴染みのない世界だ……。
そんなほとんどの読者が具体的にイメージできない業界の様子が、他業種出身の主人公の目線で描かれてるから無理なく感情移入できるのが面白いなー。
ラストもほっこりする終わり方で、シリーズの続きも読みたくなった!

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Posted by ブクログ 2023年02月08日

本に出てくるメインのお金持ちの人々は、富裕層、と言う言葉じゃなくて上流階級という言葉がふさわしいなあと思う。
上流階級の方にモノを売る、というある意味特殊な仕事。自分がなったことのない立場の方にしっかり寄り添う静緒は、言い方が悪いかもしれないけど「センスがある」人だなと思う。
静緒が色々考えてモノを...続きを読む売ったり、難題を突破していくのが読んでいてとても気持ちがいい。大好き。

静緒と桝屋の絶妙なバランス関係が好き〜!好きすぎて何回も読み返してもう表紙は擦り切れまくってますが、これからも何回も読むと思います笑

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Posted by ブクログ 2023年01月18日

私も静緒と同じで、子どもの頃よく百貨店に連れて行ってもらった。屋上の遊園地と最上階の食堂は楽しみの一つだった。キラキラの思い出。⁡
祖母や母は百貨店でよく買い物してたし、お小遣いを持って百貨店で買い物するときは、ちょっと大人な気分で気持ち良かった。⁡
今は、時代のせいなのか、自分の価値観が変わってし...続きを読むまったのか、自分のものを百貨店で買うことは、あまりなくなってしまったな…。⁡
そんなことを思いながら読み進めた。⁡

「外商」というのは知っていたけれど、どんな仕事か詳しくは知らなかったから、まずは純粋に外商の仕事を知れておもしろかった。⁡
百貨店が舞台だけあり、いろんなブランドの名前や品物が出てくるのも面白い。なかなかご縁がないので知らないものも多く、気になったものは調べながら読む。⁡

次々と起こる、お客様からの要望や課題を、悩みながらクリアしていく静緒はカッコいい。⁡
静緒と桝家は、やっぱり似ていると思う。桝家が「なんか悔しい」と言ったことと、静緒が感じていた背徳感は同じ種のものじゃないか。最後にその背徳感を払拭する静緒の答えのようなものが出るのも良い。⁡

静緒の仕事に向かう情熱が、静緒と周りの人たちを動かしている。静緒が当たり前の仕事として行ったことが、人の心を動かして、それが静緒自信にも試練を与えるのだけれど、きっとこの人はしなやかに乗り越えていくんだろうと思う。⁡

読みながら、竹内結子さん主演のドラマを観たことを、ぼんやりと思い出した。再放送しないかな…。VODでもやってないみたい…。⁡

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Posted by ブクログ 2021年12月07日

無性に百貨店に行きたくなった。

ネットで安く便利な時代だけど、ここに書かれてるような何でも揃う名前に恥じないプライドを持った販売員から物を買う良さを改めて思い出したから。

いつまでもなくならないでほしい百貨店。
そこに行けばそれ相応な物を、それ相応な対応で気持ちごと買える喜び。まさに夢売る百貨店...続きを読む

それから、百貨店のことだけではない、芦屋、富裕層、恋愛、ファザコン、同棲愛、独身女性などなど様々な要素のあるお話で、そこがまた面白かった。

2、3と続くような終わりでなかったので、楽しみで仕方ない。

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Posted by ブクログ 2021年08月26日

「良書に出会った」と言うのが読後の感想。これに尽きる。
逆になぜ今まで見逃していたのかと残念に思った。
多くの登場人物が出てくるが、全て血が通っている人間。
読んでいて「この案件、大丈夫なのか」と他人事ながら不安になり、自分もヒロインと同じく悪戦苦闘している気になる。
シリーズ化しているようなので、...続きを読む次読むのが楽しみだ。
高田郁の「みをつくし料理帖」が好きな方は、この小説も気に入るんじゃないかなと思う。

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Posted by ブクログ 2021年06月18日

子供の頃に両親に連れられて百貨店に行く際、開店時に店員がざっと並ぶ中、入店するあの高揚感をとても懐かしく感じた。
静緒の経歴も面白く、ザ・キャリアウーマンでカッコ良いなと感じた。
登場人物も憎めないキャラが多く、ストーリーも面白かった。好きな作品です。

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Posted by ブクログ 2024年04月17日

百貨店外商の世界。高い買い物をすれば外商さんがつくかもしれないけど、本当の外商さんとのお付き合いはそんなものではない。本物の「上流階級」を教わった。

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Posted by ブクログ 2024年03月28日

『上流階級 富久丸百貨店外商部 其の1』―百貨店の裏側で繰り広げられる、一人の女性の挑戦

『上流階級 富久丸百貨店外商部 其の1』は、高殿円氏が描く百貨店外商部を舞台にした独特の世界への誘いです。物語の中心は、洋菓子部門での成功を経て外商部に配属されたバツイチ女性・鮫島静緒。彼女の前に広がるのは、...続きを読む日本一の高級住宅街・芦屋のセレブたちが織りなす、予測不可能なドラマの数々です。

静緒のキャラクターは、読んでいると自然と天海祐希さんを思い浮かべてしまうほどの強さと魅力を持ち合わせています。ただ、このイメージは個人的な感想であり、実際に物語を読むことで、各人が異なるキャラクター像を思い描くことでしょう。驚いたことに、この作品が過去にドラマ化されていたことを後から知りましたが、それも納得の内容です。

物語を通じて、外商という特殊な仕事の世界を垣間見ることができ、知らなかった百貨店の一面を知ることができます。特に、物を売る仕事の真髄に迫る静緒の奮闘は、読む者に多くのことを考えさせてくれます。

販売という仕事の本質を、静緒の活動を通じて見ることができます。彼女が顧客の求める「体験」を提供しようと努める姿は、単に商品を売る以上の意味を持ちます。金額の多寡に関わらず、顧客に喜びや満足をもたらすことが、販売員としての真の成功であるという真理が、読者に強く響きます。

この物語を読むことで、外商という職業が単なる物売りではなく、顧客との深い関係性を築き上げることがいかに重要かが理解できます。静緒が顧客と接する中で見せる、細やかな配慮や深い洞察力は、すべての販売員が目指すべき姿勢を示しています。

大好きなシリーズの一つとなったこの作品は、次巻への期待を大いに膨らませてくれます。『上流階級 富久丸百貨店外商部』シリーズは、これからも読者の心を掴み続けること間違いなしです。顧客と真摯に向き合い、そのニーズを満たそうとする静緒の情熱は、多くの読者にとって大きな魅力となるはずです。仕事に情熱を注ぐすべての人におすすめの一冊です。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月08日

百貨店にも行かず高級ブランド?ロレックスしか知らない…な小娘なので、作中で表現される商品描写の2割も理解できないまま読み始めた結果、中盤までは読んでて辛かった。
なにせ駆け出し冒頭は鮫島も上手くいかないことが多い。そのうえ、問題がどんどんと現れていくパートとはいえ、何一つ解決しないまま次に次にいって...続きを読むしまうのでもやもやがすごい。さらにその問題の一部が、加齢とか、結婚とか、恋愛向き不向きとか、子供が妊娠がとか、個人的にうぅ…(呻き)となるようなことばかりだからこと更に辛い。
あ、取り上げられた!解決策につながっていくか?と思いきや、まぁ人間の思考とは往々にしてそういうものなんだろうけど、さら〜っと違う話題に流れて言ってそっちが取り沙汰されて言ってしまう。現実逃避で小説の世界に入る人間からして、現実問題を引っ張ってこられた挙句解決もなくツライツライと言うだけ言って、話を流され勧められていくほどしんどいものはなかった……

ただやっぱり終盤に行くにつれてスカッとする展開が気持ちよかった!桝家との関係性が良くなったのは鮫島にとっても転機だったし、二人の掛け合いは一気に大好きになっちゃった。お酒片手にする軽口の応酬もいいし、かと思えば人生に対して強くて熱い口調でいい言ったりもする。桝家の普段表にはしないけどしっかりと持ってる考え方とか、それを聞いてムキになるんじゃなく「確かにそうかも」って受け入れて口にできる鮫島の強さもいい。
読んでいて、物語展開的に面白いと感じられてきた場面って、やっぱり桝家の協力は大きくそれで上手くいったってとこが多い気がする。でもそれは、鮫島が毎日毎日必死で仮面ライダーのベルトを問い合わせる努力をしていたからだし、殴られに行く覚悟で絶対に島田に頭を下げないと決めていた鮫島の覚悟があったからだし、っていう、本人が故の関係性の構築なのもしっかり分かって良かった。一緒に暮らしてなんか距離近くなって何故か親密になる、みたいなあやふやなものより私は好き。
そして最後になるけど、葉鳥さん……かっこえええ………

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Posted by ブクログ 2024年01月28日

外商の仕事は上流階級の人たちに商品を売る、
だけではない。
彼らは、サービスを売るのだ
商品をただ買うだけなら、今の時代、ネットで事足りる。
それでも今なお外商を通じてものを買うのは、ネット以上の価値と信用がその「サービス」にあるからだ。
いかにして「サービス」に付加価値として特別感を出すのか、主人...続きを読む公の女外商は個性豊かな上流階級の人たちに紛争する

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Posted by ブクログ 2024年01月24日

百貨店の外商が、どういう仕事をする所だか、あまり知らなかったが、お葬式まで、取り扱いがあるのにはビックリしました。
登場人物、一人一人の性格が際立っていて読んでいてとても面白く続きが楽しみです。

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Posted by ブクログ 2023年12月19日

先が気になって、、って言う話でははいけれど
読み始めるとどんどん進む。
タイトルや表紙から伝わる上品さの中に、サバサバした静緒の本音とか、ちょっと笑える言い回しとか、桝家との関係とか。飽きないです。

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Posted by ブクログ 2023年09月17日

おもしろかった!最近読んだ本では一番かも。ひとつひとつのエピソードが丁寧に調べて書いているのがわかるし、ちゃんと上流のひとは上品な感じが伝わってくる。なにより鮫島の仕事への向き合いかたがいい。これは、続きも読もう…。

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Posted by ブクログ 2023年08月28日

個人的にはとても好きだった。
実際外商を使ってるので、裏側というか
こういう感じなんだ〜って思いました。

やっぱ百貨店好きだな〜

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Posted by ブクログ 2023年05月04日

神戸の老舗百貨店で働く女性外商員・鮫島静緒を描いたお仕事系小説。たくさんお金持ちが出てくるが、やはり芦屋のセレブは桁が違う。主人公が失敗しながら成長していく、読後感の良い話である。

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Posted by ブクログ 2023年04月09日

私自身は百貨店には縁遠く馴染みがないけれど、この本を読んでとても素敵な場所だと感じた。
主人公の静緒は仕事に一生懸命でハキハキしていてとても好感が持てる。
女性が好きな女性だなぁと思う。
そんな彼女が外商として頑張る姿はとても応援したくなる。
他のキャラも個性的で面白い。
まだまだ主人公の活躍が見た...続きを読むいので、続刊を読むのが楽しみ!

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ネタバレ購入済み

富裕層ってすごい

2023年03月20日

聞いたことはあっても、実際には知らない世界が描かれていて、へぇ~ ほぉ~っと読みました。ただ、一番気になるのは、桝家と静緒の共同生活です。続編でどのような関係になるのか、楽しみです。

#シュール #笑える

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Posted by ブクログ 2023年02月15日

女性が働くことに一生懸命になることを肯定してくれるような作品。いろいろなエピソードがあるが、いい意味で頭を使わす読めるので、さくさく読める作品。

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Posted by ブクログ 2021年08月10日

デパートの最上階よりひとつかふたつ下の階にある、時計や宝飾のフロア。いつもお客さんがいなくて、一体どうやってなりたっているのか…と思ったこともあったけど、この種類の商品はほとんど外商が売り上げを作っているということなのか。
あまり考えたことのなかった百貨店の営業という仕事が、よく理解でき大変興味深い...続きを読む内容でした。
そして自分は現実に顧客側であるわけだけど、デパートでモノを買うということは、確かに信頼と安心。そして気持ちの良さだと思う。国内で時計やハイブランドを買うなら、たとえ数万円価格が違っていても、ネットや大型電器店よりも絶対百貨店。長く持つものであればあるほど、買ったときの状況やシチュエーション込みで思い出になったり、思い返すことが増えるから『これは★★百貨店で買ったのよね』というエピソード込みで大切にできる気がする。
自分にも、お気に入りの古い百貨店がある。一生買い物に行きたい。

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Posted by ブクログ 2021年06月20日

私も子供の頃からデパートが大好きだった。百貨店が大好きな人間にはたまらない。所々に出てくる百貨店事情を垣間見れるのも楽しくなっちゃう。
百貨店が舞台というよりは、一人の頑張りやさんな女性の恋(!)とお仕事小説。恋要素があったのは驚きだが、正直どうでも良い。決してお客様軸ではないのだけれど、いろいろス...続きを読むトーリーが膨らむ個性的な脇役や静緒の顧客についても、続編でどう展開するのかとても気になる。

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Posted by ブクログ 2023年06月15日

百貨店の外商の話。
バリバリ働く仕事の話。面白かった。
普段知ることのない上流階級。百貨店は夢の世界。そこの最上級のサービスをするために働くのが外商。
こんなことまでお願い出来るのかと同時にこんなこと頼む人がいるのかと思う。尽きることのない仕事、それに思考を巡らせているのが楽しく仕事を頑張っている姿...続きを読むが読んでいて気持ちいい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年04月02日

再読

上流階級へ出向き、お客様のご要望に応じた商品を提案する百貨店の外商
見たことも聞いたこともない秘密の世界をのぞき見出来て面白い!

主人公は製菓専門学校卒の元バイヤーという変わった経歴を持つ鮫島静緒(37)
彼女は自分を見込んでくれた伝説の外商員、葉鳥士朗の後継者となるべく日々奔走している
...続きを読む男性が多い富久丸百貨店の外商員の中で珍しい女性として、菓子業界への伝手を使い、元バイヤーの知識を使い、様々な手段を使ってお客様に喜んでお金を使ってもらい、ノルマをこなす日々

この話は出てくる登場人物がほんとみな個性的で面白い!
キャラクターがご都合主義ではなく、ちゃんと血肉のある人物になっているのがそれぞれのエピソードから感じられる

その中でも、細く巻いた傘を常にステッキ代わりに持つ紳士、葉鳥さんは別格で格好がよい。
ラストのデパート屋上の遊園地
キラキラした情景が目に浮かぶ


『百貨店ていうハコの中で他店と同じ商品を売るためには、お客さんにこっちを選んでもらうしかない。だけどその判断基準は、老舗の包装紙とかそういうものを省けば、ぶっちゃけ販売員のサービスだけでしょ。その販売員の価値も、結局のところ日ごろから積み上げていくしかない』

静緒のお客さんの中でも特に気難しやの鶴さん、見栄っ張りの彼女にはクリスマスに超有名パティシエのバースデーケーキを所望されたけれど、何とか奇策をひねり出し、別のパティシエのもので満足をしてもらうことが出来た

『高価でスペシャルなバースデーケーキとはいえ、ケーキ一つ用意しても十数万の仕事だ。このために時間を割いてかけずり回って、鶴さんの怒号を浴びてストレスを溜めて…。本来であればわりに合わない仕事だろう。そんなことをするよりも宝石の一つでも売れ、そう邑智に言われるのもしかたがないかもしれない。
けれど、お金で買えない何かを手に入れた実感はあった。永遠に続く魔法ではないけれど、鶴さんはきっと恩に着てくださるだろう。今日のためにさまざまな手を尽くしたことは、将来静緒が本当に困った時の助けになるかもしれない』

静緒の仕事のスタンスは外商員としては規格外なのかもしれないけれど
ネットが普及し、消費のやり方が変わっていく時代
百貨店はきっと静緒のような人が必要になるのだろう


ところでお客様の一人に清家弥栄子様という六麓荘に住む名家のお嬢様(年齢は50前くらい)がいる

『私は生まれた時から富久丸さんにすべて揃えて頂きました。産着もお宮参りもお食い初めも七五三も、入学式も十三参りも、お誕生日会や習い事の発表会や十九のお祝い。成人式。結婚式も出産もほんとうに何から何まで、私の人生は葉鳥さんと…、富久丸さんとともにありました。
私がいなくなっても、富久丸さんがいつもと同じようにしてくださいね。私や妹に葉鳥さんがしてくださったように、娘や孫たちに…。娘たちは今時の子供で、外商さんでものを買うなんて時代遅れだと思っているようで、私もあまりすすめなかったのだけれど、いまになって少し悔やんでいます。
どうぞこれから訪れるたくさんの幸福や、もちろん辛い時や苦しい時も手助けをしてやってください。皆が親戚やお友達にめぐまれてよい人生を歩めるように、節々の記念日に。』

私はもちろん上流階級のお付き合いというものは実体験は全くなく
この物語を通して、こういう世界をのぞき見、想像するだけだけれど
世の中には外商を必要とするおうちがあって、
その人たちのために奔走する人たちがいるのだろうなぁ

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Posted by ブクログ 2021年08月11日

無償に百貨店に行きたくなった。
「バイヤー」「外商」とても興味深く、静緒の企画力はとても参考になった。
ブランド名がたくさん出てくるので、その都度検索しイメージしながら読み進むととてもリアリティあって面白かった。
もう一度独身の時のようにオシャレをしてみたいと思った。
テンポよく痛快そして、ロマンチ...続きを読むック。
其のニは読むかは微妙かな?

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年06月05日

デパートの外商部は全体の売上の3-4割を稼ぎ出す。
インターネットで欲しい物がすぐに見つかる時代にあっても富裕層のコンシェルジュとしての需要はまだまだあるらしく、へーっと思うようなエピソードも多い。

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Posted by ブクログ 2021年05月24日

アイデアと行動力で壁をぶち破っていく外商員鮫島静緒のお話。

クセのある登場人物たちや様々な出来事も、一つ一つはありふれたもので、すごく印象に残るものではない。
それなのに、ついつい読み進めてしまうくらいに面白い。テンポがいい。
悲しいこと、辛いこともあるけれども、それを乗り越えていく強さが人間には...続きを読むあるんだと、思わせてくれる。
色んな人がいるけれども、人の優しさみたいなのを感じられた。

安心して読める本だった。
まだ2冊続きがあるようなので、そちらも読んでみたいと思う。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年05月15日

富久丸百貨店では、雨が降り出すとBGMが「シェルブールの雨傘」に変わり、雨宿り目的で飛び込んでくるお客さん用に傘を陳列したり、傘袋を入口に用意するとのこと。

非常に興味深く、私の地元のデパートではどうだっただろうと考えました。

恐らく雨が降ってきたしるしのBGMはかかっていないのではないかと思い...続きを読むます。というのは、私の住むところは「弁当忘れても傘忘れるな」と言われるほど雨の降る日が多く、傘売り場は常に充実しているし、入口の傘袋もいつも用意されている(はずだ)からです。

こんなことを書きましたが、そもそも普段からBGMがかかっているかもあやしいものです。

デパート側がお客さんに心地よくお買い物ができるよう色々と工夫をされているでしょうから、今度デパートに行ったときは、見るもの聴くものにもっと意識を向けたいと思いました。

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購入済み

知らない世界が知れる!

2019年11月28日

外商の仕事のことをあんまり知らなかったので
興味津々で読み進めることができました。

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