【感想・ネタバレ】蜜蜂と遠雷(下)のレビュー

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Posted by ブクログ

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長編作だからか。ちょっと読み怠みがあったか。
心理的な描写に追いつけない部分はあったけど、それでも上巻に続いてドラマ感はたっぷり。

最終の順位・奏者評価の描写はなくて、それでも納得して終われるのは物語の筋がしっかりしていたからだと思う。
個人的に、自由・解放された部分には自分の背中も押されたような描写で印象的だった。

またつぎの作品も読んでみたい。
恩田さんの書く小説の物語性にはすごく惹かれる。
つぎ、つぎ、つぎ、ワクワクする感触!

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2024年05月19日

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すごく良かった。
曲を知らなくても想像できるというか、学とはこういうことなんだと思った。3人お互いが影響を受けていくところが素敵だった。

ただ優勝は、風間塵の影響を一番強く受けた栄伝亜矢だと思っていたので、そこだけが意外。

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2024年04月28日

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一つのコンクールのエントリーから本選までの演奏者・大会に携わる人たちの心境を中心に描かれていて一曲一曲に対しての各登場人物が考える情景描写はすごく素敵でした。特に四人の演奏者はそれぞれ音楽に携わっているものの環境・才能・音楽への関わり方が相違しており立場上憧れ・焦燥等を抱えていますが各演奏者の演奏を聴いて自分自身と向き合う場面については音楽に一切関わった事のない自分でも共感できました。「才能とは続けること」と作者の恩田様を始め、各分野のトップにいる人達が口にします。音楽で生きていくには修羅の道と分かりながら精進・成長していく登場人物達。その言葉を具現化しているキャラクター達のその後も見届けたくなりました。
 幸い、地元が舞台にもなった浜松なので今年開催される浜コンにはチケットが取れれば聞きに行きたいと思います!

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2024年03月30日

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ピアノの演奏という内容を本で表現するとこんな感じなのかと思った作品。
音楽に疎いから有名な曲なのだろうが全然知らない曲ばかりだった。作曲家の名前をかろうじて聞いたことあるくらい…
それでも恩田陸の表現でどんな曲なのか想像することが出来てそれを感じられて読んでいて気持ちのいい作品だった。

音楽センスが全くないため楽譜も読めないリズム音痴の私はコンクールなんて遠い世界の話のようだが、発表会独特の緊張感やワクワク感は知っているので読んでいて場や人のピリピリ感を久しぶりに感じられて良かった。

明石さんが人柄的に主人に似ているというかそんな風に感じて応援していたので結果が実ったシーンは嬉しかった。

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2024年05月28日

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上巻を読んで流れでそのまま読み耽った下巻。

上下巻を通じて、クラシック音楽の魅力が伝わるとても良い物語だった。
私はクラシックは正直興味がない、現代音楽ばかり聴いている典型的なミーハーだが、そんな私にもクラシックの魅力が伝わる話だった。
是非一度コンクールや演奏会に顔を出してみたいと思った。このような小説を書くには大変な取材と知識が必要であると思い、感服する。

今回は課題曲「春と修羅」のカデンツァが重要視されており、それぞれの登場人物の個性が出ていて非常に面白かった。言葉の表現がとても巧みで、曲を知らないのに頭の中でその曲が再生されるようだった。
上巻を通じても各人物の特徴はすでに認識しており、その特徴がはっきり出ている場面だったと思う。
この話は誰か1人に焦点を当てるわけではなく、それぞれの人物の良さをしっかり出しているところがとても良かった。

個人的に少し残念だったのは、優勝までの流れである。
瑛伝亜矢か風間塵が優勝すると想像していたが、才能がないと自分で言っていたマサルが優勝するのは意外だった。勿論素晴らしい演奏であることは描写から伝わってきたが。
この優勝した人物にとやかく言うことは無いが、最後の亜矢ちゃんの演奏に関する描写がなかったことが少し残念に感じた。

また、マサルが亜矢ちゃんに恋心を抱いているという描写があったものの、コンクール後のことは描かれていなかった。
その後については読者の想像次第ということもあるだろうが、個人的にはその後の活躍も見てみたかったと思った。

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2024年05月07日

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上巻の勢いからすぐに下巻へ、、、

ピアノの曲が上巻だとイメージだったのに対して
下巻だと、まるで短編小説のよう。
細かいストーリーや描写、読んでいてこの曲にはどんな歴史があるのだろうか?と曲名を書き留めて後で調べてみた。
クラシックは聞いたこと無いに等しい。
それでもとても聞いてみたい、本物のコンクールの客席に座りたいと思わせてくれた。

登場人物達のこれからのピアノに対する目標がそれぞれあって、この人達はこのコンクールだけで終わらない。
またそれぞれの場所で輝いているんだ。
そう考えた時、「蜜蜂と遠雷」の"遠雷"はコンテスタント達の遠い場所でも雷のように'光'と'音'を発して活躍している様からなんだと自分の中で解釈した。


⭐︎をひとつ減らしたのは、
最後のおわりがあっさりしすぎてたと私は思った。
これまで細かく精密に書かれていたのに、
最後は「あれ?もう終わり?」と思ってしまった。
どんどん盛り上がっていって、いよいよクライマックスだ!さいごはどうなる?!ってときに締まりがない。

でもすごく面白くて、読み応え満載
ジェットコースターのような小説でした。

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2024年05月02日

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本から音楽が流れてくるような、まるでコンクールの会場に自分もいるような気持で読めました。文章だけとは思えない。とても濃い一冊でした。音楽は少しかじっただけなので、知っている作曲家や知らない名前もたくさんあって、ピアノを聴いてみたくなりました。長編だったけど最後まで飽きずに楽しめました!!

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2024年04月16日

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カンデンツァの場面が一番好きだなぁ…。どこをとっても音楽を肌で感じられる表現力、上下巻を読む間一時も欠かすことなく夢中になれた。でもその中でも多分、私は特に「春と修羅」の各々のカンデンツァが一番興奮しながら読んでたかも。鳥肌止まないくらいだった。亜矢の物語性も含め、音楽の奥深さ、神秘性、それでいて描かれる自然の柔らかく暖かく、けど命を削り取るような残酷さ。どれも大好きだ。

でも最後の結果はちょっと意外だったな。私の予想は優勝が亜矢ちゃんだったから。
これまであらゆる人の演奏を色彩豊かに鮮明に描いてきてて、私はそれに夢中になって楽しんでいたから、本選の演奏もどんなものだったか読みたかったな。でもここでそうやって詳細に語ると野暮ったくなる気もするしなぁ。楽しみだったぶんちょっと残念だったけど、しょうがないとこかも。

あと個人的には解説もすごく面白かった!
こんだけ音楽コンクールのことをとことん掘り下げて緻密に描いてってするにはやっぱり途方もないくらいの取材と体験と勉強とってあるのは分かってたけど。実際にそれを乗り越えてきた人の体験記は読んでてめちゃくちゃ興味深い。
あと恩田さんが終始自信なくて可笑しかったな。大丈夫だよ!読んでてすっごく面白いよ!!コンクールなんて全然知らなかった私が、ずっとずっと夢中で読んでたんだから!!って笑いかけたくなっちゃうような自信のなさ。風間塵が予選で尽く落とされかけてるのとか、本屋大賞2回目に「ありなんだ…」って呆然としてるの、読みながら本当に笑っちゃった。

そういう終わりの終わりまで、物語の外まで胸が震えて弾んで躍って熱くなる、堪らない小説だった!音楽っていいね!物語って最高だねぇ!


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2024年04月15日

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4人のピアニストを風林火山になぞらえてみた。
疾風が巻き起こす嵐、名実ともに風間塵。
林のごとく閑かなる高島明石。
迸る情熱の火マサルカルロスレヴィアナトール。
時が満ち鳴動する孤高の山たる栄伝亜夜。
…いかがでしょう?

ピアノコンクール期間中、数日間の物語が濃密に描かれていた。なかなか難しかったんですけどね。音楽や楽曲への知識があれば、もっと理解も深まるだろう…と思っていた矢先、『蜜蜂と遠雷 ピアノ全集』という8枚組のCDアルバムの存在を知りました。後日談のおまけまで付いて。最寄りのタワーレコードに店頭在庫があり無事に入手。発売時期を考えても、店頭在庫が残っていたというのは奇跡かと思いました。いまは初回入荷後、余程でないと再入荷しないらしいので。これは良かった。聴きながら読むことで、言い過ぎかもしれないけど、もう一本、別な『蜜蜂と遠雷』という映画を観ているかのように錯覚しました。
徐々に覚醒してゆく“原作の彼女”。最終盤の盛り上がりには息を呑む思いがしましたが、いざ演奏を、とページをめくると、あろうことかコンクールは終了していました。読者に委ねる、ということなのでしょうか。
うーむ。クライマックスなのに…。“原作の彼女”は、宿題を、音楽の約束を、果たすことができたのかな。それらしいシーンの描写も、あることはあったわけですが、望み過ぎるのも違うのかな。僕の頼りない想像力を補うために、映画版の栄伝さんの演奏シーンを繋げて辻褄を整えることにしました。プロコの3番は圧巻だったぜ‼︎
(ちなみに原作ではプロコの2番)
栄伝さんの、やはり笑顔の説得力が真のエンディングではなかったのかな、と思いました。

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2023年12月30日

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