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Posted by ブクログ
静岡ローカルネタ+今時なゆるーい会社風景を描くシリーズの7作目。
今回もまた面白かった。
ストーリーの方程式が堅固で、派手な展開はなくとも堅実に面白い作品である。
作品の軸足は20代中心のキャラたちの思い悩みに重きを置いている印象があるが、静岡ローカルネタもまた変わらず色濃い。
パンの日(4月12日)の元となったパン祖・江川太郎左衛門英龍(韮山反射炉の建造を命じた人)の話や、そういやまだ話されてなかった清水次郎長といった偉人の話が一つ。
あるいは「東京の奥座敷」熱海の変遷や、時代物で使われがちな蓬莱橋、熱海・函南にある県内のJR的現代の関所(ICカードのエリアまたぎ)のような地域ネタや、盆義理・遠州大念仏といった風習ネタまで配備。
意外に描かれる機会が少ない方言の類(ちょびちょび)は、ちょっと新鮮な感もあった。案外ネタにされてない印象があったので。
移住希望地全国3位に輝く静岡をゆるーく描きながら、そこはかとなく世知辛い現代の若者も描く内容は面白くも辛い作品である。
その世知辛さも含めてコミカルな仕上がりで、読みやすさもある。
改めて面白いなあとしみじみ思いつつ、星五つで評価したい。
なお、うちも有野家同様にとろろ汁は濃いめの味噌汁で作る点は付記したい。あんなにでかいすり鉢ではないけども。
青ネギや焼きのりも入れると美味しい&食感のアクセントになるのでお勧めです。