【感想・ネタバレ】ルネサンスとは何であったのか―塩野七生ルネサンス著作集1―のレビュー

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「ルネサンスとは何であったのか」、それは既存の常識や権威(その大なるものはキリスト教会)を疑い、「見たい、知りたい、わかりたいという欲望の爆発」であった、ということをスタートに、様々な人物を取り上げながらルネサンスを対話形式で概観する歴史小説。
詳細な史料と分かりやすい論旨で、ルネサンスに関する事柄だけでなく、著者の他の作品への理解も深まり、とても楽しい読書だった。続けて『海の都の物語』も読んでみたい。

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2022年03月29日

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 塩野七生先生のルネサンスについて描かれている一冊。塩野先生の作品では珍しく(?)対話形式で書かれている。対話形式なので、言葉遣いなど柔らかくわかりやすく描かれている。が、対話形式のせいで、塩野先生作品の特徴である小説なのか歴史書なのかよくわからない、あの文章が読めないことがとっても残念。

 ただ、ルネサンスについて勉強したい人にはお勧め。裏表紙にも書かれている通り、素晴らしい入門書だと思った。巻末についている人々の略歴がおもしろかった。解説も、対話形式になっており、こったかたちとなっていた。

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2013年01月19日

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ネタバレ

一千年のキリスト教の抑圧へ
人間の欲望が反逆する。
それがルネサンス。


再読。

塩野七生を読むと
知的好奇心に駆られる。
中世から近世のヨーロッパについて
学びたい意欲が沸々とこみ上げる。

ルネサンスなんて高校時代は
たいして興味もなかった。
過去は過去。
温故知新?
はあっ?
って感じ。

でもね。
歴史に学ぶ。
歴史を学ぶって
とっても大切。
そう思うのはジジイだからか。
断定。そう。

で、塩野七生である。
珍しく、解説書。
ルネサンスを語る。
もちろん、口調はいつもの塩野節。
この人、絶対Sだよな。
でも、嫌いじゃない。

語られるのはルネサンスの人、人、人。
人なんだよな。
結局、歴史って。
だから、突き放したように見えても
塩野の本質は暖かい。
人の熱に感応するから。

『ルネサンスとは何であったのか』は
イタリアでのルネサンスの歩みをたどるように
フィレンツェ、ローマ、
キアンティ地方、ヴェネチアと
イタリア各地を巡る形で描かれていく。
この辺、映像で見たいね。
NHK辺りでやって欲しい。

最初にルネサンスとは
「見たい、知りたい、わかりたいという欲望の爆発」
と定義づける。
なぜ爆発したのか?
キリスト教会によって
一千年間も押さえつけられていたから。

そして、ルネサンスについて
フレンツェの地で
聖フランチェスコから始める。
続いてフリードリッヒ二世という皇帝までも。
さらに印刷業を確立した
アルド・マヌッツィオが登場する。
この辺は塩野ならではの視点である。

メディチ家が重要なのは言うまでもない。
そして、やはりレオナルドだ。
ミケランジェロだ。

各地を旅しながら
ルネサンスが
各都市で
どんな栄枯盛衰をたどったかを
人物を中心に語っていく。

この辺は目の前に
その時代の人がいるように
いきいきとしている。

塩野の洞察は一刀両断だ。
以下、記憶に残った言葉をいくつか。

「哲学とはギリシア哲学につきる。
それ以降は、キリスト教と哲学の一体化という
所詮は無為に終わるしかない
労力のくり返し」

「ローマは『arioso』(アリオーゾ)。
こせこせしない」

「ルネサンス精神とは、
人間がこの心眼を、
再びわがものにしたということ」

内容は豊富にして
とても語りきれない。
それが塩野の
ルネサンスの豊かさ。

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2016年02月29日

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対話形式をとりながら、ルネサンスという、それまで押さえられていた感情・欲望が爆発した革新の時代にするどく肉薄していく本でした。宗教・美術・政治など、それまでと全く違う方向へ歩みだす、その一歩をスローで眺めているような
気にさせる内容で、とてもおもしろかった。

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2015年07月02日

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 ローマ教会が何かおかしい、から始まって400年もかけてローマ教会の支配を解放。
解放したというより、芸術科学の進歩により、ローマ教会の矛盾点が炙り出され、自滅した時代。

「神がそれを望んでおられる」が、通った、今から見たら偽りの世界。
今の世も、数百年後の人類が見たら、偽りの世界と言われる点があるのだろうか。

なお、異教徒の遺産といって、古代ローマの遺産を破壊しつくしたのが惜しい。

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2015年04月05日

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・見たい、知りたいという欲求の爆発
・キリスト教=神を信じること ⇔ ルネサンス=疑うこと
・フィレンツェ → ローマ → ヴェネチア

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2012年09月02日

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「ルネサンス著作集」の1巻目として書かれた、対談形式のルネサンス入門書。
フィレンツェ、ローマ、ヴェネチアとルネサンスの中心地を移動しながら、ルネサンスの変遷を語っていきます。
巻末のルネサンスの主役達の略歴もあり、分かりやすかったです。
しかし、著者の作品はやはり物語の方が面白く、「ルネサンス著作集」を読み返したくなりました。

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2013年08月08日

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