【感想・ネタバレ】三国志 第十二巻のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

遂に終わってしまった。
三国時代って、中国の長い長い歴史の中で一瞬のように短い。
蜀は二代、魏は五代、呉は四代しか続かず、その国の終焉はどれも自滅と言っていいようなもの。
才ある者の枯渇、権力者の専横、など。
滅ぶべくしてほろんだ王朝ではあるけれど、建国前から読んでいた身にすると、先人たちの苦労や偉業をふみにじるような愚かな後継者たちに忸怩たる思いがぬぐえない。

それにしても今まで読んできた三国志となんと違う事よ。
曹操の祖父の時代から書きはじめられたのは、幕末を描こうとして関ヶ原から描き始めたみなもと太郎にも通じるけれど、わかりやすくはあるけれど情報量が多すぎて、思考も行きつ戻りつしながらこの作品を咀嚼した。

桃園の誓いもなければ、赤壁の戦いにおける劉備軍の活躍もない。
そもそもこの十二巻の作品中、多分蜀の記述が一番少ない。
史実に残されるような出来事があまりなかったのだろう。(三国志を編纂したのは晋の時代)
だから、フィクションにする余地が多かったのだな、きっと。

そして、これは中国に甚だしい特徴だと思うのだけど、誰かが出世すると一族みんなが優遇される。
これは儒教的なことなのかな。
そして、だれかが罪に問われると一族全員が族滅させられる。
だから権力闘争が命がけなのだ。
そして儒教的感覚では、上に立つものの指示に従うのが是であり、過ちを正すのは否らしい。

時代の違い、文化の違いを超えて、人の思いや行為って通じるものがあるんだなあと巻を通してしみじみ思う。
ああ、面白かった。
次はだれの三国志を読もうかな。

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2022年08月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

第九巻で顕著だった人物(国)へ対する好悪の激しい筆致には低劣さを覚え嫌気がさしていた。今巻もいつ“それ”が現れるかひやひやしながら読んでいたが、全編宮城谷昌光らしいおだやかな、あくまでも『正史』に沿った淡々とした描写で安心した。
ただ一言で感想を述べれば、面白かった!
私としては特に蜀滅亡の件での鄧艾、鍾会、姜維三者の生き様(思惑)が面白く、楽しささえも感じた。

「王朝にかぎらず組織を立て直す近道は、益をふやすよりも害をのぞくことである」『蛇足』より。
「最悪の事態とは、君主が選択をあやまることではなく、決定をためらいつづけることである」『劉禅』より。

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2020年07月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

司馬昭のおおらかさ、狡猾さ、総じて政治力が高い。
とうがいはある意味その犠牲者だが、高い能力と華々しい活躍の割りに最期が寂しい。
鍾会の野心とそれを利用する姜維の執念、面白いところだがあっさり。
劉禅はほんとうに暗愚か?
呉のぐだぐだはおなかいっぱい。

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2019年09月22日

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