【感想・ネタバレ】三国志 第六巻のレビュー

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赤壁の戦いが淡々と書かれている。宮城谷にかかっては、諸葛亮も魔術師ではなく、堅実なる軍師。
魯粛は、横山三国志では、オロオロとばかりしているが、この巻では、非常に頼りになる志士である。
呂蒙、甘寧など、呉の武将の安定さが際立つ巻であった。

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2020年05月05日

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赤壁。周瑜が劉備一行に対してすごく冷たい。諸葛亮とは知らないひとどうし。劉備たちの蚊帳の外感が半端じゃないしすごくやる気がない。

劉備のことが嫌いで一貫して塩対応な周瑜が新鮮だった。長生きしてほしい(無理)

もう棄てることができないということは、これから失うものが増えるということのフラグだ

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2017年01月09日

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面白いです。
史実への忠実さを感じます。吉川三国志がどうしてもベースにありますが、演義ではないより客観的な三国志が読みたい方には最適と思います。

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2013年01月06日

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三国志では俄然盛り上がる赤壁の戦い。期待通り正史を踏襲した内容で素晴らしいと思いました。今後の劉備主従の描かれ方に期待が高まります。

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2011年02月25日

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うほーきた、レッドクリフ!いわゆる赤壁の戦い。華北を手中に収めた曹操がついに南下、迎え撃つ若き才能たち。そらもうめらめらと燃え上がる期待感。

とはいえ、実際のところ疫病の流行だとかでそれほどの派手さはない。有名な諸葛孔明だとか劉備だとか、ほぼ何もやってないし。
ここら辺の出来事って、ついつい力をいれて書きたくなるような実に小説的な場面だけど、それでも正史ベースでさらりと流すところに好感度アップ。

オモシロイのだが、次の巻がでるのは来年の今頃。
1年待たせるのかよっ!

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2010年11月05日

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ネタバレ

いよいよ赤壁の戦いです。
その前に、いよいよ劉備と諸葛亮が出会います。
しかし、諸葛亮は劉備がどのように生きてきたのかを知っています。

”妻子にも従者にも酷薄な人で、学問を嫌ったせいで浅学であり、知者や賢人を敬ったことがない。とりたててくれた公孫瓚をみかぎり、厚遇してくれた早々に後ろ足で砂をかけた。(中略)群雄のなかで劉備ほど無能な人はいなかったのに、豪傑が淘汰されてきた現在、何もしない劉備に輿望がある。”

しかし、情もないけど欲もない人なのです。
諸葛亮は劉備のもとに行き、劉備を盛り立て、劉備の欠点を隠しながら呉と交渉をするのです。
劉備が諸葛亮を信頼し、それにつれて人となりも多少変わってきます。
逃げないで守ることを覚え始めたのです。
が、それによって、劉備と、関羽や張飛との間に隙間が空いてきます。

ちなみに呉の周瑜はこれっぽっちも劉備を信頼していません。

”劉備は公孫瓚に拾われたのに公孫瓚をみかぎり、陶謙の好意に浴したのにその遺児と徐州を保てず、呂布に迫害されたため曹操のもとへ逃げこみ、礼遇されながら、そこから逃げ出し、うけいれてくれた袁紹の衰運をみるや荊州へ移り、劉表のためにほとんど働かなかった。”

だから赤壁の戦いでも劉備たちの出る幕はほとんどありません。
安全な場所で様子見しているのみ。史実はそんなもの。

だいたい、曹操が虐殺を行った徐州の民は曹操を嫌っているため劉備につきますが、それ以外の場所では劉備を慕ってついていく民衆や、「行かないでください」とすがる人たちはほとんどいなかったようです。
行政手腕がないから。

それに引き換え
”曹操は歴史から教訓を抽(ひ)きだしつづけた者であり、その勤勉さによって活用されたものは少なくあるまい。いわば曹操には文化力がある。文化は精神の光源となり得る。その明るさにひきよせられた人は多いであろう。”

以前吉川英治の三国志を読んだとき、蜀には有能な人材がそろっていたようだったけど、なぜそれで天下が取れなかったんだろうと不思議だったんですよね。
口ばっかりの理想主義者で、無能だからだと思っていたのですが、どうも人材も関羽と張飛と趙雲くらいしか今のところいない。
関羽と張飛はならずものなので、彼らが有能な人材を遠ざけているとまで書かれていて、それじゃあ天下は取れないよね。
肝心の劉備も欲も実力もないし。
でも運だけは良い。これも才能?

三国時代をつくったのは間違いなく諸葛亮ですな。
彼がいなければ劉備が世に出ることは出来なくて、帝を抱いた曹操がそのまま後漢時代を継続させたかもしれない。
いつ、帝をみかぎり魏という国を創ろうと思ったのかは今後を読まなければわからないけど、今のところその野望は見えていません。

危険な作戦が成功した時の曹操。
”わが遠征は、危険にみちており、僥倖があったにすぎぬ。成功したのは、天の佐(たす)けがあったためである。それゆえ常にそのようにうまくゆくはずはない。諸君の戒めこそ万安の計です。賞するにふさわしい。今後も発言をひかえないでくれ”

曹操も50歳を過ぎて久しい。
いつまでこの曹操でいてくれるだろう。
晩年はちょっと問題ありだからなあ。

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2022年05月04日

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張飛のあざなが「翼徳」ではなく「益徳」になっているなど、『正史』準拠で面白い。無論、本巻で描かれる「赤壁の戦い」も正史に準じている。

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2017年08月02日

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西暦208年、赤壁の戦。三国志のハイライトともされるこの水戦に曹操は敗れ、南方攻略の足場を失った。歴史にイフは禁物だとしても、この敗戦がなければ、曹操は存命中に全中華の八割方を支配することができたに違いない。


この時代の正史を書く陳寿も、この史実を吟味しただろう。ここをどう書くかで正史というストーリーの視座が定まる。三国鼎立の始まり、と見るのは我々を慣れ親しんだ史観だが、魏や晋を正統と見るならば、珍しく和同した南方抵抗勢力が報いた一矢、と描いただろう。


曹操は呂布、袁術、袁昭と強敵を破り、天子を保庇し、有用な人材を登用して華北に平和と安定をもたらした。陳寿は羅漢中のような小説家ではなく正史著述者であり、自らは晋の治世下に生きていた訳だから、曹操に始まる魏晋王朝を正統と見なす必然性は十分にあった。赤壁戦を評価するにあたっても、孔明がまだ国すら得てない劉備に三国鼎立の計を説くというのは本来滑稽であり、実は後講釈なんじゃないか、と思えなくもない。しかし陳寿は、三国それぞれに正統性があるなどという中国史上ユニークな立場をとった。それは何故か。


一つは劉備という不思議な人物をどうしても劉邦に重ね合わせたかったから。これは羅漢中的な見方に近いが、もう一つ考えるとすると、魏晋を連続王朝とするのではなく、晋の前に三国時代があったとすることで、魏を相対化できるから。魏晋を一つとすれば曹操と司馬懿と司馬炎を比較する必要があるが、日本史において信長と秀吉と家康のいずれも捨てがたいのとは異なり、どうしても曹操に軍配が上がってしまう。

とまれ、曹操は一代では天下を得ることができなかった。その直接の原因となった赤壁戦で、呉軍では若手が勇躍し、劉備は荊州でようやく地と人望を得た。大きなターニングポイントを経て、歴史は三国時代へと向かう。

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2014年05月11日

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本作は、袁家掃討から、荊州南部攻略までが描かれています。

宮城谷さん版三国志には、知らない人物や評価を見直さないといけない人物がたくさん出てきます。(某ゲーム社の数値と比較してですが。)
私にとっての今回の白眉は、「田ちゅう」と「李典」でした。

(田ちゅうは、初めて知りました(覚えていないだけかも・・・)。 李典は、楽進と張り合う”武一辺倒”かと思っていましたが、 宮城谷三国志では、かなり評価アップされている気がします。)

黄忠が戦う前から劉備寄り(?)なのも、いつもと違う感じで興味深かったです。

言うまでもなく次回に期待です。
※孔明は、今のところ、イメージ通りです。

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2012年12月15日

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袁紹、袁術一族を滅ぼし、勢いづく曹操。その頃、劉備は孔明に出会って飛翔し始め力をつける。劉備は、力をつけてきた孫権と共に、「赤壁の戦い」で早々に勝利する。

宮城谷昌光の描く、三国志は、作者の作風らしくおもしろい

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2012年08月10日

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長坂、赤壁、合肥、荊州などの合戦が史実に忠実に描かれる。無論、壇を築いて東南の風を吹かせるなどという演出はない。赤壁で劉備はどう行動したのか諸葛亮はどうあったのか、これまでとは全然違う彼らの実相をすこぶる興味深く読んだ。劉備の不思議さ、不可解さ、そして魅力。いろんな意味で考察を深めることができた。今作で目を引くのが孫権配下の武将らの目覚ましい活躍。どいつもこいつも見直してしまった。とことん惚れ直した。これまでぶつ切りだった三国志が理路整然と繋がっていく過程にこのうえない感動を覚えた。

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2013年12月07日

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