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Posted by ブクログ
漫画は読んでもあまり買わない私でも全巻保存してる個人的傑作。
私は湯神が大好きなのである。
こいつの良い所は作中で久住も言っていたが、"何かの目的に至る道中で他人と協力したり、力を合わせる必要がある場合は決してそれらを全否定はしない"点だ。
根が理屈っぽいので目的に対し仲間を「なんとなく信じる」など根拠の無い馴れ合いは避けるし、基本自己完結型なので一度決めたら外野の声が届かなくなるのが通常だが、ちひろの悩みを聞いた時や体育祭でのケガをした八重樫に対するシーンなど他人の「こうしたかった」「こうしたい」という感情をはしからはしまで無下にはしない。
そして目的の為にすべき事をする、それが湯神という男なのである。
要は理屈っぽくて自分本位だけど、熱い男なのだ。
そしてその湯神も、ちひろや他キャラクターと共に巻を追うごとにアップデートされていく。
最終巻を読んだ多くの他の読者は「やっぱ湯神は最後までブレないなー」という感想を多く抱いたろうが、私は若干異なった。
確かに根底にある芯の部分はブレてないが、"ブレなさすぎていない"。
高校生活を通じて出会った人々や出来事を通じ、明らかに湯神の人当たりは柔軟性を帯びてきているし、ちひろに自分が題材の落語を聞かせる為に何度も誘うなど"他人の喜びを自分の喜びとする、その為に自分から行動する事"に対して迷いが無い。本人が気づいているかどうかは定かでは無いが、湯神から自分を大切にする事を学びアップデートしていったちひろと同じように、湯神もちひろの良い部分から少なからず影響を受けているのだろう。
総じるが、作者のキャラクターに対する気の使い方、丁寧さはデビュー作とは思えない。ラストの終わり方も非常に美しかった。
現実問題、湯神みたいな奴は中々現実にはいないだろうし、あのように生きることはおそらく難しいだろう。
だが、参考にはなる。
好きな物に没頭すること、趣味を作る事の大切さ。
自分を持つこと、己を大事にする事の重要さ。
大袈裟に聞こえるかもしれないが、「生き方」についての多くのヒントがこの作品の中に隠れている。我々も湯神やちひろの様に自分自身を日々アップデートして過ごしていくことが大切なのだ。
それが結果的に本当の意味での多様性に繋がるのではないだろうか。
作者の次回作に期待したい。
Posted by ブクログ
よくあるただのコメディーかなと思いきや、転校続きのヒロインが友達が出来なくて悩むところなど、ストーリーとしてかなりしっかりしてます。
片や、変人とも言われる主人公、湯神くんは「空気を読め」と言われて久しい世の中には珍しい、偏屈なタイプ。「友達なんていらない」と豪語します。でも、決して優しくないわけではありません。
そんな性格が正反対にも思える主人公とヒロインがお互いのキャラクターを維持したまま、少しずつ成長してラブコメに突入していきます。
続きが気になりどんどん読んでしまいました。
久々に面白い漫画を読破しホクホクしてます。
オススメです!