【感想・ネタバレ】聲の形(1)のレビュー

あなたは何のためにマンガを読むだろうか。娯楽?暇つぶし?感動したい?
それらを求めている人には、このマンガは不向きだ。

退屈を嫌う主人公・将也が、聴覚障害を持つヒロイン・硝子をいじめるところから物語は始まる。「障害といじめ」という、少年誌にしてはディープなテーマを描いているが、「いじめる側」と「いじめられる側」は固定化されず、あるきっかけで逆転する。いじめられて初めて、将也は自分のあやまちと、硝子の強さに気付く。

この話に説教臭さはない。むしろ淡々と2人と周囲の関係が描かれ、第2巻で少しずつ将也の変化が見えてきたところだ。「障害者にも分け隔てなく」と、声高に叫ぶでもなく、泣くでもなく、無理に感動を誘うわけでもない。「さあ、どうする」と、読みながら宿題を出されている気分になる。

元となった読切版は、かつて新人賞を受賞したものの、その内容のために掲載が見送られてきました。しかし『別冊少年マガジン』に掲載されるやいなや、その号の読者アンケートで『進撃の巨人』や『惡の華』を抑えて1位になったというから、この作品の影響力がいかほどか分かります。
私は読切版を読んだ時に、久々にいい作家に出会ったと感じました。それだけに、連載版を今後も大切に描いてほしいと、切に願っています。(書店員・鮭)

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これはキツイ

友人が聴覚障害持ち(趣味で知り合った)なので、気になり購入。
普通学級の中に障害者が入るとここまで大変とは予想外だった。同学年の障害持ちがいなかったせいだからか。
友人も凄いイジメを受けた、と言っていたな。多くは語らないから聞くつもりはないけど。
補聴器のくだりは印象に残っている。
友人は電池交換だけでも万単位のお金が飛ぶ、と話してくれた。メンテも同じ。障害者年金が一気になくなる、とも話してくれた。
当の本人は頭がめちゃくちゃキレる子で、医療系の資格を持ってバリバリ働いているが、その影にある何とも言えない闇が辛い。
硝子の闇は明ける時は来るのかな。

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2016年09月18日

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映画ではわからなかった

映画では主人公の幼稚さだけが悪いように描かれていたのですが、大人ぶった幼稚さなど他の人の悪いと捉えられる部分も描かれていて、主人公が堕ちていく納得性がありました。

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2022年08月01日

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この本で見る障碍者の扱い。

実際あったことが多く、とてもつらく思いつつ、いじめた側がこれからどうするか、どう償っていくか、どう関わって理解していくか。

いじめについて、自分は悪くない、被害者面するような人は本当にどこにでもいる。謝ることもせず、誰かのせいにする様がリアルで、腹立たしく、そういうキャラは相変わらず苦手なままでした。

主人公の心境、そしてどうするか。その姿に胸を打たれ、ヒロインがそれを受け入れていく姿を見て、応援したくなるのはすごいと思います。

補聴器は本当にやめて欲しい。十万以上するので支払うの大変なんだぞ…とは思いました😂

#泣ける #切ない #深い

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2021年08月01日

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重いが通しで読むべきストーリー

映画化されていて一度読んでみたいと思っていた。
どう収束するのか?そういう期待感で読み切った。重い話だが、人がわかり合っていくストーリー。こなれていないと感じる出だしから、主人公だけでなく他の登場人物の過去までが明らかになっていく終盤まで、話がうまく繋がっていく。償いから始まって、愛情に結び付くハッピーエンドまで、安心して読めます。

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2023年10月03日

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子どもってやつは……

先にアニメーション映画を見て、この1巻を読みました。
小学生では基本、暗愚で残酷で無責任で、そういうのを一定、容赦なく描いていますね。リアルですが、いじめ被害を受けた経験のある方には読むのも辛いかも、とも感じます。
私は子どもの頃、5年ほど海外で暮らしていたこともあり、学校生活では幸い、嫌な目には遭いませんでしたし、主人公の少年よりはもう少し聡明であろうとしてきたつもりですが、加害者と被害者は紙一重ですね。この作品の主人公も、因果応報的にいじめのターゲットになってしまうので……やはり今の日本社会に漂う息苦しさを痛感する部分もありますね。私が大学生になって入った和敬塾とかも日本的なしょうもなさ、同化できない奴は出て行け、しかない阿呆な集団でしかありませんでしたし……。(前近代的な世間で止まっているからどうしようもないんですよね)
作中に出て来る大人たちもあまりしっかりしていないし、無責任でもあるのですが、実際にそういうのって巷間に満ち溢れていますので……この続きでどう話が展開するのか、全7巻の作品ですし、きっちり読みたいですね。

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2022年09月26日

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聴覚障害を持つ少女・西宮に、石田が出会う。周りの友人は少しずつ大人になっていく中、退屈な日々を打開するために西宮に興味を持ち、限度を知らないイジメを行いながらクラスの中に西宮の「存在感」「居場所」を作り上げていく。しかしいくつも補聴器を壊すなど行き過ぎたいじめに学校が動き始めた途端、担任もクラスメートも石田から一気に離れていき、反対にいじめの対象となってしまう。やり場のない怒りを西宮に暴力でぶつけ、西宮は転校。それを機に石田は西宮から守られていたことに気づくが、卒業まで‥いや、進級した中学生活まで元クラスメートに奪われてしまう。孤立したまま石田は高校3年生を迎え、人生の悔いを残さないために補聴器代を母の枕元に置いたあと、西宮に会いにいく‥そのまま罪を抱えて死ぬことを考えながら‥

純粋が故に残酷さを見せる子どものいじめとはいえ、間違いなく好奇心をこじらせすぎたいじめだったし、それでも耐え続けた西宮にも心の闇を感じる。いじめられても泣かない、相手にし続ける彼女の心には何があったのか?
東京オリパラ開会式で話題になった事件を踏まえながら読むと、一度でもこういったことをした人が更生の余地があるのか、周りが赦す余地はあるのか、考えさせられる。

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2022年03月02日

Posted by ブクログ

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イジメの被害者/加害者/まわりの人の心理描写が綿密に描かれたお話。

可愛らしい絵柄ですが、イジメの描写は読んでいて辛くなるほどリアル。無邪気に残酷です。

繊細な心の機微が丁寧に表現されていて、読んでよかった作品。



ただ、川井だけは本当に気持ち悪かった…
自分を責めることが多い主役2人、悪意を自覚して真っ直ぐな植野に比べ、
川井は自分が損をしないように立ち回り傍観し、何かが発覚すれば自己保身に。

直接イジメに関わってないように見えて「自分はやってない!自分は悪くない」の一点張りの彼女でしたが、まわりにバレないようにイジメをしている描写があります。
音楽発表会の練習で歌う時、耳の聞こえない西宮の隣でわざと口パクをして、西宮の歌うタイミングをずらしたシーン。


誰が悪い、誰が正しいということは難しいですが、いろいろと考えさせられる作品でした。

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2021年08月17日

Posted by ブクログ

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映画に感動したので原作を読んでみた。
今のところ、単純に将也には共感できない。自分が楽しいから、手間がかかってめんどくさいからクラスメートを攻撃してもよいって、最低でまんま苛めっ子の心理じゃん。それがホームルームがきっかけで将也が攻撃対象になったとき、そういえば、子供の世界はそうだったな、と思い出した。正義も理念も関係ない。自分を守らないと攻撃されるから攻撃する。野蛮で卑劣な小さな世界。どんな理由も、歪な攻撃の正当化はできないが、それが相手の一生に大きく影響しうる不平等。…もっと広い世界があると、死を選ぶ前に知れたらよいのに。

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2020年08月22日

Posted by ブクログ

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【あらすじ】
「俺は彼女が嫌いだった」――明るく! 楽しく! 大冒険! がモットーの少年、石田将也(いしだ・しょうや)。耳の聞こえない転校生の少女、西宮硝子(にしみや・しょうこ)。2人の出会いが、教室を、学校を、そして将也の人生を変えていく――。余りにもみずみずしい青春のカケラたち。最高に切なく、心ゆさぶる物語が生まれました。

【感想】
いじめる側の卑劣極まりない行為、いじめられる側の泣き叫びたくなるような苦しさ。そんな許せない、そして苦しい気持ちが、ひしひしと伝わってきた。その苦しみを味わっているのが、まるで自分のことのように思えて、読んでいて辛かった。でも、こうしていじめの現実に目を向け、逃げずに立ち向かうことも大事なんだろうな、と思った。

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2017年07月30日

Posted by ブクログ

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Eテレで偶然知ったこのマンガ。普段それほどマンガは読んでいないけれど、侮れない漫画の世界の奥深さをまた実感しました。
聾唖者が主要人物として登場するけれど、それ以上にいじめの問題の根深さを痛感。色々考えさせられます。
本当は☆5つ相当の作品だとは思うけれど、唯一最終の第7巻の完結の仕方がこれまでの流れからみると安易すぎてしまったような気がしたので一つマイナスしました。でも、救いのない結末よりはずっといいですが。

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2015年03月13日

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なんだか、
思ってたより、
悲しい一巻だった。

確かにありそうだよねー。
って思うところとか。

急にいじめの対象になっちゃう事とか。

怖いな。って思った。

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2023年04月01日

Posted by ブクログ

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退屈を嫌い、好奇心が強い少年・石田将也。
日々、仲間と危険な遊びを繰り返していたが、もうこんな遊びはやめにしようと言われる。
そんな時、転校生がやってくる。
西宮硝子。
耳の聞こえない女の子だった。
まるで異星人ようなで理解できない。
周りに迷惑をかけていてムカつく。
石田将也の好奇心は、西宮硝子へと向かう。


はじめて、子供の頃にある好奇心を恐く感じました。
あと、無責任な言葉があるんじゃなく、言葉自体が無責任なんだなと。

周りと違う人、違うことをする人。
一緒になってしていたことでさえも、ひとりに責任を押し付け、新たに違う人を作る。

内容が思っていたより、リアルでした。
次巻予告にある伝えたい言葉って何だろう?

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2016年12月10日

Posted by ブクログ

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耳が聞こえない少女と
いじめっ子の少年のお話

人間の心理って複雑だな

いじめはした方は覚えてないけど
された方はずっと覚えてるんだよね
でも小学生とか中学生って
きっと間違うんだと思う

もちろんいじめは許されないけど

強くならなきゃって思う

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2015年06月21日

Posted by ブクログ

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モヤモヤする。なんだろう、この嫌な感じは。将太もしょうこも先生もクラスメイトもみんな嫌だ。おかしいし、気持ち悪い。でも、何かが変わっていこうとしてるから、どうなるか知りたい。

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2015年03月01日

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