【感想・ネタバレ】雄気堂々(下)のレビュー

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日本産業界の父と言われた渋沢栄一翁一生を描いた長編小説。
若かりし頃、若気の至りで憂国の志士として高崎城乗っ取りを計画するが挫折。
知恵と努力と誠意で大成し大人物として育って行くが大河ドラマ「青天を衝け」にて詳しくドラマ化されましたが原作はこの城山三郎版の渋沢栄一だと思われます。
平岡円四郎、徳川慶喜との縁から、徳川昭武公のフランス留学に付き添い自分の道を切り開いて行く。
海外留学で学んだ事を元に、姑息な事はせず正々堂々と自分の考えで世の中を渡って行きます。
大隈重信、井上薫、伊藤博文等明治の元勲の知己を得て国づくりの神として体制づくりで活躍後、民業に出て日本産業の近代化に多大な貢献をした。
自分を曲げない強さを持ちながら私欲に走らず、公の利益を考えて行動するスタイルで多くの人から好かれ、非常に大きな事を成し遂げた渋沢翁の生き方に憧れます

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2024年03月22日

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大河ドラマを見終わるまで読まない、と決めて、いざ読み始めた本書。頁ごと、大河ドラマの映像が勝手に脳内に流れてきた。

閑話休題。著者の、主人公との絶妙な距離の取り方は見事。山崎豊子氏のように、必要以上の感傷を感じさせず、かといって突き放したような感覚は受けない。

それにしても渋沢栄一はいつ眠っていたのだろうか。。。

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2022年06月02日

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NHK大河ドラマを見た後、渋沢栄一のことがもっと知りたくなって手に取ったもの。TVより理解が深まった。

以下、著者「あとがき」からの抜粋となるが、「一農夫」が、その語の動乱の中で成長し、愛誦した詩の一節のように「優気堂々」の人生を志す物語。ひとつの人格形成の物語であると同時に、国家形成、時代形成の、そして、組織形成の物語ともいえる。

日本の明治維新、そして明治時代は世界史的にも奇跡的な社会改革であり、その中でも渋沢の存在はそのタイミング含め要となるものであったと、強く感じた次第である。

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2022年04月10日

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武州血洗島の一農夫から攘夷の志士。そして実業界の父へ。渋沢栄一の波乱の生涯を追った描いた長編歴史小説。

武州の一農夫渋沢栄一は尊皇の志士から一橋家に取り立てられ幕臣。洋行の後、明治新政府に出仕するまでが上巻。

下巻では、渋沢が明治政府に仕え 銀行の創設や合本会社(現在の株式会社)など民間企業の育成に努める。井上馨、大隈重信、江藤新平、大久保利通、西郷隆盛など登場。渋沢の評伝であると共に明治初期の政治、経済の歴史ともなっている。

三井、三菱などの後に財閥となる商店との戦い。横浜での外国商人との争いなど維新の前後を通じ渋沢の正義感と合理的な行動は変わらない。

やがて野に下り第一銀行の頭取や商工会議所の会頭として企業の育成に励む渋沢。大蔵喜八郎や浅野総一郎など三井、三菱とは別の起業家も現れる。

そんな渋沢を支え続けた妻千代の死で本書は唐突に終わる。もう少し話を続けてほしかったとの印象が残り。ちょっと残念。

一橋家の立場から描いた幕末。政府からは離れた立場から見た明治新政府。他の城山三郎や評伝に負けず劣らず楽しめる作品。

渋沢の功績は数多いが、城山三郎の出身の一橋大も渋沢の創設した学校が前身だとか。

銀行、ビールから紙など渋沢が創設し現在まで続く事業は数知れない。日本実業界に渋沢栄一の存在がなければどうなっていたのだろう。

筆者ならではのエネルギッシュな人物と財界が魅力の作品でした。

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2021年06月26日

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上巻とは違い血が流れることはないものの、「八百万の神」との対決が次々に起こりハラハラしました。「人を殺したり傷つけたりする衝突でなければ、衝突そのものは決して無意味ではない。」というフレーズの通り、泰然とする渋沢栄一に感銘を受けました。論語と算盤を愛読していますが、渋沢栄一の半生を知ることができ違った感慨を持てそうです。

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2021年05月05日

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最後の物語の展開は早かったが、渋沢栄一の人生と、日本の動きが連動しているダイナミックな動きを感じることができた。

自分を生かしながら、人を信じ、人のために生きるとはどういうことなのか。
私も常にその視点を忘れないように生きていきたい。

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2021年02月06日

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勇気堂々、斗牛を貫く
人格形成、国家形成、時代形成。
八百万の神達、神計りに計りたまえ。
やろうとしていることは、すべて知識も経験もないことばかり。わからんものが智慧を出し合い、これから相談してやっていこうとしている。
いつの時代も混沌としているから先例は役立つ。しかし全てではない。知恵と勇気を持って生きていこう。

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2021年01月17日

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「日本資本主義の父」とも称される渋沢栄一の伝記的小説。しかし、ただの伝記的小説ではなく、良質の幕末・明治維新を巡る青春群像劇であり、著者が「あとがき」で述べているように「ひとつの人格形成の物語であると同時に、国家形成、時代形成の物語である。あるいは、組織形成の物語ともいえる。」
そもそも一農夫であった渋沢栄一が、過激な志士、徳川慶喜の家臣、幕臣、大蔵官僚、実業家へと転々とする人生を送っていたことを、本書を読んで初めて知ったが、その波乱万丈の人生自体が面白い。そして、著者の読ませる文章がそれを引き立たせている。
また、いずれの脇役もなかなか魅力的で、時々脱線しながらも、様々の登場人物を深掘りする描写も悪くない。
そして、本書で紹介されている、渋沢栄一の「精神だけではだめ、実が伴わねばうそだ」という考えや「やりがいのあるたしかな仕事がなければ、自分でつくり出せばよい」という姿勢などについては、生き方として参考にしたいと思った。
上巻の最後で出てくる、渋沢栄一が大隈重信から「八百万の神々の一柱」として大蔵省への出仕を説得され、渋沢栄一もそれに感化されるというエピソードが、一番心に残った。

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2019年10月12日

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「八百万の神々の集い」
これは幕末や維新の時代だけでなく
また国政や実業会だけにあるものではありません。
今置かれた時代や与えられた仕事の中でもたぎる熱い思いを持つものが集まればそこには「八百万の神々の集い」が生まれるものと思います。
まだまだ柱の1つになるには実力不足ですが精進していこうと思います

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2016年05月27日

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商人の角度からの明治維新がわかります。

渋沢栄一の凄さの触りはわかりますが、
もっと、他の本も読んでもっと、
渋沢栄一、
そして、
資本主義の始まりについて勉強したいです。

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2013年02月07日

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一気に読めました。人の浮き世をまざまざと見せてくれ、その中で渋沢栄一の生き方には経済人としてなを残した「格」があります。
現代社会においてこうした人物が出てきてくれることを切に願います。

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2013年01月28日

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渋沢栄一が主人公ではあるが、岩崎弥太郎、井上馨、大隈重信、徳川慶喜なども登場し、江戸末期から明治の始めの、所謂強い日本人を我々に教えてくれている。

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2012年11月25日

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明治政府の高官として採用、下巻では洋行を経て若さだけの彼は過ぎ去り、老練という表現が相応しい存在となる。明治の元勲に負けず劣らずの行動を経済界で示し、上巻とは違って経済小説が得意な著者の本領発揮されている。明治時代に活躍する偉人がたくさんでてきますし、青天を衝けでとりあげられたエピソードもいっぱいでてきます、大河ドラマと比べると1エピソードあたりのツッコミは深かったり浅かったりさまざま。妻千代がコレラであっけなくなくなった時点で小説は終了。青天を衝けが気に入った人は復習の意味で読むと面白いでしょう。

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2022年02月04日

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下巻は、明治新政府で改正掛を立ち上げ、建白書を次々と提出し、改革の先鋒となる渋沢栄一の活躍が描かれる。
対立する者の意見もよく聞き、調停の名人であったが、ぶつかる壁も厚かったようだ。
大久保利通と衝突し、栄一に国造りの神々となってほしいと頼まれた大隈重信とも意見を異にするようになる。
合本主義の夢を持ち続ける栄一は、その実現のため三菱や外国商人とも対抗し、その闘争心が尽きることはない。
渋沢栄一の人間形成の物語であるとともに、近代日本の形成であり組織警世の物語でもある。
若き日本が鮮やかに描き出される本書は、老い停滞感が漂う現代に多くのことを投げかけてくれる。

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2021年10月06日

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渋沢がいよいよ政府へ役人として勤めるところから始まる。政府内での対立もあり、結局民間へとうつるが活躍ぶりは変わらない。一方でその一因となった江藤は佐賀の乱をおこし処刑され、政府を去った西郷も西南の役で自害する。いかに優秀であっても判断の誤りや行動の一つ一つによって運命が決まっていくさまをみた気がした。渋沢は人情の人であり、それも影響したと思う。
上下巻を通して渋沢の行動力もだが交渉力、仲裁力は素晴らしいなと思った。特に生糸貿易における外国商館との戦いでは、連合生糸預所構想を推し進めながらそれをやめるのを条件に不平等な条件を改正するという名を捨て実をとることに成功する。ここに本質を捉えて、行動できる渋沢の素晴らしさを一番感じた。手本にしたい。
普段の仕事で自分もこれができたらと思うが、捨てるほどの名もないのに中々難しい。4.0

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2021年08月03日

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血洗島の一農夫が藩閥が闊歩していた幕末維新の時代に近代日本を築く指導者になり得たのか、万博に伴うフランス派遣でいち早く進んだ西欧文明に触れられたという時の運もありますが、論語と算盤に表れている渋沢の精神性が人を引き付け、事業の多様性や社会性を産み、また、合本主義がより合理的な経営スタイルとして日本の近代化に繋がったものと思います。岩崎が個人の独占利益を貪る人物だとは、驚きでした。大河ドラマがこのストーリーをどの様に描くのか楽しみ。

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2021年06月05日

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上巻の終わりで、大隈重信の云う「八百万の神々の集い」に入ることを請われ、その中に入って新政府の高官として活躍する所から始まる下巻。明治新政府の血生臭い政治の世界に嫌気がさし、経済界で生きる中でかねてよりの夢である「合本組織(株式会社)という組織作りに突き進む姿が描かれる。
それにしても、幕末維新の所謂有名人である慶喜・西郷隆盛・大久保利通・大隈重信達とこれだけ絡んで日本の産業振興で大活躍した人物なのに、これまで殆ど知らなかったとは。

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2021年02月18日

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フランスから帰国後、明治政府の招きで大蔵省に。だが、藩閥の対立から野に下り、かねてからの夢である合本組織(株式会社)を創り上げる仕事に。いずれの藩閥にも属さない渋沢がいかにして、維新の元勲と肩を並べる最高指導者になって行ったのかを描く大作。

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2020年12月18日

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渋沢栄一というと、

聞いたことはあれどなにをした人かは正直よく知らなかった。業績は多岐にわたるが、

第一国立銀行のちの第一勧銀を設立したのが一番の功績なのだろうか。


この本は渋沢栄一の生涯をなぞった小説だが、


農家→尊王志士→徳川家に士官→大蔵省完了後→民間で事業に携わる


といった生涯の変遷に驚く。

これだけ立場を変えても人々に慕われて尊敬されたのは、よほどの能力と人柄があったのだと思う。


本の一節に、


志を心の中に立たせるのは容易い、

実際にどうやったら立つかを考えないと意味がない。


というような内容がある。


彼の一生はそれを追求した結果として、

立場がころころと変わることになったのだろう。


城山三郎さんの本なので内容はいつものようにお墨付き。新紙幣一万円の肖像となる渋沢栄一について知りたければぜひ。

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2019年06月25日

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渋沢栄一の半生を描いた本。
下巻は明治維新以降の話だった。

慶喜に仕えていた栄一が才能を買われ官僚の仲間入りをし、自分の地位を守るために人を殺したり争いをしている周りに嫌気がさし、民間人として銀行業を始めることになった。
どんな状況でも柔軟に対応しながらも、世の中のために働く信念は曲げず貫いていた
確立された地位を築いてからも分け隔てなく人々の意見を聞き、みんなが納得するところへ話を落ちつかせる仲介役ばかりになっていた。

私利私欲のためでなく、世のためにと思うからこそ行える数々の偉業に見習うべきことがたくさんあった。

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2018年07月03日

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●2018/5/1
再読。
なんだろう?
城山にしてはおもしろくない。
両渋沢のキャラクターは好きだわ。

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2018年05月02日

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ネタバレ

一人の農夫の視点から始まる、多くの事業を手がけた渋沢栄一の生涯の本。
幕末から明治まで「あぁ、こんな時代であったか」を感じることのできる小説です。
それにしても金をやる(寄附)ならきちんと成果を出す、という考えは本当にそのとおり。

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2015年04月25日

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下巻は経済小説の面白み。
外国人との経済対決や三菱との競争、明治新政府の政争に経済も翻弄される様など、分かりやすく簡潔に書かれ、引き込まれる内容だった。

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2014年08月25日

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明治の経済人、渋沢栄一の立身伝。幕末から明治にかけての偉人と言えば坂本龍馬が一番人気で西郷隆盛らなどがそれに続くのが一般的だが埼玉の農家の跡継ぎから立身を夢見て江戸に出て紆余曲折を経て一橋慶喜の家臣になりその才能を見込まれ明治政府でも手腕を振るうようになる渋沢栄一。その後、下野し近代革命後の日本の経済を形作っていく。現実的な意味で有名な幕末の革命家たちより経済大国として世界に肩を並べるようになる日本が誕生するために最も尽力した人物なのではないだろうか。

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2013年03月05日

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NHK大河ドラマの原作ということで読んでみた次第。

渋沢栄吉生涯の伝記かと思っていたが、実際は妻千代との結婚から千代の死までの期間の話が書かれていた。

勤皇の志士として立ち、一橋家の家臣となり、幕末の動乱の中を生き抜き、慶喜謹慎ののちは主君に従い静岡で静かに生きることを決意しながら、新政府から請われて行政に力を発揮。新政府の権力者間の勢力争いに翻弄されながらも富岡製糸場の立ち上げ、大阪の蚕産原料を巡る外国公館との対決とその手腕を発揮する。

非凡な先見性、行動力を読むにつけ、彼の偉大さを改めて確認できた。生涯を総括した本が読みたくなった。

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2021年05月13日

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来年の大河ドラマの主役渋沢栄一の、青年期から壮年期までを描いた作品。
もともと新聞小説だったらしいが、新聞小説にありがちな散漫な作品になってしまった。上巻では栄一の妻との関係にかなりの部分が割かれているのに、下巻ではほぼ出てこないとか。
あるいは下巻ではいきなりキーワードとして八百万の神という言葉が多発されたり。
まあ来年の大河ドラマの予習という感じではよかったかも(実際オリジナル脚本とはいいながら、この作品を下敷きにするのだろうし)

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2020年10月31日

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渋沢栄一の生涯。幕末から明治にかけて混沌とした時代に生き、特に維新以降、国の主導的立場にあった。かくあるに一徹でなく、人の意見を聞き、考え方を柔軟にできることが条件のようだ。その意味では、洋々たる人生でもなく、本書であまり良く扱われていない大久保や大隈、岩崎のように敵も多く苦労したことだろう。下巻では、途中、史実の羅列が続き退屈な部分があったが、まもなく紙幣の顔になる翁の活躍を存分に知ることができた。2020.1.15

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2020年01月19日

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上巻からどのような展開になるのかと思って期待していたが、割と可もなく不可もなしと言うのが感想だ。
自分としては経済人としての渋沢栄一をもっと書き込んで欲しかった。

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2019年08月10日

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日本で初めて銀行を設立した経済人、渋沢栄一の半生

幕末から明治の移り変わりの激しい時代に、
いくつもの転機を的確な判断で渡り切った偉人。
コロコロと立場を変える人、とも言える。

けれど本人は、人がどう思うかを気にかけることはなく、
志を変えることなく貫いていた。
ただひたすら、日本の未来を考えていたのだろう。

この人が居なければ、日本は植民地になってしまっていたかも知れない、
と思うのは考えすぎだろうか。

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2013年07月30日

Posted by ブクログ

「八百万の神々」の一柱として、明治政府の改革、組織作りをする過程での、井上馨、木戸孝允、大久保利通などとの絡みが面白い。
いかに公心を持ち、話を進めていくかが大事だし、今の世と同じく上司との関係が極めて重要。
個人独裁組織を目指す岩崎の三菱と、合本組織を目指す渋沢との血で血を洗う争いは読み応えがある。哲学が違う。

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2012年10月19日

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