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人の心
統合失調症をはじめとして、心の病とされるものに対して、自分の中にも偏見はある。患者、医師、社会の有り様に迫ろうとした、作者の意志に凄みを感じる。
これは!
この精神病棟シリーズは、必読です。 いざというときに、この情報を知っていれば役立ちます。 このテーマは、40年以上前に朝日新聞記者が体験ルポしたものを下敷きにしています。 大熊一夫さんです。 その後、「精神病院を捨てたイタリア 捨てない日本」も発表しました。 私は、このテーマにまったく何の関心もなかった頃、親戚の子どもさんが、スコットランドに留学中にうつになりました。
風評被害と覚悟
一部ご紹介します。
・「この後世界がどう動いていくか分かりますか?男には精神科の入院歴があるようです。テレビでは既にこのことを繰り返し報じています。今後、事件は精神障害というキーワードと共に語られていくでしょう。ワイドショーにはマスコミ受けのいい精神科医が登場して、実際には診察もしていない男の心理を無責任に語るはずです。それらのニュースをみた人たちは、精神病患者は怖いと思うかもしれません。なぜそんな危険人物を野放しにしたのか、という意見が出てきます。精神病患者が全て犯罪者予備軍であると考える人も出てくるでしょう」
・「精神科の治療の基本は薬です。きちんとした投薬治療を受けていれば、症状はある程度抑えられます。治療を受けてさえいれば、精神病患者の多くは危険な存在ではないんです」
・「結局、患者を差別しているのは、まずは医者なんですよ。見せるべきじゃないと思っているんです。”こんな狂ったモノ”はね。本当に差別をなくしたいのなら、血を流す覚悟が必要なんです」