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Posted by ブクログ
ブチャラティが7歳の時、両親は離婚した。
その際2人は、両親のどちらへ付いて行くかを息子本人に決めさせることにした。
本人に決めさせると言いながら、自分と来るよう誘導する母親。
それに気付いていたものの、子供は母親と一緒の方が良いだろうと何も言わない父親。
けれどブチャラティは父親と一緒にいることを選択する。
母親は驚いたが、同時に理解していた――自分はこの離婚から立ち直れるが夫は過去を引きずりダメになってしまう、そして息子は「一緒にいてやらなければいけないのは父親の方だ」とわかってこの選択をしている――それが生まれた時からの性格なのだということを。
母親は息子を誇りに思うと同時に、この「人の悲しみを知りすぎるやさしさ」が彼の人生を不幸なものにしなければ良いが…と危惧する。
ブチャラティ母にグッとくるよね。
母は息子を愛していたし、息子も母が大好きだった。
父と田舎の漁村で暮らすより、母と都会に出ていい学校に行っていい暮らしをすることが彼の望みで、幸福だと、確信していただろう。
けれど息子は父を選んだ。
半ギレして強引に連れて行っても無理はないところだと思うのに、そうはせず、心情を正確に理解する聡明さ。
そうとわかる息子への愛情。
そして、誇るべき息子のやさしさがいずれ彼を不幸にするのではないかと、行く末を的確に案じることができる明晰さ(実際この回想の直後息子さんはエラいことになる)。
なるほど、こういう母親だからブチャラティはああいう人なんだなぁ、と、非常に納得のいく親子関係でした。
あとは何か、ボスと初対面したりその直後裏切ったり胸に穴開けられたりフーゴが離脱したり水着はビキニだったり正体を暴きにサルディニア島へ向かったり、そんなん。
ブチャラティとボスの対決は面白くて引き込まれます。そして、ブチャラティの人望の厚さも良いですね。離脱者はフーゴだけだったけど、出来れば彼にもチームに残っていて欲しかったです。