【感想・ネタバレ】プロメテウスの罠 4 徹底究明! 福島原発事故の裏側のレビュー

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軍隊としての自衛隊には反感を持つが、災害時の人命救助や原発の危機対応などでのプロフェッショナルな活動には頭が下がる。救助隊としての存在意義をもっと強調して、人材を育てていってほしい。

原発事故直後のアメリカの情報分析、判断は日本よりはるかに的確。責任を東電に取らせようとしてる時点で手遅れな訳だが、日本政府の足並みの悪さは保身からくるものか。

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2023年11月23日

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福島原発事故のルポルタージュ第4弾。この巻でも事故後の様々な側面が描き出される。弱者ほど避難から取り残されること、また功罪の判断は難しいが町ごと埼玉県に避難した双葉町のことなど。もっとも生々しいのは自衛隊の中央即応連隊による一連の活動だろう。私たちはそもそもそういう部隊の存在すら知らなかったのだが。高濃度の放射線の中を偵察に向かった、中央特殊武器防護隊の6人が3号機の爆発に巻き込まれて負傷、被曝。またヘリ団による3号機への空中放水など、いずれもまさに「決死の覚悟」のもとに行われた。

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2013年10月02日

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第21シリーズ「遠野ショック」、第22シリーズ「また年を越す」
原発事故、広範な放射能汚染、その実像が被害を被ったひとりひとりの人生を見つめることで浮かび上がる。放射能汚染が覆った地域には、たくさんの人が人生をかけ情熱を注いで作り上げてきた家業や生活があった。畜産にしろ、食品加工にしろ、その土地の自然と結びついた生産活動だけにそのダメージは大きい。一つの事故がもたらす影響が余りにも甚大、そのリスクを抱えながらも私たちはまだ原発を持ち続けるのか。
第23シリーズ「日本への不信」
米国の危機感に答え、日本政府がこの事故の収束に向けて積極的に対処する姿勢をみせるために、あの自衛隊ヘリからの放水が行われたとしたら、被曝をさせられた自衛隊員はたまらない。本当にあの時点での原子炉の冷却に効果はあったのか。
1979年スリーマイル事故について、「そのとき、対応は事業者任せで最初の1週間ほど混乱した。米国はそれを教訓に危機管理を組み立て直した。日本も同じように改善するだろう」という元米国務省日本部長ラスト・デミングの言葉。汚染水流出問題に見ても、スリーマイルよりも深刻な事態にも関わらず、”事業者任せ”で汚染の拡散を止められずにいる。反省は活かされていない。

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2013年09月17日

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遠野の牧草にまで降り積もる放射能。双葉町の全村避難。自衛隊の奮闘、取り残される障害者。原発事故の様々な断面が辛い。

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2013年05月29日

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朝日新聞を初めとした各マスコミの姿勢には納得しがたいものがある。ただこの本はどうすべきだったかを離れて、現場で何が起こっていたかを現場のさまざまな人達からの視点で描かれていて、今回の震災の実態をある面から浮き彫りにしてくれていて大変参考になります。
マスコミとしてどうすべきだったのかという自己反省の部分について巧みに避けているというのは気になるが、だからこそ書けている部分もあるのかなあとも感じるものです。

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2013年04月28日

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本書は朝日新聞紙上にて大反響を巻き起こした福島原発事故を追った連籍を書籍化した第4弾です。 被災地に残った人間達の葛藤や、米軍横須賀基地、更にはワシントンの混乱振りや日本への不振が記されております。

『3.11』の東日本大震災と時をほぼ同じくして発生した福島第一発電所の深刻な原発事故。その経過と地元である福島県の『その後』を追い続けた朝日新聞の連載企画第4弾です。

ここでは非難が困難であった障害を持った人に対する取材や、災害時の弱者を救うための個人情報の取り扱いに関する緊迫感あるやり取りが最初に収録されていて、この事件が残した教訓の重さを思い知らされました。

更には柏崎からさいたまに被災した人々やその行政側の混乱。複雑な思いに引き裂かれる被災者の心情は本当に痛切でございました。その一方でアメリカ側の日本に対する事故の対応への不信が本当にシビアで、
『事故が悪化すれば、東アジアの重要拠点である横須賀基地が使えなくなるかもしれない』
という考えの元に判断を下し、さすがはアメリカの核に関する危機管理がハンパじゃないなと思うとともに、彼らの思考が良くわかってとても面白かったです。

そして、事故を『収束』するために動いた自衛隊の専門部隊などの話もあり、『彼ら』の生々しい人間的な姿と、任務に対するその姿勢はとても印象に残っております。

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2013年10月08日

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 シリーズ第4弾。今回は障害者の避難、アメリカ・自衛隊の対応等がテーマ。自衛隊の苦労、頑張りがよくわかる。それにしてもやっぱり”情報”が大事。

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2013年10月07日

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東京電力福島第一原発事故から2年経ち、本シリーズもとうとう4作目。
放射能汚染により故郷を奪われた被災者の悲劇と、事故直後のスリリングなエピソードの、両軸によって繰り広げられる。
今回の白眉は「日本への不信」。事故直後の東電任せの日本政府の対応に業を煮やしたアメリカ政府が「英雄的犠牲」を示唆するくだりに、あの頃のなんともいえない苛立ちが蘇る。そしてその状況が今も変わっていないことを思い、深く落胆。

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2013年06月18日

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