【感想・ネタバレ】プロメテウスの罠 3 福島原発事故、新たなる真実のレビュー

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Posted by ブクログ

三春町の自治力が素晴らしい。
日頃から国などへの忖度や依存ではなく、いかにして住民を守るかを第一に考えていないと出来ないこと。
当然と云えば当然の自治力が、今どれだけ地方の市町村にあるだろうか。

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2023年11月06日

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原発事故は日本人に何をもたらしたのか?人気連載の書籍化第3弾です。早くも風化の兆しが見え隠れする中で、放射能汚染という目に見えない『恐怖』のために引き裂かれていく地域や人々の様子を描いております。

朝日新聞紙上で大反響を起こしている連載記事の書籍化第3弾です。ここに収録されている内容は、2012年6月9日から2012年10月22日(第13~18シリーズ)までのものなのだそうです。僕はリアルタイムでこの連載を見てはおりませんが、書籍化されたものはすべて目を通しているので、震災、原発事故後の「フクシマ」の刻々と変わっていく様子は目を離さずにいるのではないかと思っております。

本書が刊行された2013年の時点で、2年の歳月が流れており、早くも風化の兆しが見え隠れしているのですが、現地での生活は破壊されたまま元には戻らず、放射能汚染に関する恐怖から地域が、家族が、分断されていく様子が気鋭の記者たちによって浮き彫りにされていきます。


第十三章では、医療体制のままならないまま奮闘する病院を取り上げ、被災地における地域医療を再生させるのが以下に困難かを記し、

第十四章では原発危機のさなか、自治体の判断で、『安定ヨウ素剤』の服用を決断するという緊迫した会議の様子が描かれていて、ギリギリの状況下で『決断』を下さなければならないという『苦悩』が
映し出されておりました。

さらに第十五章では途方もない規模の除染をめぐっての話で、作業そのものが住民の負担にゆだねられているという現実や、後手後手に回っている行政当局の施策。住民の轟々たる怒りをまるでサンドバッグのように受け止めながら説明に回る担当者が印象に残っておりました。

第十六章の『カワセミ日記』では原発から33キロという飯館村の長泥という区域で水戸市に住む写真家の関根学氏の撮影を通して、崩壊していく地域と、それにもかかわらずあくまで美しく残っていく自然との対比が描かれ、本当に読んでいて胸が詰まるくだりでありました。

第一七章の『がれきの行方』では震災によって発生した途方もないがれきの処理をめぐっての話で、『広域処理』にこだわる環境省との攻防や、放射性物質拡散の恐れが処理を遅らせているという話も、本当に考えさせられるものがございました。こうした検証記事が書籍化され『3・11を忘れない』ということで後世に残っていくことを僕も切に願っております。

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2013年08月23日

Posted by ブクログ

30キロ圏外の飯館村、ヨウ素剤を飲用した三春町、瓦礫の広域処理、NUMOの核廃棄物処理。バブルで買ってしまったリゾートマンションのような手詰まり感に疲労を持ちつつも、福島を知り続けるためには誰もが読むべき連載。

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2013年10月02日

Posted by ブクログ

原子力事故の淵源、周辺をおう朝日新聞の人気連載の
単行本化 三冊目。


中央官僚が 電通や博報堂を使って民意をコントロールしていることが

よくわかる。

地方自治体の公務員が被災者によりそい 七転八倒するのと対象的。

放射性廃棄物の処分地候補地探しだけでも
大金が動くのが印象的。

政治家に脱原発をやらせないと
この国の未来はない。

官僚は言われたことをやっているだけだ。

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2013年02月18日

Posted by ブクログ

新聞連載の書籍化第3弾は、福島県広野町の高野病院の奮闘から
始まる。原発から22kmに位置する高野病院は、福島第一原発の
1号機が爆発したあとも、入院患者を避難させることなく入院医療
を続けた。

勿論、避難するよう勧告もあった。病院を訪れた警察官からは「なぜ、
ここにいるのか」と強い言葉で言われている。だが、動かせない患者
もいる。実際に被災地の他の病院では避難の際の長時間の移動中
に亡くなった方もいた。

この高野病院のケースが突き付けるのは、被災地での地域医療
継続の問題だ。住民が帰還するにしても、病院が必要になる。
だが、「福島」というだけで看護師等が集まらない現実がある。

福島県三春町は原発から西に45kmに位置する。原発立地自治体でも
なく、自治体職員も放射能に対する知識はなかった。

しかし、大熊町からの避難住民を受け入れたことで、住民につき添って
来た大熊町職員が集めていたデータから放射性物質が自分たちの町に
も危険を及ぼすことを悟る。

政府はSPEEDIのデータを公開しなかった。海外の放射能観測機関の
拡散予測を参考に、風向きを確認して全町民にヨウ素剤の服用を
促した。これがのちに、県やマスコミから批判されるようになるのだが。

他にも除染の問題、核廃棄物の地下保存施設の問題を扱っている。
マスコミもそうなのだが、原発の安全神話に加担した戦犯として
批判の矢を浴びてもおかしくない広告代理店なのだが、誰も批判
しないんだよね。

電通、博報堂、東急エージェンシーの有名広告代理店は原発安全
神話で大儲けした上に、今度はがれきの広域処理や除染でも
大儲けしている。

環境省ががれきの広域処理の啓蒙の為に、日刊紙に全面広告を
打ったことははっきりと覚えている。これも広告代理店が絡んで
いるし、被災地にオープンさせた除染プラザも環境省が電通に
丸投げ。

いつ終わるとも知れぬ避難生活を送っている人たちを尻目に、
二重三重に甘い汁を吸っている奴らがいる。それは、財政難の
自治体に核廃棄物の地下保存施設を作らせようと暗躍する
有象無象の奴らと同じじゃないのか?

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2017年08月18日

Posted by ブクログ

朝日新聞の人気ドキュメンタリーの第3弾。このシリーズを読むために朝日新聞を取ってるという人もいるほど。

福島原発事故において唯一住民にヨウ素剤を配布し服用指示を出した三春町。町長と職員の混乱と苦悩を描いた「吹き流しの町」は読みごたえがあった。事故から半年の後、担当課長が住民からかけられた「子どもたちを救ってくれてありがとう」の言葉はグッときた。
それに引き換え「カワセミ日記」での原子力災害現地対策本部、福島県、原子力安全委員会のぐだぐだぶりといったらない。
核廃棄物最終処分地探しにまつわるエピソード「地層をねらえ」は、産廃同様に胡散臭い話ばかり。六ヶ所村での再処理は困難を極め、最終処分地のメドが全く立たない。日本の原子力政策は、バックエンドの問題にて完全に破綻していることを思い知らされ、気が重くなる。

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2013年05月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 シリーズ第3弾。 朝日新聞に掲載されている時は読まないけど、こうしてまとめられると、つい読みたくなる。 淡々と書かれているのがいい。
 とくに飯館村の長泥のはなしはつらい。原発から30km以上離れていて、それでも放射能の影響を受け、しかも距離のため、当初十分な避難もできなかった。そして今になって、危険区域になり5年間立ち入り禁止。原発、国、県に翻弄されまくり。将来の健康、生活を考えるとつらい。 考えさせられた。

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2013年05月01日

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