【感想・ネタバレ】アンソロジー 舞台!のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

舞台をテーマにした5作の短編。
舞台を見る人なら、いろいろとわかる!と思うことあって楽しく読めると思う。

『ここにいるぼくら』
2.5次元舞台に出演することになった主人公。しかし、その役はシリーズもので、彼はいわゆるキャス変だった。
いやー、2.5のキャス変は私も経験あるからわかるなー。(見る側だよ、もちろん)演者側からの立場として読んでて面白かった。

『宝石さがし』
バレリーナと衣装デザイナーの話。
舞台の衣装って、いろいろなことを考えて作られているのと同時に、演者にとってはその役になるために、舞台に立つ上ですごく大切なんだなって感じた。2人の関係性がとても素敵だった。

『おかえり牛魔王』
本音を我慢している派遣社員の主人公と新しくやってきた空気を読まない派遣社員。新しく来た派遣社員はアマチュア劇団で指導をしていた。
その劇団にいる女の子がよかったなー。普段は大人しいけど舞台ではガラッと変わる感じ。演劇を通して本音で生きることの大切さを感じた。

『ダンス・デッサン』
役者の主人公はいつもアンサンブルで出演していた。ある日名のある役に抜擢されるが、自分でいいのかと葛藤する。
舞台は非日常。私も舞台を見て明日からも頑張ろうっていつも思う。

『モコさんというひと』
舞台を見る人なら一度は経験あるんじゃないかと思う、チケット譲渡。このお話はチケット譲渡で出会ったモコさんが最近SNSで推しについて投稿しないのを不思議に思っていた主人公が、再びモコさんからチケット譲渡してもらうことになった。

チケット譲渡って、基本はその一度きりの関係のことが多い。そんななかでモコさんのような人と出会えるって素敵だなと思った。

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2024年05月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【収録作品】近藤史恵 「ここにいるぼくら」/笹原千波 「宝石さがし」/白尾悠  「おかえり牛魔王」/雛倉さりえ「ダンス・デッサン」/乾ルカ  「モコさんというひと」

どれも舞台に引きつけられる人たちの話で悪意を持つ人が直接的には出てこないのがよかった。
演じるほうの覚悟も描かれていて、トップスターでないからこその葛藤と矜持がいい。トップスター側も、互いへのリスペクトと舞台への愛情が感じられる話ばかりで、これが現実ならいいのにね…… でも、舞台を見る側としては、そういう人間性を信じたいところもある。

「ここにいるぼくら」【2.5次元×俳優】メインキャラの一人が病気で無期限療養に入ることになり、代わりに2.5次元の舞台にでることになった琴平。2.5次元を知らなかったため、“キャス変”が、いかに大きな波紋を呼ぶか、気づかず引き受けたが、いつもと勝手が違い、なかなか舞台を自分のものにできないでいた。

「宝石さがし」【バレエダンサー×デザイナー】国際結婚し、義母の会社でデザイナーとして働く恵、その友人でバレエ教師のゆり、その娘で海外のバレエ団で挫折を経験したバレエダンサー美玖。美玖の日本での公演のため、恵が衣装をデザインすることになる。
「おかえり牛魔王」【派遣社員×アマチュア劇団】空気を読まず、定時で颯爽と職場から消える美しい派遣社員・桐ヶ谷。派遣社員のとりまとめ役となっている岩間は彼女の事情を知る。
「ダンス・デッサン」【ミュージカル×劇団員】劇団に所属し、日々ミュージカルの舞台に立つ瀬木。アンサンブルに満足していたが、名前のある役をすることになり、葛藤する。
「モコさんというひと」【2.5次元×観客】2.5次元の観劇を生きがいにする真美。モコさんという人とSNSで知り合ったが、コロナ禍を経て変わってしまったように感じる。

本筋とは関係ないが、「宝石さがし」で、美玖が選んだ曲が、ファニー・メンデルスゾーンのMelodie Op.4 No.2とあるのを見て、先日たまたまファニー・メンデルスゾーンの名前を耳にしたばかりだったので、不思議な感じを受けた。

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2024年04月26日

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