【感想・ネタバレ】彼女が言わなかったすべてのことのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

このジャンルの本を久しぶりに読んでみた。
パラレルワールドなんだけど、世界線がちょっと変わっていてとても面白いと感じた。あと絶妙に散りばめられた時事ネタも。

0
2023年11月21日

Posted by ブクログ

何かを持っているかいないか(それが一般的に良いことか悪いことかは関係なく)で、一線のあちらのこちらに分断されてしまいがちな世の中で、その一線を超えようと対話すること。
それは簡単ではないかもしれないけど、対話しなければ何も始まらない。
コロナ禍を経験した私たちだからこそ、その経験をあらためて振り返らないといけないんじゃないかと思った。

0
2023年11月19日

Posted by ブクログ

どんな本も感じることはある。

パラレルワールド
選択しなかった(?)ほかの世界
そちらの人とつながるのは
村上春樹とか得意だから 私はそっちのほうが好き

がんサバイバーの話
友人にもいるからだいたいはわかる
(とはいえその人の感じかたにはとうていなれない)
普通の更年期も辛いものだよ
死と隣り合わせではないけれど
ずっと続く鬱にはなるかも で

会話の言葉遣いが好きでないので
速読に近い読み方をしてしまって
入り込めず
そして
最後もなんだか あれ? だった

0
2023年10月13日

購入済み

桜庭一樹先生のファンなので購入しました。
抗がん剤治療を行う波間はある日別の世界に住む同級生の甍と連絡先を交換する。甍の世界では大変な感染症が流行し始めているようで……。
あらすじを読むとSFの色が強いのかなと思いましたが、普遍的な生活の物語でした。パラレルワールドのひとと連絡が取れることはフィクションですが、病気や人間関係の苦しみ、異性からの視線など、共感できるもやもやした感情が描かれていて苦しくなりました。

0
2023年08月28日

Posted by ブクログ

普段の生活で、私も感じていたような
モヤモヤや言葉にできない違和感を見つめ、
自分なりに言葉にして考えていく主人公に
グッと惹かれました。

人として好き、というよりは
まるで自分の分身を見ているような感覚で
共鳴したり応援したくなるような。

私と主人公は全然違うのに
なんだか重なっても見えてきて
一緒に波間で揺られているような感覚でした。

あまりにも色んなトピックスが組み込まれていて
きっと1度読んだだけでは取りこぼしてたり、
読み込みが足りない部分が沢山あるから
何度も読み返したい作品となりました。

0
2023年07月08日

Posted by ブクログ


桜庭一樹さんの作品との出会いは中学生の夏休みに「荒野」を読んで読書感想文を書こうとしたのがきっかけでした。
それからなんやかんや今も読見続けているわけです。彼女の作品は私に合うみたいです。★★★★★★
今作もとても興味深くて楽しむことができました。

0
2023年06月29日

Posted by ブクログ

サバイバーである波間と、
パラレルワールドで生きる中川くん。
イベントの中止、ステイホーム、患者でパンクする病院。波間の世界からみる、コロナ禍を迎えた中川くんの世界はまるでファンタジーだった。

そして、彼女が言わなかった、言えなかった、
言わずにおいた、サバイバーとして感じたこと。
例えば、つらいニュースを知ったときの、
人の目に触れる反応のその奥に、
仄暗い安心や期待が潜んでいること。
そんなことありえないなんて、とても言えない。

みんな、それぞれが抱える事情をできるかぎり隠して、自分の生きる世界にむりやり嵌め込んで、なんとか日々を送っている。
見えないから、どんな言葉に傷ついて、どんなことを諦めているのか、他人にはわからない。
世界はこんなにもあやうい。

彼女が言わなかった言葉が、深く刺さった。

0
2023年05月28日

Posted by ブクログ

【更新されていく自分と自分の境界】
人からの影響、社会の出来事、環境の変化、
見たり聞いたり知ったことを自分なりに理解、想像して、自分なりの世界観ができている。自分の持つ認識の多くは無意識にも更新されていく。そして自分を動かしている。

普段は何気なく変わっていってて
忘れていってて
記憶から選択していってて
結局自分の境界はどこにあるのか
自分でもコントロールできないままに変わっていく、適応していく自分。自分と周りの関係性の不思議。
私も私たちも実は常にニューノーマルにいる、のかもしれない。

時にうまく言語化できない、自分との関係性とか周りとの関係性についての思いが綴られる。

あともうひとつ、
母親はどうしても心配する生き物なのか。
母と子、親と子の関係性も変わっていくものなのか。

0
2024年03月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ほんタメで紹介されていた本。ある事件をきっかけに主人公の波間が学生時代の友人である中川くんと再会し、連絡先を交換するが、2人は実はパラレルワールドのあちら側とこちら側にいて、、というお話。
2人(メインは波間)こ数年間が描かれるのだけど、中川くんの世界ではコロナが流行して緊急事態宣言が出たり、オリンピックが延期されたり、有名人が亡くなったり、読者の現実とリンクしていて面白い。最後には波間の世界では2024になり追い越されているのも。
波間の考えていることが、思ったままの口調で書かれるのでこちらに直接語りかけてきているように感じた。大きなドラマがなくても、淡々と続く日常でも、私たちはここに存在している、という波間の言葉がよかったな。この物語自体も、波間は病気のサバイバーであるけれど、ドラマチックな起伏はなく、まさに"波間"のような時間のまま最後まで決定的な結末で終わるのでなくてよかった。読後も色々考える余韻が残る作品でした。

0
2023年12月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

パラレルワールド側とのやりとりがワクワクして面白かった反面、いろいろ気になって仕方がない。もうちょっと、あちら側との共通点や相違点を掘り下げて教えて欲しかったな〜!
こっちの中川くんとも仲良くなったらどうなるんだろ?でも、ならないところが、良いんだろうな〜

片胸がなくなってから、無になり楽になったという気持ち。。そうか、そういう人もいるのか。
30代から40代にかけての闘病生活、本当に辛いだろうと思う。

0
2023年08月30日

Posted by ブクログ

癌サバイバーが再発の恐怖を抱えながらも社会復帰し、自分を取り戻していく様子が、特別な事は何も起こらず淡々とつづられる。言いたいことを言わず、達観していく感じ。

0
2023年08月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大きな出来事が複数起こっているにも関わらず、淡々と大きな波がなく進んで行く物語。
近年の桜庭一樹作品という感じの、緻密な物語の構成で淡々としているけれど、読者を飽きさせない。
主人公の波間がさまざまな人に出会い、日々を漂っていく。

この物語は複数のサバイバー達のその後の物語だと感じた。
病気や事件の渦中にいる時には周囲から同情され注目される。
ただ、病気が治った後や経過観察中、事件が世間で忘れ去られても当人の人生は続く。
むしろ、渦中にいるときよりも、ずっと長いかもしれない。

物語後半、「正しい被害者ってなんでしょうね…?」というセリフがある。
激昂していた優里亜(かもしれない人)から発せられる言葉だ。
この言葉でふと性犯罪に遭い果敢に裁判に挑んでいる女性に対し、批判的な見方をする人が多くいることを思い出した。
「正しい被害者」でないと、かわいそうではないのか?
そもそも「かわいそう」と当事者達は思われたいのか?
被害者は強くあってはいけないのか、加害者に挑んではいけないのか?
「正しい被害者であれ」とすること自体、セカンドレイプなのだと思う。

パラレルワールドの中川くんがこの物語のキーマンだと思っていたけれど、そうでもないのかもしれない。
中川くんも漂う波間と出会った人の1人に過ぎないのかも。
この物語においてのパラレルワールドの中川くんについては、どのような人物だったのかもう少し考えたい。

0
2023年07月12日

Posted by ブクログ

波間の独白が、なぜか深く心に重しとなって入り込んできた。同じ病気になったわけでもなし、彼女のような思想?に近いわけでもないのに、何かが蠢いていて、苦しかったが、その意味は未だにわからない。

けれど、パラレルワールドを人生と考えると、少し楽に生きれるようになるのかもと一筋の灯りも。

折しも「シュタインズゲート」が出てくる、懐かしい。
もういちど、視点を変えて観てみたい。

0
2023年07月10日

Posted by ブクログ

桜庭さんらしい、パラレルワールドのお話だけど、主人公の波間が乳がんサバイバーで、先日読んだ西加奈子さんの著作のこともあって、まさか桜庭さんも?と心配になってしまった。

また、もう一方の世界では新型コロナが蔓延するので「東京ディストピア日記」を思い出して、どっちの世界も辛くて、なかなか読み進めるのに気が重かった。

桜庭さんの頭の中は、私なんかより余程難しい事を考えられてるので、よくわからないままに、感覚だけで読み進めちゃってる部分も多々あるんだけど、だからこそ好きだったりする。

弱そうに見えたり、逆に幸せそうに見えたりすることで、悪意の標的にされちゃう世の中なんだよな…怖いなぁ。

0
2023年06月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

見覚えのある語句と見覚えのない世界が交わって描写されて、みっつめのパラレルワールドにいるようだった。いやどちらかと言うと波間のいる世界ではなく、向こうの中川くんの世界が読んでいる自分の世界の描写に近い訳だけど……。

波間は年代も近くて、けれどやっぱり経験が違うこともあって、最初はそれがサバイバーだから、病気を経験したひとだからと思ってしまっていたけど、読み終えて改めて深呼吸をしてから考えてみると、べつにそうではないことを、わたしも良い年だしそろそろ考えなければと思った。ひとりひとり言わないことがあって生きていく世界があるのかもしれないなあ、と思った。

おしゃべり好きでひとと過ごすのが好きなわたしとしては「パラレルワールド」に過ごす誰かと実際には会えないことだけじゃなく、想いを共有せずにぐっと心の中に置いて言葉にしないこと自体を寂しく思ってしまったけど、波間が理解したようにそれはもし言葉にしてたら誰かを傷つけたり影響を与えたりするかもしれないんだもんな。沈黙が正しい、というわけではないけれど、わたしは波間とは違う、だからどんな言葉を吐いても構わないんだ、ということには絶対にならないんだなと思った。
あなたもそうでしょ、わたしもこれが耐えられなくって、もしくはこれが欲しくって、と、立ち止まることない思考で自分の快や不快をぶちまけるということは随分と強い凶器にもなる。終盤以降は前向きな波間の暮らしを見守ることが清々しいとともにすこし切なさと寂しさも漂って、最初の病気の部分にはBGMが邪魔に聞こえてしまって止めたのに、中盤以降はカフェで流れるようなジャズがとてもしっくりきた。
これらを、自分の心の中で捏ね回すだけではなく、社会の出来事を受け止めながら咀嚼して、怒ったり落ち込んだりする描写をする桜庭一樹さんを、改めて尊敬するしその文章をずっと読んでいたいと思った。

0
2023年06月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

治療を続けながら自分の生活をゆっくり立て直していく数年間の間に、主人公の気持ちが目まぐるしく複雑に変化していく。

元気で明るくて前向きな病人という面だけを見せ続ける社会的な義務

少数派が社会に受け入れていただくため、説明し、努力を重ね、理解してもらわなければならないような義務

そんな謎の義務感にかられたり。
そういうのもういいかなと思ったり。
でも、心が疲れて抗わなくなったり。
自分の言葉が、暴力的に誰かの心を打撃してしまう可能性を考え出して沈黙するしかなくなったり。

複雑なままに終わった。

特に理由はないが、しばらく桜庭一樹から離れていただけに、このNEW桜庭ワールドは、本当にNEWだった。

0
2024年04月18日

Posted by ブクログ

齢を重ねるに連れ、他人を理解できたと思うことがどんどん減ってきた。
人と同じ物を見ても感じることは
こんなにも違うのか
同じ言葉を受け取っても全く別の意味にとらえることもあるのかと
経験を積めば積むほどその違いの大きさに呆然としてしまうのだ。
だから自ずと、口に出して言わないことも増えている気がする
言わなかったことの方に、本当に大切だと思うことがあったとしても。
私の周りにもパラレルワールドがあるといいな。
そこの世界ではもう会えなくなってしまった人も
元気で生きていて
一緒に旅行に行ったりお散歩したりしてるのかな。
そう思ったら嬉しくて泣けてきたわ。。。

0
2023年08月20日

Posted by ブクログ

パラレルワールドのお話。
私たちが経験したコロナ禍の中川くんの世界と、主人公波間の通常の世界が交錯する。
どのように終わるのかと続きが気になって、このパラレルワールドに答えがあるのかとぐんぐん読んだけど、答えはなく、私的にはすごい中途半端に終わってしまった気がする。
コロナ禍こーだったなと、ちょっと懐かしく思いつつも後半ちょっとキツかった。
主人公が癌に侵されており、その独白も考えさせられてちょっときつかった。

0
2023年08月04日

Posted by ブクログ

主人公の小林波間32歳は、胸に悪性腫瘍ができたため、摘出手術を前にして腫瘍を小さくする辛い点滴治療を受けていた。
通院の日に波間の目の前で、通り魔が幸せそうな若い女性を刺す事件に直面する。
その混乱した現場で、大学時代の同級生だった中川と偶然に出逢い、LINEのIDを交換して後日逢おうと約して別れるが、何故かその後逢うことができない。
あの出逢いは何だったのか不思議なのだが、ただLINEでのやり取りは可能だった。
そのうちに波間が住む東京と、中川が住んでいる東京とは、どうやら異なる世界らしいことを知る。
異なる東京の同じ場所からビデオ通話を繋げ、映像を観ながら会話を続けていた。
中川との偶然な出逢いから始まったお付き合いは、波間にとって心と身体が癒やされる時だった。
波間の困難な病気などは些細な出来事で、世の中は淡々と日常が進み、個人と社会との繋がりは曖昧で見え難い。
そんな時、世界中に恐怖を巻き起こす感染症が、中川が住む東京でも一挙に流行し、医療崩壊が起こっている事実を知らされる。
そのために2020年開催のオリンピックも、延期が検討されているとのことだ。
その後には大国が小国へ理不尽にも侵攻し、激しい戦いが引き起こされた。
それとは対照的に、波間の住む東京は、何の変化もなく淡々とした日常が続いている。
そして徐々に中川とのLINEも通信が滞るようになり、いっ時は密接にお付き合いをしていた彼の存在も希薄になって行く。
この物語は、パラレルワールドという設定の基、人の心の危うさ、儚さ、意思とは異なる心の動き、そして複雑さがテーマとなっている。

0
2023年07月23日

「小説」ランキング