【感想・ネタバレ】極楽征夷大将軍のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年04月20日

元来,時代小説はあまり読まないけれど、読み始めたらグイグイ引き込まれました。長編なので相当読み応えある作品ですけど、飽きることはありませんでした。史実ではどうか知りませんが、足利尊氏はじめ登場人物のキャラクターがそれぞれ立っていてそれぞれが生き残りをかけて暗躍しますが,一番茫洋といている尊氏が征夷大...続きを読む将軍まで上り詰めてしまいます。いつの世も人の浮き沈みは分からないものです。

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Posted by ブクログ 2024年04月20日

大作。一冊で数冊分あります。尊氏と直義、そして師直を巡る室町幕府成立期のお話。この時代の歴史を良く知らなかったので、大変勉強にもなったし、小説としても傑作でした。前半は足利家vs後醍醐天皇、後半は直義vs師直、そして最後は直義の最期。戦国大名の元がこの頃にあることも良く分かります。まだ朝廷の存在が大...続きを読むきかった時代。戦国時代とは少し違いますね。まるでオセロの如く敵味方が入れ替わる。統一というのは難しいんですね。物語としても秀逸。いつか大河ドラマになりますねー。

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Posted by ブクログ 2024年04月09日

室町幕府の初代征夷大将軍となった足利尊氏と、
彼を身近で支えていった、実弟・直義と
足利宗家執事・高師直の生涯を描く。
極楽殿と揶揄され、やる気の無い、しかしカリスマな尊氏に
振り回される二人の、運命は如何に。
第一章 庶子 第二章 波上 第三章 朝敵 最終章 敵対
・主な登場人物 ・参考文献有り。...続きを読む 

直木賞受賞作品で、2段組みの550ページな長編。
完読に3日かかってしまいましたが、中断できない面白さ。
たまたまではあれど「現代語訳吾妻鏡」や鎌倉幕府関連、
中先代の乱、南北朝関連、観応の擾乱の書籍、
コミックでは「逃げ上手の若君」を読んできてたので、
「吾妻鏡」の人物たちの子孫や鎌倉幕府滅亡と南北朝の
人物たちが多く登場するのが良く、楽しかったです。
また、多くの資料で裏打ちされていることも、わかります。
鎌倉幕府の劣化から、後醍醐天皇の暗躍、そして雪崩のような
鎌倉幕府の滅亡。建武の新政前後の混乱、南北朝動乱の始まり。
そんな歴史の変遷の流れに逆らわぬ高波のような足利尊氏の姿。
呑気で明るい邪気無き鵺。自負心の無さと欲求の希薄さ。
それがため、多くの者たちが高氏信者になるカリスマ性も。
そんな彼を相変わらずの腑抜けっぷりよと嘆きながらも、
付き従う、理屈っぽく怜悧な直義と家政を仕切る師直。
ある時は共闘し、ある時は対立し、理解が深まる二人。
だが、室町幕府成立と初代征夷大将軍就任以後、尊氏は
政務は丸投げ。多忙と不信から二人の蟠りは徐々に
深まっていき、尊氏をも巻き込んでの観応の擾乱が起こる。
領地のため、一門のため、一族のためという鎌倉武士の
思いを引きずった人物たち。朝廷を維持したい天皇と公家たち。
多くの欲が渦巻く中での無欲の有り様としての、尊氏が
コミカルで人間味過多で、こういう描き方もあるんだなぁと、
感心しながら読み進めました。
静と動の絶妙さ、戦闘場面の詳細さの凄みあれど、
ざんばら髪の騎兵集団爆誕!には笑ってしまう可笑しさも、有り。

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Posted by ブクログ 2024年04月10日

極楽トンボの足利尊氏を弟である直義と足利家の執事である高師直が補佐し室町幕府を開く。エンタメ風の長編時代小説だが感動作。直義、師直の献身、そして敵対。実質的な主人公は直義と師直 。2023年上期直木賞。お勧めの一冊。物語の最終盤に登場する楠木正成の嫡男、正行が朝日新聞の連載小説、今村翔吾『人よ、花よ...続きを読む、』(2022.8-2024.3)の主人公となっている。
2段組で、550ページの長編は読み応えがありました。加えて、『人よ、花よ、』の連載が終了した直後だったので、師直の捉え方の違いが鮮明でした。幕府が開かれた後の物語、最終章が印象的です。本書を読む前にWikipedia で「足利尊氏」の項目をサラッと読んでおくことをお勧めします。

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Posted by ブクログ 2024年04月07日

バチクソ面白かった

歴史好きと言っても
幕末と戦国時代に知識が偏ってるので、
尊氏が新鮮だった

ただな〜
長い、もう大河ドラマ

万人には進められないな

歴史好きで
読書家を自称するなら
挑戦してみては!?

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Posted by ブクログ 2024年03月24日

めちゃくちゃ面白かった。間違いなく直木賞。
観応の擾乱についても勉強になった。
所詮人と人はわかりあえない。みんな己の都合で生きているし、それぞれに譲れない正義がある。その都合や正義という波に武士たちがのまれていく様が巧みに描かれている。

由比ヶ浜で始まり由比ヶ浜で終わる直義の人生が切なくて切なく...続きを読むて・・・。高師直との友誼、妻あきことの愛、如意丸を授かった喜び、直冬への愛情、鎌倉府への執着、武士としての矜持、公家の身勝手さへの怒り、武士の身勝手さへの呆れ、師直への失意、無念、後悔、兄への愛情、期待、失望、尊敬。己の人生への諦念。
大河ドラマのようなボリューム。

前半は後醍醐天皇と護良親王のキャラの濃さが強烈。楠木正成や新田義貞の活躍など歴史好きならたまらないシーンも。
後半は師直と直義のすれ違うさまが丁寧に描かれている。師直としてはやはり比叡山がトラウマだったんかな。僧兵も怖いけど、捕虜をためらいなく殺す比叡山そのものが恐ろしすぎ。織田信長が後に焼いたんもわかる。これが今後の二人の考え方を分けることになったのかも。
この二人のすれ違うさまが歯がゆい。でもどうすることもできなかった。
二人の目標は同じでも、生まれも育ちも立場も違えば、彼らを担ぐ人々も違う。

師直が殺された日に直義が死んだのも、盟友としての二人の運命を感じる。

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Posted by ブクログ 2024年03月20日

大河ドラマを読んでいる感じ。兄弟、側近たちのやりとりにクスッと笑えるものがあり、そこが良かった。日本史を再び勉強し、時代小説をよりよく味わいたいと思えた。

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Posted by ブクログ 2024年03月10日

信長の原理と同じ作者。ユーモアがあふれる大作で、鎌倉時代の歴史言葉など検索しながらで読むのに体力が必要だが、史実に基づいた感動巨編。直木賞。

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Posted by ブクログ 2024年03月03日

これまでも小説や映像作品等で歴史モノはいろいろと見てきたが、このあたりの時代に触れる機会はなかった。「太平記」がベースになっており、そこに作者なりの解釈やオリジナリティを加えている作品となっている。
かなり長い(550ページ、かつ2段組構成)ので中だるみは多少あるものの、一言で言えばめちゃくちゃ面白...続きを読むい。主役は足利高氏、そしてその弟である直義であるわけだが、その周りを固める高師直、赤松円心、そして敵対する新田義貞、楠木正成あたりのキャラクターも丁寧に描かれていて引き込まれる内容となっている。そして何より強烈なのは後醍醐天皇。強烈な歴史上の人物といえば、織田信長をはじめとして戦国時代に多いイメージがあるが、後醍醐天皇も相当に強烈。
正直歴史上はあまりパッとしな時代かと思っていたが、ここまでいろんなことがあった時代だとは驚き。しかし本当にこの時代の人たちはこれだけの知略を巡らせ、日々裏切り裏切られの中で、自分たちの家を守るために奔走していたのかと思うと頭が下がる思いだ。
さすが直木賞作品、良い作品を見させてもらいました。

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Posted by ブクログ 2024年02月20日

臨場感溢れる描写で、歴史が苦手だった自分も興味深く読むことができました。子供の頃に読んでたら歴史が好きになってたかも。

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Posted by ブクログ 2024年02月05日

足利尊氏と足利直義の兄弟の人生を、直義と高師直の視点から描いた物語。室町幕府成立までは、兄上の憎めないキャラやら何だかんだ仲良しな兄弟関係やらにほのぼのしながら読めたのに、幕府ができた途端に内輪揉めの連続で、終盤はかなり重い展開だった。みんなが幕府を守りたいはずで、誰が悪いわけでもないのに殺し合いに...続きを読むなってしまい、切なかった。
読み終えてから、どのくらい史実に基づいているのかをWikipediaで調べてみたら、大筋では史実に忠実なストーリーになっていると分かって驚いた。こんなに波乱万丈な時代なら、いずれまた大河ドラマでじっくり扱ってもらいたい。

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Posted by ブクログ 2024年01月23日

室町幕府の開祖、足利尊氏、その弟
直義の物語である。またはその家族(兄、尊氏も)
の物語でもある。

日本史の中で苦手だった辺り〜
後醍醐天皇、建武の新政、高師直、
そして南北朝時代。
この本を手にして少しは理解できた…とも言えない
自分に気が付く。
歴史の波に呑まれ揺す振られザンギリ頭に惑わされそ...続きを読むして、幾多の死を見つめる彼ら。(ザンギリ頭という表現は明治維新のモノばかりではない!)
今に続くその波は同じくして、現代人をも惑わしているのだな、と思う。
軍記物、読みにくいという先入観で始まってはみたけれど当の征夷大将軍、尊氏の魅力的な(とは言い難い?)存在がツボにはまって楽しい読書タイムを
こんなに長く持てました。

そしてまた、ずっ勘違いしていたあの騎馬武者の絵は実は!とわかったのが一番の収穫でしたね。

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Posted by ブクログ 2023年12月26日

 鎌倉幕府倒幕と室町幕府創設の立役者となった足利尊氏の生き様を描く歴史大作。

 物語は尊氏の少年時代から病死までの一代記で、弟の直義と執事の高師直の視点で交互に描かれる。
 第169回直木賞受賞作品。
        ◇
 北条宗家の有力御家人である足利家。だがその庶子に過ぎない又太郎と次三郎は、...続きを読む家中で誰にも期待されないし、自らも多くを望まないという日々を送っていた。足利家の執事を務める高家の次期当主である師直も、又太郎たち兄弟が日の目を見ることはないように思っていた。
 実際、次三郎から見ても兄の又太郎は学問や武芸に励むでもなく日がな波打ち際で遊ぶことを好み、野心どころか前途を悲観する素振りさえ見せない極楽蜻蛉だった。

 だが又太郎が元服し高氏と名乗るようになった頃、北条家の屋台骨が揺らぎだし、足利家当主の高齢と嫡男の若年が誰の目にも明らかになってきた。ここにおいて、一族および執事家の目は高氏に向き始めたのである。
 望洋としていながら不思議に人徳のある高氏と、目鼻に抜ける頭脳のキレを見せる弟・高国のコンビはこうして足利家の希望となった。

 そんなとき後醍醐天皇が京で倒幕の兵を挙げたと鎌倉に知らせが届く。
      (第1章「庶子」) 全4章。

      * * * * *

 これまでの 尊氏 − 直義 を始めとする太平記時代のレギュラー陣の印象がガラリと変わりました。

 足利尊氏といえば、政治は苦手である代わりに戦の天才。直義は緻密さと篤実さを合わせ持つ内政向きの落ち着いた家老タイプ。高師直は足利という武家の存続を何より優先する合理性重視で冷徹無比な家宰。そんなイメージを持っていました。

 でも本作での尊氏は、武将としては晩年まで凡庸でした。直義と袂を分かってから『孫子』を読んでいたようですが、もともと座学が苦手のため軍学を深く学んだわけではないし、武芸に打ち込みもしてきませんでした。
 ただ将を束ねるのがうまいのと戦局を判断する勘が冴えているという漢の劉邦を、さらにお人好しにしたタイプとして描かれています。そこがとてもおもしろかった。

 そんな尊氏を輔ける直義と師直。このコンビも魅力的に描かれていました。
 直義は実直だけれど、融通が利かないところがあり、毛針を広げたヤマアラシのように、自身で動きを取れなくしてしまう硬直タイプ。
 師直は計算ずくで賢く立ち回るようでいて、判断に困ると直義に下駄を預けようとするような優柔不断な一面もあります。

 この主要人物3人の、なんと人間味溢れることか。それぞれ凡人のとても及ばぬ秀でたところがあるものの、凡人と変わらぬ愚かさもあって、つい共感してしまったりします。
 まさに垣根涼介さんの人物設定の巧みさで、本作がただの英雄物語にならず、優れたヒューマンドラマにもなっています。

 さらに赤松円心・楠木正成・新田義貞・足利直冬と、軍事に優れた武将たちにもひとりの人間としての息吹を与え、その活躍に胸踊り、その死を悼んでしまうほどの親しみを持たせてくれていました。かの強者たちに対する垣根さんの思い入れをひしひしと感じずにはいられませんでした。

 どちらかと言えば理屈先行のように思えた『光秀の定理』や『信長の原理』と違って、新たな世を作った英雄たちが1人の人間として活き活きと描かれていたのは明らかです。

 まったく直木賞に相応しい、優れた歴史ロマン大作だったと思いました。

     * * * * *

 個人的には、北畠顕家推しの自分にとっては、顕家のためにもう少し紙面を割いていただけたなら言うことないのになあと贅沢なことを思ったりしています。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年04月05日

こりゃ直木賞取るよな。この時代のことは教科書に記載されている程度の薄っぺらな知識しかなかったし、それほど興味のある時代でもなかったけど一気に引き込まれた!(もちろん作者のおかげです!!)
基本的には究極の天然である尊氏を直義・師直が支えて行くと言う構図で進んでいくのだけど、配下の2人がここまではっき...続きを読むり見下すというか、悪し様に評価したりするとこを、子供に呆れるような感じで描写されていて、とても憎めなく面白かった!
直義と師直の関係性がちょっとしたボタンのかけ違いで修復不能になってしまったのはそれぞれの立場からすればやむを得ないのかもしれないけど直義がもう少し良い意味で良い加減だったならまた違う結果になったんだろうなと思ってしまった。
尊氏を世間そのものと表現する発想がとてつもなく深いな〜と思った。
ボリュームがすごいので感想はちょっと書ききれない(⌒-⌒; )
他の人と感想を話し合いたいなと思わせてくれる作品でした。

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購入済み

「涅槃」に続き読み応えたっぷり

2023年08月08日

の歴史大作。

登場人物が多彩でしかも刻々と局面が転換していく時代を、作者の切り口で克明に語る物語に圧倒された。これまでモヤモヤしていた場面も納得出来たところがか多く作者の洞察力にただただ敬服。直木賞受賞も納得。

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Posted by ブクログ 2024年04月12日

質、量共、読み応え充分。
率直に足利尊氏ってこんな人なの!

室町幕府に馴染みのない私には
とても興味深く、そして、面白おかしく。
これは尊氏の極楽ぶりのおかげ?

反面、最後の弟、直義との対立からは
読んでいて、とてもつらかった。

垣根さんの作品は時代小説でありながら
ビジネス書に通じると思う。

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Posted by ブクログ 2024年03月19日

本書の主人公は室町幕府を樹立した足利尊氏であるが、その弟の直義と師直の視点から物語が進んでいくような形式となっている。尊氏は終始一貫して心の内面については描かれず、人ではない得体の知れない何かとして第三者視点での描写がなされる。
尊氏は容れ物であり、それが故(本人の意思とは無関係に)天下人に駆け上が...続きを読むっていく。本作はその過程としての鎌倉幕府の討幕から尊氏の死までの物語となる。
本作は2023年に第169回直木賞を受賞した作品であるが、それに相応しい良作と言えよう。

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Posted by ブクログ 2024年02月25日

しまった!本を開いた瞬間に思いました。
まさかのハードカバーそこそこの分厚さでかつ上下2段組! 歴史物で2段組なんて重たいに決まってる。
ということで覚悟して読み始めました。

足利尊氏のことは知っていても室町幕府の始まりってよく知らない。。。ということで興味は持って読めました。だから史実に忠実なの...続きを読むか、脚色が多いのかは私には分かりかねるのですが、展開的には史実に忠実な印象を持ちました。

頼りないけど懐が深く時勢の見極めに長けた兄と実直でフィジビリティの高い弟の兄弟が如何に鎌倉幕府を倒して室町幕府を築き、亡くなっていったか、というお話。

似たような展開が何度かあるのですが、人間味あふれた兄弟のおかげで最後まで読めたかな。

骨太な歴史物が好きな方には良いかと。終わり方も潔い。私には少し長すぎたけど、読み切るだけの物語はありました。

2024.2.25
33

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年02月23日

室町幕府への道。
時代の潮目。

庶子の幼き兄弟時代から物語が始まり。
弟の高国と、足利家の家宰師直の視点で語られる。

鎌倉幕府
源氏を担ぎながらの平氏北条家の執権政治、粛正。
天皇と⁉︎源氏に取り戻した⁉︎

極楽殿と呼ばれる高氏。
史実も淡々と語られ、大潮に乗った⁉︎ね。

面白かったぁ。
...続きを読む頭陀袋同然であるからこそ、かえって万人に受け入れられる〜
   担ぎやすい

そして、最終章 敵対へ
世の常なのかと。

いつも尻上がりに、加速していくのだけど…。
最終章がなんだか…ボリュームありまして。
読み進めるのに手こずりました‼︎

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年02月20日

鎌倉幕府というのは頼朝以下3代の将軍以降、北条家によって支配された。北条家は次々と周囲のものを誅殺し、執権として生き残ってきた。足利家も北条に気を遣いつつ生きてきたがやがて、高師直らに支えられ、やがて征夷大将軍となる尊氏の生涯を描く。野心もやる気もなく、才があるのかないのかわからぬ凡庸と思われていた...続きを読む人物の「魅力」を描くと同時に、室町時代の「混沌」の理由を描いている。最後まで読み終わっても、混沌を紐解くことはできない。

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Posted by ブクログ 2024年02月18日

読書仲間から面白いと聞いていたけど、本当に面白かった。
歴史に詳しい人はツッコミを入れたくなるのかなぁ。私は学校で苦手だったところなので、ようやく流れを理解できた気がする。

2段組で最初は怯んだが、文字間が空いているせいか、意外に読みやすい。
信長の原理も面白かったな、と思い出した。

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Posted by ブクログ 2024年01月25日

これは実話なのかな?
足利尊氏、室町幕府を作った男の波乱の人生。
とても面白く読ませてもらった。すごい大作だと思う。

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Posted by ブクログ 2024年01月25日

2024.01.25
足利の2人の足跡を丁寧に追った快作だと思います。
尊氏は将軍になりたくてなったわけではないというところが最大のカギとなっているが、人間の欲望からいって、そこが本当なのかなと考えながらも楽しめた。

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Posted by ブクログ 2024年01月24日

──人は欲で惑う。それは煩悩である。
しかし、欲が人を動かす─

この壮大な物語は、欲と無欲がテーマ。
無欲が果たして、どのようにして天下人に化けるのか。
足利尊氏、後醍醐天皇、楠木正成、新田義貞など歴史上の人物以外にも、あまり馴染みのない名前が多数登場するので追っていくのも必死。
それでも読み終わ...続きを読むった時には、もっと触れていたかったと思えた。

歴史ジャンルで無欲といえば『足軽仁義 三河雑兵心得』シリーズの植田茂兵衛が思い当たる。出自が卑しく出世欲がない点で共通する。もっと言うと、人を押し除けようという気がない。この2つの作品がもつ魅力は同じかもしれない。

無欲はガマンや清貧などとも違うようだ。それは、2人とも波を見極めるのが上手いことから分かる。波とは、人の感情や欲とも見れる。欲がないことが、冷静に欲を御する力、人を見る力を与えてくれるのかと思う。

この2人のつながりに、なんだか考えが深まったような気がした。
欲まみれの垣根作品(笑)の中から、この物語が誕生したことが意味深く面白い。

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Posted by ブクログ 2024年01月14日

足利尊氏を、基本的には実弟の直義と高師直の二人の視点から描く。
時には直義の視点・心理に立ち、時には師直の視点・心理に立つ。それぞれの思いに悩みながら、幕府や足利家の在り方を考え抜いていく。そこに絡んでくる尊氏の存在。彼の動きに、最後までハラハラドキドキモヤモヤさられる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月09日

またまた、歴史小説の直木賞受賞作
足利直義と高師直の口から語られる、室町幕府成立までとその後

幕府成立まではとても興味深く読めたのですが、その後はちょっとしんどかったですね
北条義時の冷酷さと打って変わって、尊氏像は大河の主役に成れそうです
後醍醐天皇の灰汁の強さも強烈

後半は登場人物も多く、説...続きを読む明口調の権力闘争が続き、だれ気味
尊氏の話に帰結して、物語としては締まってはいますね

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Posted by ブクログ 2024年02月25日

太平記を読んだことがなかったので、直義が優秀だけど最後裏切って、、ということしか知らなかったけど、兄弟愛と絡めて面白く読めた。ただ応仁の乱と同様、裏切りにつぐ裏切りで、後半はしんどかった。

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Posted by ブクログ 2024年02月24日

3.8
これまでの、
私の中の足利尊氏という人間像を根底から覆す…という意味ではとても楽しく読めたのだが、尊氏のダメっぷりがワンパターンで延々と続くため、「もうわかったから」…と(笑)

その、
「厭世」とも「諦観」とも異なる独特な感性で天下を手に入れ、その感性故に大切な人々を失って行く皮肉

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Posted by ブクログ 2024年02月21日

足利尊氏や直義、高師直、そして室町幕府の立ち上げ期のことはほとんど知らなかったので新鮮でした。
思っていたより混乱した時代だったようで、人間の性というのは恐ろしいものだと感じました。
それにしてもこの本は長かった。。

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Posted by ブクログ 2024年01月17日

垣根良助作品なので読む。

手に取り、開いてびっくり!
549ページで、二段ときた!

実質1,000ページ越えの分量。

尊氏、直義兄弟が庶子でぶらぶらしている時代から始まる。
長子が夭折し、尊氏が又三郎~高氏~尊氏になるまでの超長編。

何年か前に大河ドラマ「太平記」の再放送を観ていたので、スト...続きを読むーリーが容易に追えたが、この時代に興味のない人はさぞ難しいかも。

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Posted by ブクログ 2024年01月13日

自分の先々は、存外己の料簡では決められぬ。周りにいるすべての人々の思惑、時代の潮流、そのようなもので大方が決まる
人は皆、様々なものが絡み合う浮世の奔流に、絶えずあちらこちらに流されて行くものだ
総大将にとって最も大事な資質とは、その実質がどうであれ、配下のものや友軍の将に、絶対的な信をもたれること...続きを読むである。どんなに苦しい戦況に陥っても、総大将が必ずやたすけてくれることを信じて逃げずに踏ん張り抜くことができるからだ。
戦いは味方が一体化している方が最後には優勢になる
戦とは本来、死を賭して戦うことにではなく、今ある手駒を使ってなるべく簡単に、かつ確実に敵を追い落とすことにあると
我らは神でも仏でもない。一寸先のことなど誰にもわからぬ。生きるとは、その闇夜の先を手探りで進むようなものだ。

競り合いで苦しいのは、殺される恐怖に怯えているのは、相手も同じだ。本当にきつい時に敢えて死地に向かって一歩踏み出ることができるのか。その一歩さえ出れば、さらに一歩、また一歩と、続け様にまた先へと踏み込んでいける。結果、敵は恐れをなして後退する。自分を守らない、だからこそ逆に拾える命がある。
戦さなどは常に水ものだ。勝つ時もあれば負け込む場合もある。だからこそ、よく負ける者だけが生き残る。余力を残して負けてこそ、再起の日もこようというものだ。要らざる矜持や名誉など捨てよ。


本書は、尊氏と直義の二人を中心とした人情物語である、といっても良いかもしれない。良い意味でだ。正直で情に熱い尊氏とそんな兄とは正反対の直義。しかし、その兄弟仲は巌のように固く揺るぎない。直義が危機に瀕しても鎌倉幕府に尊氏を戴くまで自分を助けに来るなと言っていたにもかかわらず、助けに来た尊氏をなじりながらも涙が滂沱の如く流れる様は泣けてくる。久しぶりに感動を得られる歴史小説に出会った感じだ。

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