【感想・ネタバレ】正欲(新潮文庫)のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年05月04日

5人の視線から描かれている。

最初に事件の記事が出てくるが、全部読み終わった後でもう一度それを読むと全く違う印象を受けた。
多様性とは何だろう。マジョリティに属しているから、マイノリティのことを理解してあげるという認識に無意識のうちに思っているのではないか。
法律やSNS上でマジョリティに則った規...続きを読む制が多くされているが、そこを逃れられている人もいるのかもしれないと思うと、本当の意味で規制になっているのかと考えさせられる。

多様性、マジョリティ、マイノリティ。今を生きる社会でこれからこの言葉を見る機会は多くなるだろう。この本は、今一度自分の認識がどうであるか見直すきっかけになると思う。

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購入済み

正しさについて

2024年05月02日

自分の中で正しいと思っていたことが
周りから見てそうではないこともある。
過去の自分と重なる部分があり時間を忘れて読んでいました。

#ダーク #共感する

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Posted by ブクログ 2024年05月01日

「賞を取ってる小説は難しそう!」と身構えていましたが、とても読みやすく書かれていてサラサラ最後まで読めました。難しい言葉やそれっぽい言い回しをしてあるのが小説と思っていましたが、「多くの人に伝わる文で書く」事が1番凄いんだと、考えが変わりました。

この本のテーマの一つである「繋がり」が色んなところ...続きを読むに散りばめられていて、まさかこことここ繋がるとは…と衝撃の連続でした。

という感じでしょうか。
完全な正のない不安定な世界で
生きるためには性欲も正欲もバランスを見失わないように。

誰かの正義が誰かを傷付ける。
そんな言葉で言われてもよく分からないことも実際の物語で読むと深く理解できました。

正しさや欲では無く
愛を持って人と関わっていきたいです。

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Posted by ブクログ 2024年04月30日

最初から最後まで根底に感じる、正しさとはなにか。結局人は1人では生きられないでも、希望を感じられる作品。
マイノリティを感じたことのない人には分からないかもしれないけど、誰にも読んで欲しい作品。

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Posted by ブクログ 2024年04月28日

多様性と掲げているが、自分の正しさの範囲内でしか理解しようとしていないのではないか。
社会から外れてしまった人達にも正しさがあって、堂々と主張出来ないこの社会に諦めているのではないか。
少しでも多くの人が生きやすいと思える時代になるといいな。

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Posted by ブクログ 2024年04月28日

多様性。便利な言葉だけど一言では片付けられないと感じた。
マイノリティに対しての理解がすごく深まった。

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Posted by ブクログ 2024年04月28日

読んだ後の余韻が醒めません。大変面白く、読ませていただきました。
・あくまでも法や社会正義を固持し、「普通のレールから外れる」ことを嫌悪する検事
・容姿にコンプレックスを抱きながら、表面的な「多様性」を謳う女子大生
・到底他人には理解されないような欲望に悩む男女
それぞれの思い・葛藤・救われなさを描...続きを読むいていて、とても考えさせられました。
究極的に他者のことなど理解できるはずもない中で、自分とは異なる他者を認識しようとする重要性と、自らの(マジョリティの)枠組みの中で認識しようとする先に傷つけられる人が存在することの深い深い矛盾を浮き彫りにしていると思います。
「物語の力は隘路でこそ発揮される。理念が行き詰り、論理が破綻するとき、思想や学問ならば、そこで立ち止まるしかないけれど、小説はその先に進むことができる」という最後の臨床心理士の方の書評も良かったです。この決着のつかない感じ、最高です。

というか、2007年に本当に蛇口泥棒による放水事件があったんですね。「出しっ放しにすると興奮!放水フェチ男逮捕」で検索すると出てきます。


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Posted by ブクログ 2024年04月26日

良い作品やった。
読む前の自分には戻れないというキャッチコピーが的確すぎる。
多様性が当たり前のように言われだして、LGBTをはじめとする様々な考え方を社会が認めようとしてるけど、そもそもそれが間違いやったんやな。

結局は多数派にいる人が少数派を仲間に入れようとしてるだけやけど、少数派にしたら自分...続きを読むは当たり前のように生きてるだけなんよな。

私も人に言えない感性や好み、癖もある。
それを認めてあげると言われても、これが自分やのに。
けど恥ずかしい、気持ち悪がられるという想いから、圧倒的少数派という理由から言えない。
抱えて生きていく。

この本を読み終えて外に出たら空気が違った味に感じた。空もフィルターがかかってるようだった。

鬼才朝井リョウだからこそ描ける作品。
こんなにも面白いなんて、もっと早く読んでればよかった

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Posted by ブクログ 2024年04月26日

こういう自分の価値観が揺さぶられる本をもっと読みたい。
終盤はメジャーでないマイノリティ、マイノリティの中の少数派側に感情移入しており、胸が痛むくらいだった。ただ、これで分かったつもりになろうとしているのも私の正欲なのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2024年04月24日

この本は感想を書けないなぁという印象。
自分の意見を持つということは反論され拒絶される覚悟が必要になるからだ。

著者は人の心をいじめるのが好きなんだろうなと思う。
ある程度の正しさも必要だが、排斥をすることはしてはいけない。言葉にすると簡単だがこれが難しい。

人は理解できない考えを認めることはそ...続きを読むう簡単に出来ることではなく、他者と違うことは幼少期からいじめの対象にもなってきた。

これから見えるだけ多様性を認めるのではなく関わる人々ひとりひとりに寄り添えるようにしていきたいと思えた

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Posted by ブクログ 2024年04月24日

世の中に出回るスローガンみたいなものは、大多数のひとたちに都合がいいから出回っているのであって、本当に理解ができないもののことは認識すらできないし、大多数の人が見たくないものならばキチンと蓋をするから、そもそも出回ることなんてない。

多様性 でも、誰ひとり取り残さない でも、なんでもいいのだけれど...続きを読む、これがあるべき姿だとか、これが正義だとか胸を張るひとたちは、自分が間違ったことを言っているかもしれないとか、1ミリも思わないのだろうか。

っていう目で、普段無意識にいろいろなものを見ているかもしれないと思いました。これはわたしの正欲。

この本を読んで考え方が変わっただとか、深い教えを得たとか、そういうことは一切言いたくないです。たぶん、これもわたしの正欲。

でも、本当に、めちゃくちゃおもしろかったです。読んでよかった。

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Posted by ブクログ 2024年05月02日

ワードウルフが苦手だ。
何気なく発した一言が自分が人狼であることを自白してしまうあの空気が、
私が何かを「間違えた」のを確認し合うように、人々がゆっくり視線を合わせるあの時間が、

自分だけ違う世界にいるような孤独のなかで、
もうどう言葉を繕っても彼らには届かないんだろうという諦めと開き直り、他者と...続きを読む違うからというよくわからない理由で自分の当たり前が責めたてられている理不尽さへの憤り そんなものでいっぱいになる

マジョリティをマジョリティたらしめる存在であるマイノリティに、もしかしたら自分が当てはまるかもしれないという不安を抱えながら、淘汰されないように、迫害されないように、少しの違和感に目をつぶって同調したり、時に勇気を振り絞って自分を主張して、周りの肯定的な反応に安心したりする

はなから自分が人狼だとわかっていれば、人との違いを素直に認めて、徹底的に自分を偽ることを選んで、人狼なりの立ち回りができるのに。諦めがつくのに。世間は残酷でそれを単なる可能性のままとどめておく
だから、自分は他者と変わらない無害な市民だと安心したい 本当の自分を認めてもらいたい そんな欲が沸く 自己を曝け出したくてたまらなくなる 
こうやってマジョリティは都度自分たちがマジョリティであることを互いに確認し合いながら、人狼の自覚がないまま自白するかたちになったマイノリティをさも「多様性に寛容な私たち」という顔で歓迎する そこには、生まれながらに人狼を自覚し、他者からの理解などとうに諦め、嘘を吐き続けている人狼がいることには気づかない

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購入済み

2023年12月18日

想像していた以上に面白かった。
個人的には八重子が一番好きでした。
彼女の視点があるのとないのとでは大違いだと思います。

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購入済み

多様性という名の暴力

2023年11月16日

普通の家庭を営んでる自分でも、あまり大っぴらにできない性的(嗜好)志向があったりする。
それは、家族に話しても理解されないし、たまに酒の席で漏らしても奇異の目で見られるだけだったりする。
世の中には、そういうモヤモヤを抱え続けて生きてる人も少なく無いんだと思う。
そういう人からは、そんな目新しい内容...続きを読むではないのだけど、わかりやすいルートを辿ってきた人たちからしたら新鮮なんだろうな…と(と、書いてる自分も久々に★5をつけているのだけども)

近年、多様性のもとに、市民権を得てきた様々なマイノリティの人
それは、歓迎すべき事なんだろうけど、どこかで疑問を抱き続けてきた自分にとって、朝井リョウさんの本作は答えの1つになると思う。
ただ、本書で描かれるマイノリティの人は、そこまで唾棄すべきものではないと思うが、〇〇のようなものに性的興奮を覚える人もいるんだなぁ…というのは驚いた。まぁ、木の枝に興奮する人もいるし、世の中には想像もつかない人も沢山いるのは知っているのだけど。

分かりやすい例でいえば、小児性愛。たとえば近親相姦。
これを多様性と認めるか、それとも唾棄すべき性癖として嫌悪するか。
これらには否定される理由がある。それも理解した上で、創作物を楽しんでいる人たちを安全な場所から叩く人はどうなのか。

これは良し、これはダメと、多様性という言葉に条件をつけている現在に一石を投じてくれた本書は良い問題提起をしてくれたと思う。
本作を通じて、自身の考えてる多様性を、一人一人が真剣に向き合うキッカケになっているのは喜ばしいし、多くの人に考えてほしいテーマだと思う。

#共感する #深い

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購入済み

多様性の外側にある多様性を知る

2023年09月13日

他者を理解するって本当に難しいことですね…

多様性に含まれる多様性の中でしか生きて来なかったのだと思い知らされました
他者を知る知見を広げるために全人類に読んでほしい……
夏月の最後の言葉大好きです。

#切ない #泣ける

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Posted by ブクログ 2024年05月06日

この本を読んで、某有名YouTuberの個人チャンネルのラジオのコメント欄を思い出した。
異状性癖は普通の性癖の人よりも満たされない苦しみがあること、社会的に適合した正しい性癖をもって生まれたのは素敵なことだと。
読む前は色んな人がいるものだなと思ったし、異状性癖ってなんだ?と野暮なことを聞きたい気...続きを読む持ちにもなった。でも読んだ後は、このコメントをした人の苦しみも理解も自分にはできないのだと思った。

誰もがもっている欲も、誰ももっていない欲も、自分しかもっていない欲も、自分だけがもっていない欲も、全部多様性の時代だとか普通がなんだとか語ってしまいそうになるけれど、それだってその人の想像する範囲内のことなのだと感じた。

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Posted by ブクログ 2024年05月05日

この本を読み終わってから、普通ってなんだろうと考えることが多い。自分の人間性の小ささ、価値観の未熟さを感じさせられた本。
まだまだ自分の知らない世界があるからこそ相手と関わるって難しいなと思った。

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Posted by ブクログ 2024年05月05日

自分以外の人のことは、わからないものだと思った。
なんでも自分が、そして社会通念(形があるんだかないんだかわからないものだが)が基準になっている。

違うからこそ、おもしろい。人の価値観を知りたいと思うけれど、それが自分の想像を越えていたとき、果たして受け止められるかどうか。少し怖くも感じた。

...続きを読む賛子育て中なので、子供の人生への関わり方を考えさせられた。
子供といえども、違う人間であるから、こちらの考えを押し付けることはできない。その子供なりの幸せの形を探してほしい。自分はそれを導くわけではなく、困ったときに心の支えになれるような存在になっていきたいものだ。

いろんな人がいるということを改めて胸に刻んだ1冊。

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Posted by ブクログ 2024年05月03日

正解なんて無いだとか人それぞれだとか思いたいけど、ルールや秩序で成り立つこの世の中なので、正解からは逃れられない。そう思い知った。

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Posted by ブクログ 2024年05月03日

久しぶりの読書で打ちのめされました…。
多様性って、なんか便利な言葉、だけど、危うい。その、もやもやっとした部分が見事に描かれている。
みんな、不安なんだ。
本当に、人を理解するって難しいこと。理解できなくても、寄り添う、一緒に生きていくことはできるのかな?今の世の中、繋がり、が少ないなぁと思う。

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Posted by ブクログ 2024年05月03日

マイノリティも受け入れよう。そんな言葉は自分がマジョリティに属していると安心しているから言える言葉である。マイノリティとして認識されている物の中には本当のマイノリティは存在しない。人間は、世界にはマイノリティが存在し、その中でも自分はマジョリティに属しているのだと確認することで安心しようとしているの...続きを読むではないか。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年05月02日

想像できる範囲での多様性しか認めない。自分はどんな多様性も認めて来たかと問われれば、いいえと答えるしかない気がした。もちろん犯罪や他人に迷惑をかけるような性的倒錯のようなものを多様性として認めることはできないと思う。本作の登場人物のようにみなが当たり前だと思っている価値観を持ち合わせておらず、自分の...続きを読む価値観は受け入れられない中で生きていくのは辛いだろう。自分の価値観が一般に受け入れられているとしても人に押し付けることでその人へのある種の攻撃になってしまう可能性があると感じた。勉強不足でありきたりな感想しか書けない自分が悔しい。

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Posted by ブクログ 2024年05月02日

多様性を肯定する世界となればこの本にあるように犯罪と普通の線引きがあいまいになる…私は啓喜の考えに一番近いのかも、と思った。傲慢ながらこういう人間がいないと世界が無秩序になる気が…
そう、人間、外部から思考は統制できないんだよな…思うは自由、それをよしとするかしないかも人間が決めただけでそう思えば根...続きを読む拠なんてないのかも。嫌悪を感じるかどうか。その嫌悪も人が変われば快楽になるわけで…

一番好きなシーンは八重子と大也のところ。大也のいうことは最もだと思ったし、こういう気持ち若いうちに抱いたことがある子は多そう。
悲観し下を向き続けていた状況を絶望にいながら打破しようとしていたのに邪魔立てするように現れた八重子との対決、やられっぱなしかと思えば八重子は八重子でマジョリティのなかのマイノリティとコンプレックスに悩まされ吠えてて意外だった、なにも言わず帰るかとおもったし…

八重子はおせっかいにみえるけど大也のことを恋愛的思考で捉えてなかった気がする、けれど大也は完全に男として見られてると思ってたんだろな~

表現が好きでした。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年05月01日

「読む前の自分には戻れない」
この本の帯にそう書いてあった。読む前はどういう意味意味だろうと思ったが読み終わった今、なるほどと思うと同時にこの言葉の重さが自分では抱えきれないと感じた。

私自身Z世代と呼ばれる世代の人間であると自覚しているし、多様性についての理解は人並みにはあると自負していたがそん...続きを読むな自分がとても恥ずかしくなった。
自分が理解しようとしていたのはあくまで自分の知る範疇だけの話になっていて、結局なにも理解できてなかったのかと思い知らされた。
きっとこれから勉強したり社会をどんなに知っていこうともきっと網羅することはないのだろう。
八重子が大也とマンション前で話すシーンは八重子の言葉は正欲の押し付けでなんて傲慢なんだと思ったが、これこそ何も知らない私たちの誰もがなりうる姿であるのだと感じた。

正直この本は私には重すぎて薄っぺらい感想しか書けないのがもどかしい。きっと私はこれからも正しく理解しきることはできないと思う。
それでも自分の正欲を振りかざしていないかとふとした時にこの本を思い出すことになるのだろう。
(きっとこの感想もまた、私の正欲にまみれたものだろうな、、、)

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Posted by ブクログ 2024年04月29日

冒頭を読んだ時、読みたいと思った。
少し時間が経って、時間ができて、ページを開いて。
読み進んでいくうちに、正直思った時とは違う内容でだった。

人を差別とか、しないと思っていたし、ありがたいことに今自分はそう言う人を多分、差別はしないと思うけど。単純に、思う感覚として、この本を読む前から、それは、...続きを読む呪いだと思っていて。そんな感情になった。

常に、誰かが思う正しさに応えるように生きていて、それを苦にも思わないし、それなりの達成感もあるし、形は違うかもしれないけど、それが苦だったり、全然違うものだったら、それは想像を絶するほど大変で。

でも、正欲すら正しいとは限らない社会で、どうやってすべきことを見つけようと思う。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年04月28日

佳道と夏月は恋人同士ではない。
けれど、その2人には愛と呼んでもいいかもしれないものがある。
2人はノーマルはない中で形に捉われず…というか、形など存在しないからこそ、100%自分達の意思のみで繋がった。
だからこその純粋性があって、啓喜が失ったそんな繋がりを、例え社会正義に逮捕されたとしても持てて...続きを読むいる2人はもう、不幸ではないのではないでしょうか。
マイノリティと言われている人達がそれゆえに生き辛くなっているこの世の中をなんとか生き続け、明日死なない日まで辿り着いて欲しい、という作者の願いを感じました。

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Posted by ブクログ 2024年04月28日

2024年 23冊目
本のタイトル通り、欲をテーマにした一冊。
多様性を重視するような風潮が年々強くなっている昨今だが、「理解してあげる」というスタンスで接していること自体が差別につながっているのは確かに的を得ているなと実感した。

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Posted by ブクログ 2024年04月27日

うわあ、、読む前の自分には戻れないとはこういうことか〜

他人を理解するのって自分の想像できる範囲をこえたら無理だし、理解される側も自分と同じ境遇の人じゃなきゃ受け入れないよなと思った。

レビュー見て、受け取り方が人によって本当に別れてて色々考えさせられた。

でもやっぱりこの世の中の最小単位は男...続きを読む女であるから、恋愛至上主義的な考えからは避けられないよなと思いますね。

以下の文がとても納得だった。
みんなみんな少数派な部分を持ってるよね。

「みんな本当は、気づいているのではないだろうか。
自分はまともである、正解であると思える唯一の依り所が、"多数派でいる"ということの矛盾に。
三分の二を二回続けて選ぶ可能性は九分の四であるように、"多数派にずっと立ち続ける"ことは立派な少数派であることに。」

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年04月17日

何を言っても薄くなってしまう気がする。私はすごくひねくれているから、普通(大多数)じゃないことが芯のあるように感じて憧れてた。両親はずっといるし、満足に衣食住ができて、異性愛者で、大多数の意見のほとんどを理解できるし賛同する。だから逆にマジョリティ、自分にはない感情や体験をもつ人たちに憧れる。わから...続きを読むないからその感情を知りたいと思う。でもこの本の序盤でマジョリティのつらさを読んでいて、こんなにつらいのなら大多数でよかった、群れるっていいものなんだって思えた。私は薄っぺらい人間だからすぐ影響を受ける。でも朝井リョウには全部見透かされてるみたい。終盤でしっかり食らった。お気に入りのシーンは中盤の八重子と諸橋が道路を挟んで言い合うシーン。きれいごとの多様性に盲目っぽく見えた八重子のはっきりした軸が見えて、諸橋の誰にも言えず溜まった鬱憤を(しかも繋がりを求めて出かける直前、というのが良すぎる)吐き出してつながりができた感じ。お互い嫌いになる、刃を見せる覚悟で全部さらけ出してるところ本当によかった。そうすることでしかつながりはできないよね、この考えも結局はエゴなのかな。

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Posted by ブクログ 2024年05月05日

ハッとさせられるセリフがとても多く勉強になる。
こんな永遠のテーマにオチがつくのかってめっちゃ期待してしまったせいで、終盤ちょっとがっかりしちゃった。好きなセリフは多い。
読み返したらもっと面白いと感じるかもしれん。

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Posted by ブクログ 2024年05月05日

欲とは、一人一人が持つ「正しくありたい」という欲の事。しかし、自分の正しさと他人の正しさは一致しない事も多々ある。それ故、良かれと思って他人に対し正しさをぶつける行為が攻撃になることもある。しかし、正しさをぶつけ合い、会話をする事で初めて他人と"繋がる"事ができる。流浪の月に似た...続きを読むテーマにも感じる。

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Posted by ブクログ 2024年04月30日

ジャケ買的に購入

面白いと言えば面白い。興味深いテーマでもあり、考えさせられる内容だった。嫌いじゃないとおまうのだけど、映像で見た方がより楽しめるのかなとふと感じ、本としての魅力がどこまでなのか?って思う自分がいます。

本筋じゃないけど、あとがきは分かりやすい&共感できる部分が多かった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年04月27日

咀嚼が難しい。

多様性を受け入れよう、と言うのは口では
簡単だけどそれが言えるのは
自分が弾き出される側ではないという
認識があるから。

分かる範囲のことを多様性と言うな、
騒ぎ立てないで、
そっとしておいて、理解しないで、
話題に出さないでとなる。

物語の中に出てくる誰の立場にも、
ある程度...続きを読むの共感ができる。
子供に学校に戻ってもらいたい、そうあるべき。
恋愛の話になるたびそれとなく話題を変えたい。
話を聞いてくれない人に話すこと自体、もう諦める。
だけどどの人物のことも分かっているようで
分かっていないんだろう。
この物語は分からないということが分かるということがテーマだったのかな。

八重子のような主張が、聞いていて
イライラした。
でもそれを自分も言っている可能性がある。

運悪く一緒にいた人の性癖から佐々木や大也が捕まり、同僚のやつが勝ち誇ったように取り調べに応えているのは腹立たしかった。
でも、それは、自分だって
そうなる可能性があったわけで。

物語的にはこの終わりで良かったのかもしれないんだけど、なんか腹立たしいこの気持ちを解消できずに終わったという感じ。






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Posted by ブクログ 2024年04月26日

小説なんだろうけど、軽い気持ちで読めなくて、国語の試験で抜粋されている文章みたいだなぁ感じながら読んだ。最後、3人は、的外れな罪で起訴されたってことなのですよね?それに、やっぱり繋がることは肯定されたことでいいんですかね?それにしてもこの作品を映画にするとは、難解です。

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