【感想・ネタバレ】水滸伝 十七 朱雀の章のレビュー

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ついに童貫が出撃。圧倒的な力で双頭山をわずか一日で陥落させる。二竜山が趙安の軍勢に包囲され、童貫との激戦で関勝らを失いながら応戦する梁山泊軍。
高球への偽装講和作戦も佳境を迎え、致死軍と高廉の部隊が 闇の中でぶつかり合う。そして負傷した公孫勝が林仲に語った凄まじい過去。彼の苛烈さの正体と素顔が垣間見えるシーン。
そんな中、梁山泊を裏で支えてきた二人の最期。
盧俊義は「我が息子」燕青に塩の道を託し、兵たちに志を熱く語って命を閉じる。
病に侵された魯達は梁山泊の全てを楊令に伝え、壮絶な自裁をする。
生き様を体現するような死に様!これこそこの小説の醍醐味!北方氏の魂がヒリヒリするほど伝わってくる!

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2017年02月22日

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まずは恒例の各章のサブタイトルとその星が表す豪傑の名前の列挙からです。

天立の星: 双鎗将・董平
地巧の星: 玉臂匠・金大堅
天巧の星: 浪子・燕青
地捷の星: 花項虎・龔旺
地狂の星: 独火星・孔亮
地損の星: 一枝花・蔡慶

童貫さん、ありえないほど強いです。  こんなに強い人が軍部のトップにいたのに、これまでの地方軍をはじめとするその他の軍のメタメタさ加減は何だったんだろうと思わずにはいられないほど強いです。  これは前半で梁山泊軍を強く描き過ぎちゃったために、そのぶんラスボスは徹底的に強くしなければならなくなっちゃったとしか思えません。  まるである時期までのファイナル・ファンタジーのラスボスみたい(倒すのに運と時間が必要)な状態です。  そんなラスボスもついこの間梁山泊入りしたばかりの張清さんの飛磔を食らって肩に負傷(あんど 戦線離脱)というお茶目(?)な一面を見せてくれたりもするんですけどね(笑)。

さて、とは言うものの、残り3冊となったこの巻ではこれまで以上に多くの方々が鬼籍に入られてしまいました。  特に盧俊義と魯達の死はひとつの時代が終わったことを否応なく感じさせられます。  ここから先は「梁山泊・滅びの世界」です。  でも、そんな中、わずかな希望があるとするならばそれは次世代の人々の成長ではないでしょうか?  もちろんその筆頭にいるのは楊令です。  楊令はいよいよあの「吹毛剣」を手に取り、病身の魯達を子午山に運んできた黒旋風・李逵の得意技、板斧で石を切りつつ研ぐ技を見ただけで吹毛剣の研ぎかたを会得しちゃったりもする只者ではないオーラを放っています。

  
そのうえ自分の死期を悟った魯達がまるで「これこそ最後のお勤め」とばかりに楊令には徹底的な個人教授を行います。  「替天行道」の心を語り、水滸108星 & 晁蓋を語りとほとんど遺言状態です。  よくよく考えてみると楊令はどこの誰とも知れない出自の子供だったはずなんだけど、あれよあれよと言う間に梁山泊にとってかなり「特別な」存在に育てあげられてしまっています。  しかも王進スクールの優等生というオマケまでついています。  北方氏が延々とシリーズものの布石を打ってきたことがここで疑いようもないほど明白なものになりました。

話は変わって、KiKi にとってこの巻でかなり印象的だったのは公孫勝が語る彼の生い立ちの物語でした。  原典では道術の仙人・羅真人の弟子という設定で、風を呼んだり神兵を呼び寄せたりという妖術使い系の人物で、途中からは梁山泊を抜けて修行の道に戻っちゃったりもしていたわけだけど、こっちの公孫勝は当然のことながらそんな摩訶不思議な人物というわけではありませんでした。  それでも普通の人では決してなかったその背景にあった物語がまるでダンテの「神曲」もどき・・・・・。  KiKi はこの公孫勝の昔語りを初めて読んだとき思わずダンテの神曲、地獄篇の中にあるウゴリーノ公のお話を思い出してしまいました。

と同時に岩波少年文庫の「水滸伝」ではあんなにも頻発していた「人肉食」の片鱗がここにこういう形で出てきたのか!と何とも不思議な感慨をおぼえました。  これまで自分のことを語ったことがなかった公孫勝がこともあろうに「やっぱりお前とは到底合わない」という相手、林冲にこの物語を語った心の中には何があったんでしょうか??  致死軍にとって最後の戦いと言っても過言ではない青蓮寺の高廉軍との戦い。  結果的には高廉軍を殲滅させることができたわけだけど、その戦で多くの部下を失い自身も傷を負ったとは言えども結局生き残った公孫勝。  自分の近くにいて大切だと思っている者は皆、何故か自分の代わりに死んでいく・・・・・そんなやりきれない想いを誰かに知っておいてほしかったのかもしれません。  でも、それに対する林冲のセリフがねぇ・・・・。

「俺は、なにも聞かなかったよ、公孫勝。  おまえは、虫の好かない、いやな野郎のままだ。」

ですか・・・・・・ ^^;  ま、林冲らしいと言えば林冲らしいけど、ホント、公孫勝じゃないけど

「いやなやつだ、お前は。」

です(苦笑)。  でも、これが林冲なりの熱い友情の証の言葉であることも何となく感じられるだけに、この言いようもなく重い話に何となくおさまりがつくのも又事実です。

さて、残すところあと2巻。  どこからどう見ても童貫軍には敵いそうにない梁山泊ですが、一挙に滅びの道を突き進むわけではなく、あと2巻分物語は続くらしい・・・・・。  ほとんど見せ場もないままに亡くなった第5位、大刀・関勝はともかく、まだまだ梁山泊には第6位、豹子頭・林冲も第7位、霹靂火・秦明も第8位、双鞭・呼延灼も第23位、九紋龍・史進もいます。  そして第17位、青面獣・楊志の遺児でありあの魯達から後を託された楊令も・・・・・。  残り2巻でどんな物語が語られるのかを楽しみに第18巻へ進みます。

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2013年09月03日

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半日で読み切った17巻。最後の戦に向けて。死者が多すぎる。

孫立、董平、関勝、単廷珪、鄒淵、候健、盧俊義、龔旺、楊林、劉唐、孔亮、魯達
心の中で札をひっくり返した。

童貫率いる軍隊が強すぎて文章からも気迫が伝わってくるから読むのが苦しい
孫立、董平のことも認めていたし、数で負けるのはもう仕方がないのか……

高俅=犬以下 ←new!
厳しい死に方が増えてきた。候健も。少しの心のゆらぎが命取りになるんだな

厳しい戦の中で飛礫に打たれた童貫を笑ってしまったことを許してほしい。
童貫たちが強いのって、戦のPDCAをめちゃくちゃ回して部下にも回させてフィードバックめちゃして褒めて、部下に合った戦いを任せているからやんな?!上司としては頼り甲斐もあるし超リスペクトできる人やん。敵にしたら死ぬほど怖いけど。(飛礫打たれた後でさえも部下にフィードバックしてたんすごい)

馬麟は大切なことを二度言う。高廉を討ち取れたのは大きい。公孫勝の過去、知れないままかなと思ったけど、想像以上に悲惨だった。暗闇での絶望が彼を育てたのか。お互いのピンチの時に訪れる林冲×公孫勝。もう仲良うせぇよ。

孔亮。もう少し何を考えていたのか教えて欲しかったナ。もうちょっと推したかった。
一方ぎゃん推ししてる燕青ですけど、活躍しすぎじゃない?まさか女抱いてるところまで見れると思ってなかった。。。呂牛もあっさり、心はそんなに強くなかった。

子午山。楊令が脱童貞。めでたい!育てたみたいな気分になる。魯達……無念やね。でも最後に楊令に志を伝えられたのが良かった。108人の豪傑のことも。楊志が楊令を助けたのを見たのは魯達だけ。楊令はみんなの志を背負って剣を振るう。でもそれを重荷とは思ってなさそうなところが豪傑。感じてるかもやけど。張平が助けてあげてほしいな。

やっぱり宋江が大好きです、私。晁蓋を胸に戦うと決めていても、同志が死ぬとやっぱり泣いちゃうところ、あだ名のない人にセンスの良いあだ名をつけてあげるところ、魯達の死に胸を冷たくさせるところ。人が好きで感受性が強くて情があって、でも志は絶対に忘れない宋江。昔から宋江の周りに居た人がどんどん死んでいく。でもそれが頭領の役目なんよね。最後まで応援しています。

18.19巻を読み終わった時、私の涙を乾かして塩生産できるかもしらん。梁山泊に届けたい。少しでも糧に。(いらん)

解説コーナー
あまり目立たない飛脚について、原作を踏まえての話!宋はあんまり人気のない時代らしい。

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2022年02月11日

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魯達や盧俊義まで死んでしまった。
本当にだんだん最初から出ていた人が減ってくる。子午山での話が出ると、ほっとする。

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2016年11月18日

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童貫出てきたー、強すぎるー。史進をちょちょいと扱えるとはありえん。つーかイヤだ!
そして子午山で魯達が死亡。まさか病死とは…運命とはわからんもんだよ。

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2016年07月02日

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童貫の強さが引き立ち、
主要人物のドロップアウトが続く巻。

特に梁山泊のスカウトマンの喪失は、
これ以上梁山泊の主要メンバー増員が
ないことも意味しているようである。

一方で楊令は着実に子供から男へと成長していく。

残すところ2巻、収束と遷移は
既に始まっているようです。

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2014年08月16日

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ついに禁軍の童貫が本格的に梁山泊討伐のため出動してきて、圧倒的な攻撃力を見せつけましたね。すんでのところで裏技で戦が回避されたりするのですが、じわじわと梁山泊軍を締め上げにかかっております。
壮絶な戦いで梁山泊軍はどんどん死人が増えていますね。私の好きな武将の関勝も見事に散ってしまいました。
これから童貫の猛攻をどう梁山泊軍が凌いでいくのかの展開が楽しみです。

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2013年02月07日

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