【感想・ネタバレ】香君 上 西から来た少女のレビュー

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Posted by ブクログ

特殊な能力を持つ孤独と神に祀り上げられた孤独が出会ってお互いをあたたかく包みこむ。この絆がどうなって行くのだろう。
上橋菜穂子さんのお話に出てくる人達がとても好き。思慮深く、能力を持っていても自分を過信せず、探りながら一歩ずつ自分のやれることをする。
国を挙げてひとつの作物の収穫に頼り生きる人々の危機に立ち向かう。政治的な背景もあって一筋縄ではいかない破滅的難問。
でも、認められて欲しい人が正当に着実に人々から必要とされその力を存分に発揮するのを見ているのは心が躍る。
わーん、続きが気になりすぎるのでこのまま下巻突入です!

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2024年04月02日

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まだ上巻しか読んでいないですが、ウマール帝国のオアレ稲を使った支配の仕方がえげつない。

オアレ稲、オオヨマ、アイシャのもつ特殊能力について、随所に生物学が散りばめられていて、読んでいて楽しい。

そして、アイシャの行動力に脱帽。下巻も楽しみです。

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2024年03月23日

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今回は「香り」がテーマ。
「食べたことがないのに美味しそう」とか「嗅いだことがないのになぜか伝わる」など、ファンタジーなのにリアルさを感じるのは、きっと豊かな表現で五感を刺激してくれるからだと思います。
スケールの大きい舞台でキーパーソンたちを巧みに絡めて、没入させてくれるのがすごい、といつもながら思います。

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2024年03月09日

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最初は名前がカタカナで覚えるのが難しかったがもう覚えたら止まらなくなって最後まで読み切ってしまいました。続きも読もうと思っています。

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2024年02月19日

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ネタバレ

遥か昔、神郷からもたらされたオアレ稲。
どんな地にも育ち、ほかの穀物の何倍も豊かな実りをもたらし、ウマール帝国の礎になった。
しかし、オアレ稲は土壌を変えてしまいほかの穀物が育たなくなり、種籾が取れず村々は帝国から下げ渡される種子を使うしかなく、帝国が用意する肥料で育てないと毒を持つようになる、という特徴がある。
大変な収量が見込めるため、ほぼ全ての版図でオアレ稲を受け入れたが、これは帝国による支配だと、導入しない藩国が1つだけあった。

題名の香君とは、神話時代にこの稲をもたらし、香りで森羅万象を知るという活神。
香君への信仰もまた、帝国を支えてきた。

だが、オアレ稲を唯一食害する虫が発生し、ひと地域で済んでいた被害は瞬く間に広がろうとする。
この虫は大変繁殖力があり、卵を見つけるなり近隣の稲もまとめて焼却処分するしか駆除する方法がない。
オアレ稲に依存した農民がオアレ稲を焼くということは、餓死することとほとんど同義だ。

そのようなころに現れたのが、人並外れた嗅覚を持つアイシャ。
その嗅覚で政敵に殺される危機を回避して、官僚である香使になる。
そしてオアレ稲の食害により、危機に立たされる領民を救おうと奮闘する。

このオアレ稲の設定が、完全に現代のF1種子である。
「どんな雑草も枯らす農薬」を売り付け、「その農薬に耐性をつけた種子」を売り付ける。
種子から種籾を取っても、性質が変わってしまうため、二代目は商品にならない。したがって、農家は毎年同じ種子を購入しなければならない。
こうして一企業が種子を独占し、地域で小規模に栽培されていた穀物を駆逐してしまう。
同じ種子が国中に溢れ多様性は失われる。
農家は一企業に依存し、抵抗できなくなる。(種子や農薬を売ってもらえないと育てられなくなる)
そして、その一種類の作物がかかる病気や害虫が発生した場合…全てがダメになってしまう。

ウマール帝国で起こることは現代の農業に牙を向く危機と同じじゃないのか?そうであれば、ウマール帝国は、アイシャは、どう危機を回避するのか。
上巻では、アイシャは帝国の見張りの目の届かないやり方で、ゲリラ的に、オアレ稲以外の作物を植える村を見つけ、その育て方を伝えた。
その村でもオアレ稲は食害されたが、一人も餓死者を出さずに済んだ。
こうして、大きな権力が作り上げた支配体制から人を救うためには、ゲリラ的になるしかないのだろうか。
どうなるか、下巻も気になる。

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2024年02月06日

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400P程有りますが読み始めたらページを捲る手が止まらなくなった
早く下巻を読みたい
架空の設定ということが信じられない程面白く、民を支配する国家というものは民のことなど何も慮ってはいないのだと思った

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2023年12月09日

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香りを主軸に広大な世界を感じられる作品。それぞれが抱えている孤独にも惹かれた。植物や日々食べる物にも関心が湧いてくる。久々に出会えた素晴らしいファンタジー小説。

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2023年12月03日

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人より優れた嗅覚を持つ女の子の話。

オアレ稲という、これを栽培すると空腹に苦しむことがなくなり、生活も豊かになるのですが、この稲を植えたあとは他の植物も育たず、種籾も残らないので、種籾を国からもらわなければまならず。(それで国の領土を広げ、オアレ稲によって主従関係までも影響を受ける世界)

そのオアレ稲が大変なことになりそうで、飢餓の危機を回避するために、香君と呼ばれる側の人達が立ち上がります。

少女の家は、オアレ稲の栽培を拒んだがために国が飢餓に苦しんで、祖父が退位させられてしまい。

そんな事情があるから、オアレ稲の解明にも力を貸している感じで。

もう、オアレ稲って一体なんなん?という感じで下巻に続く。

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2023年11月21日

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上橋さん初読み。おとなになってからファンタジーは得意ではなくなってしまったのだけど、先が気になって読んでしまった。世界観の構築力がすごい。実在している世界のようだ。カタカナの名前が覚えづらいのだけが難点。

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2023年09月25日

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またひとつ好きな本が増えました!

大好きな獣の奏者に似た雰囲気があり、読み進めるのがとても楽しかったです!

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2023年09月18日

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もうかれこれ20年以上大好きな作家さん。読む前から面白いことも読み応えがあるであろうことも分かっていて、集中して読めるタイミングを探していたら、購入から1年以上が経ってしまっていた…
上橋さんならではの作り込まれたファンタジーの世界は圧巻。その国の社会制度や自然を通して、現実世界を見ているかのような感覚にもなる。
主人公たちは相変わらず魅力的で、主人公の少女が自らの歩む道をきちんと自分の頭で考え、その足で歩んで行こうとしている姿に現代の女性にも通じるところを感じた。すぐさま下巻を読みたい。

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2023年08月18日

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楽しみにしていた著書の作品をやっと読むことが出来ました。いい話は水を吸い込むようにするすると入ってきて上下巻を3時間程度で読んでしまいました。
変わらず風景や食べ物の描写がとても美しかったです。人間は愚かでもあるけれど、共に支え合い強く生きていく。ラストもすごく良かったです!

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2023年08月16日

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上橋菜穂子さんの最新作、やっと読めた〜!上橋先生の描く世界観が本当に大好き。今作は香りで草木の様々なことを知ることができる少女が主人公。世界観が壮大でファンタジー好きにはたまらない。奇跡の稲、"オアレ稲"を巡り、ウマール帝国を中心にその周りの藩王国の思惑が複雑に絡み合っていてページを捲る手が止まらなかった。遅読の私が一週間で400頁超ある上巻を読み終わるくらい。引き続き下巻を読む。

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2023年08月13日

購入済み

香君

上橋菜穂子先生の新作長編です。
外来種の稲を用いて国を支配する帝国に住むアイシャの成長を描いた物語です。
アイシャの賢さや繊細さ、帝国内の複雑な権力関係など、一瞬も飽きずに読み進められます。

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2022年06月26日

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目の前にないのに、まるで自分がその場にいて植物の匂いを感じているかのように錯覚させられるのは、やはり「鹿の王」に通ずるこの本の醍醐味だと思った。自然の表現もさることながら、支配体制の描写がいつもリアルで圧倒される。私はどのように生き、この社会はこれからどのようになっていくのか、ファンタジーなのに現実を考えさせられる名著だと感じた。ただ、下巻まで読み終えて、なんとも言えない物悲しさを感じた。

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2024年03月30日

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最初はファンタジー故の登場人物の多さとキャラクターの名前や地名などがカタカナばかりで、世界観を把握するまでは読むのが少し大変でした。
前作の『獣の奏者』は音がテーマでしたが、本作はにおいがテーマで、かつ植物についての科学的な話もあって、すごく興味深く読みました。
前作のエリンはあまり好きになれないキャラでしたが、本作のアイシャは今のところ好きなキャラです。でも、一番好きなのは、オリエさんです!!
能力が現れる血筋や香君、オアレ稲の秘密など、作り込まれた伏線があって、読み進めるうちにどんどんおもしろく感じました。
すぐに下巻も読もうと思います!

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2024年02月15日

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弟のミルチャと姉のアイシャは帝国の追手から逃げていた。この岩山を超えたら…。しかし、岩山の上ですでに追手は待っていた。二人は捕らえられて西カンタル藩王国の藩王の前に連れ出されてきた。そこで視察管のマシュウは初めてアイシャを見た。アイシャは香りを嗅ぐことに秀でた能力を持っていた。その能力で藩王が毒を盛られていることを指摘し、一命を助けた。しかし、そのお陰で毒薬を賜る刑を受けることになったが…。

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2024年02月02日

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長い!けれど引き込まれる
上巻はまだ色々な謎が解明されていないままなので、マシュウのおじはどうしているのかやオアレ稲の種籾の秘密は?と気になることがたくさん
何より捕まってしまったアイシャたちが心配…しつつも続けて読むのが楽しみ
登場人物の名前と場所の把握が難しいのでまとめたページがあるの、とてもありがたい(しおりを挟んですぐ開けるようにしてる)

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2024年01月20日

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上橋菜穂子の小説にはいつも頭を悩まされるが、今回は飛び抜けて、多面的な視点を要する作品だった。こと政治が絡むと見える景色は一変する。為政者というものは論理的で、だからこそ関わる人が増えるほど誰にとって何が利益か、その上で誰がどんな行動を起こすのか、全体を見渡すのは困難になってゆく。本を読みながら政治というものの骨格を掴む、そんなファンタジー小説は他にない。
そんな難解さを除いても、ファンタジーらしい魅力というものが上橋作品には溢れている。そのひとつがキャラクター達だ。主人公のアイシャは聡明で孤独な女の子。アイシャ、マシュウ、オリエ……みな賢く、孤独。そんな彼らの生き様を見ていて、やはり人の寂しさに気付ける人間でありたいと改めて思い直した。人の輝きは眩しく、派手に見える。他方で寂しさは、その悲鳴は見えないところに隠されがちなものだ。誰かの幸せを願えるように、誰かの孤独の「香り」を嗅ぐことができる人間でありたい。
下巻もたのしみ。

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2023年12月30日

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上橋さんの本は大好きで特に守り人シリーズが好きです。でもこれはどちらかといえば獣の奏者的な感じに今のところ思っています。下巻を読むのが楽しみです。

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2023年11月30日

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ネタバレ

過酷な環境でもよく育ち、味もおいしい奇跡の食糧、オアレ稲。
ただし、この稲の近くではほかの植物が育たず、しかも収穫した籾からは芽が出ないため、毎年苗の支給を待つしかない。
ウマール帝国はこの稲の種籾を管理する事で戦をすることなく属国を増やし、大きくなってきた。
しかし、オアレ稲のみに依存する帝国の在り方に危機感を抱いた人々が秘密裏にオアレ稲を調べ、対策を講じようとするがその矢先、大規模な虫害が発生し大飢饉が迫る・・・というのが上巻のあらすじ。

帝国と藩国、隣国の思惑や駆け引きと絡めて物語は重層的に展開し、更にオアレ稲の謎も気になり、途中でめくる頁の手を止められない面白さ。
植物、というか現代の自然と人間との関係性についても考えさせられる物語です。さすが上橋さん!
下巻も楽しみ。

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2023年11月22日

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遥か昔、香りで万物を知るという女神がもたらした奇跡の稲。
海辺以外ではどこでも育ち、害虫に強い。
その力で人口は増え国は連合国の形ながら統一される。
しかし種籾を作れるのはその女神を連れ帰った皇帝とその中枢にいる一族の長のみ。
その稲の真実を知る者が去って早数百年。
書き換えられた栽培方法が進む中、再び香りで万物を知る少女が現れる。

著者の物語は、難しい名前や用語が出てきてもすぐに物語に没頭できるのは、現実の出来事が思い起こせるからだと思う。
そしてどんなに不思議な世界でも、描かれているのが思い悩むただの人間たちの物語だからなのだろう。

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2023年10月15日

Posted by ブクログ

今回は植物の話。
NHKの『「超・進化論」 第1集 植物からのメッセージ~地球を彩る驚異の世界~』と思しき箇所が結構出てくる。植物同士、根で助け合うとか、化学物質で益虫を呼んだりするとか。きっとこの番組にビビッときて書いたのでは…?
流れはいつもの上橋菜穂子流。特殊能力をもつ少女が色んなアレに巻き込まれて世界を救う感じ。
揺ぎ無い世界観としっかり組まれたシステムで読みやすい。

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2023年10月05日

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植物の声を香りで感じる事ができる、というのが面白いなと思いました。
確かに、植物が虫を呼ぶ仕組みとかそういう設定に当てはまる事もあるかもと、妙に納得できます。
何故か主人公達の本心というか、どういうキャラクターなのかがいまいち分からなくて、上巻を読み切ったのに寄り添いきれないけど、下巻がどう進むのか楽しみにまた続きを読みたいです。

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2023年08月17日

Posted by ブクログ

伝承と現実が混じり合いながら、物語が進んでいく世界にゆったりと身を預けていく、そんな気持ちになります。
何が真理なのかは、歴史の大きな流れで見ていかなければ分からないことを感じました。自分の考え方にも取り入れて、大きな目で成長していきたいです。

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2023年08月12日

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(2023.3)
P229
「ここに来るたびに、思うの。多くの他者が互いに手を差し伸べあっていることの意味を。弱いものを見放さず、手を差し伸べることが何を守るのかを」

「お日さまの光を独り占めして立つ木は、幸福そうに見えても、周りと繋がりを断たれて、吹きさらしの中で、ひとり生きていかなければならない。本当は寂しいのかもしれないわね」

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2023年11月15日

ネタバレ 購入済み

現代の農業に警鐘を鳴らす物語。

香りで世界を変えるーー面白いところから物語が始まったな、と思いました。
読み進めていくうちに、現代の世界的な農業の問題であるF1種のことを言っていることに気付き、これをファンタジーで語るのか、と驚きました。まだ前編ですが、後編どうなるのかが楽しみです。
惜しいと思うのは、物語の緻密さからも、テーマの重さからも、上下2巻では少し重たいのでは、と思うことで、守り人シリーズなどと比べると設定を追うのがかなり忙しくなり、説明も多いです。5巻くらいの広大な物語の方が読みやすかった気がします。

#深い

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2022年09月28日

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奇跡の稲、オアレ稲で繁栄したウマール帝国。
人と違った能力を持つ少女、アイシャは香宮へ連れて来られる。
やがてオアレ稲に虫害が起こり始めー。

帝国に都合の良いオアレ稲。稲の弊害すら国を牛耳る利点になってる。
さすがはベテラン作家さん、未知の世界でも想像しやすい描写。
下巻でもっと壮大なことが起こりそう。

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2024年03月29日

Posted by ブクログ

上橋さんの小説はどれも面白いです。ファンタジーですが、実際の虫害や食糧問題を深くまで理解して書かれてることが伝わり、楽しいだけじゃなくて勉強にもなります!

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2024年02月11日

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並外れた収穫量があり、病気にも強いが、他の植物が育たなくなる奇跡のオアレ稲を使って、着々と領土を拡大してきたウマール帝国。

かつてオアレ稲の受け入れを拒んだ王の孫が、オアレ稲の謎と向き合っていく。

この物語、今のところ誰一人として悪者は出てこない。もうそれぞれに事情ありますよねって感じなんだけど、ここからどのように話がまとまるのか、次巻に期待です。

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2023年12月13日

Posted by ブクログ

鹿の王を書いた作家さん。

ファンタジーというか、異世界のオアレ稲という穀物で世の中を支配する話。

そこに、香りで動物や植物がどのように感じているかわかる能力を持つ主人公が現れる。

もともとその能力を持つ人は、活神としてあがれられ、香君と呼ばれて存在する。

香君は生まれ変わる言い伝えがあり、かつその能力を本当に持っている香君も初代のみとの噂もある。

そんな時にオアレ稲が害虫にやられはじめ、帝国が危機に入ったところで上巻は終わり。

ファンタジーだけど、鹿の王より読みやすい。

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2023年11月08日

Posted by ブクログ

前の方に登場人物の名前が1ページにわたり
掲載されています。

登場人物が多い物語は苦手ですが、
頑張って読みました。

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2023年08月19日

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