【感想・ネタバレ】塞王の楯のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2024年04月30日

物語は圧倒的な力によって蹂躙される民の様子から始まり、戦国の世へと引き込まれてゆく。
特化した分野において人並み外れた才能を持つ二人が、奇しくも真逆のアプローチを以て泰平の世を目指す。互いの信念は導かれるように天下分け目の戦でぶつかり合い試されることになる。手に汗握る攻防の行方は、そして二人の思いは...続きを読む
結末まで飽きることなく楽しく読める作品。歴史小説にハマっていた頃を思い出した。

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Posted by ブクログ 2024年04月26日

お城の石垣職人である穴太衆と鉄砲職人の国友衆の戦い。
どちらも目指すわ泰平の世。
皆が鉄砲を持つ事で平和を目指す国友衆は今のアメリカとも重なって見えた。
この小説で、お城に対する見方も変わった気がする。
大河ドラマ以上の深い大河ドラマのようで楽しすぎた。
また、この著者の本を読んでみたいと思います。...続きを読む

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Posted by ブクログ 2024年03月27日

塞翁の盾

人が紙に残した歴史には書いた者の思惑が介在するが、土は、石は、大地は何も隠さずに事実を告げてくれる。

決死の100人だけならば如何なる恐怖にも耐えれるかもしれない。

たがそこに100人の心弱い者が加われば、瞬く間に恐怖は伝播して200人が慄くようになる。

人は誰かを傷つけた手で、別...続きを読むの誰かを守ろうとする。

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Posted by ブクログ 2024年03月13日

時代小説なのだけど少年漫画を読んでいるみたいだった。成し遂げたい夢、仲間、ライバルが揃い、絶対に諦めない。みんなが活き活きとした、気持ちの良い小説だった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月03日

最近読んだ小説の中では群を抜いてよかった。
史実に即しながらも、大胆な表現で、ページを捲る手が止まらなかった。
特に「何と言おうが破られないものが最上(の美しさ)、人の命を守るものが醜いはずがない」「だがそれが難しい。人が造ったものは人の手で必ず崩せる」という所に自身の仕事にも似た所があり、モノづく...続きを読むり、特に人の命に関わるモノ作りの本質をよく捉えているなと思った。
また、「人の技は連綿と受け継がれていき、それが時に自らの命を縮めることになろうとも、研鑽の道を歩むことを止めない。それは人が技を生んでいるのではなく、技という得体の知れないものが自らを世に出すために人に憑依して操っているようだ」というのもすごく納得できるカッコ良い表現だった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月01日

矛盾の頂上決戦。源斎が死んでしまったのは悲しいけれど、匡介がその意志を引き継ぎ、懸を発令するのは胸アツ展開だった。
匡介は彼にできる最大の方法で王を守っている。

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Posted by ブクログ 2024年02月24日

関ケ原の戦いの小説なのに、スポーツアニメを見ているようなわくわく感と没入感に浸りました。今、油がのりきっている作者の面目躍如でした。ライバル2人によるまさかの続編が出ませんかね?

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Posted by ブクログ 2024年01月25日

「じんかん」の読後、また今村翔吾の作品を読んでみたいと思っていた。
じんかんの読後、歴史に少し興味ありみたいな空気感を出した私やったけど、やはりそこから変化は無い私。

またもや、もっと歴史を知っていたらもっと楽しめたであろう、塞王の楯。

が、しかし無知も無知な私でも楽しめた!石垣を積む男が主人公...続きを読む。それに対峙するのが鉄砲を作る男。矛と楯。

匡介が大津城を守る為京極高次に呼ばれる。
高次がまた魅力ある描かれ方。その周りの人もまた良し。あまりにも愛のある人たちなので、この人達が死ぬなんて絶対無いやろ!!と無知過ぎるが故に、後半は勝手に盛り上がり勝手に太鼓判を押し読み進める事が出来た。

戦。絶対良くはない!  
でも、いろんな思いがあって色んな考えがあってこれが最善と決断してお互いがぶつかり合っている。

でもやっぱり戦は良くない。

匡介たちは戦を終わらせたくて腕に磨きを掛けてきた。


高次も魅力的やった!
なので、、歴史勉強すっか?!私!
とテンションは上がっていますが、早朝出勤に備え就寝準備に、、、

さて歴史ブームは来てくれるでしょうか、、
2024の私、さあどう出る!?(笑)


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Posted by ブクログ 2024年01月16日

矛盾ー絶対に敵を斃す武器と絶対に敵を防ぐ楯が相対するとどうなるのか。時は関ヶ原の戦い直前に「大津城の戦い」と呼ばれる攻城戦があった。

都に近く人々が行き交う近江国には、様々な技能を持つ集団がいた。一つは穴太衆、石積みの職能で全国の城郭の石垣を積むことで絶対に破れない城を目指す。その頂点に君臨する達...続きを読む人は「塞王」と呼ばれる。

もう一つは鉄砲鍛冶の集団で圧倒的な性能を持つ火縄銃をつくる国友衆で、このライバルが戦国期には切磋琢磨してきたのだ。ある時は琵琶湖水面の上に水堀を張り巡らし、ある時は雨天でも連射できる火縄銃を繰り出し、双方の攻防戦はやがて天下分け目の戦いに影響を与えていく。

戦国時代と言えば武士が主役のものが大半だが、いわゆる百姓の中でも特殊技能に属する集団が実は戦いの趨勢に影響を与えたというのは面白い。実際に大津城の天守が移築された彦根城では、天秤櫓の左右で野面積みと打込み接の両方が見られる。

直木賞受賞作品

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Posted by ブクログ 2024年01月08日

石垣を組むことを生業とする職人たち穴太衆を率いる頭の匡介と鉄砲作りを生業とする彦九郎の技と技のぶつかり合いが戦を通して繰り広げられ、武士による戦話とは違った趣の小説だった。
望むのはどちらも泰平の世なのに戦により対決する矛と盾、その攻防がヒリヒリする。圧巻の戦国小説。

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Posted by ブクログ 2024年01月08日

魅力的な登場人物とストーリー展開に、ページを捲る手が止まらず、寝不足になってしまった。胸の熱くなる一冊。
人を率いるということがどういうことか、成し遂げる人とそうでない人の差は何なのか、いろんなことを考えさせられた。

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Posted by ブクログ 2024年01月06日

圧巻の時代小説。めちゃくちゃ面白い!
お城を見るたび、昔の人はこんな城壁を重機も使わずにどうやって積み上げていたんだろう?
そんなことを思ったものです。
石工職人の技術とプライドが余す所なく書き綴られた戦国時代小説です。

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Posted by ブクログ 2023年12月26日

まるで実際に戦場となった大津城における石積みをその場で経験してきたかのように書かれており、臨場感たっぷりです。
攻める側と守る側の視点が交互に入れ代わるので、今どういう状況で何をしようとしているのかがわかりやすいです。
なにより次の展開が気になります。
攻め手が策をめぐらし城を落とそうとする。
対し...続きを読むて守り手側はどう対抗していくのか。
石工と鉄砲職人の攻防はかなり面白かったです。
また当時の石工や鉄砲など職人の生き様を大量の資料を読み込んで執筆されているのがわかり、大変感銘を受けました。
この一冊に読書の楽しみがつまってましたね!

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Posted by ブクログ 2023年12月16日

塞王の生き方、弟子に託する思いに完動した。人は誰かを傷付けた手で別の誰かを守ろうとする。とても共感した一節だ。

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Posted by ブクログ 2023年12月01日

なかなかこれは面白かった。名のある武将の歴史物語ではなく、そこに関わる一人の人生の生き様がドラマチックに描かれている。登場人物の構図もとてもよく、小説全体を盛り上げている。

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Posted by ブクログ 2023年11月27日

戦時中、職人さんの熱い想いと生き様が伝わりました。
人物や情景描写がとてもわかりやすく、読みやすかったです。

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Posted by ブクログ 2023年11月25日

アツい、もうほんとにアツいんですよ。
こみ上げるモノが多すぎて…本当に最高の時間でした。
もし分厚さで躊躇してる方がいらっしゃるならその点は心配無用です。
結局読みだしたら止まらず、一気に最後まで読んじゃいますから( ^ω^ )

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年11月23日

最強の矛と盾の戦いは引き分けとなったが、本当は人の心の矛盾こそが矛と盾の象徴でありそれを気づかせてくれるものという箇所が印象深く感じました。

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Posted by ブクログ 2023年11月22日

ご存じの直木賞受賞作品です。

今村翔吾氏の作品は時代小説ではあるが、史実
に則りながらも巧みに現代の視点が物語の要諦
を成しています。

どんな攻撃にも耐えることができる石垣と、い
かなる防御も破る火器との戦い。

まるでどこかの国のミサイルと、それを防ぐた
めのシステムの構築との関係に似たものを...続きを読む感じ
るのは、多くの読者も同じと思います。

矛盾の行き着く先は平和か破滅か。

司馬史観と言われた司馬遼太郎氏の歴史小説と
は、全く異なる歴史観を示してくれる一冊です。

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Posted by ブクログ 2023年12月23日

穴太衆 国友衆 どちらも戦いを終わらせたい想いは同じ。なんのための戦なのか 振り回されるのはいつの世も権力の下にいる人々。

極限状態に追い込まれて 技術や新たな力が生まれたりするのかな なんともやるせない気がする一方で、穴太衆を本気で心配したり 応援して ハラハラドキドキでした。
-京極宰相の戦い...続きを読むぶり、真に見後なり。
一命を許される。ここが良かった。
この本に出逢えて またひとつ視点が増えました。
ありがとうございます。

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Posted by ブクログ 2024年04月25日

最強の盾を誇る穴太衆(石垣造)と、最強の槍を誇る国友衆(鉄砲)の職人の意地とプライドを賭けた因縁の対決。
戦国時代の中で武士ではなく技能集団に着目して歴史の流れを魅せる手腕は極上。
文句なし、おもしろかった。

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Posted by ブクログ 2024年03月10日

石を積み続け、城、民、高次を守る穴太衆、かっこよかったー。
戦国時代ものは、名前が覚えづらくて言い回しが読み進めるのを妨げられるけど、この本は全くそんなことはなく、一人ひとり、とても魅力的に書かれていて、ストーリーもどんどん読み進めたくなる内容だった。
大津に石垣見に行きたい!

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Posted by ブクログ 2024年02月18日

どこまでがフィクションでどこまでが史実なんだろうか?やっぱりこの作者の作品は凄いです。
スピーディな展開に手に汗握りながら読みました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年02月13日

題がかっこいいのでずっと読みたいと思っていた。
まずその分厚さにちょっと怯む
正直真ん中辺まで読み心地としては冒頭は印象的だったのだが、
そっからがなんか話の流れが緩いなあと思っていたのだが、
大津城での戦いからは一気読みした。
玲次が帰ってきたとことか鳥肌ものだ
気がついたら日が暮れてた
なるほど...続きを読む、ここに全てが集約されているのか、と
こーゆープロフェッショナルものはめっちゃ好き
一本筋が通っててみんながかっこいい
京極の殿様のキャラもいい
関ヶ原直前の史実を踏まえて書かれているんだろうが、
今村先生の、こーゆー史実の中で本当にあったかのような物語はとても好き
面白い
それぞれがそれぞれの精一杯を積み重ねて、
そうやっていろんなものは進んでいくんだよなあっと
なんかいい感じの大円団にまとまっているところも読後感よし
おもしろかった

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Posted by ブクログ 2024年02月12日

なかなか手が出しずらい分厚さ!
完読にてこずるかと思いきや、意外と読みやすくさくさく進みました。

鉄壁を誇る石垣と至高の矛鉄砲。最強対最強の宿命の対決。お互いが「戦を無くす」ためを目的として技術を高めるライバル同志が大津城で激突。
両者が限界ギリギリまでしのぎを削る攻防
ハラハラドキドキ面白い!圧...続きを読む巻の読みごたえ

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Posted by ブクログ 2024年02月05日

歴史小説なので読み難いかなと思ったら、ほぼ、現代語だったので凄く読み易かった。鉄砲作りの職人と石積み職人の矛と盾の戦いに焦点を当てて描いた作品。とても斬新な設定で面白かった。武将の勝利に職人有り!でした。

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Posted by ブクログ 2023年12月16日

後半の大津城攻めの攻防は圧巻。読みごたえ十分です!
実家の土台は切込接ぎ、土手は野面積みです。小さい頃から野面積みの方が難しくて強いねんで、と聞かされて不思議におもったものです。この本を読んで深く納得。
この作品は石垣造りのスペシャリストが活躍して、まるで戦国武将小説さながらの迫力でした。戦国時代は...続きを読む大好きで、吉川英治作品以下、色々読み漁ったこともあり、史実から鑑みるとさすがにフィクションが過ぎるだろう…ということで星4つ。

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Posted by ブクログ 2023年12月09日

鉄壁の石垣を積み上げる「塞王」のあと継ぐ者と数々の新しい銃を生み出す、「砲仙」とよばれる二人の天才的職人。国友彦九郎と飛田匡介。戦の最中、敵の動きに合わせて石垣を積み替えるというようなことがありうるとは考えても見なかった。蛍大名と呼ばれた京極氏は大津城で長く持ち堪えることによって、結果的に毛利元廉ら...続きを読むを引き付けたことで、関ヶ原の勝利に貢献した。書き尽くされたかに見える時代であっても、視点を変えればこんなにも面白い小説が書けるのだということを読者に知らしめたところが、すごい。

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Posted by ブクログ 2023年12月04日

戦乱の時代に城の石垣を作る穴太衆と鉄砲を作る国友衆。矛と盾それぞれが、圧倒的な物を作れば泰平の世を作ると信じて技を磨いていく塞王と砲仙。
でも、最後には決めるのは人の心であると気づく。
「人は誰かを傷つけた手で、別の誰かを守ろうとする。人の心の矛盾の象徴こそ、己たちなのだろう。」
今の時代も変わらな...続きを読むい。
どんどん武器を進化させていく世界各国。
防衛費を増やしていく日本。
核という抑止力?
やまない戦争。考えさせられつつ、でも、
ホッとする、心温まるラストが良かったです。

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ネタバレ

著者らしい爽やかさ…。

2023年09月30日

2023年9月読了。

避けていた訳では無いのだが、しばらく積ん読状態だったので、手を延ばしました。

著者特有の爽やかで、思い遣りの有る優しい作風が、読んでいて本当に読書の醍醐味を教えてくれる、本当に「直木賞に相応しい傑作」だと思います。

徳川幕府に成ってからの綺麗な並びの石垣よりも、豊臣時代の...続きを読むいわゆる「野積み」の石垣の方が、強度も強く、難易度も高かったのは知りませんでした。
てっきり「綺麗な積み方」の方が強いんだと思い込んでいたのですが、世が平和に成り「強さよりも見た目の良さ」にシフトしていったから、後世の石垣は綺麗なのかぁと、目からウロコでした。

一方「矛方」である国友衆ですが、「そんなに素晴らしい精度の」鉄砲や大砲が作れていたのか、ちょっと疑問でしたがw、このお話にはこれで丁度良いのかも知れませんね。
こんなに精緻な大砲が作れたんだったら、「大坂の陣」の時、どうして家康は南蛮の大砲(仏狼機)を使ったのかなぁ~?って、ちょっと意地悪なことも考えちゃいましたww。

なんて御託はここまでにして、読後感の爽やかさと、「人の生死については、どんな時代も関係無く尊いもの」と云う、著者の信念も伝わって、大変面白く読み終えました。素晴らしいです。

#ドキドキハラハラ #アツい #切ない

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Posted by ブクログ 2024年04月04日

大河ドラマもそうだけれど、戦国時代の三英傑にはちょっと飽きてきたんだよなぁという人には、こういうちょっと一本脇道に逸れたような物語は面白い。
野面積みとか、穴太衆とか、聞いたことはあるけどあまり詳しくはない分野で、だからこそ興味深く読んだ。
石垣造りのプロ穴太衆vs.鉄砲の国友衆の攻防も、手に汗握る...続きを読む
戦国武将ではない職人衆が、それぞれ「戦のない世界」を目指して行動するところに胸を打たれた。
読後感もさわやか。

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