有吉佐和子のレビュー一覧

  • 恍惚の人
    まじでリアルで共感しすぎて辛かった
    なんか昭子の境地に行けなくて、だったら敏のまま無邪気な悪でいた方が楽だろうなーって考えながら読んでた自分おそろしーってなった
  • 非色
    いやぁ、これは興奮して読みました。ルッキズム、レイシスト…最近そういう言葉について、私はこう思うみたいな発信よくあると思うけど。いやぁ、この本は「いろんな考えが世の中にはあるよね」っていう発信があちこちから出るよりもちろん、ずっと前に、人の肌の色について、差別について、すごく子どもみたいに純粋に向か...続きを読む
  • 非色
    ざっくり人種差別の話、となんとなく知っていたので難しい話かもしれないと思っていたけど、すごく読みやすくて面白かった。

    人種は見た目で判断しやすかっただけで、そもそも人は何事においても他人を差別して自分の優位性を確認しないのでは生きていけないのかもしれない。
  • 悪女について
    読みながら沢尻エリカがやったらぴったりだなと思って調べたらすでに沢尻さんがドラマでやっていた。
    すべて主人公の周りの人たちが彼女について語っているだけで、彼女自身の思いは最後まで出てこないので真相は闇の中…それぞれが想像するしかないという所が、スッキリしないけど後に残って面白かった。
  • 恍惚の人
    一気読み。昭和47年刊ながら、高齢化社会について考えるのにとてもよい小説。認知症を患った義父のケアをする嫁の昭子を通して、高齢者のケアがどんなものかがとてもよく分かる。我が事として考えるきっかけになった。
  • 華岡青洲の妻
    八月三十日 有吉忌 
    有吉佐和子さんの作品はほとんど読んでいませんが、華岡青洲の妻は、とても引き込まれた作品でした。
    華岡青洲は、世界で初めて全身麻酔による乳癌手術に成功した外科医。庶民大衆への治療に従事しながら、麻酔剤を精力的に研究していた。
    主人公は、この医師の妻となった加恵と、この医師の母であ...続きを読む
  • 紀ノ川
    花の一生、理想の女の生き様かと思えばもっと濃いもの。教養はあれどしとやかであれ、というだけに止まらず家に対する執念など。

    花の死際、家の縛りから放たれ、抑圧していたものが全て解放している様は読んでいて辛い。呆けだけではなくヤケのような、
    白蛇が出たのだからじきに花も死ぬのだろうが、その場面まで書か...続きを読む
  • 紀ノ川
    女三代期。戦後財閥解体を経て没落した一家を描く。紀の川上流の紀本家から嫁いだ花。花を旧世代だと批判する娘文緒。幼少期を外国で過ごした病弱な孫華子。それぞれの女の力強さを感じる。
  • 華岡青洲の妻
    どこの家庭でも問題はあるんだなぁと思う。それを乗り越えてどっしりと構えられるのだと思うと自分はいかに甘ちゃんだと実感。
  • 恍惚の人
    途中、読み進めるのが辛いと思うくらい、生々しく描かれているが、だからこそのめり込んで読み切ってしまった。生きるということ、死ぬということについて考えさせられる作品。何かの答えを示してくれるというよりは、高齢社会について考えるきっかけを与えてくれる作品だと捉えています。
  • 紀ノ川
    紀伊半島一周の旅、終着の和歌山市にて。

    和歌山の言葉は初めて知ったなあ。
    豊乃〜花〜(文緒)〜華子と、紀ノ川が流れるように移ろっていくお話で、すらすらと読みました。
    それぞれに大変な苦労が起きてるにも関わらず、心を重くせずにいられたは、4者4様に持つ強い芯としなやかさの為かな?

    次に訪れた時は、...続きを読む
  • 恍惚の人
    進んだ先か、戻っていく末か、はたまたその道半ばで。人は皆いつか死ぬとはいえ、最期をどう迎えるのかは分からない。アンチエイジングだなんだと頑張ってみても、老いていく。少しずつ、時に急激に。「老いる」ことを家族のこと自分のこと他人のこととして、考えておく。他に何かできることがあるだろうか。
  • 恍惚の人
    この本が発売された1970年代にはもう高齢者の介護問題があったことに驚いた。生々しい描写で老いた舅が書かれていて非常に興味深い作品だった。
  • 断弦
    昔の父親をさらに頑固にした感じの父親に結婚を反対されても添い遂げ三年も縁を切られ、半ば意地になって娘の手紙も送り返す。それを軟化したのが若い、しかも礼儀もなってなくすぐに反発する女の子。
    その子と父親が知り合う事によりどんどん意地も取れていく。
    父親、娘の心情が引き込まれ、あっという間に読み終わる。
  • 紀ノ川
    朗読の時間
    人の一生は川のようなものなのだとつくづく思う。
    悠然と流れる川もいろいろある。
    登場人物、必ずしも同意できないが
    大河のような物語だった。
  • 不信のとき(上)
     今年は有吉佐和子(1931-1984)さんの生誕90年であります。若くしての病死でしたが、「笑っていいとも」での奇行から僅か二か月後の訃報に、当時は死因が色色取沙汰されたものです。

     ここで登場する『不信のとき』は、1967(昭和42)年に日本経済新聞にて連載されたもの。主人公の浅井義雄くんは、...続きを読む
  • 紀ノ川
    紀州の素封家を舞台に明治、大正、昭和の時代を紀ノ川のようにたくましく生きた女の物語。
    九度山の名家・紀本家の娘・花は、早く亡くなった母親替わりである祖母・豊乃の愛情と教育を受けて、才色兼備の女性に成長する。
    彼女は、紀ノ川の流れに沿って、六十谷の名家・真谷家に嫁ぐ。婿となる真谷敬策は新進気鋭の村長で...続きを読む
  • 紀ノ川
    読み応えのある作品。紀州弁が更にこの物語に彩りを与える。それぞれの世代における女性の価値観が見事に描写されている。今の時代に生きていてよかったと思うのと同時に、御っさんと呼ばれた花の生き方にも憧れを抱く。
  • 恍惚の人
    パパもママも、こんなになるまで長生きしないでね。

    という息子の言葉。自分が母親だったら「自分だってこんなになるなら長生きしたくない。」と思うだろうな、と思った。
    だけど、老いはだれにでも訪れる。
    リアルな老いを知らないまま、ある日突然親の介護に直面するから驚いてしまう人が多いのだろう。
    自分もその...続きを読む
  • 華岡青洲の妻

    世界初の全身麻酔手術が日本で行われていたことなんて全然知らなかったので、そこでまずビックリ。(無知で申し訳ない)

    そして青洲が自分の母親と奥さんを実験台にしていたのもどうやら史実。どこまでがフィクションなんだろう?ってすごく興味がわいた。日本史とか勉強してた時代に知りたかった〜〜

    全身麻酔をは...続きを読む