小前亮のレビュー一覧
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蜀将そして孔明の遺志を継ぐ者として進み続ける姜維の姿は、実に愚直なまでに真っ直ぐで曇りが無いと感じます。諸葛瞻に否定された場面それから再び立ち上がる姿や、トウ艾へ向けた問い掛けはまさに彼を現しているのではないか、と。
それとはまた違い、陳蓮や羌族の双子へ向ける顔は一人の人間としての彼の姿であったと思...続きを読むPosted by ブクログ -
朱元璋の半生ということで、どちらかというと(人として)かっこよく見えるまでを描いている。明を建国したのちのことは多くふれられていない。
それでも、明建国に至るまで初志貫徹したのは素晴らしい。この後どうなることになろうとも。
皇帝としての貌を見事に描き切ったのではないか。Posted by ブクログ -
姜維の半生、諸葛孔明によって共に慈しまれた蜀漢への忠誠の年譜を、逞しい空想力で描いた。ライバルの?艾、鍾会との対決を、この小説によって目に浮かべることができるのが楽しい。
もっとも、全体のタッチは、少し弱々しい北方『三国志』のようだ。姜維は真面目だが剛直さに欠ける描像となっている。Posted by ブクログ -
歴代中国皇帝から、作者が選んだ28人の人物伝。
第一章は、王朝の初代皇帝5人。
第二章は、クーデターで皇位についた5人。
第三章は、短命王朝・皇位目前で敗れた7人。
第四章は、外征を成功させた6人。
第五章は、一癖ある5人。
三・五がいい。
紹介されている28人は、それぞれ知名度の差こそあれ、ビ...続きを読むPosted by ブクログ -
ヌルハチという人は、清の初代皇帝というわけではないんだ。しかし、その土台を作ったという意味では、偉大な人には違いない。中国は、歴史が長いから、まだまだ知らないことが多い。Posted by ブクログ
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「残業税」の3冊目。
最初の巻はさほど面白いと思わなかったが、2冊目3冊目とまずまず楽しく読めるようになった。
残業税そのものに焦点を当てるのではなく、「残業税が導入された社会」という設定の中で殺人事件の謎解きや社会派ミステリーにしたのが良かったみたい。
ということで、今回は前作で国税局の助っ人と...続きを読むPosted by ブクログ -
前に読んだ「残業税」の続編。
と言っても、前作に出てきた西川は使い走りで、矢島はほとんど友情出演の体。主要な登場人物は全く変わっているので、姉妹編と言った方が良いみたいな感じ。
ひとりの残業税調査官(マルザ)が殺され、その犯人と背景の真相を巡って、相棒だった労働基準監督官、事件を追う警視庁、現場と...続きを読むPosted by ブクログ -
【収録作品】 プロローグ/ボランティア・ケア/休息なき教育/象牙の塔の残業/マルザの憂鬱/エピローグ
今回の舞台は、介護、私立学校、大学。そして、マルザの邪魔をする悪徳法律事務所との闘い。
すっかり主役は砧に移り、やりたいことをやりたいようにやる働きぶりが小気味よい。
法を守りつつできるだけ人を...続きを読むPosted by ブクログ -
新宿労基署の残業税調査官・通称マルザの土井垣が、北軽井沢の山林で他殺体となって発見された。国税局職員・大場莉英に、警察より先に事件の真相を探れという特命が下る。新宿税務署の砧の協力を得て調べを進めるうち、ある企業グループの存在が浮かび上がる。
前作の主役は最後にちらっと出てくるだけ。相棒もちょっと...続きを読むPosted by ブクログ -
新宿労基署の残業税調査官が、山林で他殺体となって発見された。国税局の職員・大場莉英に、警察より先に事件の真相を探れという特命が下る。警察、国税局、労基署それぞれの視点から働くことの意味や法制面の矛盾に鋭く斬りこむお仕事小説withミステリ。
前作・残業税の着眼点がツボで、シリーズ化されていると知り...続きを読むPosted by ブクログ