小前亮のレビュー一覧

  • 三国志姜維伝 諸葛孔明の遺志を継ぐ者
    蜀将そして孔明の遺志を継ぐ者として進み続ける姜維の姿は、実に愚直なまでに真っ直ぐで曇りが無いと感じます。諸葛瞻に否定された場面それから再び立ち上がる姿や、トウ艾へ向けた問い掛けはまさに彼を現しているのではないか、と。
    それとはまた違い、陳蓮や羌族の双子へ向ける顔は一人の人間としての彼の姿であったと思...続きを読む
  • 朱元璋 皇帝の貌
    朱元璋の半生を描いた1冊。粛清に明け暮れた後半生に達する前まで。なので、太閤記と似たような印象です。

    読み物として、粛清に明け暮れることが楽しめるかといえば、否なのですが。読んでみたいなとは、少し思いますね。
    元討伐時と明建国後で、極端な二面性を見せた人物なので、その落差は書いてもらいたいところ。...続きを読む
  • 朱元璋 皇帝の貌
    朱元璋の半生ということで、どちらかというと(人として)かっこよく見えるまでを描いている。明を建国したのちのことは多くふれられていない。

    それでも、明建国に至るまで初志貫徹したのは素晴らしい。この後どうなることになろうとも。

    皇帝としての貌を見事に描き切ったのではないか。
  • 三国志姜維伝 諸葛孔明の遺志を継ぐ者
    姜維の半生、諸葛孔明によって共に慈しまれた蜀漢への忠誠の年譜を、逞しい空想力で描いた。ライバルの?艾、鍾会との対決を、この小説によって目に浮かべることができるのが楽しい。
    もっとも、全体のタッチは、少し弱々しい北方『三国志』のようだ。姜維は真面目だが剛直さに欠ける描像となっている。
  • 朱元璋 皇帝の貌
    最貧農層から明の皇帝にまで駆け上がった朱元璋の物語。孔子のいた春秋、始皇帝が戦っていた戦国、司馬遷や三国志の巻、水滸伝や玄宗、岳飛の宋などの時代については読むこともあるが、元から明のこの時代は馴染みが薄い。そのような時代を頭の中に展開させることができる、思い浮かべることがができる、やはりそれが歴史小...続きを読む
  • 中国皇帝伝 歴史を動かした28人の光と影
    作られた名君もいるが名前残すだけあって劇烈な個性派。コジキ坊主から成り上がった朱元障、異なる肖像画が2つもある時点でヤバイ。
  • 李巌と李自成
    李自成のイメージは、ヤンキー出身で今は丸くなりました、の管理職ってとこでしょうか。
    李巌は、大卒で管理者候補、現場修行中?かなぁ。
  • 中国皇帝伝 歴史を動かした28人の光と影
    歴代中国皇帝から、作者が選んだ28人の人物伝。

    第一章は、王朝の初代皇帝5人。
    第二章は、クーデターで皇位についた5人。
    第三章は、短命王朝・皇位目前で敗れた7人。
    第四章は、外征を成功させた6人。
    第五章は、一癖ある5人。

    三・五がいい。
    紹介されている28人は、それぞれ知名度の差こそあれ、ビ...続きを読む
  • ヌルハチ 朔北の将星
    ヌルハチという人は、清の初代皇帝というわけではないんだ。しかし、その土台を作ったという意味では、偉大な人には違いない。中国は、歴史が長いから、まだまだ知らないことが多い。
  • 残業税 マルザの憂鬱
    「残業税」の3冊目。
    最初の巻はさほど面白いと思わなかったが、2冊目3冊目とまずまず楽しく読めるようになった。
    残業税そのものに焦点を当てるのではなく、「残業税が導入された社会」という設定の中で殺人事件の謎解きや社会派ミステリーにしたのが良かったみたい。

    ということで、今回は前作で国税局の助っ人と...続きを読む
  • 残業税 マルザ殺人事件
    前に読んだ「残業税」の続編。
    と言っても、前作に出てきた西川は使い走りで、矢島はほとんど友情出演の体。主要な登場人物は全く変わっているので、姉妹編と言った方が良いみたいな感じ。

    ひとりの残業税調査官(マルザ)が殺され、その犯人と背景の真相を巡って、相棒だった労働基準監督官、事件を追う警視庁、現場と...続きを読む
  • 僕たちの関ヶ原戦記
    関ヶ原の戦いで西軍勝利、という歴史改変が行われた世界線。中学生3人が、正しい歴史に戻すためにタイムスリップして、大冒険の物語。


    歴史改変の黒幕となった謎の人物がいう独り言が、ワクワクを誘う。
    「関ヶ原つながりで壬申の乱も面白いな。源平の争いを逆転させるのは難しいか。あとは、信長を生き返らせるのも...続きを読む
  • 残業税 マルザの憂鬱
    【収録作品】 プロローグ/ボランティア・ケア/休息なき教育/象牙の塔の残業/マルザの憂鬱/エピローグ

    今回の舞台は、介護、私立学校、大学。そして、マルザの邪魔をする悪徳法律事務所との闘い。

    すっかり主役は砧に移り、やりたいことをやりたいようにやる働きぶりが小気味よい。
    法を守りつつできるだけ人を...続きを読む
  • 残業税 マルザ殺人事件
    新宿労基署の残業税調査官・通称マルザの土井垣が、北軽井沢の山林で他殺体となって発見された。国税局職員・大場莉英に、警察より先に事件の真相を探れという特命が下る。新宿税務署の砧の協力を得て調べを進めるうち、ある企業グループの存在が浮かび上がる。

    前作の主役は最後にちらっと出てくるだけ。相棒もちょっと...続きを読む
  • 残業税
    労基署と税務署がタッグを組み、サービス残業という労働法違反と脱税を暴き出す。
    長時間労働を防ぐため奮闘するが、相手方の企業もなかなか簡単には尻尾を掴ませない。
    様々な葛藤と事件の中、仲間に助けられながらも自らの仕事に突き進む。
    実際にはない残業税なるものだけど、リアル過ぎる内容に、現実もそうだったか...続きを読む
  • 残業税
    リベンジ告発という怪しげな用語は寺内の創作だが、そういう事例はたまにある。つまり、勤務態度や能力に問題があって解雇された社員が逆恨みして、労基法違反や時間外労働税法違反で古巣を告発するのである。残業税の導入以降、労働改革が進んで正社員の解雇が増えている。

    「自信をもつっていうのは、必要なんですけど...続きを読む
  • 残業税
    どなたかの「残業税マルザの憂鬱」のレビューを読み、面白そうだったのでシリーズ最初の巻を買ってみた。

    過重労働を減らすために超勤手当に税金を課すとはなかなか考えたな。なんて思いながら読み始めたけれど、肝心の残業税に突っ込みどころも多く、その設定に従って進む話がなんだかなぁ。
    主人公の二人は人間的な魅...続きを読む
  • 残業税
    【収録作品】マルザの日常/脱税のトライアングル/誇り高き復讐者/メテオの衝撃/逆襲のクリスマス・イブ

     残業税という言葉のインパクトに惹かれて読む。
     それがなくても、ブラック企業のやり甲斐搾取の話は普通に通じる。
     矢島の誠実に仕事をする姿勢は好もしい。だからこそ、「けじめをつける」とかで、離婚...続きを読む
  • 残業税 マルザ殺人事件
    新宿労基署の残業税調査官が、山林で他殺体となって発見された。国税局の職員・大場莉英に、警察より先に事件の真相を探れという特命が下る。警察、国税局、労基署それぞれの視点から働くことの意味や法制面の矛盾に鋭く斬りこむお仕事小説withミステリ。

    前作・残業税の着眼点がツボで、シリーズ化されていると知り...続きを読む
  • 残業税
    残業に税金を課す「時間外労働税」が導入。これに伴い、社会全体の残業時間は劇的に滅る一方で、サービス残業という【脱税】も横行し始める。税務署の残業税調査官と労基署の労働基準監督官がコンビを組み、ブラック企業を取り締まるお仕事小説。

    3か月ぶりに立ち寄った古本屋。

    右を見ても本。
    左を見ても本。
    ...続きを読む