四方田犬彦のレビュー一覧

  • 愚行の賦
    四方田犬彦という名前は、本来、四方田丈彦だった由。トアルところで、丈という字が、犬という字に変化、その変化を楽しんでいる著者であります。愚行が氾濫する時代の中で、改めて、愚行についての論考を深める著者であります。奥が深いというか、何やらカミュ的世界へのいざない、のような気も致します。★三つであります...続きを読む
  • 「かわいい」論
    かわいいという言葉についての成り立ち、日本語と海外での捉え方の違いなどは興味深いし、かわいいと感じる背景に小ささ、儚さ、弱さなどが含まれることは納得。
    ただ、可愛いというのは結局なんなのかはわからぬままで未消化な部分も結構あった。
    なんとなくわかるようなわからないような…
  • 「かわいい」論
    いわゆるオタク文化の紹介ではなく、もう少し広い意味での文化現象としての「かわいい」現象の実態に、文化人類学的な観点からメスを入れる試みです。歴史的な考察や、学生たちへのアンケート、秋葉原などへのフィールド・ワークなどが含まれています。

    本書の中で、「かわいい」という言葉についてフェミニストの上野千...続きを読む
  • 「かわいい」論
    ヴァルネラビリティに満ちた存在=「かわいい」。支配したいという欲求。対象を自分よりも下の、劣等な存在とみなすこと。
  • 犬たちの肖像
    人間のもっとも古い伴侶、犬。
    小説、映画、漫画に至るまで、作品のなかに顕れる「犬」の存在をめぐるエッセイ集です。

    四方田様らしいハードボイルドを存分に堪能。
    献辞はかつての愛犬へ。
    犬に「兎吉」と名付けるところも素敵です。

    先日TV番組に紹介されたせいでTwitterに川端康成が5匹の子犬を抱え...続きを読む
  • 「かわいい」論
    結構興味深い内容なんだけど結論出てなくね???ってなった。
    なんかキティちゃんとか萌えとかファッションとかいろんな視点から考察してたんだけどもうちょっと絞ってもよかったかなと思う。
    まあでも「かわいい」という言葉?概念?について考察してること自体面白いというか斬新なので、一読する価値はあると思います...続きを読む
  • 再会と別離
    別離と再会、ではなく。再会と別離についての往復書簡。再会とは、誰かと再び出会うだけのことではなく、自分とも再び出会うことでもあるのだなぁ、と。そして、誰かとの別離は自分の一部と別れることでもあるのだなぁ、と。
    往復書簡という形は、相手に触発されるものがありながら、熟考という時間が間にあって、自らの思...続きを読む
  • 「かわいい」論
    分析は概ね納得のできるものだが一言でいうと隔靴掻痒の感が残る。取りも直さずそれは著書本人があとがきで述べるとおり、自身が「かわいい」圏外に留まり観察者として外から覗く姿勢に終始しているからだろう。よくも悪くも新書サイズの読後感。
  • 「かわいい」論
    かわいいの歴史的変遷や、かわいいの対象多様性、ジェンダー間でのかわいいの受け取り方の違いなど、「かわいい」の定義付けは困難を極めるが、それが逆にこれだけかわいいを普及させることになったのかも。
  • 「かわいい」論
    最近なんでも「かわいい」という言葉でまとめられていることが気になり読んでみることに。
    そもそも「かわいい」の感覚は『枕草子』うつくしきもの に書かれているように平安時代にまでさかのぼるとのこと。
    「かわいい」感覚を文化史の視点から分析された本書は、なかなか面白かったです(o^^o)
  • 「かわいい」論
    まえまえから、海外に行くと日本人女性の「かわいいー!」があちこちから聞こえてきて、日本を象徴する単語だと興味を持っていた。
    かわいいにはいろいろな側面がある。
    それを余すところなく多方面から考察している本書は大変興味深かった。
    かわいいの始まりの枕草子。
    かわいいを多用する女子大生。
    キモかわいいと...続きを読む
  • ゴダールと女たち
    気難しいゴダール論が多い中で、さらっと読めるゴダール論の新書。
    大島渚が
    「(自己変革が)到底不可能な女に、自己変革しろと迫るのがゴダールの趣味なのかもしれない。どうもゴダールにはそういう不可能へ寄せる情熱のようなものがある。そして美女たちは結局逃げ、ゴダール自身はそのことによって必然的に自己変革を...続きを読む
  • ゴダールと女たち
    ゴダール「映画史」を見るために読んだ本。
    しかしあまりに素人過ぎて読んだことが映画鑑賞に全く活かされず。

    ただ、これくらい気軽に読めるゴダール本はもっと増えてほしいです。
  • ゴダールと女たち
     ジーン・セバーグ、アンナ・カリーナ、アンヌ・ヴィアゼムスキー、アンヌ=マリ・ミエヴィルの4人の女性の生涯を語ることで、ゴダールの作品に言及していくという試みに惹かれました。
     ゴシップ的な内容も多く、作品に対する批評も軽めでありますが、僕のような非マニアにはゴダールの作品をいったん俯瞰するにはとり...続きを読む
  • 「かわいい」論
    ライトな現代文化論。「かわいい」にはこういう面もあるよ、こういう面もあるよ。ホラ、「かわいい」って不思議じゃない?すごく興味深くない?と提案してくる。
    アウシュビッツの猫や双子の写真で言及しているように、「かわいさ」って残酷さや不気味さを示すときもあるよね。どういったときにそう思うのだろう。「美し...続きを読む
  • 「かわいい」論
     四方田さんによる書名どおりの内容の本。もはや「言わずと知れた」と形容したほうがよいかもしれないくらいに著名な一冊でございます。

     書名が全てを表しているように、日本独自の感性である可能性もある「かわいい」に関して網羅的に述べている。それこそ、連綿と続く日本文化の中の「かわいい」を紡いでみたり、一...続きを読む
  • 「かわいい」論
    本を読むときの1つの楽しみは、頭のいい人がすっきりと言葉にしてくれること。
    おじさんもぼうさんもアイドルも男子も女子もキティちゃんもブロッコリーもなんでもかんでも「かわいい」の違和感。俯瞰する、というところまでしか行ってないような気もしているけれど、言葉にするという試みは大事だし、細かく分けていく、...続きを読む
  • 「かわいい」論
    初めて読むまともな「サブカル」分析の本。
    「かわいい」について、古典を繙いたり現代の日本文化から考察を試みたり、それこそ「通時的かつ共時的に分析」してはいるんだけど、その範囲が広すぎて収拾がつかなくなっている印象を受けた。
    雑多な分析、というか。
    もう少し主題(というかアプローチ)を絞ってくれたほう...続きを読む
  • 「かわいい」論
    途中、飽きてしまい読み進まない部分があったが、
    ひとつの考察として読めて良かった。
    しっくりくるところと全く響かないところが極端にあった。