大庭忠男のレビュー一覧

  • 九尾の猫
    社会派ミステリ。
    連続殺人犯を追うエラリイ・クイーン。
    全く手掛かりがない状態から、一気に事件が繋がり、容疑者が見つかるシーンがとても印象的。
    大衆の混乱を描いた章も、価値がある名シーン。
    結末にも一捻りあり、最後まで楽しめた。
  • ウッドストック行最終バス
    オックスフォードでヒッチハイクをしていた2人の娘。1人が死体で発見され、もう1人は行方不明に…全編パズルだらけ。謎また謎のパズルミステリの傑作。モース主任警部第一作目である。モース主任警部は個性も何もなく街ですれ違っても気が付かないレベルの、主人公としてはつまらない人物。但し頭の冴えはピカイチ。単な...続きを読む
  • ウッドストック行最終バス
    モース主任警部シリーズ第一作。ドラマの印象が強く、ルイス警部ともいいコンビ。出会いの場面からして思わず笑ってしまうようないい味を出しています。仕事熱心なのかそうでないのか...事件そのものより、主人公の個性に惹かれて読み続けました。
  • ウッドストック行最終バス
    クロスワード好きらしい作者の謎解きミステリ。

    バスが来ないというのでヒッチハイクをするつもりだったが、ちょうどやってきた赤い車に拾ってもらった。

    だが、そのうちのひとりが殺された。

    モース警部は聞き込みをして、パズルを解くように事件を構築し積み上げ組み直してみる。
    何度か振り出しに戻ってやり直...続きを読む
  • キドリントンから消えた娘
    これがコリンデクスターの個性か。何度も何度も推理に失敗し、想像力を武器に新たな仮説を組み立てるモースがとてもいい。非常に印象深い作品。
  • ニコラス・クインの静かな世界
    難聴のニコラスクインが殺された。海外学力検定試験委員会に選ばれた無害な彼はなぜ殺されたのか?
    モース主任警部のアクロバティックな推理?が炸裂する!!
    期待通りの仮説と推理の繰り返しで大満足。事件の肝が不正絡みか恋愛か動機は釈然とせず。被害者も含めた登場人物の行動の時刻がいまいちわからない。モースとや...続きを読む
  • ウッドストック行最終バス
    英ミステリ作家、コリン・デクスター(1930-2017)による、モース主任警部シリーズの1作目。
    モースは、「英国で最も好きな探偵」第1位に選ばれたこともあり、イギリスではシャーロック・ホームズを凌ぐ人気があるとも言われるのだそうである。
    本シリーズは長編13作、短編集1冊が刊行され、モースの死によ...続きを読む
  • 九尾の猫
    マスコミによる民衆の扇動、容疑者との心理戦、最後のドンデン返しといろいろな要素が詰まって読み応えある。現代からするとちょっと雑な部分が残るけど、そこを割り引いても面白い。
  • ニコラス・クインの静かな世界
    聴覚障害を持つニコラス・クインが殺された。
    彼の勤務先は海外学力検定試験委員会。
    英語を母国語としない国での英語の学力試験を行う機関(?)らしい。TOEICとかTOEFLみたいなモノかな?

    最後まで読んで面白かったんですが、よくよく思い返すと、捕まったの誰だったけ?みたいな。
    あの人結局関係あった...続きを読む
  • ウッドストック行最終バス
    全編、モース警部による推理の「構築→解体」の試行錯誤であり、ラストまでもったいぶってようやく推理を開陳する一般的なスタイルとは違うところが楽しかったです。解説にもありますが、現代が舞台なのにしれっと「科学捜査」を無視しちゃう手法も面白いです。潔いw
  • ウッドストック行最終バス
    ミステリの金字塔とも言える作品のひとつ。登場人物がみんないい感じに堕落してるとことか、おちゃめなモースとマジメなルイスのコンビの噛み合わないやり取りとか、トリック以外にも楽しめる要素がたくさんあった。あと意外とエロい描写も多い笑

    読み終わったあとクロスワードって言われると、確かにしっくり来る。引き...続きを読む
  • 日本庭園の秘密
    国名シリーズ最終作。
    ここまで対立しているクイーン父子を見るのは初めてな気がする。
    解決はあっさりだが、ラストの数十ページには
    中期クイーンの片鱗が垣間見える。
  • 帝王死す
    アートというものが投機の対象でしかないならば
    戦争もやはりハプニング・アートの一例にほかならない
    くだらないことである
    表現の自由は存在せず、ただ暴力を煽り正当化するなにか
    …たとえば、ありきたりな「物語」
    そんなものがでっち上げられているばかりなのだから
    クイーン親子は、20世紀最大の武器商人「ボ...続きを読む
  • 九尾の猫
    【あらすじ】
    ニューヨークで組紐による無差別連続絞殺事件が発生。警察やエラリーの必死の捜査にも関わらず止まらない殺人に、メディアはネコを模した犯人像を書きたて、市民は恐怖を募らせる。やがてエラリーは、被害者の出生にある共通点を見つけ出す。

    【感想】
    既に何名か殺人が起こった状態で始まり、そこにエラ...続きを読む
  • 悔恨の日
    モース警部シリーズの最終話。初期の『ウッドストック行最終バス』や『ジェリコ街の女』のようなモース警部の推理→再構築→新しい推理のスピード感はないが、モース、ルイス、ストレンジの主要登場人物の人間味が際立つまさに『名探偵退場』の一冊。
    初めて読むならやはり最初の『ウッドストック行最終バス』から読むのが...続きを読む
  • ジェリコ街の女
    自信満々に誤った推理を展開する、尊大だがどこか憎めないモース主任警部と、お人好しで翻弄されてばかりな反面、モースの推理をたったひとことで崩してしまう意外な鋭さももつルイス部長刑事。そんなふたりの凸凹コンビぶりが相変らず楽しいシリーズ第5作(前回読んだ『ウッドストック行き最終バス』が第1作とのこと)。...続きを読む
  • 九尾の猫
    クイーンファンを自認しながら、本書はその梗概すらすっかり忘れていた・・・・・・。もうほとんど初読のような感じで読んだのだが・・・。

    いやもう、完成度高い。
    パズラーとしてはちょっと薄いけれど、サスペンスとしては超一級。ぐいぐい読ませる。
    もちろん、中盤で「なぜこの順番で殺されていたか」を説明するシ...続きを読む
  • 悔恨の日
    長編13冊終了。
    この日が来るのが待ち遠しかった。
    でも今はさびしい。モース警部終わってしまった・・・

    13冊読むと泣くよって言われて意味わかりました。
    ウッドストックからこの期間、他の皆さんは何年もかけたので、
    数週間で読み終えてしまったのはもったいないっていうか申し訳ない。ごめんなさいm(__...続きを読む
  • 死はわが隣人
    「死」について、「病気」についてモース警部が実に感慨深くなるシーンが多くなった本書、もはや…とも思わせる。
    と、そう記するとやけにシリアス調な内容と思わせられるがやっぱり、モース警部シリーズはこうでなくちゃ!コント満載です。
    思わず吹き出してしまいそうになる会話も多く、彼、彼らが(モースからの突っ込...続きを読む
  • カインの娘たち
    モース警部シリーズ。
    続けてモース警部の事件簿を読んでいると時間の経つのが早いような気がする。あっという間に読めちゃうという意味ではなく、モース警部が年をとっていくのが哀しいかな手に取るごとく・・・という意味。
    何年間もかかって書かれたモノを数カ月で読んでしまおうというのだからしょうがないけれど、モ...続きを読む