「上善如水」が飲み物としても言葉としても好きだったのだけれど、言葉としての意味は恥ずかしながらネットの知識しかなかったため読んでみた。
「孫子」が読みやすくて個人的に好相性と感じた金谷治先生による老子道徳経の上篇・下篇、全81章の解釈と解説。
構成として、各章ごとに「意訳」「読み下し」「原文」「
...続きを読む解説」となっていたり、副題?を付けてくれているなど、初心者にも読み進めやすい工夫が随所に凝らしてある。
この人の古典解説本、親切で本当にすき。
全体の率直な感想としては「老子、水、好きだなぁ」というのと「不幸な弱者がこれ言ったからってただの強がりにしかならんでしょ」。
たまに老子自身も「これ言っても世間は誰もわかってくれない」的な恨み節を言っていて急に親近感がわく。
そして、著者の解説が上手いのか、特に下篇の後半にかけてだんだんエキサイトしてくる感じに、ひとつの物語モノで味わうようなストーリー性を感じた。
読み終えたときの達成感とか読後感が清々しい。
かいつまんで拾い読みしても得られるものは多々あるとおもうけれども、個人的には頭から終わりまでぶっとおしで読んで痛快な清々しさを感じる、というのを何回もやりたい。
これは名著。