諸田玲子のレビュー一覧

  • 王朝まやかし草紙
    舞台は平安時代。宮中の権力闘争と愛憎劇を題材にしたミステリー。
    意外な展開もあって面白かったけど、真相がはっきりしないところもあった。特に気になったのが、
    ①山吹の首に琵琶の弦が巻き付いていたのは何故か。
    ②琵琶の中に柘榴石が入っていたのは何故か。
    あの人の関与をほのめかしながらも、あえてはっきり書...続きを読む
  • 今ひとたびの、和泉式部
    和泉式部といえば、恋多き女。次々と恋人を替え、情熱的な恋の歌を数多く詠んだ歌人。

    とりわけ、漫画の「和泉式部日記」の印象が強く、弾正宮と帥宮との恋愛のところしか知らなかった。

    その後も何人かと恋をしていて、その結末がこのお話では驚く形で結ばれていた。
    平安時代の小説はまだまだいろいろな形があるも...続きを読む
  • 尼子姫十勇士
    戦国時代尼子氏の興亡を素材にしたホラー,ファンタジー.十勇士はともかくとして神話を混ぜ込みながら荒法師の祟りやオロチまで登場して最後は何かよくわからない世界に行ってしまった.スセリと鹿介はいいとしても,ナギやイナダのその後にも触れて欲しかった.黄揚羽や猫女など魅力的な人たちもいるのだが,主人公に魅力...続きを読む
  • 尼子姫十勇士
    「我に艱難辛苦を与え給え」と言ったといわれる戦国時代の尼子の武将・山中鹿介たちの尼子再興の戦いを描いたファンタジー小説。
  • 遊女のあと
    なかなかのヴォリュームでしたが、楽しんで読めました。

    質素倹約を強いる幕府に対抗して、遊興を奨励し空前の繁栄を見せる“夢の都”・名古屋で出会うこなぎと、鉄太郎。
    二人の事情に絡んでくる、背後の対立関係が結構複雑なのが難ですが、こなぎと鉄太郎が惹かれ合う姿にヤキモキ、ドキドキと心躍らせていました。
    ...続きを読む
  • 心がわり 狸穴あいあい坂
    シリーズ第三弾。

    道三郎への思いを秘めたまま、小山田家へ嫁いだ結寿。

    婚家に降りかかった災難を機に、小山田家の嫁として生きていく覚悟を決めたのは、結寿の成長ともいえますが、何とも切ないと思ってしまいます。
  • 恋かたみ 狸穴あいあい坂
    シリーズ第二弾。

    惹かれあう結寿と道三郎ですが、結寿に縁談が持ちあがります。
    障害をクリアできないまま、着々と縁談は進んでいき…。
    現実的な選択をせざるを得ない結寿ですが、つのる未練にどう向き合っていくのか。切ないですね。
  • 狸穴あいあい坂
    ひょんなことから知り合った、元火盗改の祖父と暮らす結寿と、隠密回り同心の妻木道三郎。
    協力して事件を解決していくうちに二人は惹かれ合うのですが、火盗改方と町方は仇敵の間柄という事で、ロミオとジュリエットばりの障害を乗り越えられるのか、恋の道行きが気になります。
    大家で口入屋の息子の小源太や、道三郎の...続きを読む
  • 尼子姫十勇士
    身内を粛清してまで生き延びたにもかかわらず毛利という縁もゆかりもない侵入者に領地を奪われ壊滅させられた尼子家。再び月山富田城に自ら立つことを夢見ながら尼子再興を願い大義に酔いしれた男たちと女たちの物語。怨嗟、裏切り、愛、悲哀、様々な感情を味わわせてもらった。いろんな意味で人は変わっていく。非常な残酷...続きを読む
  • 幽霊の涙―お鳥見女房―
    シリーズ第六弾。

    密命を受けた久太郎を案ずる矢島家の面々。どんなに辛い事も明るく乗り越える珠世さんのマインドは、見習いたいものがあります。
    一方、石塚家の子らはすっかり成長しましたね。
    生まれたばかりの多門が、どんな子に育つのか楽しみです。
  • お鳥見女房(新潮文庫)
    シリーズ第一弾。

    将軍の鷹狩りの下準備をする、“お鳥見役”を担う矢島家に子だくさん浪人と、彼を仇とする少女が転がり込んできた事から起こる悲喜こもごもが描かれています。
    矢島家当主の女房・珠世さんがポジティブで心が広くて、本当に素敵な人なのです。(私だったら源太夫にイラっとしちゃうと思う・・。)
    ...続きを読む
  • かってまま
    不義の恋の果てに生まれた、「おさい」という女の数奇な運命を綴る、連作短編集。

    各話、おさいに関わる人の目線で描かれているのですが、登場するたびに、おさいへの謎が深まるばかり。
    おさいに何があったのか、そして(おさいは)何を考えているのか・・。私も登場人物達と同様に、おさいに翻弄されたような気持にな...続きを読む
  • こんちき あくじゃれ瓢六捕物帖
    お解き放ちになった瓢六だが、弥左衛門との仲は続き、なにかと役立つ働きを。
    今回も難問の事件を解決する。

    弥右衛門の恋の行方は?
  • 池波正太郎と七人の作家 蘇える鬼平犯科帳
    土橋章宏の「隠し味」は泣けた。
    諸田玲子の「最後の女」は、平蔵が女と情を交わすのが納得いかなかった。
    逢坂剛はまるで漫画の鬼平しか読んでないようなキャラ作りで好きではなかった。
    あとは概ね良しかな。
  • 四十八人目の忠臣
    内容(「BOOK」データベースより)

    赤穂浅野家に仕えるきよは浅草小町と謳われる美女。当主内匠頭の寵臣礒貝十郎佐衛門と、夫婦の約束をしている。だが、内匠頭が吉良上野介を殿中で斬り付け、お家は断絶。礒貝は、家老大石らとあだ討ちを画策する。きよは恋と忠義のはざまで、討ち入りの日を迎える。本懐後も忠義を...続きを読む
  • 四十八人目の忠臣
    武井咲主演でNHKで連ドラ化と云うことで、長い本を読み終わった。討ち入りまでの話が意外に長かった。でも、まあ忠臣蔵の裏話って感じで興味深かった。最後が分かってなかったので、そこまでいくんだと驚いた。ところで、48人目は瀬尾孫左衛門じゃないんだ・・・
  • 四十八人目の忠臣
    武井咲主演でNHKで連ドラ化と云うことで、長い本を読み終わった。討ち入りまでの話が意外に長かった。でも、まあ忠臣蔵の裏話って感じで興味深かった。最後が分かってなかったので、そこまでいくんだと驚いた。ところで、48人目は瀬尾孫左衛門じゃないんだ・・・
  • 狸穴あいあい坂
    元火盗改の祖父と暮らす17の娘が、八丁堀同心と、事件の謎を解いて行く連作短編。
    重いテーマの作品を読んだ後故、恋と捕物の人情溢れる作品にホッとする。
    彼らの周囲に、次々と人が集まり、騒動を繰り広げる展開に、著者の別シリーズ『お鳥見女房』(読書子お気に入りのシリーズ)を連想してしまう。
  • 奸婦にあらず
    2016.8.30
    ★3.1

    ===あらすじ===
    井伊直弼の密偵として、その美貌と才気で幕末の嵐を駆け抜けた女・村山たかの、一途な恋と数奇な一生を描いた長篇小説。彦根・多賀大社で坊人(忍び)として生まれ育ったたかは、内情を探るために近づいた井伊家の直弼と恋仲になる。しかしその後、苛酷な運命が二人...続きを読む
  • 恋かたみ 狸穴あいあい坂
    これってシリーズ第二作目だったんだ。
    なかなか面白かった。短編なせいかちょっと簡単にことが進みすぎる気もする。
    二人の恋はなんだかんだと成就するかと思ったのに残念。でもきっとそれがまたお話としてはぶれてなくて良いんだろうな