斉藤道雄のレビュー一覧

  • 治したくない――ひがし町診療所の日々
    『「先生、なんかやんないの?」診療が一息ついたところで、“師長さん”が先生に横目で語りかける。「あたし手伝うからさ、やんなさいよ」』―『あたしがなるから』

    あたしが患者になってあげるから、新しい診療所を開きなさいよ、という看護師の言葉に背中を押されて本書が取り上げる「浦河ひがし町診療所」の精神科医...続きを読む
  • 治りませんように――べてるの家のいま
    統合失調症を理解するために手に取った。北海道のクリスチャン界では「べてるの家」はわりと有名なのではないかと思う。カトリックのうちの母も知っている。

    患者さんたち(みんな統合失調症)のエピソードの中に、病院で同じ入院患者を刺し殺した人と、殺された人の家族のものがあった。重大な事件ではあるが、みんなそ...続きを読む
  • 治したくない――ひがし町診療所の日々
    「くらしと教育をつなぐ We」2022年12・1月号の「日々、手話、楽し。」という明晴学園の事務職員で手話通訳者で学園の写真を撮っている清水愛さんのインタビューを読んだ→この学園の校長だった斉藤道雄さんというジャーナリストを知った→著作を読みたいなと思った

    北海道の浦河というところで、日赤病院の精...続きを読む
  • 手話を生きる――少数言語が多数派日本語と出会うところで
    知った気でいたことが何段階にも知らなかったことで上書きされていく。圧倒的多数による無意識の思い込みや一方的な対策など。効率重視や知ろうする努力を怠ることの危うさを強く感じる。
  • 治りませんように――べてるの家のいま
    精神障害者施設がべてるの家でのエピソードや理念が書かれている。手厚い就労支援と当事者研究を行うこの施設では、病気を治すことでなく病気と生きることを大切にしている。だからこその苦悩、豊かさを知ることができる1冊。

    自分が病気になったときと同様に、精神障害者は病気を治したいと思っていて当然だと思ってい...続きを読む
  • 手話を生きる――少数言語が多数派日本語と出会うところで
    卒論で使わせていただきました。
    手話とは何か。歴史から現代の教育においての実態まで読みやすく分かりやすい。
  • 悩む力――べてるの家の人びと
    【繋がる】

    人はなんのために生きるのか?
    人間の繋がりのために生きている。

    病気を抱えている時は
    みんなと一緒にいること
    みんなの中に入って、自分のことを話すこと。

    精神障がいを抱えている人達の生き方に学ぶことで、誰もが幸せに生きられるだろう。
  • 手話を生きる――少数言語が多数派日本語と出会うところで

    手話は私達の言葉

    私は聴覚障害者ですが、この本は本当に素晴らしく良いです。ろう学校に手話教育を教えるのが必要です。口話教育だと聴覚障害の子供達はほとんど解らないまま、普通の教科書を読んでも言葉の内容が伝わりません。私は聴覚障害児にとって手話が当たり前の言葉です。口話教育を受ける必要がなく受ける意味がありません !
  • 手話を生きる――少数言語が多数派日本語と出会うところで
    なぜ「手話で生きる」ではなく「手話を生きる」なのか、読んで納得。手話は日本語の補助ツールではない。むしろ、ろうの人にとっては第1言語であり、日本語は第2言語。まずそれを理解しないと何も始まらない。人工内耳を拒んでまでろうでいたいという気持ちには複雑な思いがする一方で、人間としての尊厳をベースに考えれ...続きを読む
  • 手話を生きる――少数言語が多数派日本語と出会うところで
     各地で自治体主催の手話教室が開かれ、多くの手話サークルが活動する中で、日本手話に対する理解はまだまだ途上にあるということに驚きました。ほんの十年前の2006年に、元聾学校校長という方が「日本語体系の習得は手話では難しい」と新聞に寄稿していたこととか(p73)。また、ろうあ連盟が「手話を『日本手話』...続きを読む
  • 悩む力――べてるの家の人びと
    結局、飾って装っても、そこで一瞬はしのげても、違和感しか生まれない。そればらば最初から裸で、自分を相手に預けるようにいたい。わたしというのは、自分の中にはいなくて、「あいだ」にあると思う。


    ●以下引用

    もし管理上の規則があったら、すべてが「規則にこう書いてあるから」と片づけてしまい、ひといひと...続きを読む
  • 悩む力――べてるの家の人びと
    精神疾患を持つ人々が共同で暮らす北海道の「べてるの家」のルポ。精神病に馴染みのない人が読んでも感じる事、教えられる事が沢山ある。社会からこぼれ落ちた(排除されてしまった)人々が寄せ集まり、自分を語り、周りとつながりながらその人の人生を生きている姿は、私たちが普通だと思っている人生よりも、どれだけ人間...続きを読む
  • 治りませんように――べてるの家のいま
    べてるの本三冊目。べてるってすごい、べてるに行くと救われる、べてるは最先端の障がい者コミュニティ。こんな印象を持った二冊の後でのこの本。べてるの人の抱えた病、生きづらさが、重たかった。先日精神科医が患者に刺されてなくなるという痛ましい事件が起きたばかり。べてるでも患者同士の事件が起きていたのですね。...続きを読む
  • 治りませんように――べてるの家のいま
    369.2
    病気との共生
    アウシュビッツで1人生き残った少年が家族に向けて言った「大丈夫、ぼくは幸せになりませんから…」
  • 治りませんように――べてるの家のいま
    北海道、浦河の精神病を抱えた人たちのコミューン、べてるの家の人々についての取材報告。
    長年継続して取材してきたTVディレクターによる報告なんだけど、とても内容が濃くて感動もの。看護、介護福祉関係者は、必読だろうね。
  • 悩む力――べてるの家の人びと
    2002年発行。外部のジャーナリスト、斎藤道雄さんによる取材をまとめたもの。べてるのこれまでと現在を描いているが、同時に筆者自身が、べてると出会い、語り、受容し、変容する様子が描かれている。
  • 悩む力――べてるの家の人びと
    この人たちは病気によって幸せを奪われているのではなくて、本来的に人間に与えられている「苦労が奪われている」人たちだと考えた。ー本文より
  • 悩む力――べてるの家の人びと
    ものすごくよかったです。自立とは何か、働くとは何か、障害者と健常者の境目はどこにあるのか。「治る」とはどういうことか、考えさせられた。
  • 原爆神話の五〇年 すれ違う日本とアメリカ
    原爆神話。原爆によって100万人の命が救われた。根拠のない数字がものの見方を変える。半数のアメリカ人にとっては原爆は人命を救ったもの。絶望的な意見の乖離。
  • 悩む力――べてるの家の人びと


    みすず書房 斉藤道雄 「悩む力」 べてるの家 の人びと


    総合失調症患者の共同生活の場であり、仕事の場でもある「べてるの家」の活動記録。病気を折り込みながら 自立的な生活と仕事の日々を送っている


    病気を折り込んだ自立支援の例
    *不平等の貫徹〜できる人が仕事をし、できない人は仕事をしない
    ...続きを読む