赤江瀑のレビュー一覧
-
赤江瀑の妖美で端麗な幻想的ワードセンスが目眩する程に耀く短編集。表題作「罪喰い」や電子版のみ追加された「獣林寺妖変」も勿論名作だが、それ以上に花香ただよう庭の魔力に翻弄される「花夜叉殺し」が酔わされる大傑作。Posted by ブクログ
-
表題作が一等に好き。
全話がとても身近に死があるからこそ生きる人の話。そうでなければとっくに消えていたんだろうと感じる。
明確な見えない隔たりがある死を、丸呑みした味は様々であろうが、甘美であれと祈りたい。狂ってしまっているならば。Posted by ブクログ -
320
相思相愛の野田涼太郎と初めて結ばれた翌日、なぜか吉村深美は野田の前から姿を消した。そして一年後、牡丹で知られる奈良の長谷寺の門前町・初瀬で、死体となって発見された。琵琶の撥で手首を切り、琵琶の裏甲には万葉集の恋歌三首が書き遺されていた。野田は深美の死因を求めて初瀬に赴くが、そこでみたのは不思...続きを読むPosted by ブクログ -
思わせぶりな事件が続くものの、それらとは全く無関係な破局が唐突に訪れる表題作に代表されるように、伏線を張って結末で落とすような、一般的な短編小説の結構を無視したような作が多く、その壊れ方が小気味よい。無理矢理にオチを付けたような作が並ぶのだが、それが荒になっていないのが不思議。Posted by ブクログ
-
「七夜の火」の読後、なんだかジトーっとするようなものを感じた。春喪祭という本は、全体を通して何か拭えないものがあるように思えた。これも赤江瀑という作家の魅力なのかもしれない。Posted by ブクログ
-
愛と憎しみの入り混じった短編集。
妖艶な雰囲気を感じさせる時代背景と文章がグイグイお話に引き込まれて行きます。
人への愛やモノへの愛、対象はイロイロですがどれも狂気の愛を感じさせます。Posted by ブクログ -
そう言えば未読だったなぁ……と、ふとタイトルを思い出し、古本屋さんで購入。
赤江さんの本は短編選集だったら多分新品で入手可能なはずだけど、
読みたい作品が入っていたりいなかったりするので、
またしても中古本に走ってしまうのだった。
表題作は諸星大二郎ファンなら「妖怪ハンター」シリーズ《水の巻》で
お...続きを読むPosted by ブクログ